金曜は、在宅勤務。
仕事の後、Kinoシネマみなとみらいで、
「猫は逃げた」。
これは、「愛がなんだ」の今泉力哉監督と、「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督が、お互いの脚本でラブストーリーを制作する「L/R15」プロジェクトによる、城定脚本・今泉監督作品。
メインキャストの4人は、モデル・アーティストとして活躍する山本奈衣瑠、「ケンとカズ」以来、快進撃が続く毎熊克哉、「愛のくだらない」の新星・手島実優、「ミュジコフィリア」の井之脇海と言う旬の俳優の共演。
女性けエロ漫画家の町田亜子と、作家志望だったが結婚を機に雑誌記者の仕事に就いた広重の夫婦。夫婦関係は冷え切っていたが、亜子から差し出された離婚届に、広重は飼い猫カンタの親権を持ち出して決断を先延ばしにする。
広重は、同僚でカメラマンの真実子と不倫恋愛中だが、広重のそんな煮え切らない態度に真実子のイライラは増すばかり。一方、亜子は担当編集者の松山と体の関係を持ってしまう。
そんなある日、カンタが家からいなくなってしまう。亜子はカンタの散歩コースの河原を夜中まで必死で捜し歩くが……
これは、夫婦の行き違いを描くラブコメディ――夫婦喧嘩は“犬も食わない”ものだが、そこは猫なので巻き込まれないようにとっとと逃げ出してしまうのだ。
この映画は、「愛なのに」の逆の作りで、見せ場としては今泉力哉監督ならではの会話劇なのだが、その一方で、登場人物が夫婦と不倫相手の4人+猫に限られる人間関係の狭さ、そして、夫婦の諍いと言う物語中心が、ちょっと今泉監督らしくない、と思う人もいるかも知れない。
キャストとしては、手島実優がいい。佐々木希をちょっと太めにしたような感じ?の女優で、しゃべり方に何とも言えない魅力がある。また、ヌードを厭わない積極性も、“買い”だろう。
また、作中で映画監督を演じるのは、お笑いコンビ・オズワルドの……と言うか、伊藤沙莉の兄、伊藤俊介だ。
もっとも、この映画で、一番の存在感を見せるのは、カンタを演じる猫のオセロであったりするのだが。
映画は亜子と広重の、煮え切らないままで冷めて離婚へと向かう夫婦関係が、猫の失踪で一転……あ、と思わせる展開を見せて、そこから一気に加速する感じ。
クライマックスの4人が一堂に会しての口論がクライマックス――今泉力哉監督ならではの理知的で、尚且つ鋭い言葉がテンポよく飛び交う展開は、まるで良質のアクションコメディを観ているかのような面白さがある――笑いあり、サスペンスありの痛快さ。
そして、最後は猫が全てを締めてしまう。
終わってみれば、全て収まる所に収まった、何ともほんわかしたラブコメディ。これは楽しい。
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