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2022年03月23日00:05

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水曜は……

 水曜は、在宅勤務。
 仕事の後、Kinoシネマみなとみらいで映画2本。

 まず、1本目は、
 「その日々が凪いだら」。

 これは、映画と音楽の掛け合わせにより新たな映画制作企画を具現化するプロジェクト「MOOSIC LAB」にて、2019年、「ゆうなぎ」のタイトルで公開された青春群像劇。弱冠21歳、前作「なみぎわ」が数々の映画祭に入選して注目を集めた常間地裕が、人気ロックバンドの羊文学を迎えて制作した、長編デビュー作となる。

 故郷に背を向けて上京、建設会社で現場作業員として働く宮嶋大翔は、花屋で働く望月双葉と出会い、いつしか共に暮らすようになる。
 時代は平成から令和へと変わったが、大翔と双葉の日々は穏やかに流れ、変わらず続いていくように思えた。ところが、東京五輪開催に向けた区画整理で、住いのアパートの取り壊しが決まり、ふたりの生活は変化を余儀なくされて……

 これは令和と言う時代を生きる若者たちの”現在”を描く物語――とは言え、惰性で同棲しているようなふたり、学生気分の抜けない会社員と言う登場人物が、翻弄されるようなドラマのうねりがある訳ではない。そんな日々を過ごす若者らの思う「凪」とは?と疑問を覚えたが……激動の昭和も遠く、平成生まれの若者にとっては、この惰性に流される日々も、逃げ場のない激流に感じられると言う事か……

 殊更にエピソードを盛らず、細やかな日々の積み重ねが変化を生んで行く物語には、最近の青春映画とは一線を画したリアリズムがある。
 その一方で、大きなうねりを生む物語背景のリアリティの欠如、ありがちな展開は、まだ若い監督の経験不足によるものだろうか?
 いずれにせよ、安易にドラマを作らず、大騒ぎもせず、扇情的にも感情的にもならない映画には好感が持てる。常間地裕監督の今後に期待したい。

 2本目は、
 「アンネ・フランクと旅する日記」。

 これは、「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督による、「アンネの日記」をモチーフにしたアニメ。

 第二次世界大戦中のオランダで、ナチスによるユダヤ人迫害からの隠遁生活中にアンネ・フランクが空想の友達であるキティー宛に綴った日記のオリジナルは、今はオランダ・アムステルダムにあるアンネの生家を改築したアンネ・フランク博物館に保管されている。
 ある激しい嵐の夜、「アンネの日記」から、キティーが実体化――今が1944年だと思っているキティーは、消えてしまったアンネを探して、現在のアムステルダムの街を駆け巡る……

 「アンネの日記」を映画化するに辺り、今や、ホロコースト被害の象徴として、そして、アムステルダムの観光資源として祭り上げられたアンネ・フランク像を一度リセット、ユダヤ人迫害と言う苦境においても、縛り付けられる事がなかった彼女の想像力を、アニメーションと言う表現により再提示する、と言う試みは成功しているように思う――映画の世界に胸躍らせ、クラーク・ゲーブルとの結婚を夢想し、全ての障害を打ち砕く戦いに臨む……その一方で、同居する少年との疑似恋愛に逃避し、母に反抗し、時に将来を悲観するアンネの日常も描かれるのだ。
 現実のアンネらのイメージを反映したキャラクター設定にはいささか癖があり万人向け……特に子供向けとは言えない絵柄だが、丁寧に作られたアニメだと思う。

 気になったのは、現代パートで難民問題を絡めた部分……どんな悲惨な歴史を刻んでも、そして、その当事者であって尚、人は誰かを傷つけると言う悲劇、それを描く意味は理解するのだけど、いささか稚拙で決着も安易に感じた。
 映画が語るべきは、キティーが日記を抜け出し、実体化した、その理由にこそある、と思うのだが…… 
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