月曜は在宅勤務。
仕事の後、今日はシネマジャック&ベティで、映画2本。1本目は、
「ローラと2人の兄」。
これは、俳優としても活躍するジャン=ポール・ルーヴによる長編監督4作目。
主人公のローラを「スイミング・プール」のリュディヴィーヌ・サニエ、その2人の兄を、「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」のジョゼ・ガルシアと、ジャン=ポール・ルーヴ監督自身が演じる。
弁護士のローラには、眼鏡士のブノワと、解体業者のピエールと言う2人の兄がいる。
ブノワの3度目の結婚式で、大遅刻をしてきたピエールの失礼なスピーチが原因で兄弟喧嘩が勃発。しかも、ピエールは深刻な仕事のトラブルを抱え、新婚早々ブノワは妻とすれ違うことに。
一方、ローラは、離婚調停の依頼人だったゾエールとの恋が始まって……
これは、めんどくさい兄ふたりから愛されまくりの妹、と言うちょっと変わった家族と兄弟の物語。
変にプライドが高く、本心を明かさないピエールも相当だが、あちこち完全にズレまくってるブノアの方が困った人だ。映画は、そんな2人が巻き起こす騒動をコメディ仕立てに描き、しっかり者の妹と対比させて描く……言うなれば、寅さんが2人いるさくら、と言う図式。
ただ、ジャン゠ポール・ルーヴは、コメディのセンスが今ひとつで、笑える、と言うよりも困惑する感じが多かった。
でもまぁ、めんどくさかろうが、困ったものだろうが、それでも結びついているのが家族であり、兄弟と言うものか……
ローラを演じるリュディヴィーヌ・サニエは、「8人の女たち」での大女優に囲まれた可憐な少女、と言う印象が強く、そんな彼女も最早アラフォー?とびっくりもしたのだけど、そうか、あれから20年も経つのだものなぁ……
もう1本は、
「成れの果て」 。
これは、2009年度サンモールスタジオ最優秀脚本賞受賞の同名戯曲を宮岡太郎監督が映画化したもの。
主演は、「37セカンズ」や「街の上で」などで、脇役ながら存在感を見せていた萩原みのり。共演は、「千と千尋の神隠し」の柊瑠美、「あの頃。」の木口健太。
東京でファッション業界で働く小夜のもとに、故郷の田舎町に暮らす姉のあすみから連絡が入る。結婚すると告げたあすみの結婚相手は、布施野と言う男。布施野は、8年前、高校生だった小夜をレイプした男だったのだ。
小夜は居ても立ってもいられず、友人のエイゴを連れて故郷に帰る。小夜が突然の帰郷を引き金に、小夜とあすみの周りの人々の業が徐々に炙り出されて……
妹をレイプした男と結婚しようとする姉――これは、魅力的で奔放な妹に対する、地味で控えめな姉の嫉妬心から来る復讐なのだが、これはさすがにちょっと考えられない……まぁ、一歩譲って、舞台劇なればこそ、虚構と知れている舞台の上だからこそ許される物語だろう。映画にするならば、設定や展開の見直しが必要なのでは、と思った。
舞台劇らしく、物語はほぼあすみの暮らす家の屋内で展開……広がりを欠く人間模様や、回想シーンの徹底的な排除も舞台劇ならではのものだし、台詞の内容や、その応酬も演劇的だ。
だが、そんな映画の中で、萩原みのりがひとり、異彩を放つ。
物語展開的にも閉鎖的ながらも安定して穏やかだったあすみの暮らしを破壊していくのが萩原みのり演じる小夜の役回りなのだが、萩原みのりは、その枠を超えて映画そのものを破壊しそうな存在感を示すのだ。
彼女は、何時破裂するか判らない爆弾のように登場、その大きな猫目が放つ目力には、悪魔的とさえ言える輝きと凄みを感じた。
物語としては、これはあすみの復讐譚であり、ラスト、意表を突かれるあすみの爆発がそのクライマックスである筈なのだが、物語の中の小夜同様、萩原みのりがおいしい所は全部持って行ってしまい、肝心のクライマックスも切れ味と凄みを失ってしまっていた。
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