木曜、仕事を早めに切り上げ、あつぎのえいがかんkikiで、
「ドント・ルック・アップ」。
これは、巨大彗星衝突による人類滅亡の危機を描くNetflixオリジナル映画。
主演はレオナルド・ディカプリオで、監督は政治風刺コメディを得意とするアダム・マッケイ。
12月24日からのNetflixでの配信に先立ち、12月10日から2週限定で劇場公開されている。
ミシガン大学の天文学者ランドール・ミンディ博士は、研究室の大学院生ケイトが発見した巨大彗星の軌道計算を行ううち、地球に衝突する事を発見。NASAに報告を上げた二人はワシントンに呼ばれ、迫りくる危機を知らせるべく、大統領に面会するが、中間選挙に向け、自身のスキャンダル潰しに懸命な大統領に、まともに相手にして貰えない。
マスコミにリークを試みるも、大手新聞社からは「頭がおかしい」と記事にして貰えず、TV番組に出演しても、面白おかしく茶化されるだけ……果たして2人は彗星衝突の危機から地球を救うことが出来るのか?
この映画だが、キャストがとんでもなく豪華。主役のランドールがレオナルド・ディカプリオ、ケイトをジェニファー・ローレンス。大統領はメリル・ストリープが演じ、他にケイト・ブランシェット、ジョナ・ヒル、アリアナ・グランデ、マーク・ライランス……スケボー抱えたストリートキッズがティモシー・シャラメですからね、Netflix恐るべし。
それにしても、本作のディカプリオは増量もして、すっかり、冴えないおっさんと化している……TV局でアリアナ・グランデで話しかけるも、
「ウザいから話しかけるな、じじい」
と一蹴されてしまうのだから……あのレオ様が。
そして、これだけのキャストを集めて、作るのはバカ映画……事態を深刻に受け止めているのは、主役など数人だけで、登場人物の殆どが自分の快楽と利益の事しか考えず、地球の危機など真に受けない――大統領は、人類滅亡よりも中間選挙の結果の方が重要だし、TV司会者など「彗星がぶつかって別れた女房の家が吹っ飛んでくれればスカっとするね!じゃ、次の話題」と言う始末。
しかし、政治風刺を得意とするアダム・マッケイが、ただのバカ映画を作る訳がない。よく観れば、これは現実をカリカチュアライズして描いている事が判る。
現実に迫る地球温暖化による破滅に際しても、温暖化を政争の道具にする政治家がいて、グリーン・ウォッシュを呼ばれる環境ビジネスで巨利を得る経営者がいて、メディアも親権に取り上げず、温暖化の危機を訴えるグレタ・トゥンベリを面白おかしくこき下ろす……映画が描いているのは、そんな現実の鏡像なのだ。
「なぜ、人の言う事をちゃんと受け止めない?茶々を入れて受け流すだけでいいのか?」
と言うランドールの叫びには、アダム・マッケイ監督がこの映画に込めた想いを感じた。
映画の中の、登場人物の身勝手さや愚かさを笑った後で、それが現実も変わらない、と気づいた時に背筋が寒くなる、これはそんな映画だ。
PS
この映画、そんな風にバカにされているのが自分だ、となれば全く面白くないものだろう……この豪華キャストの超大作が、日本ではほぼ無視された状態である事にも薄ら寒い想いにさせられる。
ログインしてコメントを確認・投稿する