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2020年08月25日00:41

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土曜は……

 土曜は、午後、チネッチッタで映画2本。

 1本目は、
 「きっと、またあえる」。
 これは、「ダンガル きっと、つよくなる」のニテーシュ・ティワーリー監督による笑いと涙の物語。

 アニは、名門・インド工科大の卒業生。息子のラーガヴにも、合格率1%と言う難関を突破し、入学する事を望んでいた。
 だが、ラーガヴは懸命に勉強するも不合格となり、父の期待に沿えず、負け犬となった事を苦に自殺を図る――何とか一命は取り留めたのだが、生きる気力がなければ回復は望めない。
 アニは、学生時代に、負け犬根性の染みついた最下位の大学寮に入りながらも、その現状をよしとせず、寮対抗競技会で優勝すべく仲間と共に頑張った事を息子に語る……そんな病室には、かつての大学時代の仲間たちが集まって……

 この映画、お気楽学園コメディを期待していたら、受験のプレッシャーに押し潰され、自殺をする若者、と言う、学歴偏重と熾烈な受験戦争が問題視されているインドの現状を描き始める、と言う重い展開。
 そんな人生に絶望した若者に希望を与えるのが、親世代のバカ話……と言う、常識的には考えられない展開で、強引に学園コメディに持ち込んで行く力技。 
 ニテーシュ・ティワーリー監督の実体験に基づく、と言う大学の寮対抗戦は、面白くも盛り上がり、最後のバスケの試合には思わず手に汗握るのだが……やはり、自殺を図って生死の境を彷徨っている若者に聞かせて、生への執着を起こさせるものなのか、と言う違和感は最後まで残った。
 むしろ、親友の息子の危機に、仕事を放り出し、地球の裏側から駆けつけてくれる生涯の友人を得た、と言う部分こそ、希望になるのではないか、と思ったり……

 まぁ、そんな感じで、構成や語り口に強引さを感じてはしまうが、それでも勢いで見せるのが現在のインド映画か……インド映画ならではのストーリーに関係のないミュージカルシーンは廃して比較的コンパクトにまとめたのも国際市場を意識しての事だろうし、実際、それだけの力量は感じる。
 これもまた、現在のインド映画の勢いを感じさせる1本だ。

PS
 このように人生の素晴らしさを謳い上げた本作の主演、スシャント・シン・ラージプートは、本作撮影後に自殺……その理由は伝えられてはいないが、ちょっと複雑な気持ちになった。


 2本目は、
 「二分の一の魔法」。
 これは、ピクサーの新作アニメ映画。魔法が消えてしまったファンタジー世界で、繰り広げる魔法を取り戻す物語。
 声の出演は「スパイダーマン」シリーズのトム・ホランドと、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」のクリス・プラット。
 監督は「モンスターズ・ユニバーシティ」のダン・スキャンロン。

 剣と魔法のファンタジー世界も、今や昔話。人類が生み出した「科学」により、エルフやホビットらも、この便利な世界に慣れ、世界から魔法は消えてしまった。
 そんな世界に暮らす内気な少年イアンは、16歳の誕生日に魔法の杖を貰った事をきっかけに、自分が生まれる前に亡くなった父に一目会うため、好奇心旺盛な兄バーリーと共に、魔法を取り戻す冒険の旅に出るが……

 この映画、自分を変えようと願う孤独な主人公と、歴史の研究家――実はゲームオタクの騒々しい兄の繰り広げる珍道中と、それを追いかける過保護気味の母親、と言うロードムービー。
 しかし、その“旅路”は僅か24時間。立ち塞がる敵もいなければ、謎解きも安易。最後の呪いも、母親がしっかり解決策を準備してくれる、と言う低難易度の冒険。
 だが、本来の生き方を取り戻し、家族を再構築する、と言うドラマを、細部まで作り込まれた世界観と、よく練り込まれた脚本で描くのは、さすがはピクサー。
 まぁ、ピクサーらしく、ロマンス欠如が物足りなくもあるのだけど、最後はなかなか感動的だった。
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