水曜の定時日、17時過ぎには会社を出て、ららぽーと横浜で19時過ぎの映画なら余裕、と思ったのだが……すっかり交通渋滞も元通り。ららぽーと横浜着は19時過ぎ、既にレストランの多くはラストオーダーの時間を過ぎており、仕方なく博多ラーメンすすり込んで2ヶ月ぶりのTOHOシネマズへ。
名島亭の博多とんこつラーメン。
今日の映画は、
「ANNA/アナ」。
リュック・ベッソンが製作・監督・脚本を務め、女暗殺者の死闘を描いたアクション。
主演のアナを演じるのは、ロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルス。
1990年、モスクワで、パリのモデル事務所にスカウトされてデビューした大学生のアナは、たちまち売れっ子となる。やがて事務所の共同経営者のオレグと付き合い始めるが、武器商人というオレグの裏の顔を知ったアナは、隠し持っていた銃でオレグの頭を撃ち抜いた――アナの正体は、ソ連の諜報機関KGBの殺し屋だったのだ。
物語はその3年前に戻る、そして――
この映画は、リュック・ベッソンお得意の「戦うヒロイン」もの。アクションシーンはリアル、と言うよりも、サッシャ・ルスの長い手足を活かし、エロ格好よく戦う様を見せるもので、リュック・ベッソンならではの様式美、と言う所か。
類似作としては、ジェニファー・ローレンスの「レッド・スパロー」があるが、あんなに重くもなければリアルでもない。ただ、音楽に乗せてアナの“仕事”をテンポよく見せていくなど、やはり、リュック・ベッソンならではの娯楽性も高い。
また、この映画、なかなか凝った構成で、ドンデン返しを仕組んだ映画が、クライマックスで物語をひっくり返し、ネタバレのように回想シーンを描いて行くのはよくあるが、この映画は、それを短いスパンで繰り返す。華やかなトップモデルがKGBの殺し屋に、だが、彼女はかつて底辺暮らしのチンピラの情婦だった。やがて彼女はCIAに拘束されて2重スパイとなって……と、アナの表と裏、どころではない様々な表情を、様々な側面から描いて行く――これはなかなか面白いものだった。
その一方、リアリティが全体的に乏しく、1990年と言うのにコンピューターや監視カメラ群がハイテク過ぎて21世紀の話としか思えないとか、クルマが妙に新しいとか、時代考証も怪しければ、ソ連崩壊前夜と言う時代設定が全く活かせていない物語にも物足りなさを感じるし、折角の凝った構成が、描こうとするテーマを語るのに活かされていないように思えるなど問題と言うか至らぬ部分が山積……まぁ、そんな所もリュック・ベッソンなのだが。
アナを演じたサッシャ・ルスはこれが映画初主演ながらも健闘。やや癖のある美貌だが、確かに個性的だし、アクションも相当本人が頑張っている感じだ。
その脇を固めるのは、ルーク・ウィルソンにキリアン・マーフィー、それにヘレン・ミレンと実力派揃い。
これだけのキャストを揃えれば、もっとじっくり見せるドラマも出来そうなのに、それでもヒロインの魅力、そしてエロスとアクションで押し切る、娯楽作にしてしまうのもまたリュック・ベッソンか……
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