土曜日、CB750を引き渡す準備。
勿論、馴染のバイク屋なので、
「洗車はコッチでするから、現状渡しでいい」
とは言われているけれど、10年以上乗って来たバイクだもの、最後の餞別のようなもの。
LEDヘッドランプを元のハロゲンに戻し、洗車をし、くすんで来たトップケースにはコンパウンドをかけ、それからワックスをかけて磨き上げる。シートは洗剤を原液で使って汚れを落とし、エンジンとマフラーには耐熱ワックスをかけた。
……ま、こんなものかな。
夕方、バイク屋に行って引き渡し。バイクは委託販売、と言う形となり、相場を見ながらオークションにかけてくれる事となった。
その後、シネマジャック&ベティへ。
本日から、新型コロナウィルス感染防止策として、チケット販売が半数に制限される(それで隣の人とひとつ空けて座って、とのこと)ので、警戒して早めに行ったにも関わらず、映画館は閑散。
この日観る、
「子どもたちをよろしく」
は、出演者と監督による舞台挨拶付だったのにも関わらず、ガラガラで……それでも「こんな状況でも映画館に来てくれてありがとう」と謝意を示してはくれたけど、ちょっと気の毒なようにも感じてしまった。
「子どもたちをよろしく」
は、映画評論家で元文科省官僚だった寺脇研と、元文科省事務次官の前川喜平が企画し、子供のイジメや貧困を中心に、社会問題を描き出すドラマ。
監督・脚本は、「ワルボロ」の隅田靖が12年ぶりに務める。
北関東・桐生市で、デリヘルで働く優樹菜は、実の母親と義父、義父の連れ子で中学二年生の稔と暮らしている。義父は酒に酔うと、母と稔に暴力を振るい、優樹菜には性暴力を繰り返すが、母は見て見ぬふりだった。
一方、優樹菜の勤め先のデリヘル店で送迎の運転手として働く貞夫は、ギャンブル依存症。家に金を入れず、勤務先からも給料を前借りしては賭け事と酒と女に使い込んでしまう日々。その息子の洋一は、学校で、稔たちからイジメの対象となっていた……
この映画、製作者が認めるように「救いのない映画」。
むしろ、そんな「救いのなさ」こそが、この映画が描こうとするもので、これはもう絶対に大手映画会社では出来ないし、拡大公開される事も期待出来ないだろう。
映画が描こうとするのは、東京五輪に向け、経済発展と復興が謳われる中で、取り残された地方都市と、拡大して行く社会格差。
そんな社会で、上にある者は弱者を踏みつけて痛みを感じようともせず、そして問題から目を背けるだけだし、一方、下となってしまったら、そんな現実から逃避するしかない。
この映画は、そんな現実を、痛みさえ感じさせる程、露骨にエゲツなく描き出して行くのだ。
映画の中心となる子供たちを演じた子役らはみなよくやっている。稔役の杉田雷麟は彼のキャリアからして当然の演技だけど、洋一役の椿三期は、「こんな役をやる子役はいないだろう」と、監督の知り合いの息子を起用、と言う事だが、それまで演技経験なし、と言うのが信じられない……と言うか、いくら知り合いの子供とは言え、監督、鬼だな。
貞夫役は、川瀬陽太だけど……ハマリ役と言っては気の毒なような気もするが、最早、安定のクズ親父っぷり。
映画には確かに救いはないけれど、これは、こんな映画を作った、と言う部分を含め、そんな現実に立ち向う勇気を見せる映画だろう。
映画の最後、そんな現実に絶望して死を選ぶ者がいる一方で、それを「認める」勇気を絞り出した者、そして、そんな現実を「変える」決断をした者を描いて見せる。
それが、この救いのない映画が見せる微かな希望ではあるのだが、そんな勇気を子供たちが絞り出さなければならない、と言う事には胸が痛くなる。
ログインしてコメントを確認・投稿する