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2019年09月30日00:05

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金曜は……

 金曜は、会社帰りにブルク13で、映画2本。

 1本目は、
 「ライリー・ノース」。
 これは、「96時間」のピエール・モレル監督によるサスペンス・アクション。
 夫と娘と共に、慎ましくも幸せに暮らすライリー・ノース。ある日、麻薬組織により、夫と娘の命を奪われ、法にも見捨てられた彼女は姿を消す……それから5年。復讐のため再びロサンゼルスに現れたライリーは、銃を手に次々と復讐を果たしていくが……

 これは、リーアム・ニーソンが老骨に鞭打って頑張り、彼を再びアクション俳優に押し上げた「96時間」を、主人公を女性に代えて作り直した、と言う所か……
 ライリーを演じるジェニファー・ガーナーは「デアデビル」のエレクトラ役など、アクションもこなす身体能力の高さはあるが、彼女も既に47歳、最近ではアクションもご無沙汰となっていた辺りに、似たような狙いを感じる。
 物語としては家族を殺された女性の復讐譚なのだけど、それが地元警察でさえ手が出せない麻薬組織を潰してしまう、と言うのだから尋常ではない。展開にはいささか無理な所も感じるが、それを指摘するのは野暮ってもんか……
 また、そんな物語の中にも、警官の汚職に関わるドンデン返しを仕込み、また、主人公が女性、支持者は貧困層、と言う辺りに、現在アメリカ社会へのチクリと一刺し、と言う部分も盛り込んで――「96時間」同様、この映画もまたシリーズ化を狙っているような気が……


 2本目は、
 「ホテル・ムンバイ」
 これは、2008年、インドの商業都市ムンバイで起きたテロ事件を基に映画化。主演は「スラムドック・ミリオネア」のデーヴ・パテル。
 2008年11月26日、インド・ムンバイで同時多発テロが発生。歴史ある五つ星ホテルのタージマハル・ホテルが武装したテロリストに襲撃され、彼らは手当たり次第に宿泊客と従業員を射殺して行く。そうした地獄絵図の中、料理長のオベロイやその下で働く青年アルジュンら従業員は自らの命を危険にさらしながら、1000人もの宿泊客を逃がそうと奔走し……
 
 この映画、実際のテロ事件の再現と言う事で「ウトヤ島、7月22日」と近いものを感じるが、こちらはかなり脚色されているよう。
 (実際、タージマハル・ホテルには500人が宿泊しており、宿泊客と従業員合わせて32人が犠牲となったのだけど、映画では死者数ははるかに多い)
 アクション・サスペンスとしては第一級で、宿泊しているホテルに銃を持ったテロリストが乱入して来る、と言う日本人にも比較的実感のある展開に加え、人々の間に流れる混乱、緊張、恐怖、憔悴と言う、感情をリアルに描いて、その場に居合わせしまったかのような感覚にさせる巧みな描写で、手に汗握るサスペンスと、胃の腑をつかまれるようなスリルを演出する。
 ハリウッド映画であれば、ここで主人公のヒロイックな活躍を描くのでしょうけれど、この映画はあくまでリアル。
 ホテル従業員をいたずらに英雄視せず、「家族が待っているから」と職場を放棄して逃げ出すのも描き、それを責めようとはしないと言うのは、綺麗事ではない、現実のヒューマニズム。
 また、テロリストを感情のない“敵”として描くのではなく、彼らの行為も故郷の家族を思っての事であり、故郷に電話して涙する場面も描いて、テロリストとて人の子なのだ、とするのも、この映画の見るべき姿勢――まだ十代の純粋だけど無知な若者が、高圧的な指導者に言いくるめられて凶行に及ぶのには、特攻隊員と通じるものを感じて、何とも言えない気分になった。

PS
 主演のデーヴ・パテルは、彼の出世作「スラムドック・ミリオネア」が、このテロの前年、ムンバイで撮影された事もあって、並々ならぬ想いでこの映画に臨んだらしい……
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