水曜日、定時日なのだが、残業時間に会議入って帰れず……予定していた、
「やっぱり契約破棄していいですか?」
には間に合わずで、やはり昨日、仕事で観られなかった、
「SHADOW 影武者」
を代わりに観る事にした。
これは、チャン・イーモウ監督による武侠映画。
主演は「人魚姫」のダン・チャオ。ヒロインは、ダン・チャオの妻である、スン・リー。
戦国時代の中国。小国・沛は、領土の境州を奪った強大な炎国と休戦同盟を結んでいた。
そんな仮初めの平和を重臣である都督は苦々しく思っていたが、若き王は炎国との諍いを許さなかった。そんなある日、都督は王の許しを得ず、炎国の楊蒼将軍に境州での対決を申し込む。王は激怒して、都督を解任――だが、その都督は。病魔に冒された彼の影武者であった。
役を解かれた都督は、影武者を立て、私人として楊蒼将軍との戦いの準備を進めて……
この物語、三国志の「荊州争奪戦」を基にしているものの、映画は三国志の世界を離れ、チャン・イーモウ監督の美意識に貫かれた映像美で綴られたものとなっている。
それは、陰と陽の太極図をモチーフとした水墨画の世界。
雨の降り止まない背景は、正に水墨画の世界で、映像もモノトーンに近い、彩度を抑えたもの。武侠映画ではあるものの華美ではなく、物語のスケールも小さくまとまっており、まるで日本の時代劇のようであり、黒澤映画の影響を感じられるもの。
そうして描かれる、人と影……影武者の物語は確かに一見の価値あり。
アクションを期待すると拍子抜けするかも知れないが、まるでシェイクスピア劇のような王宮にうごめく陰謀と恩讐……それを独自の世界観で描く、チャン・イーモウ監督ならではの絵物語、と言う所で、見応えは充分だ。
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