金曜、午前半休とって、
「荒野の誓い」。
これは、クリスチャン・ベール主演の西部劇。
1892年、ニューメキシコ州。300年も続いたインディアン戦争も一段落し、騎兵隊の英雄として謳われたジョー・ブロッカー大尉は、疲弊した部下と共に退役を考えていた。
そんなブロッカーに、シャイアン族の酋長イエロー・ホークを、彼の故郷のモンタナまで護送せよ、との任務が下される。かつての宿敵を護る、と言う任務に反発するも、大統領令を見せられては逆らえない。途中、コマンチ族に家族を殺された女性ロザリーを加え、旅は続くが……
これは、西部開拓の裏にあったインディアン(=アメリカ先住民)との戦い、と言う暗部を描く映画。
こうした自国の暗部に向き合う姿勢は、いかにもアメリカらしくあるし、そこに戦争によるPTSDなど、戦後を生きる兵士の苦しみなど現代に通じる内容を盛り込んで、今描かれる映画としている。ただし、黒人や女性の扱いがいかにも現代的で、しかも、インディアン政策に対し、「人道的観点から」などと言う言葉が出て来るのには違和感がある――当時は19世紀なのだから、「人道」と言うものが適用されるとしても対象は白人男性に限定される筈だ。
いかにもアメリカらしい雄大な風景と、その中を馬で旅するスタイル、そしてお約束の銃撃戦、と西部劇としての体裁を整え、その中で描かれる、民族と因縁を超えた男の友情……重厚なテーマを抱えつつ、しっかりエンターテイメントしているのは好感が持てるし、ラストシーンに代表されるよう、決断を劇的に描かず、抑えた描写としているのもいい。
これは見応えのある映画だ。
夜は、当初の予定を変え――要は間に合わなかったのだけど――チネチッタで、
「アス」。
これは、「ゲット・アウト」のジョーダン・ピールによるスリラー。
アデレードは幼い頃、両親と遊園地へ出かけ、ミラー・ハウスに迷い込む。その鏡の迷路に映っていたのは自分とそっくりな少女だった。
そして現在。夫と、2人の子供と共に、当時の家を訪れたアデレードだが、幼い頃の記憶が彼女の不安をあおり立てる。
その夜、気配を感じて外を見ると、自分たち家族と同じ姿格好の4人が玄関の前に立っていて……
「ゲット・アウト」も、“一番怖いのは人間”と言う映画だったが、これまた人の業が生むスリラー。
まぁ、ネタバレになっているので詳しくは書かないけれど、これも格差社会を描くもので、人は生まれた環境で、その後の生き方が変わってしまう、と言う事をテーマとしている。
これは、ジョーダン・ピール監督が、少年時代、地下鉄構内で暮らすホームレス家族を目にし、自分がそこに生まれたら、或いは、そこで育った子供と入れ替えられてしまったら……と妄想して恐怖したのが根底にある、と言うのですが……映画は、その“入れ替わり”の恐怖が案外あっさりとしていたな、と言う印象。
中盤のスプラッター描写(これがあまり怖くない……ギャクも入っていささかブラックジョーク的なものとなっているから)に尺を取るなら、格差社会のもう一方や、そちらの世界と入れ替わってしまったが故の孤独と恐怖を描いた方がよかったようにも思った。
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