土日で映画5本。
土曜日、1本目は、「エンジェル、見えない恋人」。
これは、透明人間の少年と盲目の少女の恋を幻想的な映像美で綴るラブストーリー。
心を病み、施設に入ったルイーズは男の子を生む。エンジェルと名付けられた彼は、姿が目に見えなかった。エンジェルは成長すると施設を抜け出し、盲目の少女マドレーヌと出会って……
特色は、基本、透明人間のPVで撮られている事で……これはなかなか面白い工夫。
透明人間が盲目の少女に恋をして、少女は盲目故に彼に普通に接しているのだけど。彼女が視力を取り戻した途端にホラーになる面白さ。
見えないことで見えてくるもの、見えることで見えなくなるもの……と言う人の認知能力を問う物語もなかなかだし、悲恋に終わりそうな内容を、ハッピーエンドにするのも剛腕だ。
2本目は、ブルク13に移動し、「スマホを落としただけなのに」。
これは、「このミステリーがすごい!」大賞・隠し玉に選出された同題小説を「リング」シリーズの中田秀夫監督が映画化したもの。
物語は、麻美が恋人である富田がスマホ落とした事から始まる。スマホは無事に戻って来たのだが、その日を境に、麻美の周囲では奇妙な出来事が起こり始め……
この話、多くの人が持ち、その個人情報を詰め込んでいるスマホが他人の手に渡ったら……と言う、誰にでも起きかねない恐怖を題材にしたもので、描き様によっては、多くの人に共感と恐怖をもたらし、もっと面白く出来そうな内容なのだけど……これに連続殺人事件を絡めると言う展開、そして、主人公である麻美の過去と言うエピソードも上手く生かされてるとは言えず、後半のいささか説明不足な展開もあって、ちょっと残念な出来。
原作は未読だけれど、少なくとも映画版としては、もう少しエピソードを整理し、ネット上の個人情報を他人に握られる恐怖に比重を置いた方がよかったように思う。
あと、この手の映画のサイコパスな殺人者と言うと、目をひん剥いて高笑い、と言う安っぽい演技からいい加減脱却して欲しいものだ。
日曜は、ブルク13で3本。
「ヴェノム」。
これは、スパイダーマンの宿敵であるヴィラン、ヴェノムの誕生を、トム・ハーディ主演で映画化したもの。
敏腕記者エディ・ブロックは、人体実験で死者を出しているというライフ財団の真相を追う中、“シンビオート”と呼ばれる地球外生命体を発見し、寄生されてしまう……
ヴェノムは“マーベル史上、最も残虐なキャラクター”とは言うものの、所詮はディズニー。
獲物は生きたまま食べないと受け付けない、と言うシンビオートの食事シーンが口を開けるまでで、流血シーンも皆無なのでは、「残虐」もクソもないと思うのだが……また、物語はどうにもお粗末。
人間相手には無敵のヴェノムも、シンビオートの中では弱くてイジメられていた過去があり、その一方で、地球では意地悪な仲間もおらず、のびのび暮らせそうだから、その暮らしを守る為に戦う、と言う……邪悪と言うか、どちらかと言うとヘタレの理屈で戦うヒーロー……って言うか、コイツ、ヴィランか。
「ヴェノム」の後、「十年」まで丁度2時間空いていたので、それを利用して「走れ!T高バスケット部」を観た。
これは、実話を基にした松崎洋による同題小説を「覆面系ノイズ」の志尊淳主演で映画化した青春ドラマ。
バスケットボールの強豪校に入学するも、いじめに遭い自主退学した陽一。失意のままT校に編入した彼が、連戦連敗の弱小バスケ部の仲間と出会い、共に全国大会を目指す事になって……
この映画、観終わって既視感。
あれ?……これさっき観たような??
あ、この話、「ヴェノム」と同じなんだ!
「ヴェノム」も「走れ!〜」も、主人公は、強者の中でイジメられており、新天地で新たな仲間を得て、かつての仲間と戦う、と言う……
ああ、「ヴェノム」は青春映画であったのだな……まぁ、ディズニーだからなぁ(爆)
「十年」。
これは、アジアを舞台に、10年後の社会、人間を描く国際共同プロジェクトの日本版で、「万引き家族」の是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画。
既に、各国で製作が進んでおり、香港版は、現地では中国中央政府により上映禁止になるなど、大きな問題となった。
取り上げるテーマとしては、「老人福祉」、「管理社会」、「デジタルデータ」、「原発」、「戦争」と言うものだが、何れも踏み込みが浅く、インパクトもない。
香港版のように、政府から釘を刺され、社会に一石を投じるようなものが作れない、と言うのが日本の限界か……
でもまぁ、その中で原発問題を扱った「その空気は見えない」には力があったが――これは、そんな現場、いわきで撮られているからかもしれないな。
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