今日は、映画2本。
1本目は「未来のミライ」。
これは、「サマー・ウォーズ」以降、夏の日本映画の風物詩となりつつある細田守の新作。
4歳の男の子くんちゃんの家に、生まれたばかりの妹を連れてお父さんとお母さんが帰ってくる。
それまで独占していた両親の愛情を妹にすっかり奪われてしまったくんちゃんは、駄々をこねてみたり、妹にちょっかいをだしてみたり――そんなある日、くんちゃんは庭で不思議な出会いをする……
幼子にとって、妹(あるいは弟)は初めて出会う他者。それまで、両親の愛情を一身に受け、思うがままに生きて来た子供が、初めて“自分の思い通りにならない存在”に出会う事で、自分ではない他者が存在することを知り、その中で自己を確立して行く……これはそんなありふれたエピソードを、思いっ切りファンタジックに描きます。
自分と言う存在が、遥か遠い過去から列なる人々の出会いと偶然の末にあること、そんな奇跡のドラマを、これから自分自身が生きて行く事……そんな、下手すると説教臭くなる物語を4歳児の目を通して描くことで受入れ易くする工夫もさすがですし、これまでの細田作品の集大成とも言える、「家族」の話になっているのも、夏休み映画として文句なしの出来……ただ、いささか新鮮味に欠けるのは気になりますが。
予告編では気になった上白石萌歌の声が幼児の声に聞こえない、と言うのも、思ったよりは悪くなく……ただ、今回はちゃんと子役演技の出来る声優を使った方がよかったんじゃないか、とは最後まで思いましたけど。
2本目は「私の人生なのに」。
これは、元韓国アイドルグループ「KARA」の知英主演の青春ドラマ。
将来を期待されていた新体操のスター選手・金城瑞穂は、練習中に脊髄梗塞で倒れ、下半身麻痺となってしまう。
絶望と孤独に苛まれる瑞穂だったが、数年振りにストリートミュージシャンとなった幼なじみと再会したことから、徐々に音楽に惹かれていく……
この映画、事実上、知英のアイドル映画であり、彼女中心の描写が物語のバランスを崩している感があります。
物語の中心となるべきは、突然の下半身不随により、絶望して自死さえ考えた彼女を、献身的に支え、そして生きる希望を取り戻させた家族や、周囲の人々であるのに、知英中心で描くが故に、この周囲の人々の苦悩や葛藤が描写されず、意外にもあっさりと瑞穂が立ち直ってしまったように思えてしまうのには、違和感がありました――まぁ、これも伏線になっていると言えばそうなのですが……
ただ、これ青春映画であると共に、音楽映画であるのがミソで、そんな映画における音楽の魔法を遣い、クライマックスとなる公演でのライブの瑞穂の歌で泣かせてしまうのは、さすがにずるい、と思いました。
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