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新世界訳聖書 - 過去と未来コミュの新世界訳聖書 一巻本の初版(英文)

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英語圏のエホバの証人が、Fat Bookと渾名をつけていた、8センチくらいある新世界訳の、最初の全訳本です。

新世界訳(英文)は、分冊で発表されましたが、全巻が出揃ったところで、内容は分冊のまま、改変を加えずに、一冊に製本したものが 1961年に発行されました。それが、この全巻本です。

今の新世界訳との、一番違う点:

1)現在のレイアウトが、横に2欄であるのに対して、この初版の全巻本は、1欄だけです。その分、文字は大きいです。

2)ヘブライ語聖書の、直訳の訳出方法が、その序文に例を出して説明されています。
現在の新世界訳聖書は、字義訳といいながら、具体的にギリシャ語・ヘブライ語の文法事項を、どのような英語に対応させているのかが、「新世界訳」の中には凡例というべき説明がされていません(「洞察」の『ギリシャ語』『ヘブライ語』の項目に、若干出てきます)。

3)現在の「参考資料つき」は、この初版全巻本の 引照と脚注、さらに巻末の付録をアップデートしたものです。

4)大きさは、以前の、「クリスチャンギリシャ語聖書 新世界訳」と同じ版型です。この当時は、英語版以外のフランス語版、ドイツ語版、イタリア語版なども、同じ大きさ、同じ緑色の装丁でした。
※ 世間一般では、聖書というものは、黒い表紙が多いようです。それで、80年代からは新世界訳も黒い表紙の装丁になったようです。

5)印刷は、たぶん活版印刷で、今のようなオフセット印刷ではなく、インクがけっこう滲んでいます。そういう意味では、ものみの塔協会の印刷物に質はこの半世紀の間に、非常に上がっています。


JWを擁護するにしても、反駁するにしても、新世界訳(原著である英文版)の特徴を、具体的に評価していないとしたら、残念なことです。

* 外見がわかる画像を 追加しました。

* 比較対照のために、1970年発行の、改訂ポケット版と並べておいた画像をつけました。この当時のポケット版は、単にページの余白部分をカットして、少しだけ縦横の大きさを減らしたものです。全巻本の厚さが、はんぱでないことがわかります。

コメント(14)

< 補足 >

クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳(英文)
New World Translation of the Christian Greek Scriptures, 1950
Revised on 1951

ヘブライ語聖書 新世界訳(英文)
New World Translation of the Hebrew Scriptures
Vol. 1, Genesis thru Ruth, 1953
Vol. 2, 1st Samuel thru Esther, 1955
Vol. 3, Job thru Song of Solomon
Vol. 4, Isaiah thru Lamentations, 1958
Vol. 5, Ezekiel thru Malachi, 1960

聖書 新世界訳 (英文)
New World Translation of the Holy Scriptures
(complete green bible), 1961


1963年の、一巻本(内容は、ギリシャ語聖書の1950年版と、ヘブライ語聖書の1953-1960年分冊発行版を、単に一冊に装丁したもの)
---本としては一冊ですが、それぞれに扉ページがあります。

1970年改訂版
---同じく、扉ページです。
ギリシャ語聖書部分のサンプル(コロサイの冒頭)

ヘブライ語聖書部分のサンプル(出エジプト)

1970年改訂版の、ギリシャ語聖書部分のサンプル(コロサイの冒頭)
現在入手可能な「新世界訳聖書 参照資料つき」は、この一巻本の相互参照と、脚注を、アップデートして再録したものです。

上記初版本のサンプル部分を、現行の「参照つき」と比べてみてください。
初版本の序文には、新世界訳聖書(英文)の、翻訳の手法が、具体的に述べられています。

そこでは、どんなヘブライ語の動詞活用形を、どんな英語で訳すのかを、聖句の例を挙げて説明しています。

これは、後の新世界訳の版には含められていないので、新世界訳の訳出方法の「凡例」のようなものは、ヘブライ語を知っているいる人間が、新世界訳英文と比べないと、わかりません。

具体的には:

未完了体は、英語の未来時制の動詞や、継続を表わす動詞(continued to, proceeded to, began to, went on to, kept on など)との組み合せ、may/might, should, must, ought to, let などのmodal な意味の助動詞との組み合せで訳す。

完了形は、英語の完了時制の動詞や、certainly, surely, indeed, actually, simply などの副詞を添えて訳す(これはイザヤ書などに頻繁に出てきます)。
あるいは、現在時制の強調と解釈される部分は、he DOES see you , I DO make などというように、助動詞のdo をつけた形で訳す。

独立不定詞を添えた動詞活用形は、without fail、surely、to the satisfactionなどといった強調の副詞を添えて訳す。

箇条書きの命令文に使われる、絶対不定詞は、英語でも不定詞で訳す。

ヘブライ語の能動分詞は、英語の現在進行形で訳す。

I shall / you will / he will / they will などは、意志未来
(フランス語版新世界訳は、改訂の際に意志未来の部分は、vouloir の活用形で訳し直しました)
I will / you shall / he shall / they shall などは、単純未来

ヘブライ語のhitpael 形の動詞は、しつこく、oneself の活用形の英語を充当して、訳す
(これが、日本語に訳されるときに、誤訳されている、ないしは、日本語になりきっていない表現になった部分が多い)

いわゆる、was consecutive(直訳は、「そして」) を、時間的 な推移temporal sequence 、論理的 な結果 logical result、原因 cause を表わすものとして、適当な接続詞・接続表現を当てはめて訳す。そうすることで、and 「そして」が連続する単調さを避けたとしています。

このほか、ヘブライ語の語順を訳文の中に反映させるべく、

Koh amar YHWH
This is what Jehovah has said

wa-ani beYHWH agilah
Yet, as for me, I shall exult in Jehovah himself

などと不自然なまでにいろいろな技巧を凝らしています。
ギリシャ語と英語は、文法的に似ているので、上記のようなヘブライ語の訳出方法のような「凡例」がなくても、原文と対照すれば、すぐに慣れてきます。

ただ、覚えておくといいのは、現代英語ではわかりにくい、二人称複数が、全部大文字 small capitals の YOU で示されていることです。場合によっては、動詞の活用形が 全部大文字で示されることもあります。

あるいは、ハレルヤ が、 英文新世界訳で、Praise Jah, YOU people! となっていることを思い出す方もいるでしょう。この YOU people は、耳で聞いたときにも複数形だとわかるように、付け加えられたものです。

hallelu- : hillel というピエル形動詞の、命令形 二人称複数
yah : 「ヤハ」

新世界訳英文の訳し方のルールに従えば、PRAISE Jah ! としても良いのですが、これだと、耳で聞いたときに、これが複数の人間に対する命令形であることがわかりません。
そのへんは、新世界訳というのは、変なところで、細かいところにこだわった翻訳です。
この1961年の一巻本の英文新世界訳の 扉ページと、
1971年改訂版(引照や脚注がなく、本文、聖句索引、特定聖句の訳し方の正当化のための巻末付録だけ)の 扉ページを比べた、画像
1951年の クリスチャンギリシャ語聖書 新世界訳の序文は、「王国行間逐語訳」に再録されています。

見たことのない方は、こちらでどうぞ。

http://www.soundwitness.org/jw/kit_download.htm

1969年版は、活版印刷で、紫色の表紙。

1985年版は、オフセット印刷で、紺色の表紙。

二人称の代名詞が複数であることを示すために、小型大文字で印刷されているのが多いのですが、実は、代名詞だけでなく、動詞の変化形が小型大文字で印刷されている例も意外に多いです。

上記の #3の 二つ目の画像をクリックして拡大していただくと、出エジプト記6:26が、その例であることがわかります。

現在のインターネット版の英文新世界訳でも、同じです。カットアンドペーストしたのが、次の文章です。

26 This is the Aaron and Moses to whom Jehovah said: “BRING the sons of Israel out from the land of Egypt according to their armies.”

ここで、BRING .... out と、動詞命令形が、大文字になっているのは、それが原文では、男性複数形の命令 hotsi'u だからです:

הוא אהרן ומשה אשר אמר יהוה להם הוציאו את־בני ישראל מארץ מצרים על־צבאתם׃

hu' 'aharon u-mosheh 'asher 'amar YHWH lahem
hotsi'u 'et beni yisra'el me 'erets mitsrayim "al tsiv'otam


当然のことながら、動詞の変化で、単数か、複数か、区別のつく言語の新世界訳は、英語版のような小型大文字を使う必要がありません。

フランス語版の新世界訳の、同じ箇所:

26 C’est là cet Aaron et ce Moïse à qui Jéhovah dit : “ Faites sortir les fils d’Israël du pays d’Égypte selon leurs armées. ”
さて、新世界訳聖書の「序文」が、意外に大事なものであることは、日本語の新世界訳しか、あるいは、現在の英語版の「参照資料つき」新世界訳しか、見たことのない方には、わかりません。

序文を見ることができるならば、新世界訳の特徴・利点がもっと良く理解できるにもかかわらず、ものみの塔協会は、あえて序文を再録して、一般の読者に見てもらおうとしていません。

なぜでしょうか?

あるいは、英語では顕著な新世界訳の特徴が、ほかの言語では失われているために、英語版の特徴でしかないメリットを強調したくないのかもしれません。

でも、日本語新世界訳にしかない特徴も、あるのです。

それは、ヘブライ語聖書(旧約聖書)部分での、敬体と、常体の区別です。「詩篇」を読んでいると分かりますが、「エホバ」「神」に語りかけている時は、敬体を使って訳しており、単なる叙述の部分は、常体を使って訳しています。
日本語版の訳者の、細やかなところかもしれません。これは、新世界訳以外の日本語訳聖書でもやっていることですので、日本語としての習慣を尊重して、他の日本語訳の聖書に追随しているだけなのかもしれません。

フランス語新世界訳にしかない特徴も、あります。

それは、ヘブライ語聖書の固有名詞を、全面改訂の際に、ギリシャ語・ラテン語経由の語形から、ヘブライ語本来の音訳語に切り替えたことです。英語版よりも徹底して、ヘブライ語の語形に変えました。

これも、新世界訳だけの変化ではなく、フランス語圏での聖書翻訳の傾向に追随したものなのかもしれません。すでに、La Bible en français courant (Today's English Version のフランス語版)などが、ヴルガタ訳の人名・地名のラテン語風の語形から、ヘブライ語そのままの音訳語に切り替えています。
こういうドラスティックな改訂作業が、日本語版にはありません。

こんなふうに、初版本の新世界訳から、半世紀たって、新世界訳といっても、各国語版の特徴といえるような、分化が見られるのは興味深いところです。

中国語版の特徴については、別トピをごらんください。
新世界訳英文版における、動詞のアスペクトの訳出の凡例については、初版本の「前書き」の部分を見ないと、具体的なことが分かりません。

下記のサイトに、その「前書き」が採録されています。

http://wcl.wikia.com/wiki/New_World_Translation_of_the_Hebrew_Scriptures,_Volume_I%28Genesis_to_Ruth%29
1951年 New World Translation of the Christian Greek Scriptures(revised ed. 1951) の1950年版の改訂版
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1950_NWT_gs_E.pdf

1953年 New World Translation of the Hebrew Scriptures, Volume I 創世記〜ルツ記
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1953_NWT_hs1_E.pdf

1955年 New World Translation of the Hebrew Scriptures, Volume II サムエル記第一〜エステル記
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1955_NWT_hs2_E.pdf

1957年 New World Translation of the Hebrew Scriptures, Volume III ヨブ記〜ソロモンの歌(雅歌)
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1957_NWT_hs3_E.pdf

1958年 New World Translation of the Hebrew Scriptures, Volume IV イザヤ書〜哀歌
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1958_NWT_hs4_E.pdf

1960年 New World Translation of the Hebrew Scriptures, Volume V エゼキエル書〜マラキ書
http://archive.org/23/items/WatchtowerLibrary/nwt-1.0/1960_NWT_hs5_E.pdf

Kingdom Interlinear Translation of the Greek Scriptures 1985 Edition
https://archive.org/download/kitofthechristiangreekscriptures1985edition/KIT%20of%20the%20Christian%20Greek%20Scriptures%20%281985%20Edition%29.pdf

Aid to Bible Understanding (1971)
https://ia801002.us.archive.org/1/items/aidtobibleunderstanding1971/Aid%20to%20Bible%20Understanding%20%281971%29.pdf

>>[13] にあげたインターネットアーカイブのリンクは切れました。

The Kingdom Interlinear Translation Of The Greek Scriptures ( 1985)
https://archive.org/details/TheKingdomInterlinearTranslationOfTheGreekScriptures1985

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