正しく知ろう北方領土コミュの尖閣諸島問題について　②

つまり、台湾島中部から北部にかけては、中国は明治時代になるまで全くなにも管理を行っていなかったことになる。
それはそうだ。
中国人たちの中華思想は強烈であり、それ故彼らは中原の地だけに固執していたのであり、アヘン戦争の時の大陸の香港でさえ、林則徐の諫言にも関わらず簡単に西欧人たちに引き渡した。
この時の中国皇帝の言葉というのは、「香港？　どこにある島だ？」「そんな南方の果ての小さな場所なら、いくらでもくれてやればよかろう」「なに？割譲はまずくて租借にするべきだ？　そのような雑事はお前たちに任せる」というように、中国政府や皇帝は、中原の地から外れた大陸の香港にさえ全く関心を持っていなかった。
そういう尊大な中華思想が染みついた地域の国や民族が、香港よりもさらに海を渡った先の首狩り土人たちが住んでいた台湾島に興味を持っていたはずがない。
そして、さらに、そういう未開の首狩り土人たちが住んでいた台湾島より先の絶海の孤島である尖閣諸島について「適切に管理して来た（実効支配してきた）」と主張することは、明らかに無理な主張でしかない。

中国は、尖閣諸島について「台湾の付属島嶼だ」と主張している。
「台湾の付属島嶼」であれば、下関条約やサンフランシスコ講和条約などを根拠として尖閣の返還を日本に要求できるからだ。
しかし、「台湾の付属島嶼だ」と認められるためには、「日本が尖閣を領有する前は、台湾の民が尖閣を実効支配していた」ということを説明する必要がある。
「台湾の民が適切に実効支配をしていた土地を日本により盗られたのだから、その土地を中国に返してくれ」と主張するやり方は、もしも事実がその通りであるのならば意味がある主張だ。
しかし、上述したように、「台湾の民が尖閣諸島を実効支配をしていた」という可能性はほぼあり得ない。
「大した船も作れないパプアニューギニア系の首狩り山岳民の台湾原住民たちが、わざわざ海に１７０ｋｍ（以下参照）も漕ぎ出して頻繁に尖閣を訪れ、尖閣を自分たちの生活圏内に取り込んで活用していた（だから尖閣は台湾の付属島嶼だ）」という主張には、明らかな無理がある。

https://www.cas.go.jp/jp/ryodo/senkaku/about.html

こういう説をまともに国家間において主張する国と言うのは「どういうものなのだろうか？」と飽きれることを通り越して不思議にさえなってしまう。

再び指摘しておくが、ある民族がある地域を実効支配しているということは、以下のように説明される。

https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=6345456&id=95170090&comment_count=0

「中国が長年、尖閣諸島を適切に管理して来たのか」という「実効支配」の内容について考えてみれば、以下のような状態だ。

中国の歴代王朝は、尖閣の領有を宣言していない。
中国の歴代王朝は、尖閣に国標を建てていない。
中国の歴代王朝は、尖閣に地番をふり土地台帳などを作り行政的に管理していない。
中国の歴代王朝は、警察権や軍事権を尖閣に及ぼし、他国民が来ると排除することを行っていない。
中国の歴代王朝は、尖閣で何かの事件が起こった時、自国の裁判所でその事件を裁いたりしていない。
　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　　　等々

このように、中国は、実効支配をしていたと認められるために必要な国家的作用を何一つ尖閣に及ぼしたことはない。
では、それよりランクが落ちるが、中国人（台湾原住民）たちが尖閣を生活圏に組み込んでいただろうか？

台湾原住民たちは、尖閣に住んでいなかった。
台湾原住民たちは、漁や海鳥の捕獲や資源の採集などの経済活動をするための生活圏に尖閣を組み込んでいなかった。

これで、どうして、「中国は尖閣を実効支配していた」とか「尖閣は台湾の付属島嶼だ」とか「尖閣は中国人の領土だった」などと言えるのだろうか？
上にＵＲＬを示したが、尖閣諸島というのは台湾島北端から１７０ｋｍも離れた絶海の孤島だ。
そして、当時の帆船のスピードというのは、時速６．５ｋｍくらいだったそうだ。
特別に早く作った大型帆船でさえ、１３ｋｍくらいだったそうだ（以下参照）。

https://hobbycom.jp/workshop/library/hansen_kokai/12.html

ということは、当時の最速の大型帆船でさえ、尖閣で漁を終えて台湾までの１７０ｋｍの区間を帰って来るのに１３時間もかかったことになる。
一般の帆船であれば、その倍の２６時間はかかったことになる。
ましてや、尖閣周辺には南から北に向かって潮流が流れているから、それに逆らい尖閣から台湾島までを進まなければならず、その時にかかる時間はもっとずっと余計にかかったはずだ。
これだけの時間がかかったのであるから、もしも尖閣で魚を獲ったとしても、台湾島まで輸送する間に確実に腐ってしまう。
実際、日本統治時代の台湾の記録があり、尖閣周辺の漁場に台湾の漁船が来るようになったのは、（動力船と冷蔵設備が発達した）１９１５，６年ごろからだという様に書かれている。
まさか、台湾の未開の首狩り山岳民たちが、アホウドリを求めて尖閣諸島に来たとでも言うのだろうか？
アホウドリは羽毛の為に捕獲されたのであり、布団や衣類などに使われた。
中国は、台湾の未開の首狩り族が「羽毛の布団に包まって眠るために尖閣に来ていた」とでも主張するつもりなのだろうか？
そもそも、台湾原住民たちよりもはるかに文明化していて、大型船を作り大陸と頻繁に交易をしていた琉球人でさえ、当時は尖閣が遠すぎたから利用していなかった。
なぜ、文明人の琉球人でさえ不可能だったことなのに、未開の原始の土人たちがたびたび尖閣を訪れて支配していたことになるのだろうか？
そういう事情は、大陸中国についても同様だ。
大陸中国から尖閣までは、約３５０kmほどある。
この距離を当時のスピードの遅い帆船で来て、何に利用していたというのだろうか？
実際、中国人が恒常的に尖閣を利用していた形跡は、尖閣諸島からは発見されていない。
強烈な中華思想を持ち中原の地のみに執着していた昔の中国人には、尖閣に来る目的が無いだけではなく、動機の点からも尖閣に来るなどということには強い抑制がかかったことだろう。
このように、台湾についても中国についても、「昔は尖閣をきちんと支配していた」という可能性は限りなく０に近い。

以上見てきたように、「日本が領有する前は、中国が尖閣諸島を実効支配していたのか？」という事について考えてみると、そいう事は明らかに起こっていないと言える。
よく日本のサヨクの学者が「日本の物だったと証明できないならば、中国の物だったことになる」という詭弁を使うが、「日本の物でも中国の物でもなかった」からこそ「無主地」という扱いをされることを忘れた暴論の類だ。
１５８０年代までは「台湾島は、中国人の住んでいない未開の原始土人たちだけの島」であったのだから、１５８０年以前の文献を持ち出して「尖閣は台湾の付属島嶼だった」などと主張することはナンセンス以外の何物でもない。
その後の江戸時代についても、同様だ。
昔の中国人たちの強烈な中華思想と当時の帆船の能力などを考慮に入れるならば、大陸から直接、尖閣諸島を実効支配しに来ていたなどという可能性があり得ないことも分かる。
文献について細かく争うのもいいが（石井望氏などが中国側の論陣に対して完勝を収めているが）、もっとわかりやすくずばりと「土人しか住んでいなかった地域だったのだから、近代国家的な作用である実効支配も何もあり得ない！　そういう無主地を日本が先に領有を宣言して実効支配しただけだ」と相手の行政官たちに食いついてみた方が、中国大衆にも分かりやすいはずだ。

明らかに３流の意見をいう３流の学者などが存在する。
中には、超１流の学校に籍を置きながら３流も３流の嘘八百を並べる学者さえ存在する。
尖閣諸島問題についてそういう者たちの意見を聞いたときは、鵜呑みせずに、今一度、ご自分で事実を確認されることをお勧めしたい。