元外務省官僚が以下のような滅茶苦茶を書くとは、あきれて物を言う気になれない！
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>北方領土というと、大多数の国民が歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島を考えます。これは東西冷戦期に日本政府が作った神話です。日本政府が「四島一括返還」と言い始めたのは、戦後から30年を経た’75年のことです。
「４島返還論」は、戦争が終結した１９４５年の１，２年後には、旧島民と彼らが主に避難していた北海道の道民たちを中心として熱狂的な運動に発展していた。
それらの運動はやがて本州以南にまで広がり、日本人皆が共有するところとなった。
そのような状態であったから、１９５５年の保守合同の時、つまり、自民党誕生の時に党是が話し合われ決定されたが、その党是の中に「樺太と北千島（４島以北の１６島。これらの島々も、日本は平和的に得ていた）は国際会議にかけて問題を解決する。南千島４島（つまり北方領土）は、無条件に返還させる」という一項目が存在した。
「４島返還論」というのは、アメリカとソ連が冷戦を行っていた時期に人為的に作られた「神話」でもなんでもなく、明々白々たる日本の中で発生した日本人の希望だった。
佐藤優というのは同社大学神学部出身であるから、何も歴史的な素養や法的な素養を持っていない。
なぜ、日本人がそのような気持ちを持ったのかと言えば、北方領土については道理に合わない扱いをされたからだ。
大戦中の１９４３年、対日戦で優勢となった米英中３国はカイロに集まり、以下のカイロ宣言を世界に向けて広めた。
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>…三大同盟国は日本国の侵略を制止し且之を罰する為今次の戦争を為しつつあるものなり 右同盟国は自国の為に何等の利得をも欲求するものに非ず又領土拡張の何等の念をも有するものに非ず…
右同盟国の目的は日本国より１９１４年の第一次世界戦争の開始以後に於て日本国が奪取し又は占領したる太平洋に於ける一切の島嶼を剥奪すること並に満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還することに在り日本国は又暴力及貪欲に依り日本国の略取したる他の一切の地域より駆逐せらるべし
この宣言の内容はポツダム宣言にも継承され、終戦時に日本と正式に調印を行っているから、３国には日本に対し上の条項を守る義務が発生している。
そして、ソ連も上の条項に賛同し後からポツダム宣言に加わっていたから、ソ連にも日本の領土を侵略しないという義務が発生している。
上の文章によれば、「米英中(ソ)は、領土を拡大しない（日本から領土を取らない）」「日本が暴力（戦争）により他国から奪った土地だけを取り上げて元の持ち主に返還させる」ということが保障されていた。
北方領土は、日本人が戦国時代以前から関わって来た土地であり、他の列強が現れる前に占領して日本の経済圏と司法圏、軍事圏などに組み込んだれっきとした日本古来の領土である。
例えば、米国のニューヨークは、スペインからオランダ、オランダから英国、英国から米国というように、その領有権が正式な条約により変遷している。
ところが、日本の北方領土は戦国時代から和人たちが支配下に置き、江戸時代には正式な政府機関も作られ移民も行われていたのであるから、どこからどう見ても日本古来の領土である。
（国を持たないアイヌには気の毒な話ではあるが、それを言うのであれば、インディアンやヤクート人などを征服して包含している他の国々が国際法上成り立たなくなるのだ）。
このように、北方領土というのはポツダム宣言で指摘されているような「日本が暴力によって得た土地」ではない。
戦争や暴力で獲得した台湾や満州などは、確かに手放すべきだ。
しかし、日本人が昔から（列強との争いなど存在せず）平和的に開拓して維持していた日本古来の領土まで取り上げたのであるから、当時の日本人としては黙っていられなくなり、各地で激烈な返還運動が起こったのだ。
これらの運動は、佐藤が言うような１９７５年頃に人為的に起こったものではなく、早いものは１９４５、６年あたりで既に立ち上がっていたのだ！
（１９７５年頃になってやっと、それまで逃げ腰だった外務省が国内圧力と国際圧力に押されて逃げられなくなったと言えるだろう。）
> 実は、’51年のサンフランシスコ平和条約で、日本は国後島、択捉島を含む千島列島を放棄しています。この事実を基礎にすれば、北方領土問題の解決はできます。
サンフランシスコ講和条約には、世界百カ国以上の国々のうち、約５０カ国しか参加していない。
世界の半分の国々、ソ連の指導下にあったポーランドやチェコ、中国などの旧東側陣営の国々は条約に調印していないのだ。
米国は、ソ連も調印・参加するものと期待して、日本に領土を割譲させる条項を入れた。
ところが、ソ連が朝鮮動乱や中国問題で米国と対立したために、ソ連は同条約に調印せず、参加していない。
米ソの関係が同条約についての数年間の話し合いの期間にどんどんと冷え込んで行ったことを憂慮した米国は、同条約第２５条として以下の規定を新たに付け加えていた。
２５条の要旨
この条約に参加していない国（ソ連を念頭）には、この条約はいかなる権利、
権限、利益も与えない。
また、この条約に参加していない国は、この条約に何か規定があろうとも、
日本国のいかなる権利、権原、利益を害してはならない。
つまり、ただサインするだけで得られた格好の利益を、自分から席を蹴って条約を結ばずに放棄したソ連には、何の権利も保障されていないのだ。
この結果、同条約においては「日本には北方領土と樺太と北千島１６島（これも平和的に日本が得た島々だ！）を放棄させたが、誰に宛てて放棄させたのか相手が特定されない」という状態になっている。
昔から、一国が他国に領土を割譲するときは、「２国間で条約が結ばれた」のであるが、北方領土については日ソ間で有効な条約が一つも存在していない。
そういう状態でありしかも冷戦が深刻化したために、米国も英国も「北方領土というのは日本に放棄させただけの領土であり、ソ連に向かって割譲したなどというのは夢幻の嘘だ」と主張するようになった。
そして、米国の陣営に長年所属し友好国となった日本に対しては、米国は「４島は日本の物であるから返還したらどうか」と日本を支援するようになっている。
米国の主張は、無理でもなんでもなく、原点に立ち返って「ソ連が法的根拠のない不法占拠をしている」という事実を利用し批判しているだけだ。
まったくの正論なのである。
そもそも、考えて見て欲しい、サンフランシスコ講和条約というのは日本と米国、日本と英国、日本とフランス、日本とオランダというような多くの「２国間平和条約」を一括した物であるということを。
であるから、米英仏蘭などと正式に条約を締結した状態の日本は、彼らに対しては「領土を放棄していない」とは言えない。
しかし、自分から逃げて条約を締結していないソ連（とその後継のロシア）に対しては、「領土を放棄していない」と言い張れるのだ！
もっと他のたとえで言うのならば、「日米貿易協定」について考えてみればよい。
日米貿易協定は日米だけの約束事であり、その内容が自動的にソ連やロシアに適用されるわけがないのである。
「自動適用される」というような噴飯物の主張が、どこから出て来るのか、不思議に思えて仕方がない。
佐藤優というのは、こういった歴史的な事情や法的な事情を何も知らない。
そういうような人物であるからこそ、逮捕・起訴され有罪となったのだろう。
>日ソ共同宣言では、平和条約締結後にソ連が日本に歯舞群島と色丹島を引き渡すことが約束されています。
１９５６年の条約では、「４島問題は継続審議する」ということになっていた。
それを強引に「そんな約束はしていない」として以降の交渉を門前払いにしていたのはソ連側だ。
そういうソ連が、米国との冷戦により国内が疲弊して崩壊しかけたとき、はじめて「４島についてきちんと話し合う」と言い始めた（以下参照）。
https:/
>日ソ共同声明(1991年)
1991年4月海部総理とゴルバチョフ大統領により署名されました。
１ 北方四島が平和条約において解決されるべき領土問題の対象であること
が、初めて文書の形で確認されました。
２ この後、日本は、北方四島の日本への帰属が確認されれば、実際の返還
の時期及び態様、条件については柔軟に対応するとの方針を採用しました。
上のＵＲＬにもあるが、その後、「４島について話し合う」と何度も確認した。
しかし、経済状態が良くなるとプーチンがまた「２島のみ。２島の主権さえ保障しない」と言い始めた。
こういう国が、信用できる国なのだろうか？
そもそも、１９５６年の時点では、シベリア抑留者という「人質」が何千人もソ連に取られていたために、政府が彼らの救出を何よりも優先して非常に不利な条件で条約を結んでいた。
そういう「不平等条約」を今になってまた持ち出すことの神経が理解できない。
そのような者たちは、国を売っているのだ！
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>北方領土というと、大多数の国民が歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島を考えます。これは東西冷戦期に日本政府が作った神話です。日本政府が「四島一括返還」と言い始めたのは、戦後から30年を経た’75年のことです。
「４島返還論」は、戦争が終結した１９４５年の１，２年後には、旧島民と彼らが主に避難していた北海道の道民たちを中心として熱狂的な運動に発展していた。
それらの運動はやがて本州以南にまで広がり、日本人皆が共有するところとなった。
そのような状態であったから、１９５５年の保守合同の時、つまり、自民党誕生の時に党是が話し合われ決定されたが、その党是の中に「樺太と北千島（４島以北の１６島。これらの島々も、日本は平和的に得ていた）は国際会議にかけて問題を解決する。南千島４島（つまり北方領土）は、無条件に返還させる」という一項目が存在した。
「４島返還論」というのは、アメリカとソ連が冷戦を行っていた時期に人為的に作られた「神話」でもなんでもなく、明々白々たる日本の中で発生した日本人の希望だった。
佐藤優というのは同社大学神学部出身であるから、何も歴史的な素養や法的な素養を持っていない。
なぜ、日本人がそのような気持ちを持ったのかと言えば、北方領土については道理に合わない扱いをされたからだ。
大戦中の１９４３年、対日戦で優勢となった米英中３国はカイロに集まり、以下のカイロ宣言を世界に向けて広めた。
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https:/
>…三大同盟国は日本国の侵略を制止し且之を罰する為今次の戦争を為しつつあるものなり 右同盟国は自国の為に何等の利得をも欲求するものに非ず又領土拡張の何等の念をも有するものに非ず…
右同盟国の目的は日本国より１９１４年の第一次世界戦争の開始以後に於て日本国が奪取し又は占領したる太平洋に於ける一切の島嶼を剥奪すること並に満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還することに在り日本国は又暴力及貪欲に依り日本国の略取したる他の一切の地域より駆逐せらるべし
この宣言の内容はポツダム宣言にも継承され、終戦時に日本と正式に調印を行っているから、３国には日本に対し上の条項を守る義務が発生している。
そして、ソ連も上の条項に賛同し後からポツダム宣言に加わっていたから、ソ連にも日本の領土を侵略しないという義務が発生している。
上の文章によれば、「米英中(ソ)は、領土を拡大しない（日本から領土を取らない）」「日本が暴力（戦争）により他国から奪った土地だけを取り上げて元の持ち主に返還させる」ということが保障されていた。
北方領土は、日本人が戦国時代以前から関わって来た土地であり、他の列強が現れる前に占領して日本の経済圏と司法圏、軍事圏などに組み込んだれっきとした日本古来の領土である。
例えば、米国のニューヨークは、スペインからオランダ、オランダから英国、英国から米国というように、その領有権が正式な条約により変遷している。
ところが、日本の北方領土は戦国時代から和人たちが支配下に置き、江戸時代には正式な政府機関も作られ移民も行われていたのであるから、どこからどう見ても日本古来の領土である。
（国を持たないアイヌには気の毒な話ではあるが、それを言うのであれば、インディアンやヤクート人などを征服して包含している他の国々が国際法上成り立たなくなるのだ）。
このように、北方領土というのはポツダム宣言で指摘されているような「日本が暴力によって得た土地」ではない。
戦争や暴力で獲得した台湾や満州などは、確かに手放すべきだ。
しかし、日本人が昔から（列強との争いなど存在せず）平和的に開拓して維持していた日本古来の領土まで取り上げたのであるから、当時の日本人としては黙っていられなくなり、各地で激烈な返還運動が起こったのだ。
これらの運動は、佐藤が言うような１９７５年頃に人為的に起こったものではなく、早いものは１９４５、６年あたりで既に立ち上がっていたのだ！
（１９７５年頃になってやっと、それまで逃げ腰だった外務省が国内圧力と国際圧力に押されて逃げられなくなったと言えるだろう。）
> 実は、’51年のサンフランシスコ平和条約で、日本は国後島、択捉島を含む千島列島を放棄しています。この事実を基礎にすれば、北方領土問題の解決はできます。
サンフランシスコ講和条約には、世界百カ国以上の国々のうち、約５０カ国しか参加していない。
世界の半分の国々、ソ連の指導下にあったポーランドやチェコ、中国などの旧東側陣営の国々は条約に調印していないのだ。
米国は、ソ連も調印・参加するものと期待して、日本に領土を割譲させる条項を入れた。
ところが、ソ連が朝鮮動乱や中国問題で米国と対立したために、ソ連は同条約に調印せず、参加していない。
米ソの関係が同条約についての数年間の話し合いの期間にどんどんと冷え込んで行ったことを憂慮した米国は、同条約第２５条として以下の規定を新たに付け加えていた。
２５条の要旨
この条約に参加していない国（ソ連を念頭）には、この条約はいかなる権利、
権限、利益も与えない。
また、この条約に参加していない国は、この条約に何か規定があろうとも、
日本国のいかなる権利、権原、利益を害してはならない。
つまり、ただサインするだけで得られた格好の利益を、自分から席を蹴って条約を結ばずに放棄したソ連には、何の権利も保障されていないのだ。
この結果、同条約においては「日本には北方領土と樺太と北千島１６島（これも平和的に日本が得た島々だ！）を放棄させたが、誰に宛てて放棄させたのか相手が特定されない」という状態になっている。
昔から、一国が他国に領土を割譲するときは、「２国間で条約が結ばれた」のであるが、北方領土については日ソ間で有効な条約が一つも存在していない。
そういう状態でありしかも冷戦が深刻化したために、米国も英国も「北方領土というのは日本に放棄させただけの領土であり、ソ連に向かって割譲したなどというのは夢幻の嘘だ」と主張するようになった。
そして、米国の陣営に長年所属し友好国となった日本に対しては、米国は「４島は日本の物であるから返還したらどうか」と日本を支援するようになっている。
米国の主張は、無理でもなんでもなく、原点に立ち返って「ソ連が法的根拠のない不法占拠をしている」という事実を利用し批判しているだけだ。
まったくの正論なのである。
そもそも、考えて見て欲しい、サンフランシスコ講和条約というのは日本と米国、日本と英国、日本とフランス、日本とオランダというような多くの「２国間平和条約」を一括した物であるということを。
であるから、米英仏蘭などと正式に条約を締結した状態の日本は、彼らに対しては「領土を放棄していない」とは言えない。
しかし、自分から逃げて条約を締結していないソ連（とその後継のロシア）に対しては、「領土を放棄していない」と言い張れるのだ！
もっと他のたとえで言うのならば、「日米貿易協定」について考えてみればよい。
日米貿易協定は日米だけの約束事であり、その内容が自動的にソ連やロシアに適用されるわけがないのである。
「自動適用される」というような噴飯物の主張が、どこから出て来るのか、不思議に思えて仕方がない。
佐藤優というのは、こういった歴史的な事情や法的な事情を何も知らない。
そういうような人物であるからこそ、逮捕・起訴され有罪となったのだろう。
>日ソ共同宣言では、平和条約締結後にソ連が日本に歯舞群島と色丹島を引き渡すことが約束されています。
１９５６年の条約では、「４島問題は継続審議する」ということになっていた。
それを強引に「そんな約束はしていない」として以降の交渉を門前払いにしていたのはソ連側だ。
そういうソ連が、米国との冷戦により国内が疲弊して崩壊しかけたとき、はじめて「４島についてきちんと話し合う」と言い始めた（以下参照）。
https:/
>日ソ共同声明(1991年)
1991年4月海部総理とゴルバチョフ大統領により署名されました。
１ 北方四島が平和条約において解決されるべき領土問題の対象であること
が、初めて文書の形で確認されました。
２ この後、日本は、北方四島の日本への帰属が確認されれば、実際の返還
の時期及び態様、条件については柔軟に対応するとの方針を採用しました。
上のＵＲＬにもあるが、その後、「４島について話し合う」と何度も確認した。
しかし、経済状態が良くなるとプーチンがまた「２島のみ。２島の主権さえ保障しない」と言い始めた。
こういう国が、信用できる国なのだろうか？
そもそも、１９５６年の時点では、シベリア抑留者という「人質」が何千人もソ連に取られていたために、政府が彼らの救出を何よりも優先して非常に不利な条件で条約を結んでいた。
そういう「不平等条約」を今になってまた持ち出すことの神経が理解できない。
そのような者たちは、国を売っているのだ！
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