前に同様のトピを作ったのであるが、参加者がいなかったために１か月で消去されてしまった。しかし、昨日、再び中国公船が日本の領海内で日本の漁船を追い回すという事態が発生したので、放っておけないと思った。そこで、トピずれで申し訳ないのであるが、参加者の皆様のおかげでなんとか生きながらえているこのトピに、尖閣諸島問題についても書かせていただきたいと思った。
今回は、簡単に、尖閣諸島問題を考えるときに必要となる要点だけを書くことにする。「中国側が主張する尖閣領有について根拠が確認できない」ということを説明することになる。
中国が、国際法上「尖閣諸島を日本に盗まれた」と主張するためには、「日本が尖閣諸島の領有を主張する前に中国がその地域を領有していた」ということの証明が必要だ。ところが、中国は歴史的に内陸国家であり、海洋に進出したことはほとんどない。尖閣諸島どころか、その手前の台湾でさえ、江戸時代直前になるまで中国人の住まない島として放っておかれた。それどころか、福建の辺りでさえ、明の時代（1368年-1644年）になるまでは開発がほとんど行われていない土地であり、密林が広がり虎が住んでいた土地であった。福建や広東などは、尖閣とは違い、中国が一応は領土として宣言もし管理もしていたから役人などが派遣されたが、彼らは「もう、一生、生きて都には帰って来れないもの」と腹をくくり、親せきや友人たちと今生の別れをして出かけていくような場所だった。当時の中国人たちは、北京−西安−上海・南京を結んだ３角形の地域いわゆる「中原の地」と呼ばれるところだけに固まって住んでいて、それよりも外側の地は「化外の地」と呼んで普通の中国人が行きたくない場所であった。
さて、福建でさえ明の時代になるまでは開発がほとんど行われず密林同様であったのに、その先の更に海を渡った台湾なんぞには、江戸時代直前になるまで、海賊程度しか寄り付かなかった。実際、台湾を最初に開発したのはオランダ人だった。大航海時代にオランダ人たちは台湾や澎湖諸島周辺にやって来て中国と揉めたために、煩く思った中国が台湾島を貸す代わりに戦闘状態を終えるように交渉し、オランダ人たちもそれを受け入れて台湾島南部にプランテーションなどを開いた。これが、初めて、台湾島に文明が起こった瞬間である。それまでの台湾島には、おそらく古代タガログ人だろうと言われる土人たちしか住んでいなかった（そのことは、後述の「宮古島島民遭難事件」を知れば、よく理解できることだろう）。台湾原住民については、以下のウィキペディアに写真と説明が載っている。
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険しい山と密林に隔てられて、台湾には細分すると数十の未開部族が暮らしていたが、彼らは原始時代から外界とは隔絶されていたために互いに言語は通じず、字を持たず、中には腰蓑と槍を持ちターザンのような恰好をしていて部外者が来ると首を刈るような部族までいた。オランダ人たちはプランテーションを開くために人手が欲しかったが、台湾の未開民族を使用することは不可能であったから、大陸中国から中国人たちを呼び寄せた。江戸時代が始まる直前の頃の話だ。これが、普通の中国人たちが初めて台湾に足を踏み入れた瞬間だ。その後、東南アジアにおいてオランダ人がイギリス人との争いに敗れる事態が起こったり、清に押しやられた明王朝の高官たちが台湾に逃げ込んでいて、彼らがオランダ人の追放に動いたりもしたために、台湾には中国人たちだけが残されるようになった。彼らは台湾島の南部のみを開発し、中部から北部には全く手を付けなかった。その状態は、江戸時代が終わるまで維持された。
明治時代になっても台湾の中部・北部には未開民族が住み着いていた。未開民族の彼らが船を作り、台湾島北端から１５０ｋｍ以上も離れた尖閣諸島に来て自分たちの活動圏に組み込んていたなどという可能性は、まったく存在しない。つまり、尖閣諸島については、台湾島南部の中国人はもちろんのこと、台湾島中部・北部に住んでいた主に山岳部族の未開人たちが領有らしきことをした形跡は一つもないのだ。そのことは、明治になり１８７１年に起こった宮古島島民遭難事件を見ればもっと分かることだ。この事件は、沖縄の漁民が嵐で遭難して台湾北部にやっとのことで辿り着いたが、現地の台湾の未開の首狩り族たちにより５４名が殺されたという事件だ。この事件が起きた時、日本政府は台湾の未開部族が琉球の民を殺したことを中国に抗議した。しかし、中国政府は「彼らは野蛮人であり、中国政府の管轄外であるから、中国政府は責任を負わない」というような説明をした（以下参照）。
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帆船の時代に台湾南部に住んでいた中国人たちが尖閣諸島を頻繁に訪れて彼らの活動圏に組み入れていたなどと言うことは全くありえない話である以上、中国政府の「尖閣諸島は台湾の付属諸島である」という領有についての主張は台湾島北部の未開人に頼るしかないのであるが、それもまた、途轍もなくあり得ない話であることになる。以下は海上保安庁の海図だが、この地図を見れば、直感的にも「与那国島などの横っ腹にくっついた位置にある尖閣諸島に、台湾の未開民族が頻繁に渡って来て活動範囲にしていた」などということがありえないことが分かるだろう。
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このように、かつて一度も中国人たちが尖閣諸島を領有したことはないのである。つまり、尖閣諸島というのは、２０世紀になっての南極大陸やアフリカ奥地などのように、１８９０年代においても、どこの先進国の土地でもない「無主の地」だった。誰の土地でもない土地というのは２０世紀に入ってさえ世界中に転がっていたのであるから、１８９０年代に日本が最初に尖閣諸島の領有を宣言し、また、代々自国の活動圏に組み込んで管理してきたことにより日本に領有権が発生したことは、誰も否定しようがないのだ！これは、国際法上はっきりと認められている「無主地先占の法理」だ。中国は、この国際ルールにも文句をつけているのであるから、２重に与太者国家であることになる。なぜ、日本政府は毅然とした態度で首脳間で「事実」を説明しないのだろうか？アメリカの思惑通りに、中国を誤解させたまま、日本に対して突っかかるだけ突っかからせているような状態を放置しておくべきではない。「その方がアメリカの利益になる」と判断してのことなのだろうか？
次回は、国際法上の「無主地先占」の考え方をもう少し詳しく書きたいと思う。この考え方は、北方領土についても日本の左系の中に勘違いをしている者を頻繁にみかけるから、一度解説するべきだと思っていた。
今回は、簡単に、尖閣諸島問題を考えるときに必要となる要点だけを書くことにする。「中国側が主張する尖閣領有について根拠が確認できない」ということを説明することになる。
中国が、国際法上「尖閣諸島を日本に盗まれた」と主張するためには、「日本が尖閣諸島の領有を主張する前に中国がその地域を領有していた」ということの証明が必要だ。ところが、中国は歴史的に内陸国家であり、海洋に進出したことはほとんどない。尖閣諸島どころか、その手前の台湾でさえ、江戸時代直前になるまで中国人の住まない島として放っておかれた。それどころか、福建の辺りでさえ、明の時代（1368年-1644年）になるまでは開発がほとんど行われていない土地であり、密林が広がり虎が住んでいた土地であった。福建や広東などは、尖閣とは違い、中国が一応は領土として宣言もし管理もしていたから役人などが派遣されたが、彼らは「もう、一生、生きて都には帰って来れないもの」と腹をくくり、親せきや友人たちと今生の別れをして出かけていくような場所だった。当時の中国人たちは、北京−西安−上海・南京を結んだ３角形の地域いわゆる「中原の地」と呼ばれるところだけに固まって住んでいて、それよりも外側の地は「化外の地」と呼んで普通の中国人が行きたくない場所であった。
さて、福建でさえ明の時代になるまでは開発がほとんど行われず密林同様であったのに、その先の更に海を渡った台湾なんぞには、江戸時代直前になるまで、海賊程度しか寄り付かなかった。実際、台湾を最初に開発したのはオランダ人だった。大航海時代にオランダ人たちは台湾や澎湖諸島周辺にやって来て中国と揉めたために、煩く思った中国が台湾島を貸す代わりに戦闘状態を終えるように交渉し、オランダ人たちもそれを受け入れて台湾島南部にプランテーションなどを開いた。これが、初めて、台湾島に文明が起こった瞬間である。それまでの台湾島には、おそらく古代タガログ人だろうと言われる土人たちしか住んでいなかった（そのことは、後述の「宮古島島民遭難事件」を知れば、よく理解できることだろう）。台湾原住民については、以下のウィキペディアに写真と説明が載っている。
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険しい山と密林に隔てられて、台湾には細分すると数十の未開部族が暮らしていたが、彼らは原始時代から外界とは隔絶されていたために互いに言語は通じず、字を持たず、中には腰蓑と槍を持ちターザンのような恰好をしていて部外者が来ると首を刈るような部族までいた。オランダ人たちはプランテーションを開くために人手が欲しかったが、台湾の未開民族を使用することは不可能であったから、大陸中国から中国人たちを呼び寄せた。江戸時代が始まる直前の頃の話だ。これが、普通の中国人たちが初めて台湾に足を踏み入れた瞬間だ。その後、東南アジアにおいてオランダ人がイギリス人との争いに敗れる事態が起こったり、清に押しやられた明王朝の高官たちが台湾に逃げ込んでいて、彼らがオランダ人の追放に動いたりもしたために、台湾には中国人たちだけが残されるようになった。彼らは台湾島の南部のみを開発し、中部から北部には全く手を付けなかった。その状態は、江戸時代が終わるまで維持された。
明治時代になっても台湾の中部・北部には未開民族が住み着いていた。未開民族の彼らが船を作り、台湾島北端から１５０ｋｍ以上も離れた尖閣諸島に来て自分たちの活動圏に組み込んていたなどという可能性は、まったく存在しない。つまり、尖閣諸島については、台湾島南部の中国人はもちろんのこと、台湾島中部・北部に住んでいた主に山岳部族の未開人たちが領有らしきことをした形跡は一つもないのだ。そのことは、明治になり１８７１年に起こった宮古島島民遭難事件を見ればもっと分かることだ。この事件は、沖縄の漁民が嵐で遭難して台湾北部にやっとのことで辿り着いたが、現地の台湾の未開の首狩り族たちにより５４名が殺されたという事件だ。この事件が起きた時、日本政府は台湾の未開部族が琉球の民を殺したことを中国に抗議した。しかし、中国政府は「彼らは野蛮人であり、中国政府の管轄外であるから、中国政府は責任を負わない」というような説明をした（以下参照）。
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帆船の時代に台湾南部に住んでいた中国人たちが尖閣諸島を頻繁に訪れて彼らの活動圏に組み入れていたなどと言うことは全くありえない話である以上、中国政府の「尖閣諸島は台湾の付属諸島である」という領有についての主張は台湾島北部の未開人に頼るしかないのであるが、それもまた、途轍もなくあり得ない話であることになる。以下は海上保安庁の海図だが、この地図を見れば、直感的にも「与那国島などの横っ腹にくっついた位置にある尖閣諸島に、台湾の未開民族が頻繁に渡って来て活動範囲にしていた」などということがありえないことが分かるだろう。
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このように、かつて一度も中国人たちが尖閣諸島を領有したことはないのである。つまり、尖閣諸島というのは、２０世紀になっての南極大陸やアフリカ奥地などのように、１８９０年代においても、どこの先進国の土地でもない「無主の地」だった。誰の土地でもない土地というのは２０世紀に入ってさえ世界中に転がっていたのであるから、１８９０年代に日本が最初に尖閣諸島の領有を宣言し、また、代々自国の活動圏に組み込んで管理してきたことにより日本に領有権が発生したことは、誰も否定しようがないのだ！これは、国際法上はっきりと認められている「無主地先占の法理」だ。中国は、この国際ルールにも文句をつけているのであるから、２重に与太者国家であることになる。なぜ、日本政府は毅然とした態度で首脳間で「事実」を説明しないのだろうか？アメリカの思惑通りに、中国を誤解させたまま、日本に対して突っかかるだけ突っかからせているような状態を放置しておくべきではない。「その方がアメリカの利益になる」と判断してのことなのだろうか？
次回は、国際法上の「無主地先占」の考え方をもう少し詳しく書きたいと思う。この考え方は、北方領土についても日本の左系の中に勘違いをしている者を頻繁にみかけるから、一度解説するべきだと思っていた。
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