少林内勁一指禅功コミュの[余興]内勁一指禅功を離れて梁蔭全氏の紹介する佛教・密教気功

ここは内勁一指禅功コミュではあるが、そもそも気功は単なる健康法・養生法ではない。それはハタ・ヨーガが単なるストレッチ体操でないのと同様である。

"気功"は中共が中国を支配するようになって以降、唯物弁証法理論に反するものが許されなくなった時代に成立した概念である。しかし実際には過去から存在しているものを脱宗教化して"気功"としたものに過ぎない。

だから"気功"には道教・仙道系、仏教・密教系等各種の系譜のものがあり、それは日本でも古神道等神道系の行法が気功そのものであるのと同様である。

梁蔭全氏は、多様な功法を修得されている方であり（極意を全て知っているとは言わないが）内勁一指禅功も幾らかの功法はお分かりのようである。

さて、梁蔭全『難病・慢性病を癒す特効「念力気功」』現代書林、1996年、（以下「念力気功」と略す）の後ろの方には、仏教系・密教系の功法が紹介されている。

その中でも潜在能力を開発する佛教気功のうちの幾つかが紹介されている。
・「体を浄化して潜在能力開発を準備する"不浄観気功"」。
・「天目を開き潜在能力の開発を促進する"白骨観気功"」。
・「宇宙のすべての氣を吸収する"光炁気功(こうぶきこう)"」。
・「様々な術をかける念力気功」、
・「佛教念力気功の陰性気功＝"霊力功"」。

話はここからだが、気功を修練する者として、単なる健康体操・養生法としてではない、自身の精神修養も視野に入れて練功をしていただきたいのだ。

梁蔭全『念力気功』164頁以下「不浄観気功」の節では、
165頁「本功法の二つの特徴は、意守丹田を意識せず、大小周天を行わない」こと。
166頁「「周易」を多く勉強する事は、功力を上げ、理論の探求に役立ちます」。

また「白骨観気功」の節では、
175頁「古代の修練者は、普段周易・佛教・道教を勉学しています。その為、彼らの発する声は強い氣を感じます。氣の場が出来上がると、代々修練者が段々拡大していく事になります。もし普段からこのような本を多く読んでおれば、古代、現代の氣の場が疎通します」。

「このような本」とは『易経』のような重要な古典のことである。
ちなみに若き日の白隠禅師に『軟酥の法』を授けた白幽仙人の机の上には、『老子』『金剛般若経』『中庸』の三冊が置いてあったのみであるという。

『中庸』とは四書五経のうちの四書の一つで、『大学』から入門して『中庸』へとのが読み進めるのがセオリーである。

175頁「暗唱の時、目を閉じてを坐禅をし、自分の声の波長が古代・現代のある上級功法の修練者が発する波長と一致すれば、その方の影像が天目に現れます。これは即ち、「法身再現」であり、その方が貴方の師なのです。もし普段から功法の訓練ができない人は、上記の本を良く読むことです」とも記載されている。

ネット上で見かけた別の気功家「龍楊　中国伝統気功・大阪」氏（内勁一指禅功 & 密教実践家）も天台大師智顗（ちぎ）の『摩訶止観』をキチンと読んでいる。

[結論]
『易経』『老子』『金剛般若経』『中庸』『摩訶止観』を普段から読みましょう。