少林内勁一指禅功コミュの「三関進気法」とは何か？そして三関進気法を練功する上でのの注意点

1,
「三関進気とは整体脈を疎通したベースの上で、更に一歩進んで手の三陽経と三陰経を疎通し、外気の内収と内気の放出をトレーニングして、中級功法の勉強に基礎を作る功法」である。黄仁忠『空勁氣功(免疫功法)』111,183頁。

「三関進気法は、全身の経脈を疎通する機能を強めるための自身導引術ともいうべきものです」。前掲184頁。

「本節(三関進気法)の功法の練習では低い站粧姿勢が要求されます。足の曲げる角度は70度前後で、膝は足先を超えないように」。前掲122頁。

「三関進気法は主に内気と自然の中の気との交流を強め、帯脈を強めて、任督脈と十二経脈を活性化させることによって、全身の気血量を増やし、外気を納める量と内気を出す物質エネルギー量を増加し、功力を強め、内外気の交流を密接にさせて、且つ、気を放出する人に害がおよばないよう基礎作りをすることであります。」前掲同頁。

「三関進気法は, 内気功の最終段階の功法であると共に, 外気功への登竜門としての功法です。この功法は, 腹側の正中線を走る任脈(にんみゃく)と背中の背骨側を走る督脈(とくみゃく)の二脈を通し, 陰陽を循環させます。三関進気法は, 内気功の最終段階の功法であると共に, 外気功への登竜門としての功法です。」並木克敏先生の通信教育教材より。

2, [耶蘇善財自身の体験より]
私自身は去年(2018年)の12月18日に東京小岩のリアル教室で通して生まれて初めて1回、それから年末の30日31日に1回ずつ、計3回行ったところ、正月元旦午後に少し寒気がしたように思い、練功もほとんども食事もせずにまる2日以上横になっていた。

3日18時頃になって蕎麦を茹でて食べて横になったところ、1時間2時間すると消化吸収されて血糖値が上がったと見え、身体がポカポカ温かくなってきた。

21時になって起き出して4回目の三関進気法を行った。すると就寝時、足がポカポカを越えてジンジンと熱くなってきて、でも苦痛でなく快感とも呼べる（湯たんぽとは違う）最も自然な暖かさで、布団の中でニヤニヤ笑いが止まらないほど愉快な暖かさを味わった。

翌4日朝、目が覚めてからも身体の温かさが心地良くて"養生の為"と嘯いて午前中ずっと布団から出ないまま、身体の暖かさを味わって過ごした。私が虚弱体質の持ち主だからこそ著効をみたのだろうと思う。

"寒気"については、日本気功協会監修『ひとりでできる健康気功』日東書院、1997年、に出てくるp.124-「真気運行法」の第5ステップで「督脈が通じたあとにあらわれてくる感覚」の幾つかの一つとして「身体があたたかい感じや冷える感じ」も記載されていた。

これにより私の元旦の"寒気"は風邪ではなく、三関進気法により督脈が通じた結果だったのだと分かった。

リアル教室の練習シーン（添付画像参照）では、両手を上下に開く場面で上の手が印刷教材が指示している「(13)右手は「こめかみ」の脇に，左手は太腿の外側に置き」と違い、上の手が低く下の手が高くなっている人が若干見られる。

黄仁忠『空勁氣功(免疫功法)』でも黄仁忠老師の上の手を"こめかみ"よりも高く置いており、いずれも"玉沈関"よりも高く、そして下の手は尾閭関よりも低い位置に置かねばならないのではないかと思った。

やはり内勁一指禅功は形を厳格に守ること（調身）によって効果の出る功法なのだろう。
そして並木先生も生徒に対してもう少し厳しく注意を促しても良いと思う。

これは私自身が禅宗の出身なので、師匠＝古典の教えに厳密に忠実でなければならないことをよく知っている故にそう思うのだ。例えば坐禅を組む際に「舌を挙げて上齶に向けよ」と天台大師智顗（ちぎ）の『小止観』の「調身」にも出てくる（岩波文庫『天台小止観』75頁）。もちろん道元禅師の『普勧坐禅儀』や瑩山禅師（瑩山紹瑾の『坐禅用心記』にも「舌上の齶（あざと）を拄（ささ）え、」などと同じことが書かれている。そしてこれを守らずに、仮に廃人になっても（”禅病”として知られている）それは、古典＝師匠の教えに忠実でなかったその人が悪いのだ。