小説の中には音楽が重要な要素として描かれているものがかなりあります。
ハードボイルド小説には1940年代のジャズが好きな探偵が出てくるものがあります。
うらぶれたハードボイルド探偵とジャズ、これはお似合いですね :-)
ディック・ロクティ / 眠れる犬 に登場する私立探偵レオ・ブラッドワースはまさに1940年代のジャズばっかり聴いているハードボイルド探偵です。
梗概はこんな内容です。
『セレディピティ(セーラ)・ダルクィストは14歳の高校生。女優の祖母とロスで二人暮らしだった。ある日、彼女の愛犬が失踪、セーラは警察へ届け出た。だが、警官が相手にしてくれるはずもなく、冗談半分に紹介されたのが42歳の私立探偵レオ・ブラッドワースだった。そしてこのときから14歳の少女と42歳の探偵の奇妙な道中が始まった。しかし、この愛犬失踪の陰にはマフィアがらみの恐るべき謀略の罠が張り巡らされていたのだ。
1986年ネロ・ウルフ賞受賞作。』
SF作品にも音楽が重要な要素として描かれているものがあります。
ルイス・シャイナー / グリンプスはこんな梗概です。
『ステレオ修理屋のレイは、父親を事故で亡くしたのち、 自らの不思議な能力に気がついた。60年代のロック・ミ ュージックに思いを巡らす。すると当時未完に終わった はずのあの名曲が、スピーカーから流れ出た！ ドアー ズ、ビーチ・ボーイズ、ジミ・へンドリックスの未発表 音源を求めて過去へのトリップが始まる。ロック史が一 変する無類のＳＦファンタジイ！世界幻想文学大賞受賞。』
また、キム・スタンリーロビンソン / 永遠なる天空の調 はこんな梗概です。
『この世に一台きりの音楽機械を操る、若き天才音楽家ヨハ ネス・ライト。太陽系全域を縦断する初のツアーが始まり、 世界は湧きたった。だが彼は密かに、まったく新しい音楽 を完成させようとしていた。その曲は究極の物理方程式に 基づいて、宇宙そのものを再現するのだ。だが先々に待つ のは二重三重の陰謀。人類史に潜む謎の教派までが姿を現 し、しかも彼らは何かを伝えようと……。究極の時空ＳＦ。』
これらの音楽が重要な要素として描かれている小説を、思い出しながら、展開することで、小説とジャズを含む音楽を描いた作品を紹介して行きましょう。
みなさんも『あっ、こんなんがあったなぁ』という作品を思い出されましたら、遠慮なくご披露ください。
小説の場合は、音楽と違って、Youtube等で簡単に確認するわけにはいきませんし、紹介された小説も絶版になっているものがあったりして、なかなか手に入らない場合があります。
しかし、手に入れる方法によっては、スポーツ新聞よりも安く手に入る場合があり、読み終えるまでのそこそこの時間、幸せになれますね :-)
*********************************************************
小説リスト(登場降順）
*********************************************************
#40 - Remake : (1995) / リメイク : 大森望 訳 / ハヤカワ文庫SF : (1999)
#39 - ミンガス──自伝・敗け犬の下で / チャールズ・ミンガス ネル・キング編 黒田晶子・稲葉紀雄訳 / 晶文社クラシックス
#37 - 奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝 / ビリー ホリデイ (著), 油井 正一 , 大橋 巨泉 (翻訳) / 晶文社クラシックス
#31 - マイクル・コナリー / シティ・オブ・ボーンズ / ハヤカワ・ミステリ文庫
#29 - 原 �� / 私が殺した少女 / ハヤカワ文庫
#27 - 佐々木譲 / 笑う警官 / ハルキ文庫
#22,#24 - 井坂幸太郎 / ゴールデンスランバー / 新潮社
#20 - 村上春樹 / 風の歌を聴け / 講談社文庫
#19 - 景山民夫 / 九月の雨 / 徳間書店
#19 - 景山民夫 / 国境の南 / 徳間書店
#19 - 景山民夫 / 遠い海から来たCOO（クー） / 角川文庫
#18 - ジャコ・パストリアスの肖像 / ビル・ミウコフスキー / リットーミュージック
#13 - マイクル・コナリー / ナイトホークス / 扶桑社海外文庫
#10 - 五木寛之 / さらばモスクワ愚連隊 / 新潮文庫
#9 - 五木寛之 / ワルシャワの燕たち / 集英社文庫
#8 - ナット・ヘントフ / ジャズカントリー / 晶文社, 講談社文庫
#5, #7 - ローレンス・ブロック / ハ百万人の死にざま / ハヤカワ・ポケットミステリー
#4 - ジャン・ポール・サルトル/ 嘔吐 / 人文書院
#3 - マイクル・コナリー / 死角・オーバールック / 講談社文庫
#1 - ピート・ハミル / マンハッタン・ブルース / 創元推理文庫
ハードボイルド小説には1940年代のジャズが好きな探偵が出てくるものがあります。
うらぶれたハードボイルド探偵とジャズ、これはお似合いですね :-)
ディック・ロクティ / 眠れる犬 に登場する私立探偵レオ・ブラッドワースはまさに1940年代のジャズばっかり聴いているハードボイルド探偵です。
梗概はこんな内容です。
『セレディピティ(セーラ)・ダルクィストは14歳の高校生。女優の祖母とロスで二人暮らしだった。ある日、彼女の愛犬が失踪、セーラは警察へ届け出た。だが、警官が相手にしてくれるはずもなく、冗談半分に紹介されたのが42歳の私立探偵レオ・ブラッドワースだった。そしてこのときから14歳の少女と42歳の探偵の奇妙な道中が始まった。しかし、この愛犬失踪の陰にはマフィアがらみの恐るべき謀略の罠が張り巡らされていたのだ。
1986年ネロ・ウルフ賞受賞作。』
SF作品にも音楽が重要な要素として描かれているものがあります。
ルイス・シャイナー / グリンプスはこんな梗概です。
『ステレオ修理屋のレイは、父親を事故で亡くしたのち、 自らの不思議な能力に気がついた。60年代のロック・ミ ュージックに思いを巡らす。すると当時未完に終わった はずのあの名曲が、スピーカーから流れ出た！ ドアー ズ、ビーチ・ボーイズ、ジミ・へンドリックスの未発表 音源を求めて過去へのトリップが始まる。ロック史が一 変する無類のＳＦファンタジイ！世界幻想文学大賞受賞。』
また、キム・スタンリーロビンソン / 永遠なる天空の調 はこんな梗概です。
『この世に一台きりの音楽機械を操る、若き天才音楽家ヨハ ネス・ライト。太陽系全域を縦断する初のツアーが始まり、 世界は湧きたった。だが彼は密かに、まったく新しい音楽 を完成させようとしていた。その曲は究極の物理方程式に 基づいて、宇宙そのものを再現するのだ。だが先々に待つ のは二重三重の陰謀。人類史に潜む謎の教派までが姿を現 し、しかも彼らは何かを伝えようと……。究極の時空ＳＦ。』
これらの音楽が重要な要素として描かれている小説を、思い出しながら、展開することで、小説とジャズを含む音楽を描いた作品を紹介して行きましょう。
みなさんも『あっ、こんなんがあったなぁ』という作品を思い出されましたら、遠慮なくご披露ください。
小説の場合は、音楽と違って、Youtube等で簡単に確認するわけにはいきませんし、紹介された小説も絶版になっているものがあったりして、なかなか手に入らない場合があります。
しかし、手に入れる方法によっては、スポーツ新聞よりも安く手に入る場合があり、読み終えるまでのそこそこの時間、幸せになれますね :-)
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小説リスト(登場降順）
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#40 - Remake : (1995) / リメイク : 大森望 訳 / ハヤカワ文庫SF : (1999)
#39 - ミンガス──自伝・敗け犬の下で / チャールズ・ミンガス ネル・キング編 黒田晶子・稲葉紀雄訳 / 晶文社クラシックス
#37 - 奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝 / ビリー ホリデイ (著), 油井 正一 , 大橋 巨泉 (翻訳) / 晶文社クラシックス
#31 - マイクル・コナリー / シティ・オブ・ボーンズ / ハヤカワ・ミステリ文庫
#29 - 原 �� / 私が殺した少女 / ハヤカワ文庫
#27 - 佐々木譲 / 笑う警官 / ハルキ文庫
#22,#24 - 井坂幸太郎 / ゴールデンスランバー / 新潮社
#20 - 村上春樹 / 風の歌を聴け / 講談社文庫
#19 - 景山民夫 / 九月の雨 / 徳間書店
#19 - 景山民夫 / 国境の南 / 徳間書店
#19 - 景山民夫 / 遠い海から来たCOO（クー） / 角川文庫
#18 - ジャコ・パストリアスの肖像 / ビル・ミウコフスキー / リットーミュージック
#13 - マイクル・コナリー / ナイトホークス / 扶桑社海外文庫
#10 - 五木寛之 / さらばモスクワ愚連隊 / 新潮文庫
#9 - 五木寛之 / ワルシャワの燕たち / 集英社文庫
#8 - ナット・ヘントフ / ジャズカントリー / 晶文社, 講談社文庫
#5, #7 - ローレンス・ブロック / ハ百万人の死にざま / ハヤカワ・ポケットミステリー
#4 - ジャン・ポール・サルトル/ 嘔吐 / 人文書院
#3 - マイクル・コナリー / 死角・オーバールック / 講談社文庫
#1 - ピート・ハミル / マンハッタン・ブルース / 創元推理文庫
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コメント(43)
■ナット・ヘントフ 『ジャズカントリー』 （木島始訳）
米国が生んだ最高の芸術のひとつと言われているジャズ。ですが、肝心の本国ではそういった高い評価に対して複雑な想いを抱く人が多いのではないかと思います。
何故かというと、ジャズを語る上で素通りすることができない人種差別の問題が絡むから。
ユーグ・パナシェ（フランス人）、レナード・フェザー（英国人）といった具合に有名なジャズ評論家には（米国にとっての）外国人が多い。その理由は、元々ジャズは最高という想いで海を渡ってきていることの他に、人種差別の問題に対して神経質にならずに評論を書けるからということもあるらしい。
ナット・ヘントフは米国人ですが、小説という形でジャズをとりまく微妙な問題に取り組んでいます。ジャズを聴き始めた頃、この本に出逢ってジャズがどんな音楽かということがおぼろげながら掴めたような気がしました。
この本は現代の若い人達にどのくらい読まれているのでしょうか。
米国が生んだ最高の芸術のひとつと言われているジャズ。ですが、肝心の本国ではそういった高い評価に対して複雑な想いを抱く人が多いのではないかと思います。
何故かというと、ジャズを語る上で素通りすることができない人種差別の問題が絡むから。
ユーグ・パナシェ（フランス人）、レナード・フェザー（英国人）といった具合に有名なジャズ評論家には（米国にとっての）外国人が多い。その理由は、元々ジャズは最高という想いで海を渡ってきていることの他に、人種差別の問題に対して神経質にならずに評論を書けるからということもあるらしい。
ナット・ヘントフは米国人ですが、小説という形でジャズをとりまく微妙な問題に取り組んでいます。ジャズを聴き始めた頃、この本に出逢ってジャズがどんな音楽かということがおぼろげながら掴めたような気がしました。
この本は現代の若い人達にどのくらい読まれているのでしょうか。
■五木寛之 『ワルシャワの燕たち』
音楽にも造詣が深い五木寛之がさりげなく、しかし愛情を込めてポーランドのジャズ事情（ジャズの愛され方）に触れています。
ポーランドはおそらく世界でも最高レベルのジャズが演奏されている国ですが、日本ではどうしてもショパンの国と思われてしまうところがありますね。まぁ、ショパンも即興演奏を得意とした人ではあるのですが。
彼の国のジャズ事情が日本にあまり伝わってこなかった理由として、東欧圏だったことと、欧州なのにアメリカナイズされているという評価だったことが挙げられます。本国のジャズを徹底的に分析し、空気感まで再現するくらいに徹底されている。他の欧州のジャズと比較して一番はっきり違いが出るのはドラムの巧みさの部分だと思います。
もうひとつ、そしてこれがたぶん最大と思われる理由は、わざわざ海外に出て行かなくても国内に多くのファンが居るから。そんなポーランドのジャズ事情が小説の中にしっかりと織り込まれています。
トピの趣旨から逸れますが、ジャズはポーランドの映画でも重要な要素の1つになっています。例えばロマン・ポランスキーの『水の中のナイフ』
登場人物は３人だけで、ジャズが第４のキャラクターとして重要な役割を果たしている作品。音楽を担当した気鋭のピアニスト、クシュシュトフ・コメダの名前を一躍有名にした作品でもあります。
音楽にも造詣が深い五木寛之がさりげなく、しかし愛情を込めてポーランドのジャズ事情（ジャズの愛され方）に触れています。
ポーランドはおそらく世界でも最高レベルのジャズが演奏されている国ですが、日本ではどうしてもショパンの国と思われてしまうところがありますね。まぁ、ショパンも即興演奏を得意とした人ではあるのですが。
彼の国のジャズ事情が日本にあまり伝わってこなかった理由として、東欧圏だったことと、欧州なのにアメリカナイズされているという評価だったことが挙げられます。本国のジャズを徹底的に分析し、空気感まで再現するくらいに徹底されている。他の欧州のジャズと比較して一番はっきり違いが出るのはドラムの巧みさの部分だと思います。
もうひとつ、そしてこれがたぶん最大と思われる理由は、わざわざ海外に出て行かなくても国内に多くのファンが居るから。そんなポーランドのジャズ事情が小説の中にしっかりと織り込まれています。
トピの趣旨から逸れますが、ジャズはポーランドの映画でも重要な要素の1つになっています。例えばロマン・ポランスキーの『水の中のナイフ』
登場人物は３人だけで、ジャズが第４のキャラクターとして重要な役割を果たしている作品。音楽を担当した気鋭のピアニスト、クシュシュトフ・コメダの名前を一躍有名にした作品でもあります。
エドシモンさんの書き込みを見て思い出しました。
五木寛之を世に出した作品、1966年の「小説現代」新人賞が「さらばモスクワ愚連隊」でした。
私の手持ちは新潮文庫平成11年発刊の第三版。以前持っていたのも新潮文庫だったかの記憶があやふやですが…
「さらばモスクワ愚連隊」はまだ赤いカーテンの向こう側、ソビエトにジャズバンドを送りこむイベント屋が、初めてモスクワの地へ行き、そこでミーシャという非行少年に出会う。禁止されているはずの西側のラジオ放送を聴いて真似していた、ミーシャのジャズの才能に驚く…
というようなストーリーでした。
この流れがエドシモンさんご指摘の作品につながっているのですね。
ジャズには「反体制」が似合うと思います。
そんなことを気づかせてくれた記念碑的作品です。
なおこの新潮文庫版「さらばモスクワ愚連隊」には「GIブルース」という作品も併録されています。
五木寛之を世に出した作品、1966年の「小説現代」新人賞が「さらばモスクワ愚連隊」でした。
私の手持ちは新潮文庫平成11年発刊の第三版。以前持っていたのも新潮文庫だったかの記憶があやふやですが…
「さらばモスクワ愚連隊」はまだ赤いカーテンの向こう側、ソビエトにジャズバンドを送りこむイベント屋が、初めてモスクワの地へ行き、そこでミーシャという非行少年に出会う。禁止されているはずの西側のラジオ放送を聴いて真似していた、ミーシャのジャズの才能に驚く…
というようなストーリーでした。
この流れがエドシモンさんご指摘の作品につながっているのですね。
ジャズには「反体制」が似合うと思います。
そんなことを気づかせてくれた記念碑的作品です。
なおこの新潮文庫版「さらばモスクワ愚連隊」には「GIブルース」という作品も併録されています。
>>[10] ありましたね。『さらばモスクワ愚連隊』。東西冷戦の時代だったからこそ書ける小説だったかな。
さらっと『ワルシャワの燕たち』を読み返してみました。
当時は「東側の国」だったポーランドに主人公が入国するところから話は始まりますが、そのときの言い知れぬ緊張感を、東西冷戦時代を知らない人達がどのくらい理解できるだろうか？という気持ちになりました。
伊茶ＧＯＲＯさんも触れられているように、当時のソ連・東欧圏では西側の放送を聴くことが禁じられていました。もっとも激しい妨害電波がかけられていて実際は聴取不能だったのですが。
ただ、英語放送には妨害をかけるわけにいかなかったので、多くの人達が英語放送を通じてアメリカのジャズの魅力に触れることになりました。ＶＯＡ（アメリカの声）で電波を通してジャズを送り届け続けたウィリス・カノーヴァー氏はソ連・東欧諸国では大スター級の扱いを受けるくらい人気がありました。
鉄のカーテンの向こう側ではジャズは「自由の象徴」でもあったのですね。反体制と見なされていたのはジャズでもフリージャズ系と民衆の心を結集するパワーを持ちえたロックだったと思います。
ジャズは（サックスを極端に嫌ったと伝えられるスターリンは除き）おそらくソ連の指導者にとっては厄介な存在だったと思います。資本主義、ブルジワジーの象徴として攻撃することには矛盾が生じるという意味で。ジャズの出自を考えたら、味方に付けるべき人達を間接的に敵に回すことになりますね。
それとは別に、実はジャズを愛していたのは西側諸国のレコードを買える立場にあった「赤い貴族たち」ではなかったのかなとも思うわけです。当局のお目こぼしがなければ「敵性音楽」を演奏しているジャズミュージシャンが活動することも出来なかったはずだから。
話が脱線しましたが、五木寛之のジャズに対する愛着は小説の中でもしっかり感じ取ることができます。ポーランドでは日本でいうジャズ喫茶のようなところでレベルの高い演奏が楽しめることをストーリーの中に挿入しつつ、日本ではジャズは特別な場所で聴くような音楽になってしまっていることをチクリとやる。
ジャズファンのための小説ではありませんが、ジャズ好きなら面白みが増す仕掛けになっています。
さらっと『ワルシャワの燕たち』を読み返してみました。
当時は「東側の国」だったポーランドに主人公が入国するところから話は始まりますが、そのときの言い知れぬ緊張感を、東西冷戦時代を知らない人達がどのくらい理解できるだろうか？という気持ちになりました。
伊茶ＧＯＲＯさんも触れられているように、当時のソ連・東欧圏では西側の放送を聴くことが禁じられていました。もっとも激しい妨害電波がかけられていて実際は聴取不能だったのですが。
ただ、英語放送には妨害をかけるわけにいかなかったので、多くの人達が英語放送を通じてアメリカのジャズの魅力に触れることになりました。ＶＯＡ（アメリカの声）で電波を通してジャズを送り届け続けたウィリス・カノーヴァー氏はソ連・東欧諸国では大スター級の扱いを受けるくらい人気がありました。
鉄のカーテンの向こう側ではジャズは「自由の象徴」でもあったのですね。反体制と見なされていたのはジャズでもフリージャズ系と民衆の心を結集するパワーを持ちえたロックだったと思います。
ジャズは（サックスを極端に嫌ったと伝えられるスターリンは除き）おそらくソ連の指導者にとっては厄介な存在だったと思います。資本主義、ブルジワジーの象徴として攻撃することには矛盾が生じるという意味で。ジャズの出自を考えたら、味方に付けるべき人達を間接的に敵に回すことになりますね。
それとは別に、実はジャズを愛していたのは西側諸国のレコードを買える立場にあった「赤い貴族たち」ではなかったのかなとも思うわけです。当局のお目こぼしがなければ「敵性音楽」を演奏しているジャズミュージシャンが活動することも出来なかったはずだから。
話が脱線しましたが、五木寛之のジャズに対する愛着は小説の中でもしっかり感じ取ることができます。ポーランドでは日本でいうジャズ喫茶のようなところでレベルの高い演奏が楽しめることをストーリーの中に挿入しつつ、日本ではジャズは特別な場所で聴くような音楽になってしまっていることをチクリとやる。
ジャズファンのための小説ではありませんが、ジャズ好きなら面白みが増す仕掛けになっています。
>>[11]
トピックの主題からは外れます。ご容赦m(_ _)m
"鉄のカーテンの向こう側"
行ったことも無いくせに、言いしえぬ恐怖を感じる世界でしたね。
そして、聞こえてくるのは、社会主義の矛盾、まさしくご指摘の通り、エリートで西側へ出張とかできる人たちが、まずビートルズやローリング・ストーンズ、もちろん"頽廃的な"ジャズのレコードや、それをかけるプレイヤーを持ち込むなどということをわれわれは知っていました。
まさか、こんなのが表立ったニュースになるわけもないわけで、すると東西冷戦を舞台にしたサスペンスやエスピオナージュでそういうのを読んだのだろうと思います。
ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」などが思い出されます。
私は残念ながらソ連へは行ったことなく終わりました。
ソ連崩壊後にロシア、ウクライナ、ベラルーシなどへ仕事で行ったのでした。
崩壊まもない混乱の時期…
まさか？と思いつつ、貨幣代わりになるなどと聞いていたタバコ「マルボロ」を持っていったら、本当にそれが役立ち、驚いた思い出があります。
トピズレ本当に失礼しましたm(_ _)m
トピックの主題からは外れます。ご容赦m(_ _)m
"鉄のカーテンの向こう側"
行ったことも無いくせに、言いしえぬ恐怖を感じる世界でしたね。
そして、聞こえてくるのは、社会主義の矛盾、まさしくご指摘の通り、エリートで西側へ出張とかできる人たちが、まずビートルズやローリング・ストーンズ、もちろん"頽廃的な"ジャズのレコードや、それをかけるプレイヤーを持ち込むなどということをわれわれは知っていました。
まさか、こんなのが表立ったニュースになるわけもないわけで、すると東西冷戦を舞台にしたサスペンスやエスピオナージュでそういうのを読んだのだろうと思います。
ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」などが思い出されます。
私は残念ながらソ連へは行ったことなく終わりました。
ソ連崩壊後にロシア、ウクライナ、ベラルーシなどへ仕事で行ったのでした。
崩壊まもない混乱の時期…
まさか？と思いつつ、貨幣代わりになるなどと聞いていたタバコ「マルボロ」を持っていったら、本当にそれが役立ち、驚いた思い出があります。
トピズレ本当に失礼しましたm(_ _)m
マイクル・コナリーという人の書いた、ロサンゼルスの刑事ハリー・ボッシュシリーズについては、最初に「シティ・オブ・ボーンズ」という作品を紹介しました。
フランク・モーガンの演奏が実に魅力的に描かれた警察ハードボイルドでした。
同じシリーズなら、アチコチにジャズ散りばめられている予想がつき、そういう意味ではルール違反かもしれませんが、もう1作、これだけは紹介させてください。
「ナイトホークス」（扶桑社海外文庫）
ハリー・ボッシュ刑事のデビュー作品です。
複雑な生まれ育ちだったハリー・ボッシュは17歳の時、年齢を偽り志願してベトナム戦争へ行きました。
任務は「トンネル工兵」。
ベトコンがジャングルの中に何百kmにもはりめぐらしたトンネル、今は観光目的で入れる場所もあります。
戦闘時にそういうトンネルへ潜りこみ、爆破するのが任務の生還率の低いものという設定です。
不謹慎な言い方になりますが、ベトナム戦争にかぶさる音楽は、サイケデリックなロックという感じになります。村上龍の「限りなく透明に近いブルー」ではずっと「ドアーズ」が頭の中を流れます。
ハリーもベトナムではもっぱらロックを聴いていたようです。
ところがある日の爆破任務を終え、トンネルから出てきたら、ジャングルのあちこちから自分の爆破したための煙が霞のように漂っていたと…。戦争に嫌気がさすと同時に、二度とジミ・ヘンドリックスの♪The Purple Haze （紫の霞）♪を聴けなくなり、より自分の内面へ降りていけるジャズに転向したということでした。
…実はジャズに疎いワタシですf(^_^;)
フランク・モーガンはそんな感じの音なのか知らぬまま、小説にハマり続けています。
このハリーがロサンゼルスに戻ってきてから
「これは俺だ
」
と気に入り複製画を手に入れ、家の壁にかけているのがエドワード・ホッパーというアメリカ人画家が描いた「夜ふかしをする人びと＝Night Hawks」です。
こちらはシカゴの美術館で本物を観ましたが、この絵からは間違いなくアルトサックスの静かな音色が聴こえる気がしたものでしたf(^_^;)
フランク・モーガンの演奏が実に魅力的に描かれた警察ハードボイルドでした。
同じシリーズなら、アチコチにジャズ散りばめられている予想がつき、そういう意味ではルール違反かもしれませんが、もう1作、これだけは紹介させてください。
「ナイトホークス」（扶桑社海外文庫）
ハリー・ボッシュ刑事のデビュー作品です。
複雑な生まれ育ちだったハリー・ボッシュは17歳の時、年齢を偽り志願してベトナム戦争へ行きました。
任務は「トンネル工兵」。
ベトコンがジャングルの中に何百kmにもはりめぐらしたトンネル、今は観光目的で入れる場所もあります。
戦闘時にそういうトンネルへ潜りこみ、爆破するのが任務の生還率の低いものという設定です。
不謹慎な言い方になりますが、ベトナム戦争にかぶさる音楽は、サイケデリックなロックという感じになります。村上龍の「限りなく透明に近いブルー」ではずっと「ドアーズ」が頭の中を流れます。
ハリーもベトナムではもっぱらロックを聴いていたようです。
ところがある日の爆破任務を終え、トンネルから出てきたら、ジャングルのあちこちから自分の爆破したための煙が霞のように漂っていたと…。戦争に嫌気がさすと同時に、二度とジミ・ヘンドリックスの♪The Purple Haze （紫の霞）♪を聴けなくなり、より自分の内面へ降りていけるジャズに転向したということでした。
…実はジャズに疎いワタシですf(^_^;)
フランク・モーガンはそんな感じの音なのか知らぬまま、小説にハマり続けています。
このハリーがロサンゼルスに戻ってきてから
「これは俺だ
」
と気に入り複製画を手に入れ、家の壁にかけているのがエドワード・ホッパーというアメリカ人画家が描いた「夜ふかしをする人びと＝Night Hawks」です。
こちらはシカゴの美術館で本物を観ましたが、この絵からは間違いなくアルトサックスの静かな音色が聴こえる気がしたものでしたf(^_^;)
>>[13]
徹夜遊びから帰ってきたら、トピックの投稿が増えていて、どうやらフランク・モーガンの音源を探し出すことを督促されているような気がしたので、とりあえず。
このアルバムです。
Frank Morgan
City Nights: Live at the Jazz Standard
All Music で各トラックのさわりだけ聴けます。
http://www.allmusic.com/album/city-nights-live-at-the-jazz-standard-mw0000152026
あいにく "all blues" は Youtube には上がっていませんでした。
同アルバムからはこのトラックだけが Youtube にありました。
"Impressions"
フランク・モーガンについてはこちらに解説があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Frank_Morgan_%28musician%29
パーカー・スクールの人（チャーリー・パーカーの影響を強く受けて、チャーリー・パーカーのようなスタイルで演奏する人のことを指します）
このアルバムではジョン・コルトレーンのオリジナル曲が2トラック入っています。
彼の演奏は、パーカー・スクールのままですが、ちょっとだけコルトレーン・スクールになっています。
しかし、なかなか意欲的なアルバムになっています。
このアルバムはお求めになるといいでしょう。
http://www.amazon.co.jp/City-Nights-Live-Jazz-Standard/dp/B0002JP27U/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1437855933&sr=1-3&keywords=frank+morgan
徹夜遊びから帰ってきたら、トピックの投稿が増えていて、どうやらフランク・モーガンの音源を探し出すことを督促されているような気がしたので、とりあえず。
このアルバムです。
Frank Morgan
City Nights: Live at the Jazz Standard
All Music で各トラックのさわりだけ聴けます。
http://www.allmusic.com/album/city-nights-live-at-the-jazz-standard-mw0000152026
あいにく "all blues" は Youtube には上がっていませんでした。
同アルバムからはこのトラックだけが Youtube にありました。
"Impressions"
フランク・モーガンについてはこちらに解説があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Frank_Morgan_%28musician%29
パーカー・スクールの人（チャーリー・パーカーの影響を強く受けて、チャーリー・パーカーのようなスタイルで演奏する人のことを指します）
このアルバムではジョン・コルトレーンのオリジナル曲が2トラック入っています。
彼の演奏は、パーカー・スクールのままですが、ちょっとだけコルトレーン・スクールになっています。
しかし、なかなか意欲的なアルバムになっています。
このアルバムはお求めになるといいでしょう。
http://www.amazon.co.jp/City-Nights-Live-Jazz-Standard/dp/B0002JP27U/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1437855933&sr=1-3&keywords=frank+morgan
■『ジャコ・パストリアスの肖像』 ビル・ミウコフスキー著 湯浅恵子訳
"The Life and Times of Jaco Pastorius" (1991)
「事実は小説より奇なり」を地で行くような天才ミュージシャンの壮絶かつ悲惨な没落物語。正直、読み進めるのが辛くなるばかりの本なのですが、最後まで読まずにはいられないのが不思議なところではあります。
例えばこんな一節があります。
『ジャコは、バッテリーで動くマウス・アンプにつないだ小さなカセットプレイヤー前にして座り、その上に頭を垂れて、ぐらぐらと揺らしていた。彼は『ヘビー・ウェザー』をかけていて、正面には公園を横切る人達から小銭を集めるために帽子が置かれていた。』
実際にその場面を目撃したらファンの１０人中１０人がショックを受けて逃げ出したくなると思います。栄光とはかけ離れた悲惨な場面（それもどんどん酷くなる）がこれでもかと続く訳ですが、それが事実というのが何とも恐ろしい。
でも、著者はけしてジャコを貶めようとしているわけではなく、この本を読んだからジャコの音楽に対する評価が落ちるわけでもない。小説ではありませんが、ミュージシャンを描いた作品の中でもおそらくトップレベルのヒューマンストーリーだと思います。
この本の終わりに近い部分で主としてジャコと関わりのあったミュージシャン達による「思い出」が綴られています。
大抵は「ミュージシャンとしてのジャコは最高だったが．．．」という語り口になっているのですが、ジョニ・ミッチェルの思い出はかなり違っています。正面からジャコの人間性に触れている（触れられた）という意味で間違いなく一等賞。
ジョニがジャコと共演した『ドンファンのじゃじゃ馬娘』と『ミンガス』で聴けるジャコは最高ですが、おそらくジャコの素晴らしさを一番深く理解することできた人はジョニ・ミッチェルということを納得させるだけの愛情のこもった言葉が収められています。
"The Life and Times of Jaco Pastorius" (1991)
「事実は小説より奇なり」を地で行くような天才ミュージシャンの壮絶かつ悲惨な没落物語。正直、読み進めるのが辛くなるばかりの本なのですが、最後まで読まずにはいられないのが不思議なところではあります。
例えばこんな一節があります。
『ジャコは、バッテリーで動くマウス・アンプにつないだ小さなカセットプレイヤー前にして座り、その上に頭を垂れて、ぐらぐらと揺らしていた。彼は『ヘビー・ウェザー』をかけていて、正面には公園を横切る人達から小銭を集めるために帽子が置かれていた。』
実際にその場面を目撃したらファンの１０人中１０人がショックを受けて逃げ出したくなると思います。栄光とはかけ離れた悲惨な場面（それもどんどん酷くなる）がこれでもかと続く訳ですが、それが事実というのが何とも恐ろしい。
でも、著者はけしてジャコを貶めようとしているわけではなく、この本を読んだからジャコの音楽に対する評価が落ちるわけでもない。小説ではありませんが、ミュージシャンを描いた作品の中でもおそらくトップレベルのヒューマンストーリーだと思います。
この本の終わりに近い部分で主としてジャコと関わりのあったミュージシャン達による「思い出」が綴られています。
大抵は「ミュージシャンとしてのジャコは最高だったが．．．」という語り口になっているのですが、ジョニ・ミッチェルの思い出はかなり違っています。正面からジャコの人間性に触れている（触れられた）という意味で間違いなく一等賞。
ジョニがジャコと共演した『ドンファンのじゃじゃ馬娘』と『ミンガス』で聴けるジャコは最高ですが、おそらくジャコの素晴らしさを一番深く理解することできた人はジョニ・ミッチェルということを納得させるだけの愛情のこもった言葉が収められています。
景山民夫…。短い人生の晩年、妙な宗教にのめりこみ、奇声を発した…。火の気の無いところで焼死した…。そんなことが理由でしょうか？今現在書店では作品全く入手できなくなっています。
直木賞受賞した「遠い海から来たCOO（クー）」（写真左…これはジャズは登場しませが）は、子どもにも夢を与える良い作品でした。
そんな景山民夫が創作したライトハードボイルド主人公が「関東テレビ」の元ディレクター、数々の番組をコケさせたため、今は制作局庶務課（ひとりしかいない）社員の宇賀神邦彦です。番組やタレントのトラブルを解決する名付けて「トラブル・バスター」を勤めています。
「関東テレビ」の名物クイズ番組…。
回答者が正解を競うのではなく、参加視聴者が、どの回答者が正解するかを当てる番組があったと…。そのレギュラー回答者、本業漫画家は、どんな難問も答えるが、なぜか三択は苦手…（"あの番組"や誰かの顔思い浮かんだとしてもフィクションですからね
）。
実はあまり頭の良くないこのスター漫画家、一日2本録画なのですが、うっかり2本目での答えを1本目録画の最中に答えてしまったのだそうです
観客や一般人出演者入れ替えて録画し直せば別に問題ないのに、このスター漫画家がノイローゼ気味で失踪してしまいます。
…ここでトラブル・バスター宇賀神の登場となるわけです。
そんなところまで書いてイイの？
元放送作家だった景山民夫が
「これらの物語は真実をやや脚色しています」
の断り書きつけて、テレビ局の内幕を面白く描き、短編集が2冊出ていました。
その後、このトラブル・バスター宇賀神邦彦を主人公とした、やや重いハードボイルド長編が2作発表されています。
シリーズとしては第3作目となるのが
「国境の南」（徳間書店）
いうまでもなく♪国境の南♪ナット・キングコールの歌うスタンダードなジャズ名曲です。
まだシリーズは続ける予定だったと思いますが、結局亡くなったので、これで終わりとなるのが第4作目
「九月の雨」（同じく徳間書店）
です。
こちらはストーリーの中でも、エラ・フィッツジェラルドの♪September in the rain ♪が重要なツールとなっています。
もしかすると、第3作目の♪South of the boarder ♪も、景山民夫は、エラが歌っている歌として書いているのかもしれません。
とにかく小説としての「九月の雨」は、たいへんに出来も良く、夏の終わりには毎年読みたくなる作品でもあります。
直木賞受賞した「遠い海から来たCOO（クー）」（写真左…これはジャズは登場しませが）は、子どもにも夢を与える良い作品でした。
そんな景山民夫が創作したライトハードボイルド主人公が「関東テレビ」の元ディレクター、数々の番組をコケさせたため、今は制作局庶務課（ひとりしかいない）社員の宇賀神邦彦です。番組やタレントのトラブルを解決する名付けて「トラブル・バスター」を勤めています。
「関東テレビ」の名物クイズ番組…。
回答者が正解を競うのではなく、参加視聴者が、どの回答者が正解するかを当てる番組があったと…。そのレギュラー回答者、本業漫画家は、どんな難問も答えるが、なぜか三択は苦手…（"あの番組"や誰かの顔思い浮かんだとしてもフィクションですからね
）。
実はあまり頭の良くないこのスター漫画家、一日2本録画なのですが、うっかり2本目での答えを1本目録画の最中に答えてしまったのだそうです
観客や一般人出演者入れ替えて録画し直せば別に問題ないのに、このスター漫画家がノイローゼ気味で失踪してしまいます。
…ここでトラブル・バスター宇賀神の登場となるわけです。
そんなところまで書いてイイの？
元放送作家だった景山民夫が
「これらの物語は真実をやや脚色しています」
の断り書きつけて、テレビ局の内幕を面白く描き、短編集が2冊出ていました。
その後、このトラブル・バスター宇賀神邦彦を主人公とした、やや重いハードボイルド長編が2作発表されています。
シリーズとしては第3作目となるのが
「国境の南」（徳間書店）
いうまでもなく♪国境の南♪ナット・キングコールの歌うスタンダードなジャズ名曲です。
まだシリーズは続ける予定だったと思いますが、結局亡くなったので、これで終わりとなるのが第4作目
「九月の雨」（同じく徳間書店）
です。
こちらはストーリーの中でも、エラ・フィッツジェラルドの♪September in the rain ♪が重要なツールとなっています。
もしかすると、第3作目の♪South of the boarder ♪も、景山民夫は、エラが歌っている歌として書いているのかもしれません。
とにかく小説としての「九月の雨」は、たいへんに出来も良く、夏の終わりには毎年読みたくなる作品でもあります。
村上春樹氏の著作は、アチコチに音楽が散りばめられていますね。
とりあえずデビュー作「風の歌を聴け」を見てみましょう。手持ちは講談社文庫です。
ジャズのみでなく「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」の♪Who 'll stop the rain ♪や私の大好きな「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」の♪Wood Stock♪も登場します。
何しろ「鼠」と通う「ジェイズ・バー」がヨロしい
ありそで、なかなか無い、居心地の良さそうなバーであり、そこのジュークボックスが重要な小道具となっているからです。
ジャズとしてはマイルス・デイビスの♪A gal in Calico ♪
左手の指が4 本しかない女の子が勤務するレコード屋で「僕」が買うレコードです。
私は個人的には村上春樹は、それほど好きではありません。
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」までは、お〜っ
でしたが「羊をめぐる冒険」でン？
しばらく低迷と感じながら「ノルウェイの森」でガーンとやられましたが、その後はまた「?」
「1Q84」も「多崎つくる」も？？？です。
もっと読みこめば、たくさんジャズ名曲も挿入されているはずですが…
とりあえずデビュー作「風の歌を聴け」を見てみましょう。手持ちは講談社文庫です。
ジャズのみでなく「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」の♪Who 'll stop the rain ♪や私の大好きな「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」の♪Wood Stock♪も登場します。
何しろ「鼠」と通う「ジェイズ・バー」がヨロしい
ありそで、なかなか無い、居心地の良さそうなバーであり、そこのジュークボックスが重要な小道具となっているからです。
ジャズとしてはマイルス・デイビスの♪A gal in Calico ♪
左手の指が4 本しかない女の子が勤務するレコード屋で「僕」が買うレコードです。
私は個人的には村上春樹は、それほど好きではありません。
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」までは、お〜っ
でしたが「羊をめぐる冒険」でン？
しばらく低迷と感じながら「ノルウェイの森」でガーンとやられましたが、その後はまた「?」
「1Q84」も「多崎つくる」も？？？です。
もっと読みこめば、たくさんジャズ名曲も挿入されているはずですが…
>>[20]
>ジャズとしてはマイルス・デイビスの♪A gal in Calico ♪
この演奏はいくつかのマイルス・デイヴィスのオムニバス・アルバムに入っているようです。
一例です。
http://www.amazon.com/gp/product/B000UBLSXW/ref=dm_ws_sp_ps_dp
マイルス・デイヴィスのワンホーン演奏のアルバムです。
この頃の演奏ではよく歌っている方でしょう。
気持ちよく聴けます。
Miles Davis (tp)
Red Garland (p)
Oscar Pettiford (b)
Philly Joe Jones (ds)
Recorded 1955.06
>ジャズとしてはマイルス・デイビスの♪A gal in Calico ♪
この演奏はいくつかのマイルス・デイヴィスのオムニバス・アルバムに入っているようです。
一例です。
http://www.amazon.com/gp/product/B000UBLSXW/ref=dm_ws_sp_ps_dp
マイルス・デイヴィスのワンホーン演奏のアルバムです。
この頃の演奏ではよく歌っている方でしょう。
気持ちよく聴けます。
Miles Davis (tp)
Red Garland (p)
Oscar Pettiford (b)
Philly Joe Jones (ds)
Recorded 1955.06
佐々木譲は1980年の「鉄騎兵跳んだ」でデビューでしたが、広く知られる傑作は1988年からの"太平洋戦争初期三部作"だったと思います。特に「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」はたいへん面白いアクション、サスペンス、スパイものでした。
しかしそれからが、さぁ、いけない
多分器用なんでしょう。いろいろなジャンルを書くし、そこそこのモノは書くから、食いぶちには困らなかったかもしれませがヒット作が無い
出身地の北海道に住み、コツコツ仕事をしていたところへ、2006年に、角川書店で大暴れしながら、麻薬に手を出し社長の座を追われた角川春樹が突然訪れ
「あなたは警察小説を書きなさい」
と指示したとか…
こうして発表されたのが、今の私の手持ち
「笑う警官」（ハルキ文庫）
でした。
北海道警の佐伯宏一警部補と、津久井卓巡査部長は、かつて一種の潜入捜査のためススキノに飲み屋開業を装ったことがあります。この二人、警察官にしては珍しく軟派に見える特徴があり従事させられたのでした。
…このエピソードに、早くもジャズが登場していますが、後で説明。
以下は事実です。
北海道警では現職警部が、違法な拳銃摘発の資金を稼ぐために覚醒剤を売買したという不祥事が発覚したのでした。これが一警部だけの決断でできたのか？マスコミが追及する中、道警本部全体の裏金がバレたのでした。
物語はそんな揺れる道警です。
上に出てきた津久井巡査部長は以前その拳銃摘発に関わっていたため、そのことを明日北海道議会で幹部不祥事を正直に証言することになっています。
ところが道警のアイドル的婦人警官の絞殺死体が発見され、彼女の元付き合っていたのが津久井巡査部長と判明します。
道警幹部は姑息な手段を計画します。
すなわち津久井巡査部長は拳銃摘発に利用していた覚醒剤に自ら溺れ、恋人を殺してしまった。しかも現在、押収した拳銃を持ち逃亡している。
北海道警は全組織を上げ、津久井巡査部長を拘束するが、場合によっては射殺も厭わない。
こうして、婦警殺害犯人を逮捕または射殺し事件解決。なおかつ明日の道議会証言も防げる
ただし、現在は大通り署に勤務する佐伯警部補はこの指令が信じられません。
佐伯警部補の日ごろ親しい警察官に声をかけ、この一連の動きの真相を解明する"裏捜査本部"を立ち上げます。
紅一点の小島百合巡査（映画では松雪泰子が演じましたが、イメージは麻生久美子ですぅ
）の名言が小説の本質を説明します。
「津久井さんの命を守り道議会へ届けるにはあまりにも長い時間。一方婦警殺害犯人を挙げるにはあまりにも時間が足りないわ。」
彼らが裏本部を設置するのが、退職警察官が今経営するジャズバー「ブラックバード」です。
佐々木譲の小説の上手さの本質は群像劇です。
ここでは、佐伯警部補のグループに属した、それぞれの警官がそれぞれの得意技を使って、ある者は捜査し、ある者は津久井を匿う…
この動きがマイルス・デイヴィスのクィンテットが♪Bye Bye Black Bird ♪の間奏を長くし、それぞれがソロを奏でるのに非常によく似ていると思われます。
ちなみに、最初のススキノでの飲み屋開業を考えている"遊び人"二人を装っている佐伯と津久井は、暗黒街組織に疑われ
「ならば少し演奏してもらいますか…」
で、テナーサックスとピアノでの即興で♪Bye Bye Black Bird ♪を演奏し、合格するのでした。
小説全体にジャズが流れるような傑作が「笑う警官」の日本版（同名の警察小説がスウェーデンにもあります）です。
しかしそれからが、さぁ、いけない
多分器用なんでしょう。いろいろなジャンルを書くし、そこそこのモノは書くから、食いぶちには困らなかったかもしれませがヒット作が無い
出身地の北海道に住み、コツコツ仕事をしていたところへ、2006年に、角川書店で大暴れしながら、麻薬に手を出し社長の座を追われた角川春樹が突然訪れ
「あなたは警察小説を書きなさい」
と指示したとか…
こうして発表されたのが、今の私の手持ち
「笑う警官」（ハルキ文庫）
でした。
北海道警の佐伯宏一警部補と、津久井卓巡査部長は、かつて一種の潜入捜査のためススキノに飲み屋開業を装ったことがあります。この二人、警察官にしては珍しく軟派に見える特徴があり従事させられたのでした。
…このエピソードに、早くもジャズが登場していますが、後で説明。
以下は事実です。
北海道警では現職警部が、違法な拳銃摘発の資金を稼ぐために覚醒剤を売買したという不祥事が発覚したのでした。これが一警部だけの決断でできたのか？マスコミが追及する中、道警本部全体の裏金がバレたのでした。
物語はそんな揺れる道警です。
上に出てきた津久井巡査部長は以前その拳銃摘発に関わっていたため、そのことを明日北海道議会で幹部不祥事を正直に証言することになっています。
ところが道警のアイドル的婦人警官の絞殺死体が発見され、彼女の元付き合っていたのが津久井巡査部長と判明します。
道警幹部は姑息な手段を計画します。
すなわち津久井巡査部長は拳銃摘発に利用していた覚醒剤に自ら溺れ、恋人を殺してしまった。しかも現在、押収した拳銃を持ち逃亡している。
北海道警は全組織を上げ、津久井巡査部長を拘束するが、場合によっては射殺も厭わない。
こうして、婦警殺害犯人を逮捕または射殺し事件解決。なおかつ明日の道議会証言も防げる
ただし、現在は大通り署に勤務する佐伯警部補はこの指令が信じられません。
佐伯警部補の日ごろ親しい警察官に声をかけ、この一連の動きの真相を解明する"裏捜査本部"を立ち上げます。
紅一点の小島百合巡査（映画では松雪泰子が演じましたが、イメージは麻生久美子ですぅ
）の名言が小説の本質を説明します。
「津久井さんの命を守り道議会へ届けるにはあまりにも長い時間。一方婦警殺害犯人を挙げるにはあまりにも時間が足りないわ。」
彼らが裏本部を設置するのが、退職警察官が今経営するジャズバー「ブラックバード」です。
佐々木譲の小説の上手さの本質は群像劇です。
ここでは、佐伯警部補のグループに属した、それぞれの警官がそれぞれの得意技を使って、ある者は捜査し、ある者は津久井を匿う…
この動きがマイルス・デイヴィスのクィンテットが♪Bye Bye Black Bird ♪の間奏を長くし、それぞれがソロを奏でるのに非常によく似ていると思われます。
ちなみに、最初のススキノでの飲み屋開業を考えている"遊び人"二人を装っている佐伯と津久井は、暗黒街組織に疑われ
「ならば少し演奏してもらいますか…」
で、テナーサックスとピアノでの即興で♪Bye Bye Black Bird ♪を演奏し、合格するのでした。
小説全体にジャズが流れるような傑作が「笑う警官」の日本版（同名の警察小説がスウェーデンにもあります）です。
原リョウ（「寮」という字のウ冠の無い字です）のデビューは衝撃的でした。
翻訳物出版の老舗、早川書房が、いきなり日本人新人の小説を単行本で出版したのでした。
これが「そして夜は甦る」でした。1988年のことです。
西新宿の「渡辺探偵事務所」のただひとりの私立探偵が「沢崎」です。
大財閥の娘の夫の行方を探してくれとの依頼から、どうやら石原慎太郎らしき人物の東京都知事選挙、弟の映画俳優も出てくる…
何やら詰めこみ過ぎの気もしないではないが、この探偵沢崎がめちゃくちゃカッコいいのでした。
佐賀県鳥栖市出身という原リョウは、九州大学を卒業後はフリージャズのピアニストとして暮らしをたてながら、ハードボイルド小説を耽読し、ついに自分でも書くことにし、できた作品を早川書房に持ちこんだのだそうです。
出版社にはこういう原稿持ちこみは大量にあるらしいです。ほとんどはお話にもならないのだと…
ところがこの「そして夜は甦る」は編集者がその日の残りのスケジュールすべてキャンセルして読み続けるほど面白く、まことに異例、翻訳物出版の早川書房の日本人作品となったのだそうです。
次作として発表されたのが、写真の「私が殺した少女」で、これで早くも直木賞受賞したのでした。
これが1989年です。
作者自身がフリージャズピアニストだったのだから、作品のあちこちにジャズが流れそうだが、敢えて封印しているようです。
探偵沢崎の唯一の趣味は、囲碁の定石を読むこととしています。
それでも、ところどころを探すとジャズに関わる場面をも見つけることができます。
この1989年に発表された「私が殺した少女」では、調査のためにとある麻雀荘へ行こうとした探偵沢崎が、階段ですれ違う、ただの通行人二人の会話を耳にします。
"レザーのシンバル・ケース持ったセーターにジーンズの男が
「ギル・エヴァンスが死んだそうだ。」
と言うと、黒いブレザーの男が
「最近はつまらなかった」
と答えた。"
わずかこれだけのシーンですが、「○○はつまらなくなった」などと気軽に言いそうなジャズファンへの強い皮肉を感じたりできる作品でした。
写真、手持ちは「ハヤカワ文庫」となった「私が殺した少女」です。
翻訳物出版の老舗、早川書房が、いきなり日本人新人の小説を単行本で出版したのでした。
これが「そして夜は甦る」でした。1988年のことです。
西新宿の「渡辺探偵事務所」のただひとりの私立探偵が「沢崎」です。
大財閥の娘の夫の行方を探してくれとの依頼から、どうやら石原慎太郎らしき人物の東京都知事選挙、弟の映画俳優も出てくる…
何やら詰めこみ過ぎの気もしないではないが、この探偵沢崎がめちゃくちゃカッコいいのでした。
佐賀県鳥栖市出身という原リョウは、九州大学を卒業後はフリージャズのピアニストとして暮らしをたてながら、ハードボイルド小説を耽読し、ついに自分でも書くことにし、できた作品を早川書房に持ちこんだのだそうです。
出版社にはこういう原稿持ちこみは大量にあるらしいです。ほとんどはお話にもならないのだと…
ところがこの「そして夜は甦る」は編集者がその日の残りのスケジュールすべてキャンセルして読み続けるほど面白く、まことに異例、翻訳物出版の早川書房の日本人作品となったのだそうです。
次作として発表されたのが、写真の「私が殺した少女」で、これで早くも直木賞受賞したのでした。
これが1989年です。
作者自身がフリージャズピアニストだったのだから、作品のあちこちにジャズが流れそうだが、敢えて封印しているようです。
探偵沢崎の唯一の趣味は、囲碁の定石を読むこととしています。
それでも、ところどころを探すとジャズに関わる場面をも見つけることができます。
この1989年に発表された「私が殺した少女」では、調査のためにとある麻雀荘へ行こうとした探偵沢崎が、階段ですれ違う、ただの通行人二人の会話を耳にします。
"レザーのシンバル・ケース持ったセーターにジーンズの男が
「ギル・エヴァンスが死んだそうだ。」
と言うと、黒いブレザーの男が
「最近はつまらなかった」
と答えた。"
わずかこれだけのシーンですが、「○○はつまらなくなった」などと気軽に言いそうなジャズファンへの強い皮肉を感じたりできる作品でした。
写真、手持ちは「ハヤカワ文庫」となった「私が殺した少女」です。
>>[29] 原 �� / 私が殺した少女
これは音源探しが難しすぎる（汗）
左の写真のアルバム（ボックスセット）のCD1の7トラック目の高木元輝トリオのメンバーとして原 �錣�ピアノを弾いているようです。
音源は見当たりませんでした。
1970年前後というのは、こうした時代で、この人たちが演奏する場があって、それを聴いてくれる聴衆がいたのですね。
わたしは、あるとき、高柳昌行のライブを聴きに行って、1曲目が終わる前にお店を出てしまいました。
ご本人は耳に栓をしてフリーキーな音を、大音量で出しているのです。
それは反則でしょう（笑）
Gil Evans (May 13, 1912 – March 20, 1988) ですので書籍が発表されたのが1989年となると、右側の画像のアルバムが1987年のリリースになりますので、平仄は合うのですが、このあたりかもしれません。
同アルバムの音源がYoutubeにありましたので、その中から一つを取り上げておきます。
そのかみ、ステージ写真を撮っていた頃、ギル・エヴァンスのコンサートでも写真を撮ったのですが、シャッターを押した瞬間が、ちょうど音楽が静かになったときだったので、コンサート会場にわたしのシャッター音が響いてしまって、観客から白い目で見られたことがあります（滝汗）
これは音源探しが難しすぎる（汗）
左の写真のアルバム（ボックスセット）のCD1の7トラック目の高木元輝トリオのメンバーとして原 �錣�ピアノを弾いているようです。
音源は見当たりませんでした。
1970年前後というのは、こうした時代で、この人たちが演奏する場があって、それを聴いてくれる聴衆がいたのですね。
わたしは、あるとき、高柳昌行のライブを聴きに行って、1曲目が終わる前にお店を出てしまいました。
ご本人は耳に栓をしてフリーキーな音を、大音量で出しているのです。
それは反則でしょう（笑）
Gil Evans (May 13, 1912 – March 20, 1988) ですので書籍が発表されたのが1989年となると、右側の画像のアルバムが1987年のリリースになりますので、平仄は合うのですが、このあたりかもしれません。
同アルバムの音源がYoutubeにありましたので、その中から一つを取り上げておきます。
そのかみ、ステージ写真を撮っていた頃、ギル・エヴァンスのコンサートでも写真を撮ったのですが、シャッターを押した瞬間が、ちょうど音楽が静かになったときだったので、コンサート会場にわたしのシャッター音が響いてしまって、観客から白い目で見られたことがあります（滝汗）
>>[30]
いやはや…。マイルス・ネイスミスさんのジャズ探訪ご執念には恐れいりますm(_ _)mまさか執筆者が元フリージャズピアニストだというだけで、その音源までお探しに行くとは…
ではこれも一種の挑戦か？などと思い、また一作紹介してみたいと思います。
たびたびで申し訳ないが、マイクル・コナリーのLA刑事ハリー・ボッシュのシリーズからです。
このシリーズは1992年発表の「ナイトホークス」から現在まで、すでに20年以上も続いています。
シリーズを長く続けるコツの一つが、ときどき"変化球"を混えること…
今日ご紹介する
「シティ・オブ・ボーンズ」（ハヤカワ・ミステリ文庫）
は、まさにそんな変化球的な作品です。
米国の映画や小説は、購買者心理とやらに基づくとかで、映画
なら120分以内、小説だと日本の文庫にした時に上下巻各400ページあたりを標準とすることがこの頃やたらに守られているようです。
ところが「シティ…」はアメリカの現代小説としては短く文庫単巻550ページとなっています。
シリーズ第8作目、そろそろ息抜き的マイクル・コナリーのサービス精神だろうと思います…
シリーズ最初から、LAの刑事が非常にセンスの良いジャズを聴いている…がアメリカでは大評判になったとかで
ハリー・ボッシュの好むジャズラインナップ
アンソロジーが発売になったそうです。
そんなことを踏まえてでしょう、この「シティ…」ではハリー・ボッシュが4場面もジャズを聴くのです。
まずは多分（何しろワタシ、ジャズに詳しくないために「多分」です
）いちばんの王道でしょう…
この作品だけの「One night stand 」的なヒロイン、33歳にして警察官を志したというジュリアとネンゴロとなり家へ連れてきた時にかけるのが
"ラックへ近づくと♪カインド・オブ・ブルー♪を抜き出した。ステレオにセットする。
「ビルとマイルスだ」ボッシュは言った。「コルトレーンやほか何人はさておくとして、最高の1枚だ」"
次の場面…
ジュリア、さすが転職を繰り返すアメリカでも33歳での警察官ルーキーは珍しい存在のようです。学校を卒業して以来、世界のあちこちを放浪しており、日本へも行ったことがあるという経歴を話した後、日本の読者へのサービスでしょうか？
"「ねえ、このひとは日本では神なのよ」ジュリアがキッチンから呼びかけた。
「ビル・エヴァンスが？」
「ええ、ビルの音楽専門のラジオチャンネルがいくつもあるように思えるくらい」"
とビル・エヴァンスに触れています。
再び場面変わり、ハリーがジュリアに珍しい盤を聴かせるというシーンです。
"「これは『カーネギーの奇跡』と呼ばれているんだ」
「1957年にセロニアス・モンクのカルテットがジョン・コルトレーンとカーネギー・ホールで競演した」
「その時の音源が、2005年にカーネギー・ホールの倉庫で偶然発見されたのさ」"
以上はきっとマイルス・ネイスミスさんなら、すらすらと「あれだな
」だろうと思います。
最後の一場面は、さぁどーだ？
この物語は、いつも、必ずしもハッピーエンドとはなりません。まだ事件現場に不慣れだったジュリアは、銃撃現場で、自分の拳銃の暴発であっけなく亡くなります（このあたりが、今回の物語が変化球たる所以です）。
ボッシュは自宅で呆然としています…
"ボッシュは裏のポーチでビールを飲み、引き戸を開けたままにしてステレオにかかっているクリフォード・ブラウンが聴こえるようにしていた。五十年近くまえに、このトランペット奏者はほんの数枚のレコードを残し、自動車事故で亡くなった。ボッシュは失われたすべての音楽に思いを馳せた。すべての犯罪に思いを馳せた。「この街は骨の街だ」「すべての殺しに街の物語がある」…"
いかがでしょうか？
・入門編的なビル・エヴァンス、サービス的に日本での人気に触れる
・好事家ならきっとご存知のセロニアス・モンクとコルトレーン「カーネギーの奇跡」
そして
・さあ、これはどうだ？のクリフォード・ブラウン
とランクを上げてジャズ好き読者に挑戦しているとは思えませんか？
残念ながら、私は、第1段階でゲームオーバーのジャズ初心者ですが、物語の読み込みならば超上級と自負しながら、ジャズ分野をマイルス・ネイスミスに託す次第です(^へ^)V
いやはや…。マイルス・ネイスミスさんのジャズ探訪ご執念には恐れいりますm(_ _)mまさか執筆者が元フリージャズピアニストだというだけで、その音源までお探しに行くとは…
ではこれも一種の挑戦か？などと思い、また一作紹介してみたいと思います。
たびたびで申し訳ないが、マイクル・コナリーのLA刑事ハリー・ボッシュのシリーズからです。
このシリーズは1992年発表の「ナイトホークス」から現在まで、すでに20年以上も続いています。
シリーズを長く続けるコツの一つが、ときどき"変化球"を混えること…
今日ご紹介する
「シティ・オブ・ボーンズ」（ハヤカワ・ミステリ文庫）
は、まさにそんな変化球的な作品です。
米国の映画や小説は、購買者心理とやらに基づくとかで、映画
なら120分以内、小説だと日本の文庫にした時に上下巻各400ページあたりを標準とすることがこの頃やたらに守られているようです。
ところが「シティ…」はアメリカの現代小説としては短く文庫単巻550ページとなっています。
シリーズ第8作目、そろそろ息抜き的マイクル・コナリーのサービス精神だろうと思います…
シリーズ最初から、LAの刑事が非常にセンスの良いジャズを聴いている…がアメリカでは大評判になったとかで
ハリー・ボッシュの好むジャズラインナップ
アンソロジーが発売になったそうです。
そんなことを踏まえてでしょう、この「シティ…」ではハリー・ボッシュが4場面もジャズを聴くのです。
まずは多分（何しろワタシ、ジャズに詳しくないために「多分」です
）いちばんの王道でしょう…
この作品だけの「One night stand 」的なヒロイン、33歳にして警察官を志したというジュリアとネンゴロとなり家へ連れてきた時にかけるのが
"ラックへ近づくと♪カインド・オブ・ブルー♪を抜き出した。ステレオにセットする。
「ビルとマイルスだ」ボッシュは言った。「コルトレーンやほか何人はさておくとして、最高の1枚だ」"
次の場面…
ジュリア、さすが転職を繰り返すアメリカでも33歳での警察官ルーキーは珍しい存在のようです。学校を卒業して以来、世界のあちこちを放浪しており、日本へも行ったことがあるという経歴を話した後、日本の読者へのサービスでしょうか？
"「ねえ、このひとは日本では神なのよ」ジュリアがキッチンから呼びかけた。
「ビル・エヴァンスが？」
「ええ、ビルの音楽専門のラジオチャンネルがいくつもあるように思えるくらい」"
とビル・エヴァンスに触れています。
再び場面変わり、ハリーがジュリアに珍しい盤を聴かせるというシーンです。
"「これは『カーネギーの奇跡』と呼ばれているんだ」
「1957年にセロニアス・モンクのカルテットがジョン・コルトレーンとカーネギー・ホールで競演した」
「その時の音源が、2005年にカーネギー・ホールの倉庫で偶然発見されたのさ」"
以上はきっとマイルス・ネイスミスさんなら、すらすらと「あれだな
」だろうと思います。
最後の一場面は、さぁ
どーだ？
この物語は、いつも、必ずしもハッピーエンドとはなりません。まだ事件現場に不慣れだったジュリアは、銃撃現場で、自分の拳銃の暴発であっけなく亡くなります（このあたりが、今回の物語が変化球たる所以です）。
ボッシュは自宅で呆然としています…
"ボッシュは裏のポーチでビールを飲み、引き戸を開けたままにしてステレオにかかっているクリフォード・ブラウンが聴こえるようにしていた。五十年近くまえに、このトランペット奏者はほんの数枚のレコードを残し、自動車事故で亡くなった。ボッシュは失われたすべての音楽に思いを馳せた。すべての犯罪に思いを馳せた。「この街は骨の街だ」「すべての殺しに街の物語がある」…"
いかがでしょうか？
・入門編的なビル・エヴァンス、サービス的に日本での人気に触れる
・好事家ならきっとご存知のセロニアス・モンクとコルトレーン「カーネギーの奇跡」
そして
・さあ、これはどうだ？のクリフォード・ブラウン
とランクを上げてジャズ好き読者に挑戦しているとは思えませんか？
残念ながら、私は、第1段階でゲームオーバーのジャズ初心者ですが、物語の読み込みならば超上級と自負しながら、ジャズ分野をマイルス・ネイスミスに託す次第です(^へ^)V
>>[31] ♪カインド・オブ・ブルー♪
このアルバムはコロンビアレコードのジャズアルバムの中で異例のロングセラーになっていまして、どうやら1000万枚を突破しているようです。
今も売れ続けているアルバムです。
1959年録音のこのアルバムは、マイルス・ディヴィスの演奏スタイルが従来のコード奏法からモード奏法に切り替わったアルバムとしても知られています。
1960年代初期のジャズの演奏スタイルに大きな影響を及ぼしたアルバムでもあります。
演奏メンバーは
Miles Davis (tp)
Julian "Cannonball" Adderley (as)
John Coltrane (ts)
Bill Evans (p) (on 1,3,4,5,6)
Wynton Kelly (p) (on 2)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)
という当時の錚々たる人たちです。
同アルバムの中から "So What" です。
このアルバムはお求めになると良いでしょう。
http://www.allmusic.com/album/kind-of-blue-mw0000191710
マイルス・ディヴィスの演奏は、初期のアルバムではカタカタプスーとやっていて、決してテクニックのある人ではなかったのですが、このころから格段にテクニックが向上しています。
またマイルス・ディヴィスの懇願にもかかわらず、ビル・エヴァンスはレギュラーメンバーになることを断っています。
このアルバムはコロンビアレコードのジャズアルバムの中で異例のロングセラーになっていまして、どうやら1000万枚を突破しているようです。
今も売れ続けているアルバムです。
1959年録音のこのアルバムは、マイルス・ディヴィスの演奏スタイルが従来のコード奏法からモード奏法に切り替わったアルバムとしても知られています。
1960年代初期のジャズの演奏スタイルに大きな影響を及ぼしたアルバムでもあります。
演奏メンバーは
Miles Davis (tp)
Julian "Cannonball" Adderley (as)
John Coltrane (ts)
Bill Evans (p) (on 1,3,4,5,6)
Wynton Kelly (p) (on 2)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)
という当時の錚々たる人たちです。
同アルバムの中から "So What" です。
このアルバムはお求めになると良いでしょう。
http://www.allmusic.com/album/kind-of-blue-mw0000191710
マイルス・ディヴィスの演奏は、初期のアルバムではカタカタプスーとやっていて、決してテクニックのある人ではなかったのですが、このころから格段にテクニックが向上しています。
またマイルス・ディヴィスの懇願にもかかわらず、ビル・エヴァンスはレギュラーメンバーになることを断っています。
>>[31] クリフォード・ブラウン
https://en.wikipedia.org/wiki/Clifford_Brown
ファッツ・ナヴァロの流れを引くクリフォード・ブラウンは、艶のある音色とすばらしい即興演奏のフレーズで天才トランペッターともてはやされました。
彼の演奏スタイルはその後の多くのトランペット奏者に大きな影響を及ぼしました。
短い活動期間にもかかわらず多くのアルバムを残しています。
http://www.allmusic.com/artist/clifford-brown-mn0000789775/discography
当時の楽団のリーダーだったマックス・ローチ (Max Roach) は、クリフォードの死で打ちひしがれ、数年間立ち直れませんでした。
マックス・ローチ、クリフォード・ブラウン双頭コンビの録音は何枚か残っています。
テナーサックスにハロルド・ランドの装飾音符を多用するテクニカルな演奏のものと、新進気鋭のソニー・ロリンズのフレッシュな演奏が聴かれるものがあります。
いずれもジャズ史に残るアルバムになっています。
今聴いてもドキドキする演奏"George's Dilemma"です。
クリフォード・ブラウンのご子息、クリフォード・ブラウン・ジュニアは、米国西海岸の放送局 kcsm で、アナウンサーとして活躍しています。
http://kcsm.org/jazz91/announcer_brown.php
テナーサックス奏者のベニー・ゴルソン (Benny Golson) がクリフォードを偲んで1957年に作曲した"I Remember Clifford" は半世紀を越える今もジャズの大スタンダード曲になっています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Clifford_Brown
ファッツ・ナヴァロの流れを引くクリフォード・ブラウンは、艶のある音色とすばらしい即興演奏のフレーズで天才トランペッターともてはやされました。
彼の演奏スタイルはその後の多くのトランペット奏者に大きな影響を及ぼしました。
短い活動期間にもかかわらず多くのアルバムを残しています。
http://www.allmusic.com/artist/clifford-brown-mn0000789775/discography
当時の楽団のリーダーだったマックス・ローチ (Max Roach) は、クリフォードの死で打ちひしがれ、数年間立ち直れませんでした。
マックス・ローチ、クリフォード・ブラウン双頭コンビの録音は何枚か残っています。
テナーサックスにハロルド・ランドの装飾音符を多用するテクニカルな演奏のものと、新進気鋭のソニー・ロリンズのフレッシュな演奏が聴かれるものがあります。
いずれもジャズ史に残るアルバムになっています。
今聴いてもドキドキする演奏"George's Dilemma"です。
クリフォード・ブラウンのご子息、クリフォード・ブラウン・ジュニアは、米国西海岸の放送局 kcsm で、アナウンサーとして活躍しています。
http://kcsm.org/jazz91/announcer_brown.php
テナーサックス奏者のベニー・ゴルソン (Benny Golson) がクリフォードを偲んで1957年に作曲した"I Remember Clifford" は半世紀を越える今もジャズの大スタンダード曲になっています。
奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝
ビリー ホリデイ (著), 油井 正一 (翻訳), 大橋 巨泉 (翻訳)
白いくちなしの花を髪にかざした「レディ・デイ」の輝かしい歌声。「私は『奇妙な果実』を歌うたびに、沈痛な気持になる。しかし歌いつづけよう。二十年を過ぎたいまでも南部では、パパを殺した時と同じようなことが起こっているから...」人種差別、麻薬、売春、そしてブルース。絶望にうちひしがれ、孤独のうちにうずくまるひとりの女が、みずからの激動の半生を語った魂の書。「ジャズ史上最高のシンガー」が、みずからの激動の半生を語った魂の書。最新ディスコグラフィ・詳細年譜を付した決定版。
ジャズに興味があって、ジャズヴォーカルに興味がある人は、ぜひ読んでおくと良いでしょう。
日本のジャズファンにとって大きな貢献を残した油井 正一さんと大橋 巨泉さんが翻訳をしています。
TVで名前が売れる以前の大橋 巨泉さんは、スタンダード曲の歌詞の和訳を自身のラジオプログラムで紹介する等の日本のジャズファンにとって大きな貢献を残しています。
（書籍になっていないのが残念です）
油井 正一さんについては語るまでもないでしょう。
ビリー ホリデイ (著), 油井 正一 (翻訳), 大橋 巨泉 (翻訳)
白いくちなしの花を髪にかざした「レディ・デイ」の輝かしい歌声。「私は『奇妙な果実』を歌うたびに、沈痛な気持になる。しかし歌いつづけよう。二十年を過ぎたいまでも南部では、パパを殺した時と同じようなことが起こっているから...」人種差別、麻薬、売春、そしてブルース。絶望にうちひしがれ、孤独のうちにうずくまるひとりの女が、みずからの激動の半生を語った魂の書。「ジャズ史上最高のシンガー」が、みずからの激動の半生を語った魂の書。最新ディスコグラフィ・詳細年譜を付した決定版。
ジャズに興味があって、ジャズヴォーカルに興味がある人は、ぜひ読んでおくと良いでしょう。
日本のジャズファンにとって大きな貢献を残した油井 正一さんと大橋 巨泉さんが翻訳をしています。
TVで名前が売れる以前の大橋 巨泉さんは、スタンダード曲の歌詞の和訳を自身のラジオプログラムで紹介する等の日本のジャズファンにとって大きな貢献を残しています。
（書籍になっていないのが残念です）
油井 正一さんについては語るまでもないでしょう。
ミンガス──自伝・敗け犬の下で
チャールズ・ミンガス ネル・キング編 黒田晶子・稲葉紀雄訳
晶文社クラシックス
すぐれたベース奏者にして作曲家、伝説の「ジャズの巨人」ミンガスの真の姿が、今ここに明らかにされる。幼い頃からの自分を見つめなおし、「黒」の苦悩など、ミンガスが怒りをこめてたたきつける問題の書。「白人社会を憎み、ステージでは大乱闘、ファッツ・ナヴァロとの友情と別れ等、凄く濃い生き方、とんでもない人生」
という本なのですが、ジャズに入れ込んでしまった人は読でおくといいでしょうね。
このあたりに読書感想文があります。
http://horsepiss.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
晶文社の本は少しお高いのですが…
チャールズ・ミンガス ネル・キング編 黒田晶子・稲葉紀雄訳
晶文社クラシックス
すぐれたベース奏者にして作曲家、伝説の「ジャズの巨人」ミンガスの真の姿が、今ここに明らかにされる。幼い頃からの自分を見つめなおし、「黒」の苦悩など、ミンガスが怒りをこめてたたきつける問題の書。「白人社会を憎み、ステージでは大乱闘、ファッツ・ナヴァロとの友情と別れ等、凄く濃い生き方、とんでもない人生」
という本なのですが、ジャズに入れ込んでしまった人は読でおくといいでしょうね。
このあたりに読書感想文があります。
http://horsepiss.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
晶文社の本は少しお高いのですが…
Remake : (1995) / リメイク : 大森望 訳 / ハヤカワ文庫SF : (1999)
梗概は
『デジタル化された俳優を使ったリ メイクばかりが製作される近未来 のハリウッド。映画マニアの大学 生トムは、パーティで美しい女子 学生アリスに山会った。アステア に憧れるアリスは、実現不可能な 夢を抱いていた。いまや製作もさ れないミュージカル映画で踊りた いというのだ。だが、ある日トム は、1950年代に作られた映画で踊 るアリスを見つけた。いったいど んな方法で……？ 恋とダンスと 映画でいっぱいの心ときめく物語』
というもので、ミュージカル映画のお話がたくさん出てくる、音楽好きにとって、一読の価値ある本になっています。
スタンダード・ジャズ・ソングを、別の切り口・視点から見てみる参考にもなるでしょう。
梗概は
『デジタル化された俳優を使ったリ メイクばかりが製作される近未来 のハリウッド。映画マニアの大学 生トムは、パーティで美しい女子 学生アリスに山会った。アステア に憧れるアリスは、実現不可能な 夢を抱いていた。いまや製作もさ れないミュージカル映画で踊りた いというのだ。だが、ある日トム は、1950年代に作られた映画で踊 るアリスを見つけた。いったいど んな方法で……？ 恋とダンスと 映画でいっぱいの心ときめく物語』
というもので、ミュージカル映画のお話がたくさん出てくる、音楽好きにとって、一読の価値ある本になっています。
スタンダード・ジャズ・ソングを、別の切り口・視点から見てみる参考にもなるでしょう。
「文學界」11月号の特集の「JAZZ×文学ふたたび」の宣伝用にポッドキャストで配信されています。
https://anchor.fm/hon-web/episodes/presents11-e1oqfuc/a-a8im20j
の中の
【文學界presents文学への道】�Ｊ胡棔�
「文學界」11月号の特集は「JAZZ×文学ふたたび」。大好評だった「JAZZ×文学」特集が2年ぶりに質、量ともにパワーアップして帰ってきました。持てる力を注ぎ込み、精魂尽き果てた丹羽編集長とビル・エヴァンスが好きな副編・波多野が充実の目次を紹介します。
とあります。
山中千尋さんの短編も収録されているそうです。
「Jazz とSF」という論稿もあるそうです。
https://anchor.fm/hon-web/episodes/presents11-e1oqfuc/a-a8im20j
の中の
【文學界presents文学への道】�Ｊ胡棔�
「文學界」11月号の特集は「JAZZ×文学ふたたび」。大好評だった「JAZZ×文学」特集が2年ぶりに質、量ともにパワーアップして帰ってきました。持てる力を注ぎ込み、精魂尽き果てた丹羽編集長とビル・エヴァンスが好きな副編・波多野が充実の目次を紹介します。
とあります。
山中千尋さんの短編も収録されているそうです。
「Jazz とSF」という論稿もあるそうです。
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