ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ワンコイン未満読書コミュの【歴史】「殿様の通信簿」(磯田道史)新潮文庫

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
新潮社のリンク
http://www.shinchosha.co.jp/book/135871/

「武士の家計簿」を書いた磯田道史さんの本です。
単行本は2008年刊行(朝日新聞社)でした。

知られざる史料「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」は元禄期、浅野内匠頭が松の廊下で刃傷事件を起こすほんの少し前に編まれた、当時の大名を評価した秘本だったそうですが、この史料などを駆使して、戦乱から太平の世の中に移り変わった時期、現代人が謳歌しているような人生を先取りして経験した何人かの大名にスポットライトを当て、その意外な実像に迫っています。
取り上げられているのは、上の浅野内匠頭のほか、

・水戸黄門(悪所通いが好きだった?)
・池田綱政(武張った上に学識人だった父光政に似ず好色だった?)
・前田利家〜利常(加賀百万石ができるまで)
・内藤家長(関ヶ原の前哨戦で壮絶に死んだが子孫はさほど報われず)

で、とくに最後の戦国人とも言える前田利常については三章をあてています。

家臣の代表としては、大石内蔵助と本多作左衛門(家康の名物家臣でした)をとりあげています。

前半からたいへん興味深く読め、「忠臣蔵」にたいする従来の価値観をきちんとした裏付けで疑問視するところに、まず納得させられます。
なんと言っても三章もの分量を割いた前田利常の部分がクライマックスなのだろう、と思いながら引き込まれていますと、次の内藤家長の話にもうなずかされ、最後に置かれた本多作左衛門の話には、エピソードの選択の素晴らしさもあって、
「う〜ん、この本、ほんとうにここで終わってしまうのか? もっと読みたい」
と、また最初から頁をめくりなおさせられる構成の妙に、思いがけずはめられてしまいます。

日本史ものがお好きでしたら、これが500円玉1つで買えるのは、たまらないだろうと思います。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ワンコイン未満読書 更新情報

ワンコイン未満読書のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。