みやざき中央新聞コミュの刺激を受け、感動し、伝えよう

先週、福岡のライブハウスで行われた作家・中谷彰宏さんのトークライブに行ってきた。午後三時から二時間ずつ、三コマのトークショーだ。夜の九時まで、休憩を挟みながら中谷さんはしゃべりまくっていた。心に残った話をいくつか紹介しよう。

　その一。「運がいいとか悪いとかは長い目で見て判断すべし」

　人は、目の前で起きたことに対して、「運が良かった」とか「今日はツイてないなぁ」と思ってしまいがちだが、幸運という奴は、どのような形でやってくるか分からない。ということで、中谷さんはその日の朝に起きた、こんな出来事を紹介した。

　中谷さんを乗せたタクシーが羽田空港に向かっていた。目指すは全日空の出発ロビー。ところが、最近、羽田空港も複雑になっていて、何を間違えたのかタクシーの運転手は日本航空の出発ロビーのところで中谷さんを降ろしてしまった。

　案内係に聴くと、全日空の出発ロビーは全然違う方向だという。「こりゃ、まずい」と思った中谷さんは、タクシー乗り場に並んだ。数台目にやっと順番が回ってきた。

　運転手に「近くてすみません。全日空の出発ロビーまで」と、申し訳なさそうに行き先を告げた。
　タクシーが走り出して数分後、中谷さんは何気なくバッグから搭乗券を取り出した。見たら、なんとそれは日本航空のチケットだった。彼は全日空だと思い込んでいたのである。

　「すみません。さっきのところまで引き返して下さい」と、またまた申し訳なさそうに運転手にお願いして、Ｕターンしてもらった。

　そして、日本航空のカウンターで搭乗手続きをしていたら、なんと隣でファッションデザイナー、コシノジュンコさんの夫・鈴木弘之さんが手続きしているではないか。行き先を聞くと、同じ福岡だという。乗る飛行機は違うが、お互い仕事が終わったら博多で飲もう、という話になった。

　先ほどのちょっとしたアクシデントは結果的にはいい出会いをもたらせてくれた。だから、運がいいか悪いかは長い目で見ないと分からない。もっと言えば、十年、二十年、あるいは百年のスパーンで見ないと分からないこともある。
　
　もし今、不幸のどん底にいるとしたら、それはもうすぐやってくる幸運の一歩手前なのかもしれない。長い目でみたら、目の前のアクシデントは幸運をもたらせてくれる一つのきっけに過ぎないのもしれない。

　たとえば、タレントのそのまんま東さんが宮崎県知事になれたのは、彼に知事になれる器があったとも言えるが、きっかけは前知事が汚職事件を起こして逮捕され、失脚したことで選挙になった。あのときは保守系の候補者二人が票を奪い合って、そのまんま東さんに幸運の女神が降りて当選。

　その後、宮崎県は全国から注目されて、少し前の汚職事件報道が嘘のように県内は活気に溢れ出した。何が幸運をもたらすか、分からない。

　心に残った話、その二。「遅れてきた人に感謝しよう」

　普通、会合に遅れてきた人がいると、「時間にルーズな奴だ」と、白い目で見てしまう。恋人が待ち合わせの時間に遅れてきたら、彼女は怒り出すかもしれない。そこでちょっと視点を変えてみる。その人は忙しい中、遅れても一生懸命走って来てくれたのだ。だから、待っていた人は、「忙しいのに来てくれてありがとう」と言ってみよう。

　そのとき、遅れてきた人は一切言い訳をしてはいけない。待っていた人の気持ちを察して、「遅れてすみません」と、ただただ謝るだけがいい。大人のいい関係ができる。

　　心に残った話、その三。中谷氏の心を惹きつけるいい女の条件とは？　

　その答えはズバリ、「根性のある女」。これはすなわち、いい男の条件でもある。と同時にこの条件は恋愛にもビジネスにも当てはまる。

　どんなにお金があっても、美人でも、スタイルが良くても、根性がなかったら魅力がない。根性さえあれば、たとえ顔やスタイルがそう良くはなくても、恋人をゲットできるし、しっかり結婚もしている。チャンスを掴む秘訣は根性である。

　というわけで、中谷彰宏氏の発想はいつも「なるほどぉ～」と唸らせる。

　刺激→感動→伝える→刺激→感動→伝える。このサイクルが回り始めると、どんどんいい人間関係の輪が大きくなる。

みやざき中央新聞　入り口