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鍋党〜再分配を重視する市民の会コミュの税制に関する記事から

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税制に関する記事をピックアップするトピです。気づいた報道があれば、適宜投稿をお願いします。また、報道内容に関するコメントも歓迎します。

コメント(162)

なんか知らんけど、こんなこと言っちゃアレだけどわーい(嬉しい顔)たかが掲示板のやり取りで『法的措置』なんて言い出す馬鹿を見ると心が和むよねうれしい顔

それはそれとしてカラやんさん、子育て頑張れよ。
確かに…カラやん氏が「105」番において自分自身で…

> 税金の公平な負担。
> その究極は定額制です。
> 収入の多寡に関係なく、行政から受けるサービスは同じ。
> 受益者負担の原則に立てばこうなります。

…と「受益者負担」を前提(公平の基準)としていながら…

他方で「111」番でのkojitakenさんの…

> (3) >「多くの税金を納めた者には、それに応じた報酬を受ける権利がある」

…という事を、カラやん氏自身が(暗黙の?)前提にしているという真っ当な(自己矛盾の)指摘に対して、自分の言った事すら知らんふりして否定をするなどというのは、自分で自分自身の言っている事すら理解出来ていないという意味では、一般的には(控え目に言っても)やはり「馬鹿」なのでしょうが、私は知的なハンディーキャップ?としては「可哀想」にすらなりましたね…(他人との対話能力が無いという意味で)

しかし、物には【程度】というものがあり、他者のコメントをロクに読んで理解しようともせずに、他者が逃げているなどと言い始めたり、誰も自分の言葉で話して無いと言い始めたり、同じ主張を自分でも自分の言っている意味を解さずに繰り返すという事が続けば、そりゃ「荒らし」認定されて、除名も止むを得ないとは思いますよ。

まぁ、これを経験にして、彼が今後は自分自身や他人の言っている意味を考える様になってくれれば、今回の顛末も無駄な事ではなくなるのではないでしょうか?
カラやんさんは、一度は私が書いた

> (3) >「多くの税金を納めた者には、それに応じた報酬を受ける権利がある」

というのを暗黙の前提にしている、という箇所をスルーしたんですよ。だから、当然ご自身が前提にしていることを認めているものとばかり思っていました。

ところが、もう一度これを持ち出した時に、私はこんなことは言っていない、失礼な奴だ、謝罪しろ、謝らないなら法的措置をとる、などと逆上したので、こりゃもう放っておいたらコミュをどのくらい荒らされるかわからないと思って強制退会処分にしたものです。

カラやんさんはエンジニアだそうですが、いってみれば化学反応が止まらなくなって熱暴走してしまったような状態でした。ああなったら一刻も早く手を打たなければなりませんから、素早い除名処分は適切だったと私自身は思っています。

おそらくカラやんさんは、ネットでの議論にありがちな「ネットワーク・ハイ」の状態に陥ってしまわれたのでしょう。

今回の顛末は残念でしたが、仕方ありません。
ここでの議論を、一部【再活用】して、下記の私の拙ブログ(閑古鳥の鳴いてる…苦笑)に、記事をUPしました。

仮にも「税と社会保障の一体改革」と言うなら留意するべき点
http://blue.ap.teacup.com/nozomi/127.html

宜しければ、御意見やご批判を賜りましたら幸いです。
→117 Takky@UC様
こう説明したらどうでしょうか。

「ただ乗りしているのは誰だ」
高校生の男の子を集めて山岳会を作ると、一年すれば30キロの荷物を担いで山を歩けるようになる。立山のボッカさんは100キロを担ぐという。新田次郎の「強力伝」には180キロをしょった話しが出てくるが体を壊して死んだらしい。人間の肉体能力の差は3倍から4倍というところだろう。
 この、30キロと100キロを担ぐ二人があるとき運送業を始めたとする。30キロの男は10年かかって貯金をため、自転車を買った。500キロの荷を積んで押して歩くと40キロ進める。100キロ担ぐほうは10年の貯金を頭金にして5トントラックを買った。トラックなら400キロ走れる。両者の差は100倍になった。この100倍というのは二人の能力×努力の差ではない。トラックを発明したのは彼らではないし、道路網を整備したのも彼らではない。この社会が何百年とかかって蓄積したインフラを利用できたからこそそれだけの差がついたのであり、もしトラックの男のほうが100倍の収入を得るとすれば、彼が社会を利用した分を社会に還元しなかったから、つまり社会にただ乗りした分彼がただもうけしたということだ。
 CD(レコード)100万枚のヒットを飛ばした流行歌手が音楽産業を作ったわけではないし、100万部のベストセラーを出した小説家が日本語を生み出したのではない。国民の収入が結果として4倍程度に納まるように再分配のシステムが整備された社会が、がんばった人の努力と能力が正当に評価される世界だといえる。
 逆からいうと、美人の女性と、それなりの女性がいたとして、この世の中どうしたって美人のほうが収入に恵まれるだろうけれど、私の収入があのぶすの4倍しかないのなら私はぶすになってやる、という人はいないだろう。(いてもいいけど)
 美人であることや才能があることはそれ自体ですでに報酬を受け取っているのだ。

ところで、
http://www.cap.or.jp/~toukei/kandokoro/html/13/13_1migi.htm
このサイトで


こういうグラフを見つけました。
どなたかに教えてほしいのですが、大体の数字として、GDP500兆円のとき生産財の維持更新のための分を差し引くとおよそ380兆円内外が国民の生活に消費できる、と理解してよいのでしょうか。
1億2000万人で割ると一人当たり317万円。
 日本が共産主義を宣言して全員平等の収入とすると、じいちゃん、若夫婦、子供2人の5人家族で年収1570万円の生活が出来る。(今よりいいかも) 全員平等ではやってられない、格差が必要だというならそれを4倍以内の年収の差の正常分布曲線に乗るように割り振る、ということになるわけですが。

(グラフがうまく入りません。日記にも同じものをアップしました)
94のところ以下のことを書きました。

=================================
また、労働賃金の格差についても同様のことが言えます。米国の例になってしまうのですが、
著名な投資家ウォーレン・バフェットは1995年のテレビインタビューでこの点を次のように巧みに説明しています。

------
わたしが稼いだお金のかなりの部分は、社会が稼がせてくれたのだと、わたしは思っている。もしわたしがバングラデシュやペルーのような国に生まれ、そこから出られなかったら、こうした投資の才は無残に押しつぶされ、花開くことはなかったと思う。きっと30年たっても、わたしは生活苦にあえいでいたことだろう。わたしがいま仕事の場としている市場システムが、わたしがしていることに対して、たまたまとても良い---------というか、まさに異常なほどよすぎる報酬を与えてくれる、ということなんだ
------

つまりは今現在の個人がもらう賃金は、その人の価値を正しく反映したものとは言い難いのではないでしょうか?
=================================

ようはシステムの問題なのかなと思ってます。さらに、国が違えば同じ職業でも、賃金が違います。よく引き合いに出されるのは、バスの運転手です。
たとえばインドのバスの運転手とスウェーデンの運転手の賃金差は、50倍あるとします。
でも、スウェーデンのバスの運転手の方が50倍も生産性が高いわけではないですよね。だいたい、50倍も運転がうまいなんてことありませんから。
結局これはスウェーデンの保護政策(移民を簡単に労働市場に入れない)ということと、スウェーデンの制度や整ったインフラのおかげだと考えた方が良いです。これはハジュン・チャンの「世界経済を破綻させる23の嘘」の中に書かれている一文から持ってきました。

張ってあるグラフの380兆円が国民所得だと、たしかに平らにならすと一人当たり317万なんですね。
国民所得の分布のグラフがとこかにあれば、平均年収の何倍かけ離れた収入を得ている人がどれくらいかわかるでしょうね。たとえば平均年収の10倍の年収を得ている人がいて、平均年収所得者の10倍の生産性のある仕事をしているかというと、それは疑わしいですよね。
仕事の内容にもよりますが、人の何十倍もの成果を上げれるのはITなど限られた業種に限るでしょうからね。
皆様、ご無沙汰しております。
昨年夏以降、公私共に忙しくなり、ネタ探しも出来かねる状況ですが、少しでも協力できるようになればと思っています。

>Takky@UC様
こちら http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/ が参考になるではと思いますが、いかがなものでしょうか?
toripyさん、お久しぶりです。資料ありがとうございます。

教えていただいた資料のこの辺でしょうか。

図14 所得金額階級別にみた世帯数の相対度数分布
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-2.html

この資料は平成22年度なので2年前ですね。
平均所得は550万ですが、60%くらいの人たちが平均所得以下なんですね。
その一方で2000万以上の所得のある人は1.2% です。
また、一番多い所得層が200-300万の層です。

たとえると年収200万のAさんと年収2000万のBさんと10倍の年収差があります。
Aさんの10倍の生産性をBさんが本当に持っているかというと、ちょっとそれは難しいと思います。前回のコメントにも書きましたけど、それはITとか特殊な分野でしょう。さらに、おそらく年収が1億を越える人たちは0.1%以下でしょう。たとえば年収1億のCさんが年収500万のDさんの20倍も生産性があるというのは、もっと無理があるように思いますね。
皆さんはどうおもいますか?同じ人間でそんなに生産性に差があるものかどうか?
どうして生産性に何倍も差がないのに所得は何十倍も差があるのか?
初参加で失礼します。

>たとえると年収200万のAさんと年収2000万のBさんと10倍の年収差があります。
>Aさんの10倍の生産性をBさんが本当に持っているかというと、ちょっとそれは難しいと思います。
そもそも、「生産性」とは何か?
という所から気になりますよね。
単純に、10kgの石を運ぶ仕事なら、10倍運べば10倍の仕事で分かりやすいですね。
これは「品質」はあまり関係ないと思います。「物的生産性」って奴でしょうか。

しかし、実際には、「付加価値的生産性」って所が重要なのかと思います。

付加価値って言っても色々ありますが、

実際問題、普通に皆さん、付加価値に対して金を払っていると思います。

中国産の食材と、国産の食材。
場合によっては、同じ量で10倍以上の値段の差があります。
でも、後者を欲しいと思う事はあると思います。

野球選手で、打席100回で、40本ヒットを打った人と、打席100回で20本ヒットを打てる人、
(イチローと、二軍選手程度の実力差としましょう)
果たして、価値的生産性は2倍の差なのでしょうか?
実際には、前者は高付加価値で評価され、後者は価値が0に近く評価されると思います。
「チームの勝利」という目的に対しての付加価値かと考えられます。

これはITでもいえる事ですが。
質の低い仕事を3人分の量をこなす人と、(バグだらけで成果物を誰かがチェックしないといけない)
その人にしか難しい、かつ重要な部分を、抜群の信頼性でこなす人。
後者の給与が遥かに高い例はざらですよね。

これらは、労働市場的に公平さが保たれていれば、
正当な評価に従い、報酬を得られるのでしょうね(理想論ですが)

で、そんな付加価値を持った人間というのは、少数であるから付加価値が高まり、
逆に言えば、そうでない人間が多数派であり、
替えの利く人材である事 且つ 市場的に余っている
・・・といった事実から、年収200万という価値評価を受けるのだと思われます。

尚、それを踏まえた生産性とは無関係に高収入を得ている人間が居るとしたら、
それは、何かしらの「一部の人間だけが与えられる既得権益」によって、
競争とは無縁のところで、保障されているからでしょうね。
(それらの人達は、当然、そうでない人から、不公平といわれる事になりますね)

これは正社員と非正規問題でも同じです。
一部の人間だけが権利を保障されて、一部の人間だけが保障されない仕組。
当然、後者からみれば、不公平感があります。
(でも、だったら、フラットにしろと言えば、前者は抵抗するでしょう)

それらの差が生まれる事が、社会システム上の問題であると同時に、
そういった事を生み出すルールに、問題がある可能性が高いと思われます。
(単純に、上に居る人間を叩いて引き摺り下ろせば良いという問題ではなく)

※尚、これらの事実が、本当の意味で公平であるか、正しい事であるか、
※単なる市場万能主義が良いのか、悪いのか、
※そういう事は除外した上で、皆さん重々ご承知の事と察した上で、考察を書いてみました。
>完顔玲玲@熊猫房さん

こんばんわ。

ちと、範囲が広くて敷居が高いですね。
理解が及ばない点があり申し訳ないのですが、

労働生産性の話に、参加したつもりでしたが、
とりあえず、相続税法がこの話に対し、どの様に絡んできているのでしょうか?

最後の方の社会システム上の問題あたりの絡みで、
再分配の話に引っかかって、相続税と来ているって所でしょうか?
ちとポイントすら掴めません。
>完顔玲玲@熊猫房さん

補足どうもです。了解いたしました。

まあ、生まれつき、たんまり親から資産相続をして、
不動産・金融所得で左団扇って人も、確かに世の中にはいますね。

金融所得については、
本人の能力・生産性とは別の要素で差がつく事は多いと思います。
自分は、相続税とはまったく無縁なわけですし、
そうでなくても、相続税率によって、富の集中を防ぐべきだという考えは理解できます。

ただ、現実問題としての相続税率って、
他所の国見ても、余り高い国って見かけないですね。

シャウプ勧告つって、「世界で最もすぐれた税制を日本に構築する」とかいいながら、
相続税やキャピタル課税をあげろって話もあったようですが、
1953年あたりに運用で頓挫したりしているようですし、

実際、欧米諸国って、自分ところじゃあんまりやらんみたいですね。
>完顔玲玲@熊猫房さん

あくまで自分の認識の範囲ですが、、

所得税に偏るのが良くないので、相続税をあげろという話になって、
その相続税の漏れ補完の為に贈与税が出来て、今に至ると理解しています。

所得補足率については、
割と日本に限らず何処の国も抱えている問題なのかと思っています。

相続税の特例とかは、丸々アメリカに右を習えしてるような気がします。
1998年にアメリカ議会合同経済委員会から、こんな声明が出てたそうですね。

・ 遺産税による経済縮小
・ 遺産税は貯蓄と投資を低下させ、資源配分を非能率的にする
・ 遺産税は最高限界税率80%にいたる事例もあり、非常に懲罰的である
・ 中小企業を解体させる主要な原因となっている
・ 遺産税は,投資と雇用に向かうべき資源を他の方面に向けさせる
・ 遺産税債務により、不必要な土地開発をもたらす
・ 遺産税は、あるべき税制の根本原則に反し、複雑で不公平で、非能率的である
・ 遺産税は消費を促進する一方、労働、貯蓄、節約をさせなくする傾向をもたらす
・ 経験的理論的な研究から、遺産税は不平等を減らすことに効果がなく、現実には消費の不平等をもたらす
・ 遺産税のために発生するコストは、1998年には、税収と同等の230億ドルにのぼった。
・ 遺産税方式では、相続税の課税根拠を生前所得の精算に求めているが、これは二重課税である。

まあ、自分はこれを全て否定するわけでも、全て肯定するわけでもないですが、
日本もこの辺を元にして、テレビでマスコミ世論誘導などを行いつつ、
似たような話をしていたと記憶しています。

まあ、そんなこんなで相続税廃止や低減の流れに、日本以外も含め傾いた所で、
格差拡大に一役買ったんだろうなと認識しています。

必ずしも日本が他所の国に右に習えする必要は無いと思いますが、
なんだかんだで、右に習えしてるんでしょうね。グローバル化って事で。


そういう意味で言えば、証券の分離課税も同じ事なのかと思います。


>勤労者と申告所得税納税者とでは収入把握率や経費認定で大きな不平等
これはあるでしょうね。
ただ、自分の認識では、クロヨンなどに起因する、経費控除の調整は、
いつまでも問題解消できない国や税務署の怠慢だと思っています。

給与所得控除がその例ですね。(これは個人事業主の節税にも利用されていますが)
一部、ごく真面目な自営業・個人事業主は、
むしろ、余計に金を払う事になっており、歪んでるなと思います。



>日本においては全てを源泉所得税制度にして
この当たりを実現する上で、給与所得者(もしくは報酬)辺りしか、
現状では全て所得の補足が困難(高コストの為実現不可)って所に、一番のネックがあると思います。

本気でやるのならば、初期コストが掛かっても、
納税者番号制度と、紙幣の電子マネー移行が必要かなと思ったりします。
そして、全てのあらゆる金の流れを補足して、公平な課税を実現して欲しいものです。

色んな問題の解決が必要ですが。一番嫌がるのは、政治家と一部自営業でしょうね。
なので、彼らが死に物狂いで抵抗するので、実現困難かなとも思っています。
他のスレで言及したんだけど、朝日新聞に載ってた軽減税制などをめぐる矛盾を指摘した記事。聞蔵検索して見つけた。

(ワールドけいざい)英国、パイの課税「待った」 軽減対象、線引きあいまい
2012年07月23日 朝刊

 食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」。英国で庶民の食べものに税金をかけようとしたところ、論争を巻き起こした。日本でも消費税率を上げるときに導入するか検討することになったが、何にかかって何にかからないのか、その線引きは難しい。

※「庶民の味だ」と怒り

 論争のきっかけは、「パスティ」という半円形のパイだ。肉や野菜を包んで焼いた200〜500円程度の気軽な食べものに税金をかけようとしたので、国民の反発が一気に高まった。
 英国には日本の消費税にあたる付加価値税(VAT)があり、ものを買ったりサービスを受けたりすると原則20%の税金がかかる。所得が低い人ほど重くなる税負担に配慮し、電気料金などは税率5%、食料品や書籍・新聞、子ども用の衣類などは原則0%と、税率が軽減されている。
 VATの軽減税率はだれもが買うような食料品などに適用され、ぜいたくと見なされる外食には20%がかかる。料理された食べものを店で食べるというサービスを受けているという考え方だ。パン屋の冷たいサンドイッチは0%だが、ファストフード店のハンバーガーは20%かかる。
 持ち帰って食べる総菜などは外食と食料品の中間にあるが、原則として温かいものは20%、温かくないものは0%だ。ただ、温めているものでも、品質を保つ目的であれば0%とされ、線引きがあいまいだった。
 政府は3月にまとめた税制改革案で、この線引きを「明確」にした。それは「周囲の気温より温かいか否か」だった。10月から温かい食べものには一律20%の税金をかけると発表。それまで0%だったパスティも対象となった。欧州債務危機を受け、昨年にVATが増税されたばかりだったこともあり、庶民の食べものへの課税は反対デモが起きるほどの怒りをかった。
 政府案では、焼きたてのパンが対象外とされていたことから、パスティの起源とされる英国南西部コーンワル地方の国会議員たちは「パスティも温かいのはつくられた直後だけだ」と主張。結局、政府は改革案の修正に追い込まれ、温め直したり常に温めたりしていない限り、0%のままにすることにした。
 一方、温かいサンドイッチは、調理したものをすぐに食べるため、20%の対象のまま。米大手サンドイッチチェーンのサブウェイは「パスティと同様に扱うべきだ」と訴え、今も署名を呼びかけている。

※裁判に発展、返金のケースも

 英国は1973年にVATを導入したが、当初から軽減税率の対象をめぐって論争が絶えない。政府が発行するVATの線引きについて説明した冊子は、50ページにも及ぶ。
 例えば、自宅用でも紅茶や牛乳は0%だが、お酒やジュースは20%。ケーキは0%だが、ポテトチップスやチョコレートは20%といった具合だ。溶かして食べるフローズンヨーグルトは2%なのに、シャーベットは20%と、違いがはっきりしないものも少なくない。
 法廷闘争に発展したケースもある。英国の小売り大手、マークス・アンド・スペンサーは、チョコレートがついたぜいたく品のビスケットとして標準税率がかけられていた「ティーケーキ」という菓子について、「ケーキなので0%だ」と主張し、政府を提訴。10年を超える裁判を経て、過去に払った約20年分の税金が返金されることになった。
 そもそも軽減税率は、増税に対する反発を和らげる意味合いもあり、だれが見ても明らかな線引きができるものではない。英国でも時の政権の方針で、VATの税率や制度変更が繰り返されてきた。低所得者への配慮だけでなく、省エネや健康対策など目的が様々なことも複雑にしている。
 欧州をはじめ多くの国で導入されている軽減税率だが、制度が複雑化していることに加え、政府にとっては税収が減るというデメリットがある。今回の英政府の税制改革案も、税収増がねらいと見られている。日本政府が導入したがらないのも、税収減を避けたいという面が大きい。国際通貨基金(IMF)は2010年に「軽減税率はコストが高いうえに、所得の再分配効果は限定的。廃止して低所得者の手当を増やすべきだ」と指摘している。
 英国財務省は「税は分かりやすく、公平でなければならない。政府は軽減税率制度の抜け道や例外をなくしていく」としながらも、「今のところ軽減税率をやめる考えはまったくない」としている。

 (ロンドン=津阪直樹、星野眞三雄)
もう一つ、インボイス方式への問題点を指摘した朝日新聞の記事。

(教えて!消費税)インボイス方式、なぜ敬遠されるの?
2012年04月11日 朝刊

 消費増税した場合、収入が少ない低所得者の負担を軽くするため、食料品などの生活必需品の税率を低くする「軽減税率」が注目される。その時に必要なのが「インボイス(invoice)」だ。貨物の送り状や商品の明細書を意味する。
 消費税は消費者が払っているが、商品になるまでにかかわった業者も払っている。材料の仕入れから加工、流通などをした際に消費税がそれぞれかかっている。
 イギリスやフランスなどの欧州各国では、モノやサービスの代金を請求する「明細書(インボイス)」に、税抜き価格と消費税を記すことが義務づけられている。税率や税額などを記してあるため、業者はインボイスによって売り上げと消費税がはっきりわかる。インボイスをみれば、納めるべき消費税が一目瞭然になるのだ。
 欧州では「軽減税率」を採用している国が多い。インボイスならば、商品ごとに税額や税率が記されているため、税を徴収する政府もどれだけ消費税がかかったかが把握できる。
 一方、日本では業者が請求書を保存し、そこから消費税を計算して納めている。だが、日本の請求書には消費税額を記す義務はない。消費税がいくらになるかは業者の自己申告だ。
 日本では1987年に中曽根内閣で、売上税法案が提出された時からインボイスも検討されてきた。だが、軽減税率を採用していないことや、税額や税率を計算して明細書をつくる作業が大変だという声があるため、取り入れられていない。日本商工会議所や全国商工会連合会など業者側は強く反対している。
 消費税を10%に上げる際にも、野田佳彦首相は「単一税率を維持することや、中小事業者の事務負担等を踏まえ、インボイス制度の導入は行わない」と言っている。
 しかし、インボイスのように仕入れの段階で税抜き価格と消費税がはっきりしていれば、商品の価格に仕入れにかかった消費税分をそのまま反映させやすいが、日本のようにはっきり書かれていない場合は価格に転嫁しづらいとの声もある。中小企業にとっては、消費税分の自腹を切らされる可能性がある。逆に、税抜き価格と消費税がはっきりしないため、消費増税に便乗して税抜き価格を上げることもやりやすい。
 また、インボイスは税務署に取引のすべてを把握されるという懸念もあり、業者に敬遠されている面もある。実際より少なく納税するといった「脱税」を牽制(けんせい)する効果があるからだ。(座小田英史)

>>[144]

いろいろな情報をありがとうございます。
消費税のインボイス導入に関しては、大企業だけではなく中小企業も明細書作成が大変なため反対だったということなんですね。
イギリスの、「パスティ」の話もおもしろい(といってはなんですが)です。
結局どういう形で税金を掛けるかでどこの国でももめるのでしょうね。

いろいろとねたが集まったので、一度まとめて鍋ブログにそのうちあげたいです。



三菱経済研究所から出しているニューズレター『経済の進路』2012年11月号から。

「トピックス 消費税の『国境税』調整」

先の国会で消費税率の引き上げが決まったが、それを機に、電子商取引の普及によって拡大しつつある輸入品への課税問題が浮上している。
もともと消費税などの付加価値税は、国境で税額が正しく調整されることを前提としている。課税対象となる域内(通常は国単位)の消費に対して課税する税なので、輸出品には課税せず輸入品に課税するのが原則だ。
しかし、貿易の対象はモノだけではない。データを外国から直接購入する取引も増えている。音楽、映画や電子書籍などを外国の業者から直接ダウンロードして購入する場合は、モノではないので輸入国の税関を通らず、事実上、消費税がかからないことが想定されるのだ。
また、モノの購入であっても、個人が外国の業者から直接購入して宅配してもらう場合、そもそも税関が国際郵便や宅配便などへの課税を厳密に行うことができるのかといった問題があり、国内事業者から購入した場合との間で公平性が確保できないケースも起こり得る。
税制には、酒やたばこなどへの課税のように、税を通じて消費者の行動に影響を及ぼす(消費の抑制など)ことを狙ったものもあるが、消費税などの基幹的な税は経済活動に影響を及ぼさないのが原則だ。となれば、国内事業者を外国の事業者と比べ不利な立場に置きかねない税制は好ましくない。また、税収確保の面でも、国際的な電子商取引への適正な課税は重要な課題だ。
国家間の税制の違いを調整し、輸出入品が国内で生産・消費されるものと税制上平等に扱われるように処置することを「国境税調整」と呼ぶ。なかでも消費税は、価格に税率を乗じて計算する税であることから、国境税調整がし易いという特徴がある。したがって、貿易には中立的であり、多くの国で導入するようになったのも、産業の国際競争力を阻害しないと考えられたからだ。
しかし、国境に税関がないとこうした調整はしづらくなる。欧州統合は、単一市場を実現するために、域内通商については通関手続きを不要にした。しかし、付加価値税の税率や軽減税率を適用される物品の範囲などは、国によってまちまちだ。このため、現実には、帳簿上のデータや企業などの申告などに基づいて、税額の調整が行われているという。同時に、域内での付加価値税の標準税率を15%以上とするルールを定めるなど、国によって税率が極端に異なる事態を防ぎ、仮に負担税額に誤差が生じても大きな差にはならないよう工夫がなされている。但し、個人が国境を越える際の所持品に対して税調整をするのは不可能に近く、国境近辺の町では、税率が低い国に買い物に行くのが日常の風景となっている。
一方、付加価値税の制度がなく、州や市などが小売売上税を課している米国では、調整はさらに難しい。大都市では税率が高くても郊外に出ると低くなったりすることが珍しくないので、値が張る商品を買う時は、税率が低い地域に足を運ぶといった行動が日常的となる。通信販売の場合はさらに厄介で、他州の業者から購入する場合、業者が所在する州、消費者が在住する州のいずれでも課税できない場合が出てくる。しかし、それでは実店舗を構える一般の業者が通販業者と比べて不利になりすぎるとして、消費者所在地で課税できるように小売売上税を手直しする(大手通販業者名をつけて通称“アマゾン税”とも言われる)動きも見られるが、米国は連邦国家であり、州をまたぐ商業活動は連邦政府、州内で完結するものは州と明確に権限が分かれているため、課税の理屈はつけ難い。
わが国では、地方税収確保のため、消費税の一部を地方税としている。税率が5%の現在は、1%分が地方消費税だ。但し、地方消費税も国の税務署が国税分を合わせて徴収し、人口などの客観的データに基づいて各都道府県に配分している。地方消費税の税率を都道府県などが自由に決めることも許されておらず、わが国では“県境税調整”の問題は起きていない。しかし、仮に地方によって税率を変更することを考えることになれば、県境をまたぐ取引の税調整をどのように行うのかは大きな課題となるだろう。
このように、モノの取引についてすら公平性を高めるための対策が欠かせないが、電子商取引でデータをやり取りする場合には、業者が外国にいる場合でも課税できる方法を考える必要がある。そのためには、各国の税務当局が足並みを揃えて、業者に適切な税負担を求める体系を作っていかなければならない。
わが国では消費税の逆進性が批判されることが多いが、産業の国際競争力への影響が小さいという消費税のプラス面が取り上げられることは少ない。財政再建に向けた税の増収策を消費税中心に進めようとしているのは、高額所得者を優遇しようとしているからではなく、経済への悪影響を極力小さくしつつ増税を実現させるためだ。このような、消費税が持つ公平性を広い知らしめていくためにも、電子商取引の方が有利になる可能性がある、というような“不都合な真実”は解消していく努力が欠かせなまい。
>>[149]

資料ありがとうございます.
データを海外から直接ダウンロードするような場合、消費税がどうなるかというのは考えたことがなかったです.
消費税率が各国一律で同じなら、問題ないのかもしれませんが、すべての国で同じにするのは大変でしょうね。欧州では「域内での付加価値税の標準税率を15%以上とするルールを定める」というのを、欧州に限らずどこの国でも導入するには、簡単にいかないのでは。

以前別のトピック(税制に関する記事から その2)で紹介した
------------------------------------------------------------
140億ドル利益のGEが「法人税ゼロ」、米国内で税制改革議論が再燃
http://www.afpbb.com/article/economy/2793101/7020728
------------------------------------------------------------
これは法人税で、アメリカ国外にある子会社に課税できる仕組みがないからです。
なにかこの電子商取引の消費税の話に似ているような気もします.

>わが国では消費税の逆進性が批判されることが多いが、産業の国際競争力への影響が小さいという消費税のプラス面が取り上げられることは少ない。財政再建に向けた税の増収策を消費税中心に進めようとしているのは、高額所得者を優遇しようとしているからではなく、経済への悪影響を極力小さくしつつ増税を実現させるためだ。このような、消費税が持つ公平性を広い知らしめていくためにも、電子商取引の方が有利になる可能性がある、というような“不都合な真実”は解消していく努力が欠かせなまい。

最後の方のこれは、メーカーの研究所が出している方便のような気もします.
>>[150]
メーカーと言うより、グローバルな大企業の研究所の利害ってことなのかも。

ちなみに明日公開する鍋ブログのエントリに絡むネタを。

アメリカNOW 第97号 ロムニー候補の「47%発言」と米国の税・財政制度 (安井明彦)
http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1044

佳境を迎えている米国の大統領選挙では、共和党のミット・ロムニー候補の発言(いわゆる「47%発言」)をきっかけに、「約半数の家計が所得税を負担していない」という事実が話題になっている。そこで本稿では、この「47%発言」を切り口として、米国の税・財政制度の累進性や所得再配分機能について、国際的な比較を交えながら紹介する*1 。


※ ほぼ半数の家計が負担していない所得税
「47%の有権者は、何があっても(オバマ)大統領に投票するだろう。(オバマ大統領を支持し続ける)これらの47%の有権者は、政府に頼りきっている…彼らは所得税を払っていない人たちだ…私はこうした人たちを心配しない」

米国で大きな波紋を呼んだ、ロムニー候補の発言(抜粋)である*2 。有権者の約半数を切り捨てたかのような印象を与えるこの発言は、オバマ陣営による格好の攻撃対象となり、後にロムニー候補自身が全面的に撤回する騒動となった*3 。

その政治的な意味合いはさておき、ロムニー候補の「47%発言」は、米国の税・財政制度を読み解くにあたって、興味深い切り口を提示している。本稿では、二つの角度から「47%発言」を掘り下げてみたい。具体的には、第一に「47%発言」を現実と対比した場合の整理であり、第二に国際的にみた米国の税・財政制度の立ち位置である。

まず第一に取り上げたいのは、「47%発言」と現実の対比である。ロムニー候補の発言自体は、全てが間違いだというわけではない。しかし、「47%」という数字の意味合いをどう考えるかについては、議論が分かれるところだろう。

税制に関する事実だけを取り上げれば、ロムニー候補の発言はあながち的外れではない。Tax Policy Centerの試算によれば、2011年の米国では46.4%の家計が連邦所得税(以下、所得税)を負担していない。こうした数字をみる限りでは、「ほぼ半数の家計が所得税を負担してない」という「47%発言」の趣旨は、現実からそれほど乖離しているわけではない*4 。

*1:米国財政の所得再配分機能の変遷については、安井明彦、米国の所得格差と財政の役割、アメリカNOW第82号、2011年11月1日 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=828 を参照願いたい。
*2:David Corn, SECRET VIDEO: Romney Tells Millionaire Donors What He REALLY Thinks of Obama Voters, Mother Jones, September 17, 2012. http://www.motherjones.com/politics/2012/09/secret-video-romney-private-fundraiser
*3:Maggie Haberman, Romney: 47 Percent Line 'Completely Wrong', POLITICO, October 4, 2012. http://www.politico.com/blogs/burns-haberman/2012/10/romney-percent-line-completely-wrong-137589.html
*4:Tax Policy Center, Baseline Distribution of Tax Units with No Tax Liability, Current Law, 2004-2011, June 14, 2011. http://www.taxpolicycenter.org/numbers/displayatab.cfm?DocID=3054
ほぼ半数の家計に所得税負担が発生しない背景には、税制上の二つの仕組みの存在がある*5 。

第一は、所得税の累進性を保つための基本的な枠組みである。具体的には所得控除・扶養控除などであり、言い換えれば、これらが理由で税負担が発生しなかった家計は、「(家族構成などを勘案した上で)所得税を負担するだけの所得がなかった家計」と位置づけられる。Tax Policy Centerの分析によれば、2011年に所得税負担が発生しなかった家計の50.2%が、こうした位置づけに分類できるという。

第二は、各種の優遇税制(租税支出)である。Tax Policy Centerの試算では、残りの40.8%の所得税負担が発生しなかった家計は、さまざまな優遇税制によって税負担が免除されている。対象となる家計の数でもっとも多いのは高齢者向けの優遇税制(受給した公的年金に関する控除、高齢者に対する所得控除の特別増額分など)であり、優遇税制が理由で所得税負担が発生しなかった家計の44.0%が該当する。これに続くのが、児童・勤労貧困層向けの優遇税制(児童税額控除、勤労所得税額控除など)で、同じく30.4%が対象である。所得税免除の理由となっているのは所得水準だけで適用対象が決められる優遇税制ばかりではなく、キャピタルゲイン税や配当課税のように高所得層が対象となる可能性が高い税制も含まれている。

これら二つの仕組みの影響が組み合わされた結果が、所得階層ごとにみた所得税負担が発生しない家計の割合である。 http://www.tkfd.or.jp/files/img/labnews/1044_1.jpg 低所得層に関しては、主に累進性を保つための基本的な枠組みが理由となって、多くの家計で所得税負担が発生していない。所得水準が高くなるに連れてこうした影響は小さくなるが、その一部は優遇税制の影響に代替されるため、所得階層が最も高い第五分位においても、僅かながら所得税負担が発生しない家計が存在している。

※ 単純ではない税負担に関する数字の解釈
気をつけなければならないのは、「46.4%」という数字だけでは、米国税制への理解が一面的になってしまいかねないことだ。3つの視点を付け加えたい。

第一の視点は、税目に関する視点である。米国の家計が払っている税金は所得税だけではない。その他の税目を加えれば、税を負担していない家計の割合は低下する。

好例が社会保障税である。公的年金・医療保険の財源である社会保障税は、勤労世帯の多くが負担している連邦税である。2011年を例にとれば、所得税・社会保障税を合算しても税負担が発生していない世帯は27.6%に止まる。*6 http://www.tkfd.or.jp/files/img/labnews/1044_2.jpg

第二の視点は、景気との関連である。実は所得税を負担していない家計の割合は、常に一定であるわけではない。むしろ景気が悪くなると上昇し、景気が良くなると低下する傾向があるのが、この数字の特徴である。これは、財政には景気の循環を和らげるように自動的に変動する働き(ビルトインスタビライザー機能)があるからだ。例えば、景気が悪い時には税負担が自動的に軽減され、低所得層を中心に所得税を負担する家計の割合が低下する。「46.4%」が所得税を負担してない2011年は、金融危機の後遺症により所得税負担が生じない家計の割合がやや高くなっており、危機前の2007年の時点では所得税を負担しない家計の割合は40%を割り込んでいた。 http://www.tkfd.or.jp/files/img/labnews/1044_2.jpg

*5:Rachel M. Johnson, Jim Nunns, Jeff Rohaly, Eric Toder, Roberton Williams, Why Some Tax Units Pay No Income Tax, Tax Policy Center, July 2011. http://www.taxpolicycenter.org/UploadedPDF/1001547-Why-No-Income-Tax.pdf
*6:給付付き税額控除などを考慮して、所得税と社会保障税のネットでの納税負担が生じない家計の割合。「所得税と社会保障税のどちらも払っていない家計」の割合は、2011年で18.1%。
第三の視点は、生涯でみた税負担に関する視点である。個人が所得税を負担する割合は、一生の間にも変化する。所得税の算定基準となる所得が変動し、また、控除等の基準となる家族構成や年齢も変化するからだ。Hamilton Projectの分析によれば、所得税負担が生じない割合は若年層と高齢層で高く、前者では70%弱、後者では80%弱を記録している。いずれの年齢層も、職に就いていない割合が高いのが特徴である。対照的に、働いている割合が高く、所得の面でも「働き盛り」である40〜50歳代の場合には、所得税負担が生じない割合は概ね30%を下回る*7 。言い換えれば、ある時点で所得税を負担していない「46.4%」の中には、以前はこれを負担していた家計や、これから負担する家計も含まれている。

※ 国際的にみた米国の税・財政制度
「47%発言」から想起されるもう一つの切り口は、国際的にみた米国の税・財政制度の立ち位置である。一般的に米国の税・財政制度は「金持ちに優しい」という印象があるように思われる。それでは、国際的な比較の観点では、「約半数の家計が所得税を負担していない」という現実は、どう位置づけられるのだろうか。

「47%発言」が示唆するように、実は米国の税制は先進国の中でも累進性が高い部類に入る。ノースウェスタン大学のMonica Prasadらの分析によれば、所得税などの直接税だけを比較しても、米国税制の累進性は欧州諸国よりも高い。欧州諸国では逆進性が高くなりがちな消費税などの間接税の存在感が強いことを加味すると、米国税制の累進性の高さはさらに際立っている*8 。

だからといって、財政全体の働きを比較した場合には、米国の財政制度による所得再配分機能は、決して国際的に高い水準にあるわけではない。OECD(経済協力開発機構)加盟国を比較すると、財政が所得格差を是正する度合いが米国よりも低いのは、アイスランド、トルコ、韓国、チリ、メキシコの5カ国だけである*9 。

国際的には累進性の高い税制をもつ米国が、なぜ財政全体では所得再配分機能が弱いのだろうか。その一因は、諸外国と比較した場合に、米国は歳出による所得再配分機能が弱いことにある。逆に言えば、米国は「小さな政府」であったがゆえに、逆進性が高くなりがちな消費税などの間接税からの税収に頼る必要が生じなかった、という解釈も可能である *10。

欧州諸国などで消費税などの間接税の存在感が大きいのは、所得再配分機能の強い「大きな政府」を目指すに当たって、これを支えるだけの税収を確保する必要があったからだといわれる。実際に国際比較では、財政による所得再配分機能が強い国は、税収の水準が高い傾向がある。米国の税制の場合には、確かに累進性は高いものの、税収の水準は国際的に低い部類に入る。

*7:Adam Looney, Michael Greenstone, The Truth about Taxes: Just About Everyone Pays Them, The Hamilton Project, April 2012. http://www.hamiltonproject.org/papers/the_truth_about_taxes_just_about_everyone_pays_them/
*8:Dylan Matthew, Other Countries Don’t Have a “47%”, Washington Post, September 19, 2012. なお、カリフォルニア大学バークレー校のEmmanuel Saezらは、所得上位10%の家計に着目すると、英仏との比較での米国税制の累進性の高さは、1970年代頃までの現象だと指摘している(Thomas Piketty, Emmanuel Saez, How Progressive is the U.S. Federal Tax System? A Historical and International Perspective, Journal of Economic Perspectives, Winter 2007. http://elsa.berkeley.edu/~saez/piketty-saezJEP07taxprog.pdf )。
*9:Dylan Matthew, Other Countries Don’t Have a “47%”, Washington Post, September 19,2012. http://www.washingtonpost.com/blogs/ezra-klein/wp/2012/09/19/other-countries-dont-have-a-47/
*10:John Sides, The Facts about Tax Progressivity, The Monkey Cage, February 16, 2012. http://themonkeycage.org/blog/2012/02/16/the-facts-about-tax-progressivity/
国際比較の観点では、米国のように累進性の高い税制をもつ国ほど、財政による所得再配分機能が弱くなる傾向も観察されている。その理由については諸説があり、例えば、中間層が政治的な影響力を持ちやすい国では、富裕層に厳しい累進性の高い税制が好まれると同時に、貧困層に優しい所得再配分機能への支持が集まり難いとする見方や、累進性の高い税制を持つ国では「大きな政府」への反感が高まりやすく、所得再配分機能を強化し難い傾向がある、といった説明がされている*11 。いずれにしても、累進性が高く税収の水準が低い税制と、所得再配分機能の弱い財政制度という米国の組み合わせは、国際的には標準的な形態なのかもしれない。

米国の税・財政制度のあり方は、二大政党の主義主張が正面から衝突する分野であり、ともすれば極端な議論が展開されやすい。しかし、ロムニー候補の「47%発言」にみられるように、一見すると単純な数字でも、その背後には様々な意味合いが隠されている場合が少なくない。党派対立の喧騒を超えて政策分析を進めていくためには、複眼的な視点を用いる必要がありそうだ。

*11:Monica Prasad, Yingying Deng, Taxation and the Worlds of Welfare, Luxembourg Income Study Working Paper Series, April 2009. http://www.lisproject.org/publications/liswps/480.pdf


■安井明彦:東京財団「現代アメリカ」プロジェクト・メンバー、みずほ総合研究所調査本部政策調査部長
>>[154]

> 国際比較の観点では、米国のように累進性の高い税制をもつ国ほど、財政による所得再配分機能が弱くなる傾向も観察されている。

ここらへんの議論は、3年前に神野直彦著『財政の仕組みがわかる本』(岩波ジュニア新書)を読んで初めてはっきり認識しました。で、一昨年初めに神野先生が政府税調の専門家委員会の座長になられた時、日本は租税負担率が低い、そこでまず直接税の課税ベースを拡大し、税収を拡充した時点で、財政のあり方をアメリカ式の直接税中心の「小さな政府」か、ヨーロッパ式の間接税にも頼る「大きな政府」かを選ぶというおおまかなロードマップを示し、専門家委では直接税の課税ベース拡充の議論をする意向を示されました。神野先生は、いずれ消費税にも頼るにしても、まず直接税の税収を増やすことが急務だと考えておられたと私は解しています。

しかし、与党・民主党は所得税と消費税の増税を並行して進める菅直人と、「まず無駄を省く」と言ってのちの「減税日本」樹立へと動いた河村たかしを応援する小沢一郎の二派に分かれてしまい、神野先生流の「まず直接税の課税ベースを拡大し、然る後に消費税に頼るかどうかを決める」という道筋の議論は全く顧みられなかったために、神野先生もしびれを切らしてか、「所得税と消費税は税制の両輪」という主張に修正してしまったんですね。

以来、「税収を増やす」というと、「消費税増税論者」と短絡されることになってしまい、今に至っています。

孫崎享を持ち上げるばかりではなく、「まず無駄を省く」としか言わない党首を戴く、名前だけは社会民主主義の政党も問題ですが、仮に「ソシサヨ」の政党があっても、ほとんど得票できないのではないかと思います。
>>[155]

改めて件の安井氏の記事を読んでみると、次の点が気になったんですよね。

「中間層が政治的な影響力を持ちやすい国では、富裕層に厳しい累進性の高い税制が好まれると同時に、貧困層に優しい所得再配分機能への支持が集まり難いとする見方や、累進性の高い税制を持つ国では『大きな政府』への反感が高まりやすく、所得再配分機能を強化し難い傾向がある」

この件を読んでみて思うのは、そもそも「一億総中流」とか言われていた様な時期こそが、まさに弱者への支援や福祉とかバラマキ・「大きな政府」への批判が出始めた頃だったりするんですよね。1960年代後半から70年代全般にかけての革新自治体の伸長と高度経済成長を背景として福祉政策が充実してきたりしたんだけど、それに対し(金持ち高齢者への無料パス問題とかの)バラマキ福祉とか(高収入・高額退職金とかの)役人天国とかって非難が始まったのが1970年代の半ば頃だったりする訳ですし。で、そうした批判に対応する形で松下圭一とか篠原一とかがいわば「新しい公共」の原型みたいなのを"代案"として準備したり、そこから菅直人とかが登場したりするんですよね。

何と言うのか、今政界(ばかりか経済界や言論界)を時めいている方々って「一億総中流」の残滓を引きずって現実を見ていないって気がします。右も左も、保守も革新ももうやだ〜(悲しい顔)
日本の富豪って、どんな仕事をしてるの?
http://news.mynavi.jp/news/2013/09/25/042/index.html

業種こそ様々ですが、いずれも名の知れた企業の創業者や社長であるケースがほとんど。その業界を引っ張っていく実業家として、すぐれた能力を持っていることがわかります。年齢は60代前後が多いもののIT系は若めで、4位の三木谷浩史氏(48歳)をはじめ、15位にグリー創業者である田中良和氏(36歳)、42位にオンラインショッピングサイトのZOZOTOWNで有名なスタートトゥデイの創業者前澤友作氏(37歳)、47位にディー・エヌ・エー創業者の南場智子氏(50歳)などがランクインしています。

業種や企業を見てみると、その多くがBtoCでビジネス展開を行っているのがわかります。BtoCとは企業対消費者間取り引きのことで、販売店と消費者、製造業者と消費者などが一般的です。特に最近多いのが後者の取り引きで、自社工場を持ちつつ技術開発も積極的に行うことでコストダウンをはかることで、よい製品を世の中に送り出し、業界を代表する大企業にまで成長しているのです。


いわゆるタックス・ヘイブンや「新富裕層」絡みのことが取り上げられた際に「金融長者」という非難が取り上げられていたんだましたけど、こういうのを見てますと寧ろ金融の鞘取りよりは「起業家」としてビジネスを大成させて創業者利益をゲットしたのが多かったりするんですよね。
やたら「金融長者」って非難をすればするほど、実は見当違いのところに向かっているって気がすると思いますけど・・・・・
タックスヘイブン脱税温床、解明に足場
http://t.asahi.com/ctkb
2013年10月16日10時43分

 タックスヘイブン(租税回避地)の会社を装った取引をめぐり、静岡市の家具卸売会社「丸仲貿易」の所得隠しが指摘されたのは、名古屋国税局が英領バージン諸島に設立した子会社の書類を入手したことがきっかけだったとみられる。ベールに包まれ、取引がつかみにくいタックスヘイブンを絡めた不正が今回の税務調査でわかり、解明へ一歩前進した形だ。

 関係者によると、丸仲貿易がバージン諸島にペーパーの子会社、台湾にその事務所を設立した書類が税務調査で見つかり、出資者が社長と確認された。

 この資料によって、丸仲貿易が「台湾の事務所が中国で仕入れ、日本の取引先に売って得た利益は日本で課税されない」と国税局に主張した構図が崩れた。結局、社長は調査に台湾の銀行に自分名義の「隠し口座」があることを認めたという。

 国税庁OBで名古屋経済大学大学院の本庄資教授(租税法)は「海外情報の入手は難しく、よく資料を見つけた」と話す。

 英領バージン諸島は、人口約3万人。主な産業は金融業と観光だ。タックスヘイブンに会社設立をあっせんする業者の代理店によると、法人税が免税され、会社維持費も年間約10万円と負担は軽い。

 こうした利点から節税やマネーロンダリング(資金洗浄)を目的に世界から資金が流れ込むが、取引実態はベールに包まれていた。

 今回の所得隠しについて、タックスヘイブンに詳しいある税理士は「脱税容疑で告発されてもおかしくない事案だ」と述べた。

 国税庁は今年5月、タックスヘイブンの資料を大量に入手し、内容を分析している。この資料が税務調査で今後、タックスヘイブンを舞台にした不正の解明に役立つとみられる。


どうも、このスキームを見ているといわゆる「三国間貿易」とよく似ているんだよね。生憎(?)今回は摘発された様だけど、こうした摘発で「小悪」は潰せても「巨悪」は例えば色々と実態を装ったりして、結局ビクともしないんじゃないか?
>>[158]

情報ありがとうございます。
鍋ブログのコメントにも以下のようなものがついていました。
結局、こういうのを取り締まれるようにならないと、巨悪はのさばり続けるでしょう。

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http://nabeparty744.blog111.fc2.com/blog-entry-72.html#cm
先日の「赤旗」報道によれば

ケイマンに逃避している日本企業の隠しガネは、既に50兆円にものぼっているんだってね。たかだか人口5万人足らずのケイマンにですよ。内部留保弁護論者はどんな合理化論を吐くのか!?w
こりゃ、米軍基地誘致や原発誘致並みの愚行・悪行の類いだと思うけどね。カジノより酷いw
こういうのを「寄生性」と言わずして何と表現すべきか?w
| 2013/09/19 (Thu) 13:03 | バッジ@ネオ・トロツキスト |
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その赤旗の記事はこちらです。
http://blog.goo.ne.jp/uo4/e/e80187e50d68cddb4b378b3fa0e96dfd

最近過疎っている様ですけど・・・・・

軽減税率:増税時は簡易版検討 数年後インボイス導入
http://mainichi.jp/select/news/20151016k0000m020097000c.html
毎日新聞 2015年10月15日 21時50分

 政府・与党は15日、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率への事業者側の対応に関し、商品ごとに税率や税額を明記した請求書(インボイス)の導入を当面見送り、当初は現行の請求書を基にした簡易版とする案を軸に検討に入った。軽減税率では税額把握などの容易なインボイスが適切とされるが、事業者の事務負担が急増するため経済界からの反発が多い。2017年4月の10%への引き上げ時から3〜5年程度は簡易版とすることで負担の緩和を図り、経済界の理解を得たい考えだ。

 自民党の宮沢洋一税制調査会長は同日、経団連の榊原定征会長、日本商工会議所の三村明夫会頭と相次いで会談し、公明党の斉藤鉄夫税調会長とも電話で協議。宮沢新体制の自民党税調が本格的に始動した。

 欧州連合(EU)諸国はインボイス発行を売り手側に義務づけ、商品ごとの本体価格と税率、税額のほか、不正を防ぐため事業者番号なども記載している。しかし、事務負担が大きく、「中小企業が対応できない」などの指摘は多い。

 一方、公明党は、現行の請求書で軽減対象品目に印をつけて税率ごとの納税額を判別する「簡易版」を提案している。インボイスより記載項目が少なく事務負担は小さいが、記載が単純で不正を見極めにくいなどの弱点がある。

 ただ、インボイス導入には準備期間が必要で、増税時に間に合わせるのは難しい。このため、まず簡易版で対応する「2段階論」が浮上。政府高官は「増税と同時にインボイスを始めるのは難しい。3〜4年はかかる」として、容認する考えを示した。公明党の井上義久幹事長は15日の記者会見で「我々の提案を軸に詰めていきたい」と述べた。

 中小企業を多く抱える日本商工会議所の三村会頭は15日の記者会見で「軽減税率は(消費税率)10%の段階では必要ない」との考えを改めて示しつつも、「事務負担の問題は最善の方法でやってほしい。喜んで検討に参加したい」と協議に応じる意向を示した。

 一方、もう一つの焦点となる軽減税率の対象品目について公明党の井上氏は「消費が冷え込むと景気にも大きな影響が出る。できるだけ幅広く考えたい」と述べ、広く対象とすべきだとの考えを強調した。対象品目について自民党は消費税の減収を懸念して狭くすべきだとの考え方が根強く、議論は難航が予想される。【横田愛、大久保渉】
>>[160]

公明党は「新聞書籍」は軽減税率だと言ってるので、聖教新聞を軽減税率にしてくれればいいんでしょうね。

昨日、出勤途中にたまたま、ふと目をやると、ある家のポストに聖教新聞が2部入っていました。
普通の家庭なら、新聞は1部でしょうけれど、聖教新聞は複数取るようなので、軽減税率を適用する効果は高そうです。

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