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映画を語るコミュの「ワイルド・パーティー」

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世の中色々な映画あるが、とにかくこの1本!という時に是非お薦めするのが、ラス・メイヤー監督の「ワイルド・パーティー(BEYOND THE VALLEY OF THE DOLLS)」である。理由は簡単、娯楽映画に必要な要素が全て詰まっているのだ。

大きな夢を抱いてハリウッドにやって来た女ばかりのロック・バンド。メンバーのひとり、ケリーの伯母は財産家でコネも強力、見る見る内に彼女たちのバンドは脚光を浴びていくが、同時にドラッグやSEXの誘惑にも抗しきれないでいた。次第に堕ちていく女たち。そして、変人だが天才プロモーターである男の屋敷で惨劇が起こった……。

「映画は金儲け」と公言してはばからない、ラス・メイヤー監督らしく、観客を楽しませる要素がぎっしりと詰まっている。メロドラマ、ロック・ダンス(ミュージカル)、マリファナ、ドラッグ、フリーセックス、同性愛、レイプ、自殺・殺人事件(ホラー)など、108分の上映時間の中に、次々とドラマチックなエピソードが登場する、そして最後はバイオレンスに震えあがり、奇跡の逆転劇に抱腹絶倒する、まさに究極の娯楽映画なのだ。

オープニングから緊迫感溢れる展開に息をのむ、薄闇の中、浜辺の豪邸を逃げ惑う美女とナチ服姿のデブ親父、執拗に追い続ける剣を持った人物、寝室に隠れ眠ったフリをする美女の口元に突きつけられる銃口、目を見開き恐怖のあまり絶叫する美女、そしてその絶叫が、主人公ケリーの歌う「Find It」に被さる、暴力的に物語に引き込む巧みな演出力、見事の一言である。さらにドライブ感溢れる「Come With The Gentle People」が流れる中、アメリカ横断地図をバックにその後に展開するシーンを取り入れたフラッシュ・フォワードの素晴らしさ、ソフトフォーカスがかかった中での恋愛描写のおかしさ、名曲揃いのサントラの中でも、最もメロディアスな「In The Long Run」を演奏するシーンで、メンバーとマネージャーの現在と過去をオーバーラップさせる見事さ等々、凡庸な監督が何人束になっても敵わない「巨乳映画の巨匠」の実力を、嫌という程見せつけてくれる。

主人公3人組は「キャリー・ネイション」というバンドに属する、演じる3人の美女もそれぞれ個性的だ、ロリ顔で愛嬌を振りまき、周囲の男共のハートを次々に虜にする主人公のケリー、クールビューティーと呼ぶのがまさにふさわしい正統派美人顔のケイシー、唯一のブラックビューティーであるペットは、草原で小難しい理論を真面目に語りあい笑わせてくれる。皆それぞれナイスバディなのでお色気たっぷりである、3人の魅力を一言で語るなら、「ロリ・美人・黒」なので、解散してしまった「SPEED」かな(あちらは子供だったか)?そんな女性陣とは対照的に、男共は実に情けない、メンバーに恋い焦がれながらも振られてしまい、半身不随となるマネージャー、ケリーを誘惑するいかにも頭が悪そうなマッチョマン、ケリーに手玉に取られる老弁護士、脳味噌まで筋肉で出来ている、モハメド・アリそっくりな黒人ボクサーなどが、彼女達に振り回される。さらにハリウッドの大物プロデューサーである「Zマン」が絡んで物語は驚天動地のクライマックスを迎える。
「Zマン」の邸宅で繰り広げられる怪しい晩餐会、実はこれこそが冒頭の場面に繋がるのであった。その邸宅での血まみれのバイオレンスと緊張感は凄まじい迫力である、そんな場面に高らかに被さる「20世紀FOX」のファンファーレ、良識ある映画人達は激怒したらしいが、多くの観客は熱狂して、この場面を支持したと言う、これこそ「ワイルド・パーティー」の最も笑えて興奮する屈指の名シーンである。

バイオレントなクライマックスの後、漫画のような奇跡がおこり、残った全ての者に訪れる幸福を描いて、物語は終わりを告げる、そこに被さるラス・メイヤーお得意の示唆に富んだ仰々しいナレーション、腹の底から笑わせて幸福な気分にさせてくれる、108分の怒濤の展開だが、大河ドラマを見終えたような満足感で充たされる。

この脚本を書いたのはあのロジャー・エバート、映画評論家としては初めて芸術批評でピューリッツァー賞を受賞し、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにまでその名を刻んだ、偉大な人物である。彼自身は隠したい過去の出来事であるらしいが、映画を愛する者なら喜んで「Thumbs up」をする、素晴らしい脚本である。

一度聴いたら忘れられない楽曲の数々も見事の一言。
渋谷系の方々にもてはやされ、プレミアが付きまくっていたサントラ盤だが、一昨年にCD化され安価で手に入る事が可能となった(勿論オレも買いました)。

今から8年程前、ウエインさんが書いた「映画秘宝」の記事でこの映画を知ったのだが、タイミングが合わずに見逃してしまった、いつか国内ソフト化されるだろうという期待も虚しく、なかなか発売されなかった。輸入版を買おうとした時にやっと発売され、見る事が叶った、ほとんどのあらすじを知っていたのに、とにかく面白く驚異的な映画であった、現在は廉価版で発売されているし、大きなレンタル店にも置いてある、こんな文章を読んでいる暇があるならば、今すぐ観ろと声を大にして言いたい。

何度でも書くが、これぞ素晴らしき娯楽映画の大傑作である!

なお、6/13にスペシャル・エディション2枚組DVDが発売されるらしい(海外版)。
国内版は期待出来ないから、買い替える予定である。

コメント(1)

『おもろい!!!』
これいろいろ語るべき内容ですけども。単純にこの言葉が当てはまります。男の子が大好きな(あえて大人と書かない)要素がものすごいバランスで組み込まれていて、大感動、音楽もかっこいいし、ドリーリードは恐ろしくかわいいし、冒頭から一気に引き込まれるし、哲学的だし、サイケデリックだし、ハラハラするし、バイオレントだし、悲しさや儚さも入ってるし、編集はうまいし、哲学的だし、とにかく1本の作品に恐ろしい濃度で娯楽の術が詰まっておりました!カージー兄さん!こんなにおもしろい映画を勧めてくれてありがとー!!!!!!!

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