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きゃぷてん がんばるっ!!コミュの〜第30章〜(奔るココロ)

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 キャプテンは走る。
 雅に逢いたい一心で。廊下を奔る。


『マユミは、ナツさんの家に幼女に出します』


(な、なに?)
 突如、キャプテンの脳裏に、何処かで聴いた声が響いた。
 それは既視感に溢れた、フラッシュバックのような記憶であった。

『うわぁぁん、お母さんっ、マユミ、おうち、出たくないよぉ!!』

(ま、また、聴こえた……)
 さらに聴こえたフラッシュバックに、キャプテンは立ち止まった。

『お母さま、お婆さま、お世話になりました。マユミは、夏家の娘になります』
(な、何これ……?)

 耳を塞いで、その場にしゃがみ込むキャプテン。
「なにしてるの? ミヤが待ってるよ」
 舞波が異変に気づいて声を掛けた。
(そうだ! ミヤに……ミヤに逢わなきゃ……)
 キャプテンが立ち上がろうとした時、また頭の中で声が響く。

『マユミ……苗字は変わっても、お前は清水の娘です。清水家の名を汚すことのないように……』
(何処かで聴いたことがある……)

『お線香を……? お姉さん、ありがとうございます』
(お線香は、嫌な匂いがする……怖い……)

『清水家伝統の躾です。夏家でも、粗相の無いように……それから、男はケダモノですから、心を許してはなりません。しっかりと調教するように……』
(マユミ……ナツ……マユミ……)



「サキちゃん! ミヤが待ってるよ!!」
 舞波の問いかけに、やっと我に返ったキャプテン。

「……そうだ。ミヤに、ミヤに逢わなきゃ……」
 キャプテンは走り始める。
 一歩進めば、それだけキャプテンと雅の距離は縮まる。
 そう思って脚を運ぶ。
 華奢で細い、キャプテンの脚は、なかなか進まない。
 まるでコールタールの沼を歩くような、粘ついた感覚……

(今の声は、お母さんだ……でも、なんで夏先生の声まで……)

 廊下は、果てしなく続くかのように見えた。

(つづく)

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