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きゃぷてん がんばるっ!!コミュの〜第31章〜(再会)

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「舞波ぁ……シミちゃんを呼んできて……」
 桃子の口から飛び出した、意外な命令を舞波は思い出しながらキャプテンを走らせた。

「呼び出す方法は……分かってるわよね?」
 もっとこの調教の行方を見ていたかったが、桃子の口調は冗談や甘えの通じる様子ではない。あの場合意、了承するしかなかったであろう。

「ああ、それから明かりは消していって……その方がインパクトあるでしょ?」

(ホント…桃ちゃんって怖いひとだなぁ…)
 そんなことを思いながら、キャプテンを急かした。
 キャプテンは時折、何かを思い出したように、頭を抱えて立ち止まってしまう。
 


 しばらくして、キャプテンが舞波と一緒にレッスンルームに着いた。
「さぁ…ミヤが待ってるよ……」
 舞波が防音外壁装備の重い扉を開いた。
 しかし自分を待っているはずの雅の姿はなく、真っ暗な部屋に突如点けられた明かりが照らしたのは桃子の姿であった。

「ようこそぉ! 思い出のレッスンルームへ……シ・ミ・ちゃん!!」
 桃子は満面の笑みを浮かべて、キャプテンを迎えた。


「……つ、嗣永桃子……ちゃん?」
 キャプテンは何が起きているのかの判断が、咄嗟につかなかった。
 雅が泣きついたというのは舞波ではなかったのか……否、舞波と桃子は同室で、しかも自分たちと同じような関係を持っているのだから、桃子にも悩みを相談したのかもしれない……キャプテンはそう判断した。
 それにしてもさっきからキャプテンが気になっていたのは、この部屋に漂う線香の薫りだった。微かに、なにか肉の焦げたような嫌な臭いが混じっていた。キャプテンは言いようのない不安感を覚えた。
「嗣永桃子ちゃん、ミヤはどこ? 私、ミヤに逢いに来たの」
 キャプテンは敢えて凛とした口調で桃子に質問した。『ベリーズ工房・キャプテン』でありながら、私情からメンバーと仲違いしたことに責任を感じていたし、悩んでいるはずの雅と、公私ともに話し合わなくてはいけなかった。
「お願い、ミヤはどこにいるのか教えて」
 あくまで性善説の信奉者であるキャプテンは、(雅が恥ずかしがって隠れているのではないか)と思い、大真面目な顔で桃子に質問した。
「……ミヤなら……ほら、そこよ……」
 桃子がレッスンルームの反対の隅を、顎で指し示した。
 その場所には捜し求めていた雅が横たわっていた。
上着を首までたくし上げられて乳房を露わにし、スパッツもパンティも足首まで下げられていた。
 つまりは、ほぼ全裸の姿で粗大ゴミのように『転がって』いた。


「……あ、ああ……み、ミヤぁっ! ミヤぁっ!!」
 キャプテンは頭髪を全て逆立てるような勢いで、愛する雅のもとに駆け出していった。
「ミヤぁ……ああ、ミヤぁ……ミヤぁ……ミヤぁ……」
 雅の頭を小さな膝枕の上に載せると、愛しいその名前を何度も呼んだ。ベットリとした脂汗で濡れた顔を両手で撫でながら、張り付いた髪を一本一本取り除いていった。
 雅の倒れていた周囲には大道具用の綿ロープと、途中で火を消した跡のある使いかけの線香が10本以上もバラバラに落ちていた。

「なにがあったのミヤぁ、ミヤぁ、ミヤぁ、私の大好きなミヤぁ……」
 何度もなんども、キャプテンは雅の顔を撫でながら、同じ数だけ名前を呼んだ。

(つづく)

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