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ブリーチ小説置き場コミュのIf2 微・ギン乱

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何時もより目的地が遠く感じる時と言うのは、目的地に楽しみがある時、そして心配事がある時だろう。

瞬歩の連続で息を切らしながらも日番谷はその足を止める気配はない。

――市丸の死体が消えた――

幾度と無く響いた。
その度に自分の部下の顔が脳裏を過る。

自分の隊舎はこんなにも遠かったか、やっとの思いでたどり着き、顎に伝う汗を拭う。
一般隊員に余計な心配を掛けるわけにはいかない。

息を整えてからゆっくり隊舎へ入り、松本が仕事をしているであろう隊首室へ向かう。

途中、数人の隊員に挨拶をされたが、無意識に堅い挨拶を返していた。

隊首室を前にもう一度息を整える。
いつも通り、自分がいつも通りじゃないと他人の心境は推し量れない。

「松本、書類はどこまで……」

隊首室に入ると同時に語りかけた言葉は最後までは続かなかった。

静まり返る室内、揺れるカーテンは窓が開いている事を語り、副隊長……松本が使う席の書類が風で散らばっている。

焦って出ていったためだろう、何故?

「俺が……来たからか」

やはり関係しているのか、隊長である自分にも言えない事なのか。

「……松本」

視線が嫌でも落ちる、藍染には裏切られたと言うより、雛森を裏切った事に対する憤り。
市丸には雛森を傷つけられた、攪乱されたと言う憤り。
東山には死神達を裏切った事に対する憤り。

未熟故か一番強い感情は憤りであったが、今回においては違う。
自分のもっとも信頼している部下を、自分が疑っているだけで込み上げてくるのは悲しみであった。

数分、日番谷は自分を休ませた後隊首室を出ていく。
自分の中の、松本に対する疑いを晴らすために。





風が走り回る十番隊首室、日番谷が去ってから数分たたずして窓から侵入した彼は室内を見てため息をつく。
ふと副隊長の席から紙を一枚拾い上げると、それを懐にしまい隊首室を後にする。

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