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ブリーチ小説置き場コミュの闘いの後(伊勢七緒×京楽春水)

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ある日の八番隊。
少し前の闘いが嘘の様な柔らかな光の中、通常業務を進める京楽と、傍に立つ七緒がいる。

「乱菊ちゃんは、まだ…」
「ええ、いつもの調子はちょっと。強がってはいるんですけどね」
「でも、まぁ…」
と、筆を走らせる手を止めて、背もたれに体を預ける。
京楽が突然、仕事以外の話をしだすときは、休憩の合図である。
付き合いの長い七緒は、やれやれといった感じでお茶を入れ始めた。
実際、乱菊の事は気になっている。

京楽は、言わなくても休憩の意図を理解してくれた部下に満足しながら、言葉を繋ぐ。
「市丸君の気持ちもわかるなぁ。よっぽど乱菊ちゃんが大事だったんだろうねぇ……大事にしすぎちゃったんだよ。僕も大事にしたい人がいるから、わかる」
傍らにお茶を置くと、そう言って音が聞こえそうなウインクをしてくる。
いつもの事だ。気にしていては、この人の副隊長は務まらない。
「その人が、そうされる事を望んでいるかは別ですよ。結局、自己満足じゃないですか」
「でも、やっぱり男として、惚れた女を守りたいじゃないか」
つれない態度に少しすねながら、入れたてのお茶を啜る。
渋めの味は、京楽の好みだ。
今日も変わらない味に、平和を再認識する。
そんな京楽を見て、改めて安堵の感情を噛み締める七緒。

連れていってもらえなかった我が身としては、無事に帰ってきてくれた時、本当にホッとした。辛うじて泣かなかったが。

「女だって、惚れた男を守りたいと思いますよ……どうしようもない男なら特に」
「……あれ?それって誰のこと〜?」
美味しそうにお茶を飲みながら聞いていた京楽が、ニヤリと笑って顔を上げた。
感情が緩んだせいで、口が滑ったらしい。
ちょっと甘い顔をすると付け上がるから、困った隊長である。
表情を引き締めながら、話題を戻す。
「何言ってるんですか、あの二人の話ですよ?お互いよくお酒片手に話してましたから『どうしようもない男』だって」
あくまでも、シラを切るつもりらしい。
できれば、いつも冷静沈着なこの部下の、貴重な女の顔をもう少し見てみたい。
頬が緩んでいるのは、百も承知だ。
「だーかーらぁ、七緒ちゃんは、誰の事話してたんだい!?」

なおも食い下がる上司に、横に立っていた体を少し机に預け、正面から瞳を見つめる。
「だいたい、何も言わないで全部決めちゃうなんて、失礼極まりないですよね。打ち明けたら自暴自棄になるなんて子供じゃあるまいし」
「それって、雛森ちゃんの事……」
「とにかく!!」
言いかけた京楽の言葉を、強い言葉で遮る。
「男が惚れた女の為にってのと同じように、女だって惚れた男の為に強くなろうとしてるんですよ?だから、もう少し頼ってくれても良いと思います。でなきゃ何の為に自分を磨いているんだか……」
「七緒ちゃん……」
そこまで自分の事を考えてくれているなんて……。
感動している京楽から視線を外して、言葉を続ける。少し喋りすぎたようだ。
「と、乱菊が言ってた事がありましたね。本人は覚えてなかったみたいですけど」
嘘ではない。自分も大いに賛同したのは、内緒だ。
肩透かしを食らった上司に、思わず口角が上がる。
「おや?どうしました、隊長。いつにも増して気の抜けた顔をして」
「そりゃないよ、七緒ちゃ〜ん」
「さ、休憩おわりです。仕事再開してくださいね。隊長が闘いに行っていた間に溜まった分、まだまだあるんですから」

心配で手につかなかったから、貯まってしまったのか、連れて行かなかった当て付けか。
どちらにしても、今日はこれ以上仕事は中断できそうもないらしい。
「まぁ、いいか」
この駆け引きの関係を、楽しんでいる自分がいる。
今は穏やかな、この時間がいとおしい。
「?何か言いました?」
「いや。ねぇ七緒ちゃん。今度、乱菊ちゃんと三人で呑もうか」
「良いですね。とりあえず、隊長が残業しなくて済むようになったらですね」
「そんなぁ……」


いつもの風景。
当たり前の様で、当たり前ではない。
だから今この瞬間、一緒にいたい人と居れる事を大事にしようと思う。

「京楽隊長、そんな目で見ても、もう休憩は無しですよ」

大事、に……。

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