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BOOKERSコミュのDingoのコーナ

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列車でGo (ホラー・シリアス)著者:Dingo

若い頃から鉄道が好きで、鉄道関連の撮影旅行へも良く行ったものだった。
アルバムの中は、今では見られなくなったSLや特急列車の写真ばかりだ。
それは今でも私にとっては、大切な宝物である。

遂にはJRに入社して、新幹線の車掌にまでなった。
幸運な事に、私には、この仕事の才能があったようだ。
大した失敗をした事は無い、仕事は殆ど完璧だった。
オーバランなどをしてしまった事も無く、日勤教育などと言うものにも無縁だった。
しかし、どれ程に仕事が完璧であっても避けられない事故もある。
飛び込み自殺のような人身事故だ。勿論、事故は避けるべきだが、
相手は死を目的で飛び込んでくるのである。
長年、この仕事を続けていると一度や二度は経験せざる得ない、
何度経験しても、このような経験は決して、気分の良いものではないが、
冷静に淡々とマニアル道理に処理するだけに過ぎない、

その日、私が運転する新幹線のぞみは、不幸にして起きてしまった事故で、
一時間近く遅れて東京駅に到着した。事故の報告などの処理は
しなければならなかったが、殆ど何時もと変わらぬ日常であり、
帰りは少し遅れたが、何時も道理に帰宅して、何時ものように
夕食を済ませていた。

だが、事故の呪いは後からやって来た。
あの事故の場所を通過すると事故の光景が蘇るのである。
それがあまりにも現実感がありすぎる。
単に光景だけではない、あの日に感じていた五感の全て、
列車の振動や車内の気温、匂い、肌に感じていた感覚までも、
私は完全に事故当日にタイムスリップしてしまうのである。
それが、事故の場所だけではなくなり、良く似た光景の場所を
通過すると起こるようにもなってきた。

遂に私は、何も無い場所で急ブレーキを掛けてしまった。
私が始めて犯してしまった大失敗だった。
それから、長期の休暇を貰って、家に閉じこもってしまったのである。
幸いに、退職をせずに休暇の扱いにされたのは、私が優秀な人材だったからに違いない、そうして、自宅に閉じこもっていたのだが、無性に列車に乗りたくなるときがある。

だが、今はまだ無理だと医師に言われる。同じ事を繰り返すと二度と仕事に戻れないばかりではなく、入院をしなければならなくなると言われてしまう、それを昔からの鉄道仲間であった友人に相談すると、パソコンで列車の運転を出来るゲームソフトがあるので、やって見ないかと言われた。
今更、ゲームなどとは、と思っていたが、何もする事も無いので、友人に借りてやって見ると、これが実に良く出来ている。本物以上に難しい一面もあるぐらいだ。

それにゲームなら、フラシュバックが起きる事は無い、たとえ起こりえても、所詮はゲームに過ぎないはずだ。

そうやって、私は、バーチャルな世界で東京都と大阪を毎日往復していた。
ところがある日、ゲームをやっているはずが、いつの間にか新幹線に乗っていたのだ。

そして、あの事故の起きた場所へ新幹線のぞみは向っていた。あの事故が起きた時と同じトンネルを新幹線が抜けようとしていた。全てが、あの日と同じだ。
これから何が起ころうとしているのは、もう明白であった。

心臓の鼓動が高鳴り、その振動が脳裏にまで響いてくる。汗ばんだ手のひらでレバーを握り閉めている。トンネルを抜けて眩しい光が差し込んだ次の瞬間だ。
ある物体が飛び込んできた。恐らく線路の上に掛けられた歩道橋から落ちてきたのだが、それは黒いカラスが此方に向って飛んでくるようにも見えたが、その物体が人であり、それが年老いた老婆であり、それがはっきりと解る様になってくると時間の流れも狂ってくる。スローモーションで老婆の顔がゆっくりと此方に迫ってくる。

顔の皺や染みやソバカスの一つ一つもさえも確認できるぐらいにゆっくりと鮮明に見えている。やがて新幹線のガラスに叩きつけられて、一つの顔が左右に分かれ、血と肉の破片にガラスが覆われてゆく様をゆっくりと見せ付けられた。
私は悲鳴をあげたが、それは声にならなかった。身体が硬直して動かない、ブレーキを、ブレーキを掛けなければならない、そう思って、硬直した手を無理に動かした。

手に握っていたのはブレーキレバーではなくパソコンのマウスだった。
それを強く投げつけて、私はパソコンの前で震えていた。
そして再びパソコンのモニターを見た時に、そこに老婆の顔が映っていた。
そしてゆっくりと顔が裂けてゆく、私は悲鳴をあげた。今度こそ本当に悲鳴をあげて、立ち上がった時に何処かで、頭を強く打ってしまった。
それからどうしたか解らない、ただ気が付いたら病院に居た。
頭には包帯が巻かれていた。

そして、横を見ると若い男性が拘束具を着けられて、両手をベットに括りつけられて、意味不明のうわ言を呟いていた。病室の窓には鉄格子が嵌められていた。
私は再び頭の傷口に手をやって、思わざる得なかった。

この傷は自分の部屋で負ったものなのか、それとも医師によって、
魂を抜かれてしまった後なのだろうか!

                 −END−

コメント(5)

宇宙人だよ(SF/コミカル)

テレビのあほ力と言う番組だった。
今回は超常現象シリーズと言うことだったが、よほどネタが無いのか、今日はUFO特集だ。

この手の話には必ず欠かせられないのが、て、言うよりも
必ず番組の匂いを嗅ぎ付けてしゃしゃり出てくるのが自称UFO研究家の端(はじ)牧夫だ。

四十代半ばぐらいの少し小太りした彼は、特に黙っていれば、何処にでも居そうな目立たないオッサンだが、UFO研究会とか言うサークルで、人生の全てをUFOの研究に賭けている。
それと何時も側に居るのが、端よりも少し若い男性で助手の私利ぬぐいだ。

そして、霊とか超常現象とかを聞くと必ず何処からか嗅ぎ付けてくる人物がもう一人S大学教授であり、気象学者の鼓月(こずき)たをすで、通称は教授と呼ばれている。年齢は端と同じぐらいだろうか、少し小柄で、メガネを掛けている。
UFOとか霊とかの言葉を聴くと異常に反応するのが、彼の性分である。

そして、理屈を述べて、小突き倒す事に生きがいを感じている。
本来の研究はどうなっているのだろうか?

「今日はね、驚きのとっておき情報があるのですよ」

そう言って、UFO研究家の端が興奮気味に話すと
鼓月教授が

「あんた、そんな事を言いながら、またつまらない写真を持って来たんですか」

と嘲笑気味に言ったが、
端は、全く気にする様子もなく、益々テンションが上がる.

「今回は凄いですよ、これを見ればUFOに対する考え方が変わりますよ」

そしてテレビに映し出されたのは天体望遠鏡で撮影された月の映像だった。
その月の表面に何か小さな物体が、真っ直ぐに遺贈している。
小さな点の様な物体で、よく見ないと見過ごしてしまいそうだが、
確かに月の表面を何かが飛んでいるように見える。

「どうですかこれは、まさしくUFO以外に考えられないでしょう」

と端が益々ハイテンションで言うと

「何言っているんですか、望遠鏡のレンズに虫が這っているんですよ」

と鼓月教授があっさりと言うと端は意地になって

「月の表面を虫が飛んでるはずがないでしょう、これはUFOですよ」

「誰が月に虫がとんでるなんて、言いましたか、月に虫が飛んでいたら、その方がUFOよりも余程の大発見ですよ、これはね、望遠鏡のレンズに蜘蛛か何かの虫が這っていたんですよ」

それでも端は引くことも無く、
「それじゃあ、今度はこれを見てください、これこそはUFOに間違いないですから」

次に映し出された映像は、曇った空の映像とビルの立ち並ぶ街の様子が移っていた。そして、ビルとビルの隙間に何やら光る物体が移動して行く、周りの建物からして、あまり大きな物体とは思えないが、それもはっきりとは判らない、
映像は10秒ほどで終わった。

「どうですか、これこそ間違いないでしょう、虫が飛んでいたなんて言わせませんよ」

すると鼓月教授は
「はいはい、確かに虫ではありませんね、これはね、球電と呼ばれる雷の一種ですね」

「何を言っているんですか、雷がふわふわ飛んでいるはずがないじゃないですか」

「それがあるんですよ、良く人魂とも間違えられるんですがね」

「そんなのあるはずがないじゃないですか、あなたは何も知らないのです」

「何を言うんですか、これは私の専門ですよ、何も知らないのはあなたの方でしょう」

「私だってUFOの専門家ですよ、私がUFOだと言ったらUFOなんですよ」

「そんな事言って、あなたの言っている事、みんなでたらめじゃないですか」

「でたらめとは失礼な、それでは今日はとっておきの話をしましょう、UFOがどうやって、何のために地球へ来るのか、私だけしか知らない特別な情報ですよ」

「もういい、もういいですよ、あなたの話なんか聞くだけ無駄ですよ」
と鼓月教授が面倒くさそうに言うと

「ちょと、話は最後まで聞いてもらいますよ、これで終わったら番組にならないじゃないですよ」

すると<そのまま話を続けてください>と書かれたカンペが出されて、
それを見た鼓月教授は苦笑いを浮かべて言った。

「はいはい、それじゃあ聞きましょうよ、何でもおっしゃてください」

「では、言いますよ、これはとても大事な話ですよ、今回だけしか言わないですからね」
と端は急に真面目な顔つきで話し始めた。

「そもそも地球のような生物の住める惑星は、宇宙の中でも多くはありません、特にある程度の文明を持った生物が住んでいる惑星は非常に少ないのですが、しかし、文明を持っている生物の中では、とても低い文明です。なんせ人類は宇宙へ出るにも、今のところは月まで行くのが、精一杯ですからね、それに地球があるこの太陽系は、他の太陽系とは少し異なった特殊な部分もあるので、宇宙の中では、自然保護区に指定されていて、特に地球は特別自然宇宙遺産に指定されているのですよ」

番組のスタッフもゲストも呆れて口をぽっかりと開けて聞いていた。
端の助手であると言う私利ぬぐいだけが、少し顔をしかめて複雑な表情をしている。
すると鼓月教授が、嘲笑気味にふんと鼻を鳴らしてから言った。

「ほう、それは面白い、それじゃあ、あなたな何故、そんな事をしっているのですか」

「それこそが、今から話す重要な事なんですよ、まあ、そのような事情があって、太陽系内には特別な許可がなければ、どの惑星の宇宙人も入る事は出来ません、特に地球に侵入する事は犯罪であると宇宙自然保護法で定められているのですが、太陽系に進入して、色んな資源を盗んで行ったり、地球まで来て、人類をさらったり、色んな実験を行う宇宙人が後を立たないのですよ,」

ここまで話して、私利ぬぐいが話しに割り込んできた。

「端先生、もういいじゃないですか、その話はやめましょうよ」

「どうしてだよ、本当の事じゃないか」
と端が意地になって、言うjが、

「先生、そんな事を言ったら、あ、どうしょう」
私利ぬぐいはとうとう頭を抱え込んでしまった。
番組スタッフも呆れれて薄笑いを浮かべるしかないが、端は気にする様子もなく話をつずける。

「UFOの目撃の殆どは、その様な違法に地球へ来ている宇宙人んですよ、当然、その様な違法な宇宙人は、捕まえて宇宙警察に連行しなければならないのですが、それを監視する為に何人もの宇宙人が地球に来ていて、人類の中で生活をしているのですよ」

「あなたはよくそんなばかげた事が言えますね、だいたいそれが本当なら、どうしてあなたが知っているんですか」
と鼓月教授が言うと

「そりゃそうですよ、私がその監視役をしている宇宙人だからですよ」

番組スタッフがど、と笑いだし、私利ぬぐいは下を向いて黙ってしまった。

「じゃあ、どうして宇宙人のあなたがUFO研究なんてするのですか」
と鼓月教授が突っ込むと

「そりゃ、違法に地球に来ているUFOを早く見つけるには、この方法が一番良いからですよ、UFO研究家なら、世界中からUFOの情報を集められますからね」

そう言って端はけらけらと笑い出した。

「あのねえ、あなたはまた、そんないい加減な事を言って、自分ですべっているじゃないですか」

と鼓月教授が呆れたように笑いながら言うと、他の番組スタッフも笑い出した。
端も何故か笑っている。私利ぬぐいだけが俯いて顔を引きつらしていたが、
そうしている内に番組は終了となった。


数日後、
端牧夫と私利ぬぐいは車に乗って、曲がりくねった夜の山道を走っていた。
あたりは日が暮れてすっかり暗くなっていたが、月の光が、木々の間から差し込んでくる。 こんな時間に、こんな場所を走っている車は、他には無かった。

「端先生、この前の番組の時は驚きましたよ、あんな無茶な事を突然言い出すんですから、私はどうして良いか困ってしまいましたよ」

とハンドルを握っている私利ぬぐいが言うと助手席の端が

「良いんだよ、あれで」

「でも、いくらなんでも、あれはまずいのではないですか」

「あれで判っただろう、この星の人間は、本当の事を言えば言うほどに信じない、みんなばかげた話だとおもっているよ」

「はあ、そんなものですかね」

そして、二人は顔を見合わせてけらけらと笑い始めた。
丁度、車が峠に差し掛かった時だ。車は宙に浮き上がり、円盤型の物体に変形した。
今では、どんな三流の映画にも登場しなくなったような、古いタイプのアダムスキー型のUFOだ。こんなレトロな物体、写真に撮っても誰も信じられない、

月の光に照らされた森に笑い声が響き、光る物体が夜空へと消えていった。

-END-
電車で郷ひろみです。

ストーリーの展開がいいですね、まいうー。
実は私、さっきまで歩道橋の上にいたんですよ、トンネルの近くのね。ハイ。
なぜか?って、時間の歪みに迷い込んでしまったようなんです。この地上にも宇宙のブラック・ホールのような裂け目みがあるんです。話せば長いんですが、要するに私の身体に羽根が生えてしまったと思ってくれれば、分かって貰えるのですが。時間を往ったり来たりしているのです、歩いてね。で、思い切って舞ってみたんですが、駄目でした。
どうして飛べなかったのか?って、それはダチョウだったからなんです。クラブの方ではありませんけどね。(でも時々、上島に似てると言われたことはあるんですが。ポテチン)
それで気付いたらガラスのような壁にぶつかって痛かったですよ。身体が割れたと思ったんですが、尻から落ちたので元々割れてたのに後で気付いたんですよ。それとトイレで拭いてないので黒ずんでたお尻がガラスにこびり付いて綺麗になってたのはラッキーでしたがね。(ラッキーと言っても池田ではないですよ。間違えないで下さい)
ああ、一つだけあなたの誤解を解いておきます。私は老婆ではなくオッサンです、ハイ。糞ジジイと言った方が相応しいかもしれませんがね。
                        鍋ヤカン非行より

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