ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

BOOKERSコミュのSS 夜間飛行

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
18禁有りのSSのコーナーです。

だいたい3っつまでで終わるような話で、色々書いてみようかなぁとか考えています。

夜間飛行は好みはひろいのでどういうコーナーになるかはまだ不明です

コメント(8)

【白い蛇赤い蛇】

 ここはどこだ?私はうっすらした意識の中で雪の中を歩いていた。頭の中に一つの風景が浮かんでは消える。
 白い雪がつもった屋根から雫が堕ちている。目の前の凍てついた川に、一つ、また一つと、真っ赤な椿の花が首から堕ちて流れている。どこかで水車のが「ごとんごとん」と意味もなく音をあげている。
 その赤い椿が頭の中でフラッシュしている。真っ赤な血が広がるイメージが脳にこびりついている。
 私は一体何をしたんだ?ふらふらと起きあがると自分の浴衣も丹前もぐしょぐしょに濡れている。にもかかわらず寒さは感じられない。身体の芯が真っ赤に燃えるように熱い。 川に半分身をつけるようにして、名前も知らない女があられもない姿で横たわっている。真っ赤場襦袢から真っ白な足が伸びている。暗い縞柄の紬の胸ははだけて、私が作った縄の後が白い肌に真っ赤な蛇のように巻き付いている。
 また赤だ。真っ赤な襦袢に何か紅色の物がしみこんでいる。
 その光景は天に昇った遊女が空から堕ちたようで、流れる椿は天に咲く蓮華の花が血に染まって浮きながら流れているようだった。
 真っ赤な血のイメージが頭にフラッシュバックしてくる。私は吐き気と喚起を覚えていた。もう一度女の方を振り向くと脳裏にこびりついた女の吐息を想い出した。それだけで私の一物は雄々しく起っていた。
 私は息を切らして自分の着物をただし、自分の部屋に振り向かずに自分の部屋に戻った。急いで浴衣を持ってこさせる。丹前もだ。
「今なら書ける。」そういう自信で私の心は満たされていた。この情景を、あの情事を、ここ何年も忘れていた言葉があふれ出してくるようだった。

 事の起こりは年末の出版社の宴会だった。したたかに飲んでも酔いのこないお祭り騒ぎに私は辟易しながら、なじみの店に足を運んだ。もう何十年通っているだろうか?女将は昔より濃くなった化粧で歳を表し、私自身も顔のしわの数が歳を語っていた。私以外の客はなぜか最近みる事のなかった、私の過去の編集者Hだった。Hは既にできあがっているらしく私の顔を見るとすり寄るように身体を向けてきた。それはまるでからみつく白い蛇のようだった。隣の席までたどり着くとHは私にささやくように誘惑の言葉を発した。
 「先生じゃありませんか。少しばかり奢ってくれませんかねぇ。」
 私は何も言わずに自分のボトルをHの方へ押しやって、新しいボトルを入れた。おしろいの濃い女将が「良いんですか?」という視線を送ってきたが、無視する事にした。
 「先生は私の事なんて覚えていやしないでしょうけどねぇ、あの頃の先生はもっと野心がありましたよ。そういう目をしていらっしゃった。それが純文学と言うやつに侵されてからあの光は全くなくなってしまわれた。それが私は悲しいんですよ。」
 とんだからみ酒だった。けれどそれは私自身が感じている事でもあった。その昔、私は今とは別の名前でSM小説を書いて糊口をしのいでいた。いや、そうではなくそれが私の本質を書いた文章だった。ところがとある出版社から名前を変えて純文学を書かないか?と言う話があり、妻さえもう相手にしてくれない身体に見切りをつけてその話に乗った。いくつかの文学賞を取り私は名実ともに「先生」になった。そうなればもうSM小説を書く気にはなれなかった。
 時代も変わった。私が書いていた頃はSMなんぞは雑誌で読むかロマンポルノに行くかだった。それがビデオになり今ではDVDだ。裏物もいくらでも手にはいるようになり、SMという言葉自体が禁句でもなくなった。今更文章なぞ。それも熟女物なぞ。書けるのか?まだ、あの時のように書けるのか?
 「また書きませんかKの名前で、書くところは私が用意します。任せてくださいよ。もちろん先生の今の名前は出しません。」
 Hの白い蛇のような濁った目が私の体を這った。私はブランデーをくゆらしながらそれも悪くないと考えていた。承諾するでもなく、しないでもなく私は書く内容に想いをはせていた。だが、今時はやっている女子大生や女子高生に魅力を感じるわけはなく、原稿用紙の前で焦るばかりの日が続いた。何せ、私にはもう高校3年生になる女の子がいるのだ。Hに会った話をすると妻も白い目で私の事を見やった。
 ある日私は旅立ちを決意した。どこか北へ行こうと想って列車が向く方へボストンバック一つで進んだ。ちょうどJRで定額で乗り放題の切符が売っていた。
 名も知らぬ駅で私は立ちつくしていた。そこへ彼女がやってきた。それは昔の妻の姿にも似た美しい着物の似合う女性だった。深い雪の中で番傘をさして私を手招きしていた。不思議に思いながらも、女の後を付いていくと古い旅館らしき建物に着いた。部屋に通されてすぐに私はその女を嬲る妄想に駆られた。しかしそのときはとどまった。ただ、今の私が求めていた女性であった事も事実だった。その女はどうもこの旅館の女将らしかった。
 地の物だという魚を食べながら、女将が運んでくる器を持つ手の白さに味がわからなくなるほどだった。この宿には他に女中らしい者もいないようだった。ひなびた温泉宿。女の指が日本酒でほてった私の心に突き刺さり内蔵をかき回していた。それでも私は耐えたはずだった。あんな事がなければ。

 食事がすんでぼんやりしていると料理人らしい男がやってきた。私は料理を充分堪能した事を彼に伝えた。彼は女将以外の仕事の他いっさいを任されているようで、私に露天風呂を薦めてきたのだった。最初はその気にはならなかったが、深々と白い雪が舞い散る露天風呂も悪くない。そう思ってタオルを片手に露天風呂に向かった。
 しばらくはなにも起こらなかった。ただ深々と降る雪に赤い椿が首から堕ちていた。
 「お湯加減はいかがでしょうか?」
 不意に女将の声がした。それは想像通りの声だった。男湯の方を見ると磨りガラス越しに女将の黒っぽい紬が見えた。私は我慢できなくなっていた。ガラス戸を開け女将を引っ張り込むと、帯をとき着物を引きずったままで湯の中まで連れて行った。欲望のままに、嬲り、犯した。まずは前を指を滑らすようにそこは充分に濡れそぼっていた、そのまま肛門へと指を伸ばす。女将はあえいだ。そのあえぎが私に「もっともっと」といっているような気がした。すぐに肛門もじゅくじゅくと音を立てた。私は、その音に満足しながら女将からはぎ取った腰ひもで後ろ手に縛った。首を振り声を出そうとする女将にのしかかる。悲鳴を上げられては困るのでもう一本あった腰ひもで口を塞いだ。何度も女将を自分の物で突いた。後ろに入れると激しすぎる為か薄く紅色の物が湯の中に流れた。ぐったりとしている女にそのままいるようといい急いで自分の部屋に戻った。何かの想像の足しになるかと持ってきた縄を持って風呂場に急いだ。
女将は縄を見ると静かに目を伏せた。その仕草が私を拒否しているようで自分の中のぐつぐつと煮えたぎる物を刺激した。私は昔やったように女を赴くままに縛った。縛りおえると年のせいか息が上がる。そんな自分が忌々しかった。縄をきつく締めると女将は
「ああ・・・ああ・・・あぁ・・・あああ・・・」と声にならない声を上げた。
首に手をやると「許してくださいませ。」と一言つぶやいた。そのつやのある声が私をまたいきり立たせた。そして気が付くと庭から外に出て流れる川のそばでその女をくびり殺していた。私は何度絶頂に達して放っていた事だろう。私はとうに忘れた満足感を感じていた。後にはただ雪解けの水が流れる川に真っ赤な椿の花が流れゆくだけであった。

 あふれ出す言葉を原稿用紙に書き殴ってHに手渡した。そのとたん急に自分がしてしまった事の恐ろしさに震え、地方新聞までとって調べたが死亡記事は見つからなかった。降りた駅の側にはそんな旅館は無いという。あれは本当の事だったのか?ただ頭の中に残るのは、真っ赤な襦袢と真っ赤な椿の花、白い足袋と白くて長い足まるで白い蛇のような。そして女の体を這うように絡みついていた赤い縄の痕、真っ赤な蛇だった。
ありがちと言えばありがちなパターンですよねぇ〜〜

ただ基本かなぁみたいなかんじですか?


感想等御座いましたらよろしくお願い致します。
もう一つ
ずいぶん前に書いてはいた18禁ものだったりします。

これはそれほど、ネットに乗せる事を意識しなかったのでちょっと読みづらいかもしれませんが

そういうこともあるぎゃ
しかたがなかぁ〜〜

と考えてくださいませ。
【館】
 あのことを私に聞こうなどと今更な話ではないかね。君。戦争が終わってもう何年たっていると思っているんだ。今時、元子爵だの公爵だのという名前だけで生きていけるとでも思っているのかね。ただ、まああの頃はいい時期だったのかもしれないがね。
 そう言うと老人はゆっくりとマボガニーの机のなかから葉巻を取り出した。吸い口をカットしてゆっくり吸う。俺はゆっくりと老人の話が始まるのを待った。

 そう、私があの婦人と子供達を買ったのはまだ戦前だったな。子爵の名前を買ったという者もいたがね。私は爵位などそれほど興味はなかったよ。いずれはなくなるモノだと思っていたからね。ただ、宮之内洋子彼女は美しかった。
 私は宮之内家の執事の子供でね。小さい頃からあこがれていたものだよ。洋子は私より5歳年上だった。
 私は彼女が一度目の結婚をした日を今でも忘れてはいないよ。公爵位を持っていると言うだけの貧乏貴族と結婚した。洋子はそれはかわいそうだった。まだそのころは宮之内家は豊かな暮らしをしていたからね。家財道具も何もかも宮之内がそろえた。それでも私は洋子が何度も何度も同じ夜会服を着てダンスパーティに出かけるのを影ながら見ていたよ。
 そう、そのころの私はもう親から逃げていてね。まあ、ここではちょっと言えない事もしながらそれなりの財産のある男に成長していたからね。どうやって調べたか?そりゃ探偵代わりに従業員を一人雇っただけだよ。
 そのうち私の仕事が軌道に乗ってきてね落ちぶれた宮之内家と鏡家から洋子を買ったんだよ。洋子は二人目の子供を身ごもっていてね。子供に興味があったか?それはどうなんだろうなあ。私は昔から子供が嫌いでね。だから一人目の男の子には興味はなかったなあ。確か鏡家が嫡子としてほしいと言うから素直に渡したはずだ。二人目?二人目はそりゃあ私の血を受け継いだ子供だからね。最初は洋子の美貌に、容姿に傷が付いてしまうのではないかと気が気でなかったけれど産まれてみるとこれがかわいい女の子でね。心配した産熟後の体の線も美しいままだった。その美しい曲線にまた和服が似合ったものだよ。洋子は黄色に蝶々の友禅のしつらえを好んできていた。今から思えば少し若作りだったかもしれないが。
 二人目を妊娠していたのに洋子と結婚した事を言っているのかね?それとも二人目が私の子供だとわかっている事に驚いているのかね?鏡公爵様は、自分の婦人をほんのわずかな金で売って酒を買っていたのだよ。宮之内家は再興はしたがそれも一瞬でね。またその一瞬が忘れらえないから金に目がくらんだ鏡家の言いなりになった。わかるかね?私はただの製紙会社の社長として・・・いやそのころには今の財閥の基礎を作っていた頃だったか?毎日、洋子を買ったのだよ。あとはわかるだろう?鏡家も宮之内家もまとまった金がほしくなった。そして私に破格で売ったのだよ。たかが執事の息子だと知っていながらね。
 洋子はあれはあれで強情でね。それがまた良かったよ。最初にあったときには懐かしがってくれたものだが、あれは聡いのでね。すぐに自分が一晩いくらで売られている事に気がついた。そうしている間にも鏡家は金額をつり上げてくる。そうなってくると私も優しくばかりはしていられなくてね。ある日みせたのだよ。彼女の値段を。そう毎日の値段をね。私の事を悪く言う前にあの鏡家の長男貞人のことを言った方が良いんじゃないかね?まあ、私は悪く言われる事には慣れているからね。別にそれでもかまわないよ。
 洋子は紙切れを抱きしめて泣いていたね。今でも想い出すよ。そしてその晩初めて、私のものになった。もちろん息子の貞友に不自由な生活をさせたくなかったからだろうね。私はそのときなぜかものすごく惨めな気分になってね。なぜかわかるか?君みたいな若い男にはわからんだろうね。彼女はね私に抱かれたあとで一言公つぶやいたんだよ。
 「これは貞友のため。宮之内の家のため。」
 震えながらだよ。私にとってこれ以上の侮辱はなかったね。わからんだろう?私はあらゆる方法を用いて洋子の気持ちをこちらに向けさせようとした。最近出回っている「宮之内家の悲劇」などと仰々しい御題を付けたカストリ誌はこのころの事を書いたものが多いな。我ながらあの時にはまだ若かったと思うよ。何せ、いくら軍需景気だといえども私はただの成り上がり。それに比べると三十を少し過ぎたとは言え洋子は公爵様の持ち物だ。私がどれだけの侮辱にまみれながらあの日々を過ごしたかわかるまい。
 横浜の港近くの・・・あそこはもう人手に渡ってしまったが洋館に洋子を呼び、時に美しいドレスを買い与えてやり、時にその全てを裂いて荒々しく愛してやった。にもかかわらず洋子は人形のように私の方を見ようとはしなかった。ただ、あいつ、いや洋子にも敏感なところがあってな。一つはそうわかるだろ?後ろの方だよ。洋子を天井から手首だけで吊し、あそこにガラス棒をゆっくりと差し込んでやるとな、本当に良い声で啼く。
 「やめてください。やめてください。」
 そう懇願しながら、他に何一つしておらんのに前の方は濡れそぼってくる。私はそこへ私自身をゆっくり差し込んでやるのだよ。するとこう
 「ひぃ・・・っ。」
と、それはかわいい声で啼いてな、前を動かさずに後ろに差し込んだガラス棒をゆっくり押し戻ししてやる。するといくらでも前が濡れてくる。私も「この淫売が」という気持ちが高まってきてな少しずつ太いものを入れてやった。あんたは万金丹という薬を知っておるかね?最近では「タイガーバーム」とかと名乗っておるらしいのだが、それをな洋子の後ろをゆっくりマッサージするように塗ってやるのよ。時には指を滑らせたふりをして前にもな。するとこんな試験管だとてすっぽりと治まってしまうものよ。私はそれをゆっくり抜き差ししてやる。最後にはちゃんとそれをなめさせてやった。自分のものを綺麗にな。
 鬼畜だというかね?だが、貞人にそれを教えてやった事がある。すると、あそこの息子は本当に馬鹿だから同じ事を試したらしい。本当の鬼畜とはどちらの事を言うのかな?
 洋子は「それだけはやめてくれ」と泣き叫んだそうだが、あやつはやめなかったらしい。その時分には昔からの不摂生がたたっていて、ろくにあそこも使い物にならんとは聞いていたが、嬉しそうに次の日に報告に来よった。ホンに鬼畜よ。
 思えばあの日だったかもしれんなぁ、私が宮之内の家を買う決心をしたのは。宮之内の家ごと洋子を買ったのだよ。それからの宮之内の人間の私や洋子を見る目は実に楽しかったね。愉快そのものだったよ。頭を下げながら侮蔑の視線を送ってくるが、私が一言口を開けば何一つ言う事は出来ない。口答えは出来ないのだよ。それは執事である私の父でさえね。あこがれにして最愛の人を妻とし、父に傅かれて過ごす。このころの私は有頂天になっていたのかもしれない。
 そう言えば、もう一つ洋子が言い声を出す方法を言うのを忘れていたなあ。洋子は、言葉責めも好んでいた。私が宮之内の人間の事を悪く言うと顔を真っ赤にしながらも下を向いて涙を流したものだ。私はその涙をのむのが好きでな。わざと顔を上げさせて涙の味を楽しんだものだ。その事にしたって、わしの仕事が順調だったから宮之内の獣どものが金目当てにどんな事をしたか克明に話して聞かせただけの事だ。すっかり落ちぶれて物乞いと変わらなくなった実家の話をな。

 そのうちに子が出来た。女の子だった。双子でなあ。双子は不吉とされているのでずいぶん迷ったものだが・・・。戦後の復興も激し異境宋の時代だった。もうけるも損するも一瞬の事だったから、縁起も担ぎたくなる。けど私はひらめいた。一歳にもならん頃から双子は洋子によう似ておった。あまりにも私の面影がないもんだから自分の子でないのかもしれんと思ったほどだ。このふたりを育てて好みの方を自分の元に置き、気にいらん方に婿を取らせる。それでも時々は入れ替わりをさせてなあ。名前は桜子と撫子とつけた。どちらも私の好みの華の名前にした。
 そう、二人子紫という嗜好じゃ。五歳になるまで家からは一歩も出さなかった。もちろん母親にも殆どあわせなんぞしなかった。家政婦と家庭教師を何人かつけてやって私の言いなりになるようにしつけたものだ。そう言えば子供が外で遊んでいるときに、この高台の屋敷の半地下に今も残っておる洋子のためにあつらえた部屋でかわいがってやると、洋子は言い声で啼いた。
 想い出した七歳になった、ある日。あれは夏の頃、蝉時雨が洋子の声を消していたもので、洋子も安心していたのであろう私の言うなりになっていた。そのときに何があるのかと桜子と撫子の二人が部屋をのぞき込んでいたのだ、そして天井から吊された洋子と目があった。そのときの洋子の叫び声は未だに耳についてはなれんわ。それ以来、洋子は何でも従順に私の要望に応えるようになった。が、そのころには私の心は半分洋子から離れていたのだよ。
 どんな要望にも応える女なぞ娼婦以外の何者でもあるまい?それに双子が、そう、かわいくなってきてな。風呂にも小さいときから一緒に入っていたから私の事を怖がる事もなく、ホンにに愉快であった。どう育つかを考えただけで心が弾んだものだ。
 洋子はこのころにはもう心を病んでおったのでな、子供の事は時々は想い出すようだったが、それが不思議なもので自分そっくりな桜子と撫子のことではなく、鏡家に置いてきた貞友のことを探して桜の舞う白虎の庭をさまよっていたわ。
 「貞友。貞友・・・お母さんと呼んでおくれ・・・お前だけが私を・・・。」
そんな事をつぶやいていたような気がするなあ。
 こうやって、かわいがってやった双子だが意外なところで知識をつけて来たのには参った。女しかいないと聞いておったから宮之内の顔を立てて、入れてやった寄宿舎の付いた学校に通わせたら、二人して・・・二人して・・・やってはならんことをおぼえて来よった。私もそれにはびっくりさせられたものだよ。双子が同じ顔同じかっこで相手のを弄ぶのだからな。まるで見せ物小屋のようだったわ。それも私の前でなんの抵抗もなくな。もしかしたらこのころから二人の方が洋子よりも才能があったのかもしれんな。もちろん母親より言い声で啼くように調教もしてある。
 もちろん、手放す気はない。二人ともだ。

 俺は手が震えるのを感じた。手に握った銃ががたがたと震えていた。
 「お前が桜子だろうと撫子だろうと結婚する事は今のご時世では無理な事だという事がわかってもらえたかね?」
 「お・・・お前は・・・。」
 「お前はなんだ?ならそういうお前は私より下郎な鏡家の一人息子じゃないか?」
 「お・・・俺は・・・桜子さんと・・・。」
 「だから無理だといっておろう?今お前がどれだけ鏡家の家を再興したところで、私には敵わない。そういっているのだ。」
 「それでも、二人をせめて自由にしてやる・・・。」
 俺は必死で声を振り絞った。今も地下に閉じこめられこの男の生け贄になっている双子のために。
 「ほほう。そう言えば面白い事を聞いた事があるな。お前は貞人は最近まで貞人の慰み者だったとか?そういえば、洋子の面影が大きく残っておる。」
 俺の銃握る手から一気に力が抜けるのを感じた。
 「これは面白い。桜子と添わせてやろうではないか?この館の地下のあの部屋で。」

                        END 

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

BOOKERS 更新情報

BOOKERSのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング