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桂の書庫コミュの零地帯175 これからも続く物語

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街を出て草原を駆け抜け、森に入り…どれぐらい走っただろう…
先を飛んでいた小鳥が、どんどん小さく小さくなって…

白い蝶になった。

懐中時計を見ると、針はそんなに進んでいない。
けれど、木々の切れ間から零れるのは闇色。
天を仰ぐと星空があった。
葉で縁取られた夜空の中心に、一際輝く星があった。


『見えますか?』

どこからともなく、管弦楽器の音色と、聞き覚えのある声がした。


『夜空に瞬く一番の星は
旅人の守護星

幾千幾万の闇を照らし
人々を導く』

その声は、旋律にのって森に広がる。


『誰か一人でも考えたことはあるだろうか
かの星の望みを
使命とは違う
唯一のわがまま』

ゆっくりと星が動き出すと、隠さないように木々がゆっくりと動きだした。
ユニコ-ンが歩き出す。


『幾千幾万の時
夜空の不安に希望の星を瞬かせ
再び出会える時を待つ
幾度となく大地に生を受け
風に髪を梳かせ
花の香を楽しみ
雨の歌を聞く

けれど
雨の恵みを知らず
太陽の温もりを知らず
大地の力強さを知らない』

歌に誘われ
星に導かれ…

森がひらけた。
一面の花畑。
月と星に照らされた小さな白い花々。
その中に、小さな家があった。


『待っています
待っています

星に導かれ
私の手をとってくれるあなた』

ユニコ-ンからおりて、ゆっくりと家に近づいていく。
僕の歩みに合わせて、月と星々は姿を隠し、空が明るくなっていく。


『待っています
待っています
愛しいあなた』

大きな窓は開かれていた。


『私のこの手をとって…』

血の気のない白い肌
闇を吸い取った黒い髪は真っ直ぐに長く、大きな瞳は僕をしっかりとうつしていた。

あの少女がいた…

『お弁当…作って来たんです』

精一杯の一言。
お弁当の入ったバスケットを軽く上げて、空いてる手を少女に向けて伸ばした。

上手く、笑えてるかな?
手の震え、気づかれていないかな?

『一緒に…
僕と一緒に、行きましょう』

少女
『はい』

小さな唇がニッコリ笑って、白い手が僕の手に重なった瞬間、僕は力強くその腕を引き、少女の体を抱きしめた。


『新しい世界を共に歩みましょう…』


『待ち焦がれた時の永さを恨むより
再び逢えた喜びを分かち合い
共に大地を踏み締めよう
君と共に…』





これは昔々の物語…
神話から続く物語…
これからも続く物語…

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