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桂の書庫コミュの零地帯173 夢の少女

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僕の夢に現れる少女。
血の気のない白い肌を縁取る髪は、闇を吸い取ったように黒く、真っ直ぐに長い。
物静かに僕を見つめる黒い瞳は大きく、どこか悲しげだ。

夢の少女
『私は…物心ついた時から、この部屋から出たことはありません。
部屋を通り抜ける風は分かります。
風が花や雨等の香を運んできてくれます。
けれど、雨の冷たさや、太陽の眩しさ温もり、大地の力強さは知りません』

部屋いっぱいに広がる、丸型のベッドの上で、血の気が引いた、小さな唇が動く。

夢の少女
『私の脚を、触ってみてください』


これは夢だけど…


薄い布越しに触れたのは…細すぎる脚…人間の形とは違う…


夢じゃないことを知っている。
僕は、遠い昔、この少女を…


夢の少女
『私の脚は…』

あの時も、次の言葉は聞きたくなかった。
言わせたくなかった。
だから、この少女を抱きしめた。

『僕が治します!
だから、一緒にお散しましょう。
お弁当も作ります。
一緒に、旅をしましょう』

僕はこの女の子を知っている…



『…コ…ス』

『……ラス』

ん…

男性
『ニコラス!』

『はい!』

男性
『珍しいな、君が居眠りなんて』

…しまった。
いつの間にか寝ちゃってた。

『す…スミマセン』

男性
『学校行ったあとに、この実験室で遅くまで実験。
学校休みの日は朝からつめっぱなし…
そりゃ、疲れて居眠りもするさ』

白衣の研究者達と、様々な実験設備に囲まれて、僕の時間は過ぎていく。

男性
『なぁに、昼休みにうたた寝してたって、誰も文句言わないよ。
それにしても…成人した僕達だって、休みはエンジョイしてるのに…君、いくつだっけ?』

まだ休憩時間か。
なら、起こさなくてもいいのに。

『誕生日がきて12になります』

男性
『12か…
僕が12の時は、友達と遅くまで外駆け回ってたな。
青春を、こ〜んな薬品臭い研究室で終わらせるのは、もったいないぞ〜。
こんな美味そうな弁当も作れて…自分で作るんだろ?毎日』

『作ってくれる人、いませんから。
僕の青春は、この研究室じゃないですよ』

お昼、食べる前に寝ちゃったのか。

男性
『…君、本当にいくつ?』

『僕は、捜したい人がいるんです』

男性
『女の人?』

『今は、どうでしょう?』

男性
『性転換でもする予定あったのかい?』

僕は笑って、お弁当を食べはじめた。

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