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桂の書庫コミュの零地帯148 逝った者の想いと遺された者の想い

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強くなりたかった…

姉さんを護りたかった…

アルルさんを護りたかった…

大切な人は、いつも僕の目の前で奪われていく…

燃えていく…
跡形もなく燃えていく…

大好きな人に抱かれて、涙も零さないまま、あの人は逝ってしまった。

姉さんのように、うっすら微笑みながら…

姉さん…

何故、アレルさんは僕の大切な人ばかり奪うのだろう…

何故…
なぜ…
ナゼ…

還して…
アレルさん、還してください…


『母さんや姉さんの願いはなんだった?』

誰?

願い?


『奪われたのかい?』

奪われた?
ああ…温かい瞳だなぁ…
温かいのに、悲しそう。
なんで、そんな目で僕を見るの?


『君に、こんな顔をさせたくなかった』

この人は、なんで僕を抱きしめてくれるの?


『幸せに、笑ってほしいんだ。
あの人を憎んではいけないよ。
あの人も悔しいんだ。
苦しいんだ。
あの子をどれだけ大切にしていたか、ニコラスも分かっているよね。
悲しんでいい、悔しんでいい。
けれど、憎んではいけないよ』

涙が出てくる。
この人の声は、僕の心に染み込んでいく。

『アレルさんがどれだけ辛いか、分かってます…
でも、でも…』

あの方法しかなかった事も、分かってる…

ガイ
『人であるうちに、最期を…』

ガイさんの言っていることも分かる…


『今は泣きなさい』

僕を立たせた後、兵士さんはガイさんに顔を向けた。


『この子を、頼みます』

え?

兵士さんを見ると…
優しい笑み。
優しくて温かい…

『と…おさん…』

足元から消えていく…
炎に溶け込んでいく…

『お父さん…』


『強く、優しく育ったね』

消えていく手で、僕の頭を撫でてくれた。

ガイ
『危ない!』

炎風が僕を食べようとした。
ガイさんに抱き抱えられ、それを避けると…もう、お父さんの姿は無かった。

ガイ
『まずいですね…
暴走していますね』

アレルさん…

ガイ
『このままじゃ、柱の復活どころか、統べてを燃やし尽くしてしまいますね』

あの時と同じだ。
ティアム(クレフ)さんが亡くなった後のアレルさんと…
また、あの時と同じ様になるの?

ガイ
『これ以上は、僕の結界でも無理です』

確かに、空気が熱すぎて、喉が焼ける。

『でも、アレルさんが!』

僕らを焼く炎にたじろいだ瞬間、アレルさんのところから、光が生まれた

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