ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

桂の書庫コミュの零地帯71 (封印)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
白い花は点々と数を増やしていく。
瞬きするたびに、黒い空間を白く埋めていく。
そうこうしているうちに、俺の足元にも芽が…
瞬く間に、それは白い蕾をつけ、開花した。
確か、レビアの城跡にも咲いた…

ニコラス
『白月花草です。
冥界で唯一咲いている花で、邪気を収めてくれます』

薄らいだ霧から、ニコラスとクレフが姿を出した。
ニコラスの目が、金色になっている。

クレフ
『私たちに出来ることは、ここまでのようですよ。後はサ-シャ殿にお任せして…』

反射的にその唇に自分の唇を重ねた。
瞬間、右頬から全身に電気が走った。

クレフ
『さ、ガイさんを連れて行きましょう』

倒れた俺を容赦なく踏み付けて、クレフは呪文を唱え始めた。

そうだよな、これが正しい反応だ。

ニコラス
『アレルさん、踏み付けられて満面の笑みは…』

『うるせー。
さ、どうするんだ?』

引いてるニコラスの頭を軽くこずいて、俺は気を取り直した。

ニコラス
『クレフさんの呪文で、一時的ですが、あの方を封印するそうです。』

『クレフは浄化呪文なんか出来ねぇだろ?』

ニコラス
『一番レベルの低いものなら、出来るそうですよ。それに、強い結界呪文を合わせるそうです』

『で、この花で追い打ちをかけるわけか。
お前、ニコラスの意識はあるのか?』

質問の答えは、微笑みでかえされた。

…なんか、気にくわねぇ。

クレフ
『いきます!』

瞬間、俺はガイの身体を掻っ攫って、空に逃げた。

クレフ
『魔封印』

金色と白銀の魔法陣が幾重にも重なり合い、乳白色の球体が出来上がった。

アレル
『まだだ!』

繭は俺の足元、登頂部から、黒い亀裂が入り始め、みるみるうちに蜘蛛の巣のように拡がった。

クレフ
『ニコラス、時間を稼いでください!』

もう一度同じ呪文を放つのか?
ニコラスがそっと繭に手をかざすと、大地から細い枝が現れ、みるみるうちに繭を包み、白い花・白月花草が咲き乱れた。

ガイ
『まだです』

それまで大人しかったガイが、スルリと俺の腕からすり抜けた。

ガイ
『眠れし時よ、いにしえの封印を解き、清よき風を取り戻せ。
汝は我なり
我は汝なり』

仕込みのナイフで自らの左胸を深々と付く。
白い花弁が朱色に染まっていく。

『我が名はヘル・ステル
東のバカブ神なり』

ガイの回りが朱色に染まった瞬間、風が勢いよく噴き上がった。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

桂の書庫 更新情報

桂の書庫のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング