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バーチャルトラベル?コミュの2003年1月17日〜18日

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 1月17日

 カサでの憂鬱な一日の始まり。さほど寒くないのは良い。朝飯をすぐに食べられるのも良い。しかし、Swee Kongを待つだけの街。他には何もない。日本語のメールが読めるのは良いのだが、さほど来なくなってしまった。
 午前中は山崎さんと一緒に、モスク見学へ行った。金曜日ということで、門は開いていたのだが、モスクの内部には入れなかった。観光客もまばらで、まあそのおかげで、居心地は良かった。
 その後cyber caféに行き、メールをチェックした後、小さな食堂で昼食にした。山崎さんは、モロッコのほとんどが気に入らないらしく、控えめではあるが、端々につまらなそうな雰囲気が垣間見えた。彼の言うところの不便さは、アメリカや日本と比べても仕方の無いことだとは思うのだが、まあ個人の趣向なので、これまたいたしかたない。
 食後は山崎さんと別れ、僕はタクシーに乗って、モーリタニア大使館へ向かった。運転手に「知ってるか?」と住所を見せて確認したのに、かなり手前で車から降ろされてしまった。結局、途中3回も人に道を尋ねてやっと辿り着いた。しかし、時すでに14時10分過ぎ。大使館の人に事情を説明し、Swee Kongのことを尋ねたが、彼はすでに、14時前には去ったとのことだった。手続きに来た人たちの名簿で確認してもらったので、彼が来たことは間違いなかった。後悔したが仕方が無い。早々にメディナのほうへ戻った。夕方、一応メールでSwee Kongに送ったとおり、駅前で30分ほど彼を待ってみたが、やはり彼は現れなかった。
 カサのancienne medina地区のハマムは、曜日と時間で男女の使用時間が変わるらしく、宿に戻ったときに、一風呂浴びたかったのだが、あいにくその時間は、女性のみの時間だったので、宿のおやじに教えてもらって、別の場所にあるシャワー屋?に行った。8DH払って中に入ると、狭い脱衣所とその奥に狭いシャワールームがある。ラバトのハマムと比べれば、なんとも味気ない気もしたが、回りを気にせずに汗を流したり、洗濯ができたりする点は良かった。
 夜はまた、山崎さんと晩飯を食べに行き、その後インターネットをしに行った。Swee Kongのことで、一度はかなり落ち込んだが、最初の計画では、一人でサハラ砂漠へ行くつもりだったことを思い出し、気を取り直した。門限前に宿に戻ると、ラバトのユースホステルで一緒だった、SeanとWolfgangがいて、軽く挨拶をした。
山崎さんは、他の日本人ツーリスト達と違い、厚かましいところが無く、一緒にいてとても楽だった。皆が寝てしまった後も、ベッドに寝転がって、小さな声で、1時近くまで話をした。やたらと日本人と遭遇するのはやはり嫌だったが、たまに山崎さんのような人と出会い、日本語でストレス無くおしゃべりができるのも、悪くないなと思った。

1月18日

今朝は山崎さんを送り、早々に宿を出た。軽く鼻歌を歌いながら、昨日行ったモスクへ、また行ってみた。今日はちゃんと門も開いており、観光客もぞろぞろとモスク内部へ入っているみたいだったが、僕はそうせず、同じ敷地内のベンチのところで、仰向けに寝転がっていた。まるで日光浴みたいに。背中の大理石は少し冷たかったが、見上げる空には雲一つ無く、日差しがぽかぽかと暖かい。うっかりウトウトしてしまい、一時間くらい経った頃だろうか、体を起こすと、Wolfgangが遠くにいて、僕が彼の方をぼんやり見ていると、すぐに気が付いて、僕のほうへ来た。しばしその場で話をした後、近くのcaféでお茶した。それからメディナの中を一緒に散歩し、途中でソーセージサンドを食べた。そしてしばらく歩き、またすぐに、椅子が4〜5脚しかないような店に入り、今度は魚のフライで昼食とした。朝、トイレで出なかったせいか、その頃になってお腹がゴロゴロ言いだしたので、生野菜はあまり食べないでおいた。
メディナを出た後は別れて、僕はcyber caféへ行った。別に何も特別なことの無いこのCasablancaで、特にメールにして、誰かに送るような事柄も無かった。それでも毎日、インターネットをする理由は・・・暇だからである。しかもこの街では日本語が読める。ネットの後は、街中を散歩がてら、楽器屋を探してウロウロした。しかし、結局見当たらなかった。僕はすでに、22日間モロッコに滞在しているが、楽器屋というものを見たことが無い。ラバトでもフェズでもカサでも、今までにだいぶうろついて探したが、楽器屋は無い。ただ、ギターを売っている店は、何軒か見つけたが、全ておもちゃ屋だった。きっと、ここモロッコには、ギターを買う奴なんて、ほとんどいないのかもしれない。ヨーロッパやアメリカなどの国の音楽に対して、興味はあるのだろうが、自分でそれらを演奏してみようとは思わないのかもしれない。かなり歩き回った後に、caféで一服してから、宿に戻って昼寝をした。3時間近く寝てしまって、おまけに寝起きには、夢まで見た。detailは忘れたが、とても嫌な夢だったと思う。顔を上げると、またWolfgangがいて、たぶん英語で声をかけられたが全く理解できず、「Il est quelle heure?」と言うと、フランス語でなにごとか言われたが、全く理解できなかった。やれやれ、ここにきて、本当に疲れが出てきているみたいだ。
Wolfgangと一緒に夕食を食べた後、宿の門限ギリギリまで、近所のcaféで話をした。とても他愛の無い話。でも、とてもリラックスできる会話。僕は、ラバトのカスバでの、フランチェスカとの一幕を話した。
「なあ、こうやってさ、しばらく話しているうちにさ、だんだん彼女が近づいてくるんだよ。それでね、でっかい夕日をさ、君も見ただろ?あの風景をさ、見ているうちにね、すごーくロマンティックな雰囲気になっちゃったんだよ。でさ、こんな小さな、すんごく可愛い顔がさ、だんだん僕に近づいてきてさ、僕の名前を呼ぶんだよ。で、さらに近づいてきて・・・」
「kiss!」
とWolfgangは指を鳴らす。僕はわざと間を溜めてから、大きな声で
「NO!」
と言うと、彼も、そして周りのモロッコ人達までもが、半分笑いながら大きくため息をついた。
彼はどうやら、お嫁さんを探す旅をしているそうで、ドイツの田舎の農家でも、嫁に来てくれる人を探すのは大変なんだそうだ。日本でも同じだよと言うと、大きく頷いていた。

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