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バーチャルトラベル?コミュの2002年12月25日〜26日

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十二月二十五日

今朝はグナが発った。はっきりいって寂しかった。朝食の後、ぽつりぽつりと話しただけで、2人だけで(カルロスはいびきをかいて寝ていたが)静かにソファーに腰掛けていた。そして十一時少し前に宿を出て、駅まで一緒に行った。向かうホームが別だったので改札を抜けたところで、別れの挨拶をした。
「Eメールで、ずっとコンタクトをとろう」
と言われ、僕は熱いものがこみ上げたが、堪えて
「もちろん!Good luck!」
と精一杯の気持ちを込めて、そして別れた。抱き合って言葉を交わした時、本当に本当に・・・旅に出てから初めて友達ができたと思った。
奇しくも淳と同じ年の、二十五歳のドイツ人。

グナと別れてから、僕はSNJに向かった。暇つぶしと、モロッコの情報収集に時間を費やした。もくもくもくもく・・・。
五時過ぎに腹ぺこで宿に帰って、昨日のミネストローネの残りをチンして食べた。オーストラリアの女の子達を中心に、6〜7人がずっと大騒ぎをしていた。夜までずっと。もちろん男達も少しずつ加わって、またどんちゃん騒ぎ。僕はグナがいなくなって持て余していたが、ルーシーや取り巻きのオーストラリアンガールズ、カルロス、もちろんキャロルなどと、少し話をして過ごしていた。
8時頃になってトーマスが帰ってきて、今日あった事などを話し合い、彼がこれから、ライブハウスに行こうかどうか迷っている事からJAZZの話題になり、話は大いに盛り上がった。彼は音楽もさることながら、読書量もかなりのものらしく、日本の作家の本も読んだことがあると、いくつか作家の名前を挙げ始めた。僕にもどんなものを読むのかと聞いてきたが、説明に困ってしまう。でもたまたまその時ポケットに入っていた、この旅に持参した、村上春樹の「遠い太鼓」を見せると、
「ああ、ハルキムラカミは読んだことがあるよ。僕の読んだのは、sputnik,sweet heartだよ」
と言っていた。話は盛り上がったまま、一緒にリビングルームに場所を移し、皆と一緒に盛り上がった。
そんなメチャクチャな盛り上がりの中、ついにキャロルとメールアドレスを交換した。僕はアドレスを書いてもらったノートを抱えて、「mon tresor」と言うと、彼女は可愛い顔ではにかんでいた。
楽しい夜のはずなのに、23時過ぎにはベッドに戻った。部屋では今日来たばかりの、シンガポール3人組がすでに寝ていた。ドアの向こう側からは、絶え間無く笑い声が聞こえた。僕はベッドに横になり、考え事をしながら早々に目をつむった。

十二月二十六日

八時過ぎから、宿がバタバタしていたみたいだが、僕はそれらを全て無視して、毛布にくるまっていた。知らない間に
(つまり、僕が眠っている間に)
隣のベッドの上段に
(つまり、僕の真隣に)
知らない奴が寝ていて、しかもそいつは、ものすごく胸がでかく、体も大きな奴だった。
(ちぇっ、女かよ)
呆れてまた少し目をつむった。彼女の正体は、ステラ。イタリア人。明るいところで見ると、いかにもイタリア女性!といった感じだったが、彼女は英語もスペイン語も少ししか話せないらしく、仲良くなりようもない、新しい隣人だった。
十一時過ぎまで、マノエルやキャロルとおしゃべりした後、発給されているはずのビザを受け取りに、モーリタニア大使館へ向かうことにする。トイレでトーマスに
「大使館ではフランス語で話さないといけないんだ」
と言ったら
「フランス語を話す日本人に会ったことがないよ」
と返された。ちゃんと話せるの?という彼に、僕は
「メルシーボクー!」
と言うと、ゲラゲラ笑っていたが、「大丈夫?」と本気で心配されてしまった。

大使館にはもちろんスムーズに着いた。あれだけ徒歩で迷ったのだ、もう間違えようもない。建物の入口に、門番のおじさんが立っていなくて拍子抜けしたが中に入って、今朝マノエルに習ったように、スペイン語のメモを見ながら話すと、笑顔でまたエレベーターのボタンを押してくれた。
室内では案の定、大使館員のような人陰は見当たらず、前回同様右側の部屋に、3人ほど黒人が待たされていた。手招きされ、また一緒に待つことにする。しばらくすると、このあいだのおばちゃんの秘書らしき人が現れ、僕はフランス語で挨拶をし、しゃべるのが億劫だったので、さっき使ったメモを直接見せた。すると、スペイン語で何事かを言ったが、たぶん、ここでちょっと待ってろ、みたいなことと解釈し、またソファーに腰掛けた。
黒人達は、フランス語とスペイン語を、混ぜこぜで話していたみたいだったが、僕には話す速度が速すぎて、さっぱり理解できなかった。
しばらくしておばちゃんが部屋に帰ってきて、僕のパスポートを返してくれた。何も言われなかったが、中を確認すると、ちゃんとビザは発給されており、それでも心配だったので、そばにいた黒人に、
「これで僕はモーリタニアへ行けるのか?」
と聞いてみたところ、
「大丈夫。何の問題もない。あなたはモーリタニアへ行ける」
と、ゆっくり教えてくれた。これでやっと落ち着いた。僕は彼らに礼を言い、大使館をあとにした。

外に出てから、まだ十二時前なことに気付き、プラド美術館へ行こうと思いたった。しかしプラドに着いて、いざ館内へという時になって止めた。広すぎるプラド。たった2時間では、またつまらない思いをするだろう。改めて、プラドへは旅の帰りに寄ることにした。
それから僕は、また歩いてSNJへ向かった。途中で先日のうまいパン屋さんに再び寄り、クロワッサンサンドを2つ買った。お店のおばさんは、僕のことを覚えていてくれて、何も言わなくても、僕の買ったクロワッサンサンドを、温めて渡してくれた。ありがとうと言って温かいパンを受け取ってから、
「Puedo comer aqui?(ここで食べてもいいですか?)」
と、たどたどしく聞いてみると、
「もちろんよ!そこのカウンターで食べてってちょうだい」
みたいなことを言って、目の前のカウンターテーブルを手で指しているようだったので、僕はとてもほっとして、サンドを味わうことができた。
しかし、今日は早々にSNJを引き上げ、(そりゃ毎日毎日インタネットばかりやってりゃ飽きる)宿へは、ラストロの辺りをぶらぶら散歩しながら帰った。

宿に戻ると、まだみんなが帰ってきてないせいか、とても静かだった。キッチンでは、キャロルがアイロンがけを始めようとしている。僕はそれを邪魔しないように、リビングの方で日記を書き始めた。しばらくして、アイロンがけを終えて、キャロルがこちらの部屋に来たので、2人でコーヒーを沸かして飲み、僕は自分のMDの中から、fried prideを選んでかけ、スピーカーにつないで2人で聞いた。
夕方になると、揃いの真っ赤なセーターを着た、ベルギーのボーイスカウトの連中がわさわさとやってきた。そして僕達が寛いでいた部屋のソファーを陣取って、ビールを飲み始めた。くそっ!せっかくキャロルと2人っきりで、fried prideを聞きながら、静かに過ごしていたのに・・・ムカツク! そして、それでも彼らを無視して日記をつけていたら、早々に場所を移っていたキャロルがまたやって来て
「まだここにいるの?」
と言われてしまった。
今また、いつものように、キッチンカウンターのコーナーで、日記をつけている。僕の横で、カルロスが誰かのチョコアイスをたいらげた。

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