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♪リレー小説♪コミュの裏の裏

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俺の名前は山本勇太。

今は18歳でこの春が明けたら大学生。

特につまづくことなく二流の道を進んできた。

平凡に過ごしてきたこの18年間、贅沢したことはなかった。

恥ずかしいことが大嫌いで目立たないことだけを心掛けてきた。

体育祭ではリレーじゃなく玉入れの方を選んだし、文化祭の劇では大道具役を買って出た。


中学時代密かにずっと好きだった姫野さんに告白なんてできるはずもなくそのまま卒業を迎えた。


でもよ?

そんな平凡でつまらない毎日は今日でおしまい。


路駐していた車の窓に自分の姿を写し、顔を覗き込む。

うん、どこからどう見てもイケメンだ。

やっぱり整形してよかった。

18年間、慣れ親しんできた顔とは全く別物で、自分じゃないみたいだ。


やっぱり不安はあったし親に対する罪悪感だってあった。

でもせっかく誰も知り合いのいない地方の大学を受けたんだ、少しぐらい羽も伸ばしたくなるさ。


俺の人生はここからがスタートなんだ。

そうだ、今まで地味にやってきた分、派手にはしゃぐしかない。

これが大学デビューっていうんだろうけどそんなの関係ない。



俺はそう意気込んでいた。

意気込んでいたんだけれど…



大学の入学式、姫野さんを見た瞬間、俺はとんでもない絶望感に襲われた。…。

忘れるはずもない、中学を卒業してから見たことはなかったが、すぐにわかった。


しかし、冷静に考えた。


俺の顔は変わった。

顔が変わったせいだろうか、今までの内気な性格からは考えられないほど性格も変わった。


自信だってある。

今の俺なら大丈夫…。


そう必死に言い聞かせ、二回目、同じ授業で姫野さんを見掛けた時、俺は初めて会ったように装い、声をかけることにした。




「隣、いいかな?」



コメント(4)

「は、はい!!」
そう言って僕の顔を見る姫野さん。


僕は一瞬、顔を伏せたがバレるはずがないと思い、もう一度彼女の方に顔を向ける。



彼女は何事もなかったようにノート写していた。







彼女は僕を見てどう思ったのだろう・・・・



なんとも思っていないかも・・・・




顔を変えても、生まれつきのネガティブは変わらないのだろう。。







カン・・・




「あっ!」




床に落ちたボールペンは何度か回転し、僕のスニーカーにたどり着いた。





一瞬、頭の中が真っ白になる。




どうしよう。


どうしよう。







そう考えながらも、体は最善の行動をとる。





ゆっくりと腰をおろし、ボールペンを拾う。






僕は自分の持っていた赤いボールペンも同時に持ち、彼女に言った。







「あなたが落としたのはこの黒のボールペン?
それともこの赤のボールペン??☆」





やってしまった・・・







数秒後、この後悔は無駄になった。


彼女はクスッと笑い、「両方、私の♪♪」











夢のキャンパスライフの扉が小さく開いた気がした。
「asと言う単語は
非常に臨機応変で
多種多様な顔色を
持っており・・・・・・。」


教台に立つ先生の
声のボルテージが
少し上がる。


ここが重要だと
言う事が
ひしひしと伝わって
くるのだが

なにせ昨日の
夜更かしが
尾を引いていた俺は
呼吸による湿気や
ヨダレでノートが
ふやけないように
隅に追いやると

空いた広いスペースに
顔をうずめるた。


「それでは
この場合は
どの様な意味に
なりますか?

ぢゃあ・・・・・
そこのあなた。」


「えーっと・・・・・。」

そう呟いた
隣の姫野さんが
先生に当てられた
と言う事は
自然な流れで

顔を伏せている
俺でも分かる。

俺は一度
顔を上げると
またすぐに
寝る体制に戻る。

そしてそのまま

「as everで
"相変わらず"って意味。」

と呟いた。


姫野さんが
俺の独り言を
先生に向かって
リピートし
事なきを得たのを
確認すると
俺は本格的に
眠りにつく事にした。








「あのー?」

そう言って
体を揺すられるので
目が覚めた。

寝ぼけ眼の俺の
目の前にいたのは
姫野さん。

と言うか
教室中を見渡しても
俺と姫野さんしか
いない。

時計に目をやると
授業終了時刻から
裕に20分は
たっていた。


「うわー。

出席の紙
出してないし。」

そう言って俺は
手で顔を覆った。


「それならあたしが
出しときましたよ♪」


「本当に?

ありがとう
助かったよ。」


「それより5限目
始まっちゃって
ますけど
何か授業
とってるんですか?」
「5限目?
あ〜たぶん取ってない…

君は?」


「あたしも取ってないんです。
あの、さっきはありがとうございました!!」


「あ〜全然!!
こちらこそ出席ありがとね。」


そこで一つ、沈黙が僕と姫野さんを包んだ。


姫野さんは俺に全く気付いていない様子…


っていうかそもそも同じ中学校に“山本勇介”という同級生がいたなんて覚えていないのかも‥


それはそれでちょっと寂しいかも。


「あの、名前聞いてもいいですか??」


俺が考え事をしていたことに気付いたのか、姫野さんがそう顔を覗きこんできた。


「ハハ‥何か考え事してたでんすか?」


まさか、君の事考えてたなんて言えるわけない。


「あ〜ごめんごめん。
俺の名前は山本。

君は?」


君は…

姫野さん。



「姫野です。」


当たり前だが彼女は自分の名前を口にした。


山本なんて珍しい名前じゃないのはわかっているけれど山本という名前を聞いて何も反応しない姫野さんを見て俺はまた寂しい気持ちに襲われる…


「姫野さんか。
せっかくだし仲良くしてよ?
俺まだ大学のことイマイチわかんないんだ。」


「はい!!
あたしもちょうど友達いなかったんです☆」


そう明るく言って彼女は微笑んだ。


この笑顔だ…


この笑顔に僕は中学時代の三年間、恋をしていたんだ…。



それからも俺と姫野さんは喋り続けた。


誰もいない、広くてシンとした空き教室に二人の笑い声だけがいつまでも響いていた…


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