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オリバトコミュ【第四部】コミュのshort story.1〜Deadly Silence〜

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short story.1〜Deadly Silence〜

1.てつお(゚q゚)
2.のりくん
3.オシニス
4.Gaya
5.三文物書へなちョコヲ
6.いちーこォ
7.blue baloque公爵
8.はるや(。Д゚)
9.もりし( ゚Ω゚)
10.ピノさん(長峰)
11.ジュン
12.ザ・空キ
13.鼠色の波紋疾走
14..onyankopon.
15.ピノさん(長峰)
16.てつお(゚q゚)

コメント(16)

真夜中。

闇が支配する静寂なるその世界。
それを真っ二つに切り裂くような光と音。


バババババババババババ



【OSBss -another.1-『デッドリー・サイレンス』】



「まったく大げさなんじゃねえのかよ・・・こんなんまで着ちまってよ」
強面の男がため息と一緒に身に着けたスニーキングスーツの文句を吐く。


【松葉】 (第三部)
スタンド:ウルトラ・ソウル
能力:左拳からスタンドを暴走させるレーザーを放つ。効果は30秒。


それに答える少女。
「えーいいじゃんコレ〜コスプレみたいでさ♪問題はこの場所でしょー。なにここ!?なんでこんな辛気臭いとこにこなきゃいけないの!?」


【茜】(第三部)
スタンド:レ・ミオ・ロメン
能力:触れたものを、その「色」からイメージ出来る別の物体に変化させる


茜の甲高い声に顔を歪ませる松葉。
「あーあーそれもこんなヘリまで使ってな!おまけに銃。ったく・・・俺達ァスタンド使いよ?なんでこんなモンに頼らなきゃいけな・・・」
「必要だからだ。・・・ケイ様の命令に・・・文句があるのか?」
松葉の声をぶった切った男。この任務で二人と初めて顔を合わせるケイの配下だ。その表情は暗闇のせいでよく見えない。ただ・・なにかドス黒い感情を松葉は感じ取った。
「君ィーようやく喋ったと思ったらそれ??自己紹介ぐらいしたらどーなんですかァーー」
「・・・Rだ。もうすぐ目的地だ・・・。準備を・・するんだ。」


【R】
スタンド:不明
能力:不明


暗闇の中から、無数の木々が松葉達の乗るヘリを出迎えた。
その奥からうっすらと現れた洋館。

「アルファーチーム目的地上空に到達・・・。これより敵対新興宗教団体の調査及び・・・排除を開始する。」
「は?排除?おい、そこまできいてな・・・」
松葉の言葉を聞かず、Rはヘリから飛び降り、闇に消えた。
「チッ」
松葉もそのあとに続く。
「あはーー!」
その後に、茜。
三人が深い闇の中に溶け込むのを確認すると、へりは空へ帰っていった・・・。





ようこそようこそ・・・
待っていたよ・・・ククク

ス タ ッ !

暗くて周りはよく見えないが、斜めの屋根らしきところに3人は着地する。

教会なのか?はたまた寺院のようなところなのか?

「よォーお前、『排除』って一体…」

ぷシュんッ!

Rは松葉を無視するように、銃声を消すサイレンサーのついた銃で壁に一発。

ペチャっと灰色の塗料がでこぼことした屋根の上に広がる。

どうやら弾丸はペイント弾の様で、Rにはまだ別の弾薬の準備があるらしかった。

「…茜。」

「はいは〜い。レ・ミオ・ロメンッ!」

灰色に上塗りされた屋根が、もぞもぞと動きだす。

どうやらネズミらしかった。暗くてよく見えないが、それはわさわさと四方に散っていく。

そこには半径1Mほどの穴ができた。音もたてない完璧な侵入。

3人が中に入ると、どうやら廊下らしい。

随分長く、窓もドアも視界には入らないし、暗い。

それが3人に『建物が相当広いもの』という事を想像させた。

「っでよォ、『排除』って…

「松葉。カメラを片づけろ。」

目の前には監視カメラがある。レンズはこちらを向いてはいないし、動くタイプのものでも無いようだが、一本道なので進めば間違いなく映る。

「ったく…ウラッ!」

ゴ シ ャ ッ !

拳で叩いてカメラを潰す。Rは既に数歩先へ進んであたりを見回す。

「急げ。おしゃべりの時間は無い。カメラが潰れた事はスグにバレる。」

3人は真っ暗な廊下を走り抜けていく。

呼吸音と足音が響く中、茜と松葉は『まだ見つかってはいないだろうか』と考えていた。


幾らかした後、Rが口を開く。


「排除の任務は面倒だ。陽動、撹乱、殺害全てをやらなければならない」

それを聞き、松葉が声をあげる。

「ちょっ待て、俺のスタンド能力は……」

「分かっている、だから松葉、お前には撹乱を担当してもらう。対スタンド使い用に…な。みんな同士討ちさせろ」

走りながらRは言葉を続けた。


「茜は陽動だ。6色ペイント弾(三原色+α)はお前も持っているな?
 それで適当に何か作り上げて警備を散らし、一ヶ所に集めてくれると有難い」

「分かったよ。で、アンタはどうすんの?逃げてるの?」

「フフフ、決まっているだろう」



「主を 殺 る の さ 」


「……了解って、なんで上に立ったような言い方なんだよ。リーダーは決められてないよね」

「そんなの決まっている、実戦経験の違いだ。与えられた任務はやり遂げる。
 仲間が死のうと……な」

Rが笑う。その時に見せた“ドス黒い気配”に茜は顔をしかませ、目を逸らした。


狭かった廊下は終わり、3人の行く手に広がるのは下に続く階段と大きな扉。厳重な鍵が幾つも施され、どうやっても開きそうにはない。


Rがまた笑った。
ここに“アレ”か“アイツ”が在ると確信したからだ。



「さあ、ここからは茜と松葉で行け。
 お前らが混乱させてる間に、この鍵を破壊する。良いな」

「へいへい」

「……うん。行こう、松葉ちゃん」


茜が松葉を促すように、2人は下に続く階段へと足を進めた。

潜入した3人が監視カメラを破壊した直後、
警備よりも誰よりも、監視モニターの前にもいたはずのない
老人がその異物を感じ取っていた。

闇から闇へと音もなく
廊下から廊下へ。

そして何もない壁へ吸い込まれるように消えた。



その仕掛け扉の向こうには
天蓋つきのベッド。
周囲には全裸の女性が多数
うめき声をあげながら倒れていた。



「・・・様、・・・イフ様、・・・グライフ様。」



グライフと呼ばれた男は
鼻から血を流す女に向けた拳を止め、
白髪のやせた老人に顔を向けずに返事をする。



「なんだ。今信者たちに『神の恵み』を捧げているところだ。」


そういって男は止めていた拳を力強く振り下ろす。





ぶぢん




成人男性の筋肉より振りぬかれた硬い拳は
肉と骨がちぎれ砕ける奇怪な音を小さく響かせ
女の顔を、すでに変形させてていた。
しかし、その変わり果てた顔のなかには
至福に満ちた笑顔があり、その眼差しは
『恐怖』ではなく『幸福』を感じているようだ。





「何者かが館に侵入してきたようでごじゃいます。」




痩せ細り、筋張った老人は、少ない黄ばんだ歯を
ぬらぬらと唇の間から覗かせながら
床に散らばった血だらけの女たちを見る。




「フン。誰でもいい。蹴散らせろ。」




釣り目の若い男はそういうと
血液がまばらに染みたシーツの上を滑り降り
黒いガウンを裸体の上に羽織った。
その男の足元にすがるように女たちは
傷んだ身体を芋虫のようにはいずらせて寄り添う。




「グライフ様ぁ・・・グライフ様ぁ・・・・・・




 『  殴  っ  て  く  だ  さ  い  』」






その瞬間、常人には見えない何か人影のようなものが
グライフの身体に沿うように現れ、
プリンをスプーンですくうように
女のわきばらを拳で殴りあげた。



べしゃぁぁ


拳は女の身体を突き抜け、その拳は天を射すかのようだった。
内臓の多くを失い、事切れた女の顔のそれは
狂喜に満ちたものだった。





【グライフ】新興宗教の主?

スタンド:Spunk Happy
能 力 :『痛み』を『快感』に変える。

パワー:A



階段を降りきったそこは大広間だった。確認できる扉は4つ。

正面に見える一番大きく頑丈そうなものは恐らく外へと続くものだろう。僅かに月明かりが射し込んでいる。
そして先程走ってきたコの字型の廊下を考えれば、両脇の扉は更なる通路へと繋がっていると推測される。

「やっぱアレが一番怪しいな」

そう呟く松葉の視線の先には閂で閉ざされた両開きの扉。
階段の影に隠れるようにひっそりとしているが、装飾の全くないそれは他のものとは一線を画す。

「ね、松葉ちゃん。ここって本当に“ただの”新興宗教なのかなぁ?」

「あ?なんだよいきなり」

「だって窓が一つもないよ?」

周囲を見渡していた茜は疑問を素直に口にする。言われてみれば元あった窓は目張りがしてあり、使われているとは思えない。

「さぁな。そんなことより俺はあの新顔のデカい態度の方が気になる…が、まあいい。とりあえずあの扉を開けてみようぜ」

茜は納得のいかない顔をしながらも松葉に従う。閂はただ差し込まれているだけで簡単に外れた。
キイィィィ、とチョウツガイが嫌な音を立てて扉が開く。

「人の気配はないな…倉庫なのか?」

一際暗く、小さな部屋の中には山積みにされた活動用であろう衣装と、木箱がある。
松葉は適当に選んだ衣装を放り投げた。

「茜、お前はソレ着て適当な所に火をつけろ。ネズミがカジって穴が空くんだからよく燃えるだろ」

「そんでそこに敵を集めるんだね!松葉ちゃん、あったまい〜♪」

「あぁ、ソレ着てりゃそうそうバレやしないだろ。俺はこっちのを…うぐッ!?」


スパァッ


「そんなことされちゃあ困るな…」

誰もいなかったハズの倉庫から男が現れる。
松葉は切られた左手を押さえ、男を睨み付けた。

「ここは組織の大事な《餌場》なんだ…荒らすネズミは退治しなくっちゃあいけないよなぁ〜!」


『倉庫番』
【ホルマジオ/リトル・フィート】
能力:スタンドで傷を付けた対象を徐々に小さくする

「あっはは!松葉ちゃ〜ん、見て見て!マッチ棒自らお出ましだよ〜!!」

茜は赤い坊主頭を指差してケラケラ笑っている。

「お前、人を指さすなよ」
「あぁ?ツッコミ所はそこじゃねぇだろうがよお〜!!」

男を睨み付けたまま、松葉は身構える。
狭い部屋の中、どうしてこの男は現れたのか分からないが、この部屋の中ならどこだって十分「レーザー」の射程距離内だ。


ホルマジオが両手をパンツに突っ込んだまま、近づいてきた。
「マッチとはなんだ、マッチとはぁ?」

辺りには布と木、おまけに館は木造。火遊びにはちょうど良い環境だ。
茜は種火として、あの真っ赤な頭を炎に変える気らしい。
(おいおい、それ触らないと変えられないだろ?ってことは俺にオトリやれってことか、まぁいいけど。)


「もっと毛があればよく燃えそうなのになぁ〜」
茜は一歩下がって面白そうに挑発している。

「俺が髪型の話題でプッツンするような奴だったらよぉ、お前らもう死んでるぜ?」
松葉がホルマジオの前に立ちはだかった。



「ウラぁ!!!」



本日一発目のレーザーは・・・当たらなかった。


「は??」
松葉は状況がよく飲み込めない。
目の前にいたはずの人間は全く視界から消えていた。

(避けられた!?こんな至近距離で!そんな反則なスピードあるかよ!??)

レーザーを出した構えのまま固まる松葉の耳に、どこからか声が聞こえた。
「松葉・・・って言ったか?あぁ?しょうがねぇなぁ〜松葉ァァ〜。」


「ちょっと、松葉ちゃん??」
本人よりも茜が先に気づく。
一般男性の平均より身長が高かったはずの松葉が、いつのまにか茜に見下ろされていた。

「なんだ…?体が縮んでいる!??…厄介だ…」
=ただいま松葉の身長140cm=

「ちっちゃい〜☆ かわいい〜☆
松葉ちゃん良かったね、ちっちゃくなれて」

「全く良くねえェェッ――!!」


小さくなった松葉に喜んでいる茜と、対してパニくっている松葉。

それを目の前で見ているホルマジオは、場のあまりの緊張感の無さに、思わず笑ってしまいそうだった。
コイツら楽勝。マジチョロイな。


「松葉ちゃんが小さくなったら南くんの恋人ゴッコ出来るねえ……♪
でもボクにはケイちゃんがいるから、小さくなった松葉ちゃんはハイネちゃんに25セントで売ってあげるね$」

「人を勝手に売りつけんなあアアアッ!!
茜、テメエ何とかしろよっ!!」

「オイ…………貴様ら…………」

「松葉ちゃん、ハイネちゃんみたいで可愛くないなあ。
やっぱり南くんの恋人ゴッコ止めて、ERゴッコかXファイルゴッコかなあ?」

主に解剖メインで。

「だから人の話を聞きやがれって言ってんだろうがあアアアアッ!!!!
クソッ!今ならハイネの気持ちが良く分かるぜっ……!
コイツとずっとコンビ組んでたらマジムカツいてブチ切れたくなるッ!!」

ふと松葉は、この場にいないハイネ・ヴェリオールドのことを思い浮かべる。
流石は地味ィーズの紅半点。実はスゲエ奴だったのだと。



「……テメエら、いい加減にしやがれ」

置いてけぼりのホルマジロ、ついに怒りが沸々とこみ上げる。



しかし、対する天下の茜様。

「煩いなあ、たかがマッチ棒のくせにねぇ。
さっさと雑魚はやられてくれない?
ボクはっきり言って、今なら売られた喧嘩は地域振興券で買ってあげるよ?」

ついでに哀れ、松葉。

「ああああっ!勝手に話に入りこむなマッチ棒が!
ただのエキストラ的な敵のくせに話ややこしくくんじゃねえよっ!!」

「雑魚だと……!
エ、エキストラだと……!!
貴様ら、俺を誰だか知らねえのかよっ!!」


「「興味無しッ!!

もういいや、こんなナル瞬殺しちゃおう松葉ちゃん☆」

OK、囮とか作戦とか関係ねえ、ブッ殺決定だっ!」

小柄な茜と、それより小さくなった松葉が、同時に呼ぶ。

それは号する力の名。
両者がそれぞれに叫ぶ力のの名はっ――!!

「ウルトラソウル!!!!」
「レ・ミオ・ロメン!!!!」


今此処に、二人の列帛の気合ないし殺意に押され、スタンドが顕現された――!

!?!?

またしても一瞬にして消えた!?

「そんなバカなことがあるか?
 暗い中とはいえ… 俺はヤツから目を離さなかった!」

ククク… 暗ければ充分なんだよ…

「そーだね松葉ちゃん…
 どーやらヤツのスタンドの能力を明かさないと攻撃はあてられない…のかな。」

そうだ。そして能力を明かそうとしてる間にも…

=松葉の身長 現在64cm=

「縮んでいきやがるッ!」

「…わかりやすい能力だね!
 さっきの腕の傷がきっかけで能力発動!
 ヤツが消えたようになったのはおそらく… 自分の体なら瞬間で小さくなれる!」

「…こんな暗い中じゃ小さくなったヤツを探せねえッ!」

「探せるよ。明るければいいんでしょ?
 レ・ミオ・ロメン!」

茜のスタンドがそこら中のありとあらゆるものに触れるッ!

ボッ…

火が灯った。

「これでよしっと☆
 松葉ちゃんは小さいからもういいよ。
 コイツは僕が倒しちゃうから、任せとけ!」




「しょうがね〜なァァァ…」

背後に通常サイズのホルマジオが現れる!

そして茜と松葉の頭上に黒っぽい針のようなものを何本も投げたッ!

「『解除』なら… 一瞬なんだぜぇ〜」

茜と松葉の頭上に何本もの鉄の棒が降り注ぐッ!!

ゴガンッゴガゴガゴガンッ!!




小さい体のおかげでよけきれたようだが…茜は無事か!?

「むぎゅう……」

幾本もの鉄棒に押し潰され、目を×字にして気を失う茜…

=松葉の身長 現在19cm=



「おいっ!!……おい茜っ!!大丈夫かっ!!

      ………ちっくしょうっ!!!」



この状況……マジで厄介だぜ……

追いつめられる松葉。


「ちょろいもんだぜ……俺をナメてるからよォ〜、こういうことになるんでぜェ〜」


意気揚々と迫るホルマジオ。

勢いづいたホルマジオはおもむろに鉄パイプを拾い上げると松葉に向けて振り下ろす!!


「とりあえず……お前は終わりだぁっ!!!」


ガキィィッ!!


「うおォっ!!」

ギリギリのところで飛退きバランスを崩し倒れる松葉!!
すかさずホルマジオの巨大な手が迫り松葉をとらえるっ!!!


ガシィ!!


「残念だったなぁクソネズミィ!!人を散々雑魚呼ばわりしやがって!!!……じっくりと握りつぶしてやるぜェ!!!」




ゴキッ!!




にやにやと勝ち誇った笑みを浮かべながらホルマジオは徐々に両手に力を加えていく……

「ぐあッ!!!!!!!!!



ゴキ……ボキメキャ……ゴキボキボキッ!!!



    ………がはっ!!」


体中がボキボキと悲鳴を上げながらつぶされる!!
口から大量の血を吐き出し意識も朦朧とし白目をむく松葉……

「おォ?もうそろそろ限界かァ〜??」


ホルマジオが両手に力を加えつつ生死を確認するために松葉をおもむろに顔を近づけた…………

その時!!


「 く ら え ! ! ! ! 」



意識を失っていたはずの松葉がいきなりスタンドを発現させ顔面に向けてウストラソウルを連射する!!!

「ウラウラウラウラウラァーーーーッ!!」


ドヒュッ!!

ドヒュドヒュッ!!


ウルトラソウルが次々にホルマジオの顔面に命中していく!!

「うおッ!!??」



いきなりのことに思わず松葉を放し顔を押さえるホルマジオ。

「ど……どうだ?さ……さすがに…りょ…両目にくらえば…多少はダメージがあるだろう……」

フラフラになりながら松葉が言い放つ……


「ギィヤァァーーーッ!!!」


両目が痺れだしたことにパニックになり顔面を押さえのたうちまわるホルマジオッ!!



そしてその時、松葉の左手が青白く輝きだした………



=松葉の身長 現在10cm=


(目がッ―!
なんだあの光 …マズい気がする)
青く輝く両腕をホルマジオに掲げ
「行くぜッ!!
ウルトラッ―」
「ストーーップ!!」
茜の制止が松葉を止める
「なんなんぐぁッ」

「…なんだかよくわからねぇが

ラッキィだゼェ…」
またも松葉を手中に収め勝ち誇る
「このまま握りつぶしてやるのもいいが…」
先ほどの女は倒れていた場所にはもういない
鉄棒すら残っていない
「女ァッ!
出てこないとコイツを握りつぶしてやるぞ!!」
「潰していいよ☆」
「よくねぇッ!!」
女はコーラ片手になにもないところから現れる
「おいコラッ!何で止めたッ」
「だってそれ 雑魚に使うのもったいないじゃん☆」
「…まあ 確かにな」

(なんだコイツ等…
この状況ですら俺を雑魚に見るのかッ)

「ていうか松葉ちゃん 筋ケシなみの大きさだね……かわいそうに」

(いや クールになれ
アイツが近付いてきたら傷つけて小さくすればいい)

茜が 一歩 二歩 近付いてくる

(あと一歩で圏内だ)

一歩

「リトル・フィートッ!!」
「コ〜ラ☆」

どぼどぼどぼどぼ
頭からコーラをぶっかけられた

俺の中の緊張と警戒の糸が、ぷつり―と切れた。

女を殴る
女は腕を伸ばして松葉を奪おうとする

突き飛ばす
女の腕は松葉には触れたが
奪えない

奪おうとするということは松葉がメインのアタッカーということだ

勝った!!


ホルマジオの意識はそこで途絶えた




茜が松葉に触れた瞬間
青白いほど強烈なスパークが生まれ


「使ったマッチ棒なら 黒く炭にならないとね☆

でもありがとッ 突き飛ばしてくれて」

【ホルマジオ スパークにより再起不能】
【松葉 青い弾丸有り 身長元通り 感電中】
「…茜にはウルトラソウルあててねぇはずなのによぉ……厄介な奴だよなァ……」

松葉はハイネを同情しつつ
今の自分に泣きたくなった

「チクショ…、ひでェ目にあったぜ」

まだ痺れが残る腕を軽く振る。

「しかもこりゃヤベェな。肋が何本かイってやがる…」

松葉は痛みに耐えながら、腹をさすり調子を確かめる。

「なんでこんなところにスタンド使いがいるんだよッ!
 こんな話聞いてないぜッ!」

そう言って近くに積んであった倉庫の木箱を、八つ当たりに蹴りつけた。

すると木箱はガラガラと音を立てて崩れた。
倒れた衝撃で木箱の蓋が開き、中にあったものがこぼれだす。

「わー、なに?この白い粉っ☆」

茜が袋に入った白い粉を手に取る。

「まさかコイツは…」

「麻薬だな」

入口から聞こえた声に振り返ると、そこにはいつの間にかいなくなっていたRが立っていた。

「この新興宗教団体がそこの男の組織と取引して手に入れた麻薬だ」

松葉は激しくRを問詰める。

「テメエなんでそんなこと知ってやがるッ!だいたい今までどこに行ってやがったッ!」

そんな松葉に対し、Rは冷静に答える。

「組織の男がそちらに気をとられている隙に他の部屋を探り、
 取引の証拠をつかませてもらった」

「最初から知ってたってことかよッ!ケイの野郎、ふざけやがってッ!」

「ケイちゃんを悪く言うのはよくないよっ。
 わたし達に知らせなかったのも、きっとなにか考えがあったんだよ」

「ったく、オメーは脳天気でいいよなァー」

そう茜に返し、Rに向き直る。

「さあ、どういうことだかキッチリ説明してもらうぜ」

「ああ、ここまで来たらもう隠しておく必要はない。
 最近になってこの新興宗教団体が急に信者の数を増やしたのには、何か裏があると思われた。
 そこで調査したところ、どうやらマフィアと取引をし、麻薬を手に入れているらしいことが分かった。
 どうやら麻薬を信者に売ることで利益を得、また信者に売りさばかせることで、
 新たな信者を獲得し、勢力を拡大していたようだ」

「ッチ、大した宗教だぜ」

松葉はそう皮肉った。

「我々の団体にもそれは脅威になり得るほど勢力を拡大してきた為、
 取引の証拠を掴み、潰すことが決定されたのだ」

「そういうことかよ…、ムナクソ悪りィ話だぜ」

「分かったのならさっさと行くぞ。証拠は掴んだ。あとは頭を潰すだけだ。
 それでこの団体は終わる」

そう言ってRは踵を返し、倉庫から出て行く。

「オイ、どこに行くつもりだよ」

「地下に続く隠し階段を発見した。おそらく頭はその先だ」

それだけ言って先に行ってしまう。

「じゃあ早く行ってとっととその頭を潰しちゃおっ!
 松葉ちゃんも早く来ないと置いてっちゃうよ☆
 誰かに見つかって殺られちゃっても知らないからねっ」

「ちょっと待てよ、こっちは怪我人だぞッ!少しは労われよなッ!
 ったく、しょうがねーな…」

そう言いながら渋々着いていく松葉であった。

「おいッ!急グンダッ!」

どたどたと、男達が駆け回る。

「Gaya!ブツはちゃんともってきたんだロウナッ!」

「もちろんですぜ、ダンナァ!」

二種類の声が聞こえる。


「ねえねえ松葉ちゃん!アレかな?!」

「たぶんな、ってか茜うるせえ」

男達を指差し、大声で叫ぶ茜。

答える松葉。

Rはずっと黙っている。


「だ・・・だだだダンナァ!!」

Gayaと呼ばれた男が素っ頓狂な声を上げる。

こっちに気づいたらしい。

ぴょんぴょん飛び跳ねたりして驚きを表している。

「あはは♪あのヒトおもしろーいッ☆」

茜は大喜び。

Rは相変わらず黙ったままで・・・

「・・・誰かこいつを止めてくれぇ・・・」

松葉は、嘆いていた。



慌てふためく男達
「そこにいるのは誰だぁ?!」



「ふふふ♪見つかっちゃあ仕方ない!!私こそはケイちゃんのっ・・!むぐっ」
茜の名乗りを遮り口を抓むR
「少し黙っていろ。」
「まぁ、正しい選択だよなぁ。」
Rの行動に賛同する松葉。
「お前もだ・・・。」
「なっ!!おまっ!!」
Rの言葉に憤慨で言葉を失くす松葉・・・。


Rは二人を置き去りに男達の前に姿を現す。
「ナニ者だぁ!!」
Rに全精力をかけて殴りかかるGayaと呼ばれた男・・・。
「貴様じゃない・・・」
そお言うとRはGayaと呼ばれた男を片手で叩き伏せた。
「ぴぎゃ!!」
「こんな奴じゃ、俺にアドレナリンを充満させる事ができないんだよぉおぉ!!グライフゥゥ出てコイよ!!」

「なぁ、茜あいつ・・あんなにデカかった??」
「うん、なんか大きっくなちゃったね★」
松葉と茜が見上げる先には身長3メートルほどになったRがいた。
「グライフゥ・・お前のことを考えただけでこんなになっちまったよぉ!!」

【 R 】
スタンド:Love Symbol
能 力 :『性的』な『快感や興奮』で身体が大きくなる。


「お前とぉ、戦いたいから俺はここにいるんだよぉ!お前がヤンキースファンになるなら俺はレッドソックスを応援するよぉ。なぜならぁ俺はお前と戦わないとイケないんだよぉ!!」



『…あいつ、気っ持ち悪ィなぁー…』
茜と松葉の意見が始めてシンクロした。

奥の暗闇から男が一人出てくる。
グライフと呼ばれた男なのだろうか。

「五月蝿いと思ったら貴様か。
気持ちの悪さは相変わらずだな。」

グライフはRの後ろでひいている2人の男女を見やった。

「えー言っておきますが、私はあんな気持ち悪いのとは無関係です☆」

「あ、俺も。見たことすらありません。」

少しでも目の前にいる変態から離れようとする2人。

「ねー松葉ちゃん、あのバキューンどうにかしてよ?」

「いや、バキューンってなんだよ。」

2人が漫才してる間にもRの体はどんどん大きくなっていっている。
Gayaという男は逃げたらしく、いつの間にかいなくなっていた。

「なんだろうね。可哀想だよね。」
「そうだな。俺、自分の能力があんなだったら絶対やだよ。首吊るかも。」

だんだん大きくなっていくRの息遣いがうるさい。

「まいったな。」

グライフは悩んでいた。

自分の能力とヤツの能力は相性が悪すぎる。
30mくらいになったらM78星雲にでも帰ってくれないかな。
というかまず触りたくない。気持ち悪い。

あれこれ考えていると、頭上からRの拳が降ってくる。

「チッ」

紙一重のところで後方に飛んだ。

グライフがいたコンクリートの地面はRの拳で粉々になり、破片が辺りに散らばる。

「アーーーーーッハッハッハァァ!
何してんだよグライフッ!!殴ってこいッ。
俺を楽しませてくれッッッ!」

次々に拳の雨が降ってくる。
考える暇さえない。

「おい、そこの2人。」

R越しにグライフが2人に声をかける。

「目的はなんだ。」

「調査とぉ・・」

「排除です☆」

2人はこの際この変態から離れられるなら、
基本、他の事などどうでも良くなっていた。

「わかったよ。
この変態見なくてすむなら資料も渡すし、俺も消えてやる。
わかったら手伝え。」

「オッケー。反対する理由もねーし。」

「足手まといになったら見殺すから☆」

今やRの身長は5mをゆうに超えていた。

「やめろ!邪魔するなァッ!!
2人だけの楽しい時間なんだからよォッ!!!!!」

「…まあコイツで終わりなんだがな」
松葉はめんどくさそうに腕を振り上げ青い弾丸を放つ
すっとろい体にその巨躯なら
―シャッ!
「当たらなィィんだァァよッ!!」
さらに巨大(8m)になったRは松葉の腕を握り、潰す

ミシミキィと骨は潰れる

「グあァあああァァッ!!」
そして貨物へと放り投げる

すなわち茜の方へと
受け止められない
「松葉ちゃんッ!
“レ・ミオ・ロメン”ッ!
白い粉を巨大なマシュマロにするんだッ!!」

グチュア…ッ…

マシュマロは上手く衝撃を吸収をした
だが、
「ぐ あ ァァァァ! あ ああァァァァッ!」

ホルマジオにやられた体、Rによる攻撃の痛みが松葉を休ませない。

「ゴジラとかがよォ…すっとろいからってよォ……
この Rまでがとろいとは思わない事だッ!!」
Rは松葉の悲鳴を聞き更に巨大化する
「……いい いいぞォ松葉ッ!
その悲鳴ッ、その表情ッ、実にそそるッ!!

加虐心にまで火がつきRの巨大化(13m)は止められない。

「この ×××ッ!
SなのかMなのかはっきりしろよッ!」
「茜ぇ〜… お前の罵りも……
我が力となる……イイ…」
「お前!本気でキモイッ!!」

「熱くなるな、悦ばせるだけだ」
グライフはRには目を向けず、茜に言うと痛みに悶える松葉に触れた。
「松葉ちゃんに触るなッ!!」
茜は普段見せない熱っぽい表情で叫ぶ
「――俺のスタンド
Spunk Happyは痛みを快感に変える」

松葉は悶えはじめる

「うわ 松葉ちゃん…珍しく
顔 可愛いよ☆」
「……う るせ ぇ」
(てめえのさっきの顔のが珍しいッ)
快感に体が言うことを聞かない

「あッれェ〜?なんで真っ赤なのかな☆」
「――しかしホルマジオはどうしたんだか」


「『俺、 を 無視するなァァッ!!』」
R(7m)は叫ぶ


「ホルマジオが戻るまでは
あいつに関わらず小さくなるまで待つのが得策だ」
「みたいだねー」

「貴様等ァァッ!!」

どんどん巨大化するR。すでにその上半身は館の天井を貫いていた。

「お、おい。さすがにヤバくねえか…ありゃ…」
脅える松葉。その恐怖をグライフが増長する。
「ああ、マズイ。こんなことになるとはな。」
「ちょっとォー!?そんな無責任なァー!」
戸惑う茜。

「う、ぐおお、おお」

もはやRに言葉を発することはできない。完全に暴走状態になり、自我を失いかけていた。

「もうホルマジオがどうこうできる問題じゃあない。肥大速度がリトルフィートの縮小速度を超えている。」

「そんな…それじゃあ」
なすすべがないことを知り、ただ呆然と立ち尽す松葉と茜。それをチラリと確認し、グライフは言葉を続ける。

「…奴と俺は軍隊の出身だ。奴は今はただの変態だがな、戦場では英雄だったよ。しかし重ねる殺戮に奴は快楽を見い出し、それに取り付かれた。俺はそれを救いだしたかった。その結果が…俺たちのスタンド。」

静かに、血に濡れた手を見つめるグライフ。

「Rとは逆に…俺は全く快楽を感じない体になっていた。いくら快楽を人に与えても…神を慕おうとも…そしてそれを裏切ろうとな。救いも裁きも、俺たちには与えられない。」

Rがはるか上空からグライフを見付ける。

「ねえ!ヤバイよ!見つかったよ!!」


「グ…ライ……フ

タ ス ケ テ」

大きく足を振りあげるR。こちらに近付こうとしているつもりだろうが、もう制御ができていなく、その軌道は松葉たちの頭上に向かっていた。

「逃げろ。」
グライフが呟く
「でも!」
「いいから逃げろ!そしてケイに伝えろ。『あなたの過去を知る元同業者は、仲良く相打ちになりました。』とな…。」


ズガアアアアン


降り下ろされた巨大な足は、そこにあったものをコナゴナに潰した。

「グ…ラ…イ……フ」

かろうじて言葉を発するR。


「呼んだか?」


極小サイズのグライフがRの肩にのっていた。その横に、ホルマジオ。

「間に合ってよかったぜェー。このリトルフィート…小さくなることを受け入れれれば…効果は速効だぜ。靴ぞこの隙間を抜けられるぐらいの小ささぐらいならなァ〜!」

スッと黒いカードを差し出すグライフ

「金だ。好きにしろ…」
「ブ、ブラックカード!?へへへ…どうも。」
ホルマジオはRの体を綺麗に滑り落ち、闇に消えた。

ゴボオ!

グライフはスタンドの力で肩を裂いて体内に入り、突き進む。

「グガアーー!」
痛みに苦しむような声…しかしそれはすぐに快楽に悶える声に変わる。

「聞こえるか…?R…
終わらせる時がきてしまったようだ…
今からお前の心臓を…

コナゴナにする。」





ガト

ウ…


「ソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラソラァー!!!!」

Rは眠るように目を閉じ、膝をついた。スタンドが消え、小さくなるRの体。

「主よ。悶えるような悦びは、もういらない。どうか我等に『静かなる死』を…。」

Rとグライフは一体になるようにして、やがて絶命した。





「ケイ…」
呟く松葉。怒りをおびた吐息が白くなって散る。
「松葉ちゃーん。早く帰ろうよ」


「…」

ビュンッ

空に向かって、レーザーを打つ松葉。青い閃光が闇を一瞬照らし、消えた。


遠くで、ヘリの音がした。


〜『Deadly Silence』完〜

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