カレーライス王子コミュの特別読み切り『御退散』

蝋人形の怪『灯台鬼』４

カラス天狗：カァっ!!ご注進ですっ!!

茨木童子：なんだ!?騒々しいぞ

カラス天狗：申し訳ありません。緊急のことでございますので・・・

カラス天狗は、飛行可能であるために情報収集の任務もこなすのである。悪鬼よりも優秀な戦闘員として位置づけられている。

玉藻前：どうしたのかえ!?

カラス天狗：はっ!!本日、京の都におなごを調達に行っていた灯台鬼様が封じられましたっ!!

大天狗：本当か!?

カラス天狗：間違いございません

茨木童子：して、誰にやられたのだ!?

カラス天狗：カァっ!!源頼光という摂津源氏の祖となる者で、弓の達人に大男と忍者を従えております。

玉藻前：武士か・・・しかし、灯台鬼には悪鬼を１０匹つけておったぞえ。

カラス天狗：全滅でございます。

酒呑童子：不甲斐ないヤツめっ!!武士ごときにやられおってっ!!

カラス天狗：カァっ!!ご注進ですっ!!

大天狗：今度はなんでござるかっ!!

カラス天狗：朝廷の忍がカギまわっていますっ!!どうやら帝自ら宣旨を出したようですっ!!

酒呑童子：人間の分際でこのわしに逆らう気かっ!!その帝とやらを即刻殺してこいっ!!

カラス天狗：カァっ!!

茨木童子：お待ち下さいっ!!帝はその気になれば万余の軍勢を動かせます。それでは当方にも甚大な被害が出ます。ココは一つ悪路王にやらせてはいかがでしょう!?

酒呑童子：悪路王に!?しかし、ヤツは東北にいるだろう

茨木童子：ですから、源頼光などという輩を東北に向かわせます。

玉藻前：どうやるのかえ!?

茨木童子：大天狗殿にかかれば容易いことでしょう。

大天狗：確かに・・・拙僧のこの大羽扇があればたやすくござる

酒呑童子：なるほど・・・

茨木童子：東北から京までには、我らに服従する鬼や妖怪があまたいます。コレからがヤツらの地獄の始まりです。

酒呑童子：おもしろい・・・ぬわっはっはっはっはっ!!

謎のベールに包まれた妖鬼一族。そして、大天狗が持つ大羽扇とは一体!?
次回｢目玉をおくれ『目玉しゃぶり』｣にご期待下さい

妖鬼ファイル

データ０１

灯台鬼

本作：妖鬼一族の命により、京の都に若い女をサラうことを使命とする。武器は鬼棍棒と口から吐く白い粉。この白い粉をかぶると蝋人形になってしまう。

伝承：灯台鬼は人間ろうそく台のことである。遣唐使として中国に行った者が行方不明となる。
父の行方を探しに行った息子がある山で、不思議なものに出会った。
それは、頭にろうそく台をしつらえ、体にはびっしりと入れ墨があり、薬で喉をつぶされた人間である。話せないため、指を噛みちぎり、血でかかれた文章を見て自分の父だと分かり愕然としたという。ちなみに作られた話らしい。