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在原業平の魅力コミュの伊勢物語と古今和歌集  第八十段

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伊勢物語と古今和歌集  第八十段


やよひのつごもりの日、雨のふりけるに、藤の花を折りて人につかはしける
   ぬれつゝぞしひて折りつる年のうちに
     春はいくかもあらじと思へば  (春歌下 133 なりひらの朝臣)

「この藤の花は雨に濡れながら、無理に折り取ったのであるよ。一年のうちに春はもう幾日もあるまいと思っていたので」(久曾神昇)

 古今和歌集の歌では、その状況が不明であるが、伊勢物語の原文では、藤の花を折って人に遣わした人が、衰えた家の人で、家に藤の花を植えていたことが分かる。更に、原文では「人のもとへ折りて奉らす」とあるから、身分の高い人に送った状況が読み取れる。

 昔からの説では、時めく藤原氏に自分にも哀をかけてくれと頼み、雨の降るのみ気にしないで藤の花を遣わしたのだと。新潮日本古典集成の「伊勢物語」でも、この説を引用する。ただ、藤井高尚の「伊勢物語新釈」によると、「さる意にはあらじ」と否定する。

 確かに、除目は年二回で、春の除目は正月十一日からの三日間。秋の除目は八月と、弥生での官位に関しての動きはない。
 
 香川景樹は古今和歌集の詞書にある「つごもりの日」は伊勢物語にあるように、ざっくりと下旬という意味なのだろうと古今和歌集の詞書に疑問を呈する。むしろ、歌の下の句「いくかもあらじ」は伊勢物語の文と平仄を合わしているという。古今和歌集の詞書は伊勢物語から下手に挿入した結果なのではないかと推測する。

 

原文
むかし、おとろへたる家に、藤の花植ゑたる人ありけり。三月(やよひ)のつごもりに、その日雨そぼふるに、人のもとへ折りて奉らすとて、よめる。
 ぬれつつぞしひて折りつる年のうちに
  春はいくかもあらじと思へば

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