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高木神話コミュの高木ファミリー 第一部 クダンシタ

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国道沿いのガソリンスタンド。


真冬で凍えそうな寒さ。それを追うように風が吹く。
セダンの窓を何枚、拭く?


年の瀬まったく忙しいのに、バイトの店長イチイチうるせえ。

行ったらおはよう。
明るく迎える。
二言目には「この日、入れる?」

やりてぇ事がヤマほどあんだよ。
時間が足りねえ22歳は。
窓拭きなんて一生やらねえ、どうせやるなら死ぬまでラッパー。
毎日ラップ、包み込む日常、瀬戸内寂聴 読む日常
バイト毎日入れるわけねえ。店長要求、多すぎんだろ。ハイオク満タン約20ガロン。

まさにスタンド、立ちっぱなし。
社員が少ねえオレら野放し、手放しで喜べーないオーライ
頼りを断れーないオーライ。

オレのモットー知ってのことか。




「頼りにされたら最善を尽くす当たり前」





それを知っての行動かな。
大丈夫だけど、この日どうかな。



まあまあ、いいよ、やってやるよ。
オレはそれをわかってやる。
若い時の苦労、買ってやる。


しかし、まったく忙しい。
鬼の手も借りてえぐれえ、
蟹の爪吸いてえぐれえ。



あ、今のは言っちゃあダメだった。

忙しいって言ってはいけない。
人の悪口も言ってはいけない。


オレはあの日に誓ったんだ。
真夜中の3時、西五反田。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ピンポーン....。


深夜3時をまわっていた。店員を呼んでも来るスピードが遅くなっていた。


静まり返った西五反田の居酒屋。



テーブルの上の冷めた唐揚げを、胃が拒んだ。


気付いたら高木さんがそれをたいらげていた。

さらにブリの唐揚げと、鶏のムネ肉の唐揚げを注文していた。

高木さんに今日紹介されたばかりのショウコさんという人と3人で呑んでいた。

ショウコさんが揚げたてのブリの唐揚げにポン酢をかけ過ぎていた。


皿の中のブリの唐揚げは1cmぐらいポン酢に浸かっていて、8分の1カットのレモンが皿の中で浮かんでいた。
そのレモンは鬼ケ島を目指す舟のようになっていた。


ポン酢を何も聞かずに、ここまで浸すところをみると、この人なんか変なんだろうなと思った。


高木さんは1時27分に注文していた冷え切ったカルボナーラきしめんを今頃すすっていた。

高木さんの下唇についた卵黄と黒コショウが、オレの食欲を無くさせた。



高木さんはお腹いっぱいのはずだ。


するとゲップをした。

そしてその臭いがオレのテンションを格段に下げた。


女性へのエスコートは国際級の高木さんだが、ゲップをする姿は日常でもよく目についた。

皇太子と庭をお散歩したとしても迷わずゲップをするのだろうなと思った。



するとショウコさんが口を開く。

「最近、派遣で新しい子が入って来たんだんだけどその子の作業が全然遅くてさ、全部アタシにしわ寄せがきてもう最悪。」

「リーダーからは、まだ出来ないのかってアタシが怒られるしさ、リーダーもミスしてばっかりなのに。」

「しかもあの子、アタシと一緒にやるとやりづらいとかサチコにいろいろ悪口を言ってたらしいよ。」

「そのうち、あの子はアタシが泣かせるから。泣かせて辞めさせるから。そういうのはね、泣かしちゃえばいいんだよ。」





高木さんは何も言わずに聞いていた。


その後も延々と話が続いた。



目の前で話しているのにテレビを見ているようだった。
そしてなんだかかわいそうな気持ちが胸を込み上げてきた。
そのしわ寄せは幸せには変換できないのだろうか。

「明らかに違う空気」

コレはどうやって読むんだろうか?
たぶん読めないんだろう。


間があくとショウコは、小さな顔の小さな鼻の穴をほじった。
きれいな指のきれいなツケ爪を耳かきのように器用に使っていた。

ショウコがまた口を開いた。


「それでその子の締め切りが迫ってくると、結局アタシに聞いてくるの。」

「やっぱりやり方教えて下さい。だってさ。どう思う?」




高木さんが口を開いた。




「悪口ばっか言ってないで、頼りにされたら最善を尽くしてあげればいいと思う。」





ショウコさんは黙ってしまった。



よし。

よし、高木、潔し。

ショウコに高木さんの放った一言がズバッと突き刺さった。





その場は一瞬で静まり返った。


そして、突き刺さった胸の痛みからかショウコはついに泣き始めた。



瞳から涙として出てきた悪口が、ショウコのプリーツスカートに染み込んでいった。
当たり前かのように折り込まれたスカートの折り目を少し緩ませた。


高木さんの一言は、痛みと熱を抑えるのではなく、痛みと元をダブルブロックしていた。


当たり前かのように蔓延する悪口。

悪口を言う環境、聞く環境。

悪口連鎖症候群。

そして泣いてしまったショウコ。





それは今まで止まることを知らなかった。


高木さんのゲップは止まることを知らなかった。


コメント(2)

「AKB48」の姉妹ユニット「高木48」の情報が近々ヤフーニュースのトップに挙がるらしい
知ってる。
高木と48人の盗賊だろ?
高田馬場を中心に活動してるあの48でしょ。

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