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小林秀雄 (批評家)コミュの「兄・小林秀雄から学んだ感受性の育て方」

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致知出版社の「人間力メルマガ」を転載します
>【2011/7/28】 致知出版社編集部 発行

−『致知』2001年10月号 特集「先知先哲に学ぶ人間学」より−
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「兄・小林秀雄から学んだ感受性の育て方」
               高見澤潤子(劇作家)

兄に感受性を養い育てるには、どうしたらいいかと聞いたとき、兄はこう答えた。

「始終、怠ることなく立派な芸術をみることだな。そして感じるということを学ぶんだ。立派な芸術は、正しく豊かに感じることをいつでも教えている。
 先ず無条件に感動することだ。
 ゴッホの絵だとかモーツァルトの音楽に、理屈なしにね。頭で考えないでごく素直に感動するんだ。その芸術から受ける何ともいいようのない解らないものを感じ、感動する。そして沈黙する。その沈黙に耐えるには、その作品に強い愛情がなくちゃいけない」

 感じるには、理解力とか判断力とかいうものではなく、心の才能というものが必要なのである。子どものような純粋な謙遜な気持ちがなくてはならないのである。

 いろんな知識を得、経験を重ねると、こういう素朴な心を、私たちはみんな失ってしまう。人間は心の底から感心し、感動しなければよいものは創れないし、よい考えもおこらないと思う。

また、個性について兄がこんなことをいったのを覚えている。

「人間は、自分より偉い、優れた人に出会ったら、その人を心から尊敬できるようなナイーブなものを持っていなくちゃ駄目だ。他人への信頼と無私な行動とが一番よく自分の個性を育てるものだ」

 私はこの言葉を聞いたとき、正直なところ、本当にそうなのかと疑問を持った。
 個性というものは自分に与えられているものだから、自分が育てなければならない、自分の個性と思われるものを努力して、苦労して、自分で磨き上げなければならないと思っていた。
 しかし年をとるとともに、この言葉が真実であることがわかってきた。個性を育てるのに、たいていの人は私のように誤解して、間違った方向をとってしまう。
 ことに、人を尊敬するとか、他人を信頼し、無私になることは却って自分を殺してしまうと思って、俺が俺がという気持ちを持とうとする。そうすれば、ますます個性を育てることは難しくなるであろう。
 兄のいうように「心から尊敬できるナイーブなもの」が大切なのである。
 (以上、「人間力メルマガ」より)

 昭和の批評家の至言と思う。参考になれば、幸いです。

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