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『世界の肖像』コミュのチャド

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普段メディアに登場しない国名が、
今月、突然、見られるようになった。

アフリカ中央部の国、チャド。


アフリカの国が、世界のメディアに登場するのは、
たいていは内戦か災害で、
しかも、それが先進国に影響する時くらいだ。


そして、このチャドのニュースも内戦がらみで、
反政府軍が首都ンジャメナを攻撃・・・というものだった。

まあ、チャドの内戦は、ずっと前からだけど、
今回は、政権が転覆しそうだというのと、
外国人が、国外に非難した・・・ってことで、
注目が集まった。



チャドの大統領のイドリス・デビーは、
1990年にクーデターで政権を握って、
それ以来、ずっと軍事独裁政権だ。

一応、1996年からは、
大統領は選挙で選ばれているって建前にはなっているが・・・。



さて、このデビーは、人口の3%ほどの
自分の部族を優遇した政策を行っていて、
国中で不満の声が高まっていた。

そんな中、2004年に、
3期続けて大統領になることを禁止した憲法を、
デビーは、無理やり変えて、
2006年3期目の大統領に「当選」する。

そんなわけで、このデビーに嫌気をさした
閣僚やら軍人やらが、
政府を抜けて、反政府組織を結成。


と、これだけを聞くと民族問題?・・・
・・・って思うかもしれないけど、
話は、もうちょっと複雑・・・というか、
ある意味簡単かもしれない。



反政府組織の一派を率いているティマネ・エディミは、
デビー政権の元スタッフで、
実は、デビーと同じ部族・・・っていうか、叔父さんだ。

つまり、必ずしも「民族が」って話じゃない。


実は、チャドでは石油の油田が見つかって、
2003年には、大西洋の港への石油パイプラインが完成。

石油は、輸出の8割を占めるようになり、
2004年の経済成長率は30%にもなった。


このお金をデビーは
「チャドの貧困対策なんかに使う」と、
国民や、石油施設開発のために金を借りた先進国に
約束したんだけど、あっさり変更、
お隣の国との戦争資金に使ってしまう。


そんなこんなで、
チャドは、先日の世界経済フォーラム、
通称ダボス会議のレポートによれば、
131か国中、最も国際競争力のない国となっている。


民族問題ってよりも、
デビーが独占している利権の分け前をよこせよ!
・・・ってのが、本筋かもしれない。



そして、戦争しているお隣の国も、
チャドの内戦に大きく関わっている。

お隣の国とは、スーダンだ。


このスーダンが、チャドの反政府組織に、
武器や資金を提供していると言われている。


スーダンには、パイプラインの話とかで、
チャドの政権に、干渉したがっているんだけど、
ちょうどそのスーダン政権とチャドとの間に
しっかり取り囲まれるようにダルフール地方がある。


チャドが混乱すれば、
ダルフールの人々は、事実上、孤立する。

デビー政権に言わせると、
「スーダンは、ダルフールの虐殺問題を隠すために、
チャドを混乱させようとしている」と言う。



利権を独占する軍事独裁政権と
そのデビーを支援してきたアメリカを初めとする国際社会。

反政府組織と、それを支援するスーダン政府。

ちなみに、戦争の主要な原因の一つである石油の、
チャドの1年の総輸出額は、30億ドルに満たない。

これは、アメリカの対イラク戦争の戦費の
2週間分よりも少ない。


2008年2月4日、国連食料計画WFPは、
今すぐ治安が改善されなければ、
チャドとダルフールの40万人が危険にさらされるだろうと、
声明を発表した。

今回のチャドの混乱で、
国連をはじめ、
セーブ・ザ・チルドレン、国境なき医師団、
オックスファムなど、たくさんのNGOが、
ダルフールの難民や、
チャドの貧困状態に置かれている人々に対し行ってきた支援が、
今、止まろうとしている。


争いの中、人々は、生活の場を奪われ、
逃げる当てもなく、孤立しようとしている。

今、閉じられようとしているこの場所が、
再び開かれたとき、
わたしたちが目にするのは、
いったいどんな光景だろうか。

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関連リンク
ワシントン・ポスト
Reprieve in Chad Gives Thousands a Chance to Flee
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/02/04/AR2008020400251.html

ニューヨークタイムズ
Gun Battles in Chad’s Capital as Rebel Forces Storm In
http://www.nytimes.com/2008/02/03/world/africa/03chad.html

IRIN
CHAD: Darfur refugees denounce rebellion
http://www.irinnews.org/report.aspx?ReportID=76571

セーブ・ザ・チルドレンの声明
Entire humanitarian operation across Chad at risk
http://www.savethechildren.org.uk/en/41_4148.htm

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)
Chad: Warring Sides Must Protect Civilians
http://hrw.org/english/docs/2008/02/04/chad17977.htm

世界経済フォーラム(ダボス会議)のレポート
http://www.gcr.weforum.org/


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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=204329174&owner_id=5766188


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写真
1.装甲車と車
2.脱出する外国人
3.外務省のチャドに対する渡航情報(危険情報)の発出(2008/2/5)


コメント(19)

上に立つもの達の欲が、なくならない限り国が良くならないと思う…
背筋が凍りました。
彼らはまた見放されてしまうのでしょうか。
何とか救いの手を差し伸べて欲しいです。

とりあえず出来ることから・・・
メールアクションなど、自分に今すぐ出来ることを探してみます。
情報ありがとうございました。
もしも日本に資源があったなら、結果は同じでしょう。
資源がなかったからみんなで働いた。
幸せを感じます。

その日本がまだODAで後進国から永久に金利を奪おうとしています。
自分の無力を感じます。
新聞などで読んでも背景が良く分からず、反政府勢力は何を求めているか、等不明な事だらけでした。
いろんな方面の利権に絡んだ争いに、結局一般市民が巻き込まれてしまいます…
同じ事がいろんな所で起きてしまう…
なんでこうも金と石油で人の命が軽くなってしまうのか・・・。

またダルフールに悪い影響が・・・。

いつもわかりやすく教えていただいてありがとうございます。
新聞でも目にするので気になってましたもうやだ〜(悲しい顔)
1番苦しめられるのは子供たちだったり、
弱い立場の人々なんですよね・・・・。
どうしたらこの人々が笑顔で幸せに暮らせるのでしょうか?
世の中には、理解できないことが多すぎます。

ミッシェルさん

 ご無沙汰してます。

 実は、今日、チャドのことを考えていたのです。奇遇ですね。視線をどこに向けているか、ということを考えれば奇遇でもないかのでしょうね。

 スーダンの治安は昨年来より悪化の一途を辿っていたようなので、チャドのことが気になってました。

 チャドには、知り合いの日本人が、学校を開校しているのです。

 ではでは ヨッシー
貧困差はあれど、国の権力者のアホさ加減は、日本と変らないですねたらーっ(汗)
自分だけが裕福になること、自分に都合がいいようになることしか考えていないバッド(下向き矢印)
国民のための政治ではない涙
●自分は今後どのように生きればいいのでしょう??  あと30年〜50年ぐらいのあいだなのでしょうか??  動物達はみな、人間の生活のトバッちりで最悪に追い詰められ、惨く死に絶えていきます。   ●自分は自分を変えられません!!  人類は、現市場経済の根本の根をシフトし 新たな社会と経済、国家同士の新しい関係性を築いていくことは、、おそらく今後の人類にも出来ないでしょう。     ●なにも分りません/戦争は人間のためなのでしょうか??  私達経済大国の温室にいる者達、、明日から生活の何かを 徐々に徐々に減らしてゆくことは出来るのでしょうか??  人間が生きていくということは、減らすよりも「※増やす」ことに主体があります。   自分も皆(人類)も、全部残念かもしれません==    最近、、正直行く末に「限界」を感じます。   お粗末!!     …未来って、、人が思う「未来」に 実態はあるのでしょうか??   人類は、いまのところ ここにしか(Only.地球)、居場所がないのですからヾ(@°▽°@)ノ

から、カラ からぁ〜〜   夜中のlonlyマン でした。
うーん、身内の問題が、国際問題へと発展していく、、、。

大学の先生が、『農業をする上で、規模が大きくなるに従って、より細心の注意が必要である』といっておられました。ほんの小さな失敗が、のちに雪だるま式に大きくなっていくことへの注意でした。

国家間の問題、内政の問題など、複雑な問題が絡まりあっているわけで、ここで、とやかく述べる必要もないと思うのですが、本当のことの発端は、ほんの小さなことだったかも知れないのでは、と、思う今日この頃です。
私も突如として新聞にチャドが出てきたので真っ先に読んでみたら・・・・
やっぱりこういう記事なんですよね。
ダルフールとの関係の話は興味深いですね。
しかし、いくら現代アフリカの成り立ち、またそこから来る構造的な問題から立ち直る、まともな国への歩みを進めていくのは困難なのは当然なのかもしれませんが、やはり国のリーダー達が国全体のこと考えた志を持っていればその困難さはもっともっと違ったものになっているのだと思いますが。

我々や欧米のような豊かな暮らしをしているものがアフリカの不条理の大きな要因の一つにもなっていて、またそこから目をそむけないこともとても大きな要因です。
しかし、アフリカの国々、特にそこのリーダー達にも大きな要因があるように思います。
問題の要因があるということは、そこがなんとかなれば変わっていけるということなので我々は実際は注視することしかできませんが、アフリカが自らの力でできるところだけでも変わっていってほしいと思います。
 はじめまして。いつかはアフリカにも行きたいと思っていて、ただ大自然に触れてみたいと思っていました。

 スーダンやチャドの情勢については、時々、Africa on lineというメルマガで知るくらいで、講演とかも聞きたいと思っていました。

 アメリカが開発独裁政権を支え、そこから利潤を絞る取る手口は常習手段です。しかし、これを国際的に裁けないのが、なんとも悔しい。デビーのこと、もっと知りたいし、チャドの歴史的な背景も知りたくなりました。

 ミッシュルさん、何か、入門編として、お勧めの本はあるのでしょうか?
 
“国際反政府軍、南スーダンの油田地帯を制圧”
2013/12/23-03:09 東亜日報 donga.com
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=013&bbs_id=64008669
 

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