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『世界の肖像』コミュの「この子はジャンジャウィードなの」

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「この子はジャンジャウィードなの」

ニューヨークタイムズの記事の中で、
腕の中に抱いた女の赤ちゃんを見つめながら、
16歳の少女は、そうつぶやいた。



アフリカで最大の国スーダン、
そのダルフール地方では、

スーダン政府軍と、
ジャンジャウィードと呼ばれる
スーダン政府にバックアップされた
アラブ系の民兵たちによって、
非アラブ系の人々に対する攻撃が、
2003年より激化。

村々を爆撃し、家に火を付け、破壊し、
略奪、レイプ、そして虐殺を行っている。

そして、それは、4年経った今も続いている。



16歳のファトマ(Fatouma)ちゃんは、
青いビニールシートで作られたテントの中、
藁(わら)のシートの上、
自分の腕の中で、もぞもぞしている、
5日前に生まれたばかりの赤ちゃんを、
1日中見つめている。

そして、何度も何度も、
赤ちゃんの手や足の指を数える。



戦火を逃れて、
難民キャンプにやってきたファトマちゃんは、
キャンプの他の女性たち同様、
生活するためのお金を稼ぐために、
キャンプの外へ、焚き木を集めに行った。

しかし、そこには、
ジャンジャウィードが待っていた。


「ジャンジャウィードが追いかけてきて、
 でも、わたしは、早く走れなくて。

 彼らは、わたしを捕まえて、
 わたしを殴ったわ。」


彼女は、5人の男たちに、
一晩中、繰り返しレイプされた。

朝になり、彼女は逃げだした。

「お母さんは、わたしを見て泣き出しました。」


数ヵ月後、彼女は、
変な痛みを感じるようになった。

はじめのうち、彼女は、それを無視しようと努めたが、
やがて、お腹が大きくなり、
お腹の中で、何かが動くようになった。

お母さんに連れられ受けた診療所の検査は、
ファトマちゃんの妊娠を証明した。

「わたしは、泣き続けました。」



しかし、苦しい出産は、彼女を母親に変えた。

「お母さんになれて、わたしはとても幸せなの。
 この子を、心から愛しているわ。」

5日前に出産を終えたばかりのファトマちゃんは、
赤ちゃんを見つめながら、そう言った。

押さえられない母乳が、
Tシャツに、染みをつくっていた。


だが、美しい母子のシーンとは対照的に、
この母子の将来には、暗い影が差しかけている。


「赤ん坊は、しばらくは、
 私たちと共に暮らすだろう。」

ファトマちゃんの村の族長
アドゥーラは、そう答えた。

「私たちは、この子を、
 自分たちの子どもとして扱う。
 
 だが、この子の成長については、
 慎重に監視していく。


 もし、この子が、
 ジャンジャウィードとして振舞うようになれば、
 もう、この子は、
 われわれとは共に居ることはできない。」


「ジャンジャウィード」として生まれた子どもたちには、
たとえ戦争が終わっても、
辛い人生が待っているかもしれない。

そして、宗教や風習の中、
レイプされた女性は、
結婚も、新しい子どもを
産むこともできないかもしれない。


援助団体や助産師の話によると、
レイプは日常茶飯事であり、
ファトマちゃんのいるアルリヤドの難民キャンプには、
レイプの結果生まれた赤ちゃんが、
20人以上いるという。



国連や様々な人道援助団体は、これまで、
2003年1月の、
別々な男に、15回もレイプされた
ワディ・ティナ(Wadi Tina)さんや
2004年3月に、
10歳の少女を含めた16人の少女たちが、
150人の兵士に誘拐され、
レイプされた話など、
ダルフールの女性や子どもたちの惨劇を、
いくつも報告してきた。


それに対し、スーダン政府は、
組織的なレイプ攻撃などは存在しないと主張している。

外務大臣のジャマル・イブラヒム(Jamal Ibrahim)、
「人道団体、援助団体が
 自分たちの活動のために作り上げたフィクションだ」と
語った。



今年2007年2月27日、
国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官ルイス・モレノ・オカンポは、
スーダン政府の人道担当大臣アフマド・ハルンと
ジャンジャウィドのリーダーであるアリ・クシャイブに対し、
誘拐や殺害、レイプなど、
51件の罪状に関する100ページに渡る証拠を、
ICCに提出した。


2007年3月3日、
国連婦人開発基金(UNIFEM)のエグゼクティブ・ディレクター
ノエリーン・ヘイザー(Noeleen Heyzer)は、
ニューヨークタイムズに寄稿の中で、
ダルフールをはじめとして、世界中で、
女性や子どもが、戦闘の重要なターゲットとなっていて、
「女性と子どもたちの体そのものが、
 戦場となってしまっている。」
と、訴えている。



2005年2月に、ファトマちゃんの記事が、
ニューヨークタイムズに掲載されてから、
すでに、2年半が過ぎた。


当時、数万人と伝えられていた
ダルフールの死者の数は、
今や20万人以上となった。

現在、ダルフールでは、
250万人が、住む場所を終われ、
420万人が生活基盤を奪われ、
援助を必要としている。


人道援助団体コンサーンのディレクター
ジャヌ・ラオ(Janu Rao)によれば、
2006年には12.3パーセントだった
5歳以下の子どもの栄養失調率は、
今年に入り、緊急ラインの15パーセントを超え、
17.4パーセントとなった。

そして、1.4パーセントの子どもたちが、
深刻な飢餓状況におかれている。


1万3千人もの人道援助団体のスタッフが、
ダルフールの人々のために働いているが、
国連人道問題調整事務所 (OCHA)の
スーダン北部マネージャー
マイク・マクドナー(Mike McDonagh)は、
人道援助に対する妨害、攻撃は、
日に日に悪化しているという。

今年は、すでに80件の、
人道援助に関わる車両が攻撃され、
殺害事件も起きている。



もし、2人が無事であるならば、
ファトマちゃんは、18か19、
赤ちゃんは、2歳半になっていることだろう。


「わたしの夢はね、
 いつか、結婚することなの。

 わたしとわたしの赤ちゃんを愛してくれる、
 そんな人と結婚したいの。」

ファトマちゃんは、
2年半前に、そう語った。


彼女は、そして、あかちゃんは、
今も無事でいるだろうか。

そして、彼女は、
その夢を、今も信じているだろうか。

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関係リンク
ニューヨークタイムズのファトマちゃんの記事
Darfur's Babies of Rape Are on Trial From Birth
http://www.freerepublic.com/focus/f-news/1340944/posts

ロイター
Child malnutrition above emergency in West Darfur town
31 Jul 2007 16:18:14 GMT
http://africa.reuters.com/top/news/usnBAN132763.html


国連の9つの機関が立ち上げた
「国連紛争下の性暴力に対抗する活動」
(UN Action Against Sexual Violence in Conflict)

屈辱の戦争
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16020904&comm_id=1808806

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スーダン・ダルフール関連
スロベニア、スーダン、ダルフール、その1
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=199385316&owner_id=5766188

スロベニア、スーダン、ダルフール、その2
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=204329174&owner_id=5766188

「後、10日で、世界が終わります。」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=223830336&owner_id=5766188

スーパースター
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=225840166&owner_id=5766188

What is going on in Africa? - A message of "Hotel Rwand"
映画『ホテル・ルワンダ』主人公
ポール・ルセサバギナ氏の講演の抜粋
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=228940955&owner_id=5766188

コークとカフェとアイスクリーム
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=251705060&owner_id=5766188

どこまで歩けばいいのだろう
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=290623277&owner_id=5766188

どこか遠くの知らない人たちの話
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15372920&comm_id=1808806

"迷子の男の子たち"
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=17466928&comm_id=1808806

人びとの星が人びとを見守る-ダルフールを見つめる目(Eyes on Darfur)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19273218&comm_id=1808806

誰かが、この世界を変えてくれるのを、ただ待ってるなんて出来なかったの。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19463324&comm_id=1808806

ER緊急救命室とダルフール
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20571983&comm_id=1808806

7月のダルフール・ヒーロー
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20606593&comm_id=1808806
-----------------------------------------------------

アムネスティ・インターナショナル
ダルフールを救え!
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=503

「Eyes on Darfur(ダルフールを見つめる目)」
http://www.eyesondarfur.org/
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19273218&comm_id=1808806

Oxfamのダルフール支援のページ
http://www.oxfam.jp/sudan/index.htm

ダルフールのためにできること
http://mixi.jp/view_event.pl?id=21347460&comm_id=1808806
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写真
ニューヨークタイムズの記事より

コメント(45)

レイプは被害者の一生をズタズタにしてしまう力を持っています。加害者は罪悪感を持っていないかもしれませんが。

ファトマちゃんと赤ちゃんが、
そして似た境遇の世界中の女の子と赤ちゃんたちが、
自分自身を心から大切に思って生きていかれますように。

そのために、遠くを見据えることを忘れないだけでなく、
私たちの半径3メートルでもきちんと声を発し行動する勇気を
持っていたいと思います。
皮肉ですね

日本は少子化で困っているのに…

やはり戦争は許せませんね

なぜ、愚かなことを繰り返すのでしょう

それは調律を満たすためexclamation & question

あわや、権限exclamation & question

平和な日々が来ることを祈ります涙
ニューヨークタイムズだとわざわざネットで調べなくても新聞を買ってる人達は読みますよね。
どう感じてるのかなぁ。
そして何か活動を・・募金でも何でも。
している人達はどれだけいるのかな。
もっと沢山の人達の心に届いて、具体的な支援なり活動に繋がってほしいです。
とってもキレイな目をしたあかちゃん。。。
この目に映るものはこんな現実ではいけない。
あなたが生まれたことで私たちはこの事実を知ることができたから、自分のことを大切に、愛されて生きてほしいです。
本当に目がとてもきれいですね。
アラブ系も、非アラブ系もない。
生まれたばかりの赤ちゃんは天使そのものです。
澄んだ瞳がこのばかばかしい紛争に訴えかけているようで、胸に突き刺さります。

レイプしているジャンジャウィドも、命令されているだけで本当はそんなことしたくない人だっていたでしょう。
こんな狂ったことはなんとしてでも終わらせないといけませんね。
レイプが兵士にとって快楽じゃなく苦痛を伴うものだったらこんなことにならないのだろうか。
産まれた子供を見て兵士は愛を感じないのだろうか。
そんな脳みそもないのだろうか。
その赤ちゃんにとってみたらその事件がなければ産まれなかったわけで。思考の迷路に陥ってしまう。

今はまだいい答えが見つからないのだが、必ず止めさせるように働きかけていきたい。スーダン政府が言うことをきく方法がないものだろうか。
本当にこのような話を知る度に胸が苦しくなります。
私達が平和に過ごしている今もこの地球のどこかであってはならないことが起きているのかと思うとなんて不公平なんだって思ってしまいます。
人間(ヒト)として生きている意味をもう一度考えてほしいですね。
この国には金融資産が1500兆円あります。
郵貯と銀行定期預金、400兆円あります。
10兆円くらい、アフリカに使うよう内閣府にメイルしましょう。
返して貰うのは100年くらい先でいいんじゃないでしょうか。
一兆円くらいで、日本で教育するなんて、どうでしょう。
成人したら50年くらいかけて返して貰えばいいんじゃないでしょうか。
一人、百万円使っても、十万人呼べますよ。
今の自分に出来ることはなんだろうか…。まずは何が起っているか知ることからはじまるとはよくいうけど、知るだけで変わることは少ない。行動を起こさなければ変わらない。お金を寄付すること、それも一つかもしれないが、日本人は金銭的な援助ばかりに力をいれている気がする。今の自分に出来ることはなんだろうか…

 ミッシェルさん―…。
 有難うございます。

 
醜い人間の姿に、読んでいて吐き気を催しました。
遠い国で毎日を忙しく生きる人間にとって、何ができるでしょうか?
今こうしている間にも、残虐な行為が行われていることを思うと、とてもむなしくなってしまうけど、現実を直視することから、未来への一歩が始まると思っています。
赤ちゃんには罪はないです。レイプした男達を憎んでも彼女は母になった事を喜んでいる。深い深い母性です。戦争には何も残りません。
もし残るとしたら深い悲しみだけでしょう。弱い者から犠牲になっていくだけの戦争。なんで気づかないのでしょうか。。
みしぇるさん、記事ありがとうございます。少しでも世界が良くなるように、今私が何か努力しても無力で無意味なものにしか思えないのですけど、それでも0.000000000001位、それ以下でも少しでも良くなるために頑張ります。
村の族長の言葉が印象的でした。
「ジャンジャウィードとして振舞うようになれば…」

この罪のない子が、どんな振る舞いをすれば、そんな風に思われてしまうのか私には分かりません。もしそれが、他の人と違った行いを意味するなら、それはさらなる不幸の種となる可能性があります。この子どもがお母さんとともに、村でいわれのない差別を受けていないことを願うばかりです。
久しぶりに書き込ませてもらいます。

レイプではないですが
私の友人の女のヒトが
今日流産しました・・・

相手の男は堕胎して欲しかったみたいです。
彼女は生むつもりでしたが、
結果的に流産した形になりました。

もし、その赤ちゃんが生まれたとして
幸せになれたのでしょうか?

生まれる方が良かったのでしょうか?
生まれない方が良かったのでしょうか?

その答えは分かりませんが、
生まれる子供自体に罪はありません。

いろいろな環境・状況で
赤ちゃんは生まれます。

赤ちゃんは親を、場所を、世界を選ぶことができません。

全ての赤ちゃん、全てのヒトが幸せになることなんて
夢のこと、非現実的なことかもしれません。

ただ、一人でも多くの赤ちゃんが望まれて生まれて欲しいと思います。

オーム ナマ シヴァイ
世界人類が平和でありますように。
スーダン政府の言葉が、従軍慰安婦や集団自決に対するどこかの政府の言葉と重なりました。

ダルフールに国連の平和維持軍がようやく派遣されたと聞いています。まさに遅きに逸した感がありますが、今後少しでも状況が改善され、虐げられてきた人々に希望の光が見えてきますように。
いつも、ありがとうございます。
言葉になりませんが、彼女たちが一刻もはやく、安心した、生活を営めるようになることを祈念するだけです。
知らなかった・・・・

知ろうとしなかった・・・・

今はただ知っていこう。

何ができるかはまだわかりませんが・・・・

ミッシェルさん、ありがとうございます。
レイプも戦争の一つですね。宗教戦争ならなおさらです。

罪もない子供も他の人に取ったら戦争の爪痕となり、警戒しないといけないなんて、辛いです。
罪の無い無垢な子供、のはずなのに・・・
生まれたときから足かせをはめられた子供達が一杯誕生している悲しい美しい惑星・・・

この子供達が人間らしく暮らせる環境をどうしたら創っていけるんでしょう?
外務大臣ですら自分の国で起きていることに
目をつぶっている、そんな事態に
腹が立ちます。
 去年の10月頃に大事件が起こるかもしれないっていうのをどこかで見ていて気になっていたのですが、ダルフールのニュースを聞くことがなくホッとしていました。
 きっと簡単には解決できないことなんでしょうね。現状を見守りつつ、一人でも多くの人が救われるよう願うばかりです。
ジャンジャウィードの存在は知っていましたが、これほどまでに悲惨なこととは…
記事を読んでて涙が出てしまいました。。。
レイプ…読んでてとてもつらくなりました…特に同じ女としてすごくすごくつらいことです。。。
何からも恐れる事なく民族やグループの争いがない世界になってほしい。心からそう思いました。。。
戦争という狂気がそうさせた

みんながやってるから

性的虐待は絶対にゆるせない!
何が原因なんですか?こんな形で子供ができて・・
むしろターゲットになってる?
これらが先進国と呼ばれる国のしわ寄せであるなら
何か私達に出来る事はありますよね?

いつになったらこの悲惨な状況に終止符を打つのでしょうか。。
読んでいて胸が痛みました。
許しがたい行為に援助している中国はオリンピックを開催。
おかしいですよね。
ミッシェルさんの足跡を見て来ました。
私も昔はささやかながら自分ができる事をしていましたが、最近は何もしていなかったので、こちらの記事を読んで、やはり続けなくてはいけないと思えました。
このコミュニティーに導いてくれてありがとうございます。
ジャンジャの連中の村もまた、ずいぶん貧しいものです。
WFP援助の横流しでやっと生きているような村がほとんどです。憎しみの構造、不理解の構造を再生産しているものは
なんなのか、それをみつめなければ悲劇は生み出されつづけ
ていきます。・・・・日本政府は、アメリカ主導の枠組みの
なかでの南部スーダン支援には熱心にみえますが・・・・
怒りを論理へ、そしてささやかな行動へ。

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