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『世界の肖像』コミュの「わたしは、彼女と、すばらしい人生を過ごしてきた。」

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これは3回シリーズの最終回です。

まだご覧でなければ、
どうぞ、以前の2つをお読みください。

「みんな、わたしを見捨てたわ。」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21090192&comm_id=1808806
「アフリカで女性として生きるということは」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21156949&comm_id=1808806



2003年から激化した虐殺により、
200万人もの人々が住む家を失い、
20万人以上の人が殺されている場所、
スーダン・ダルフール地方。

今、地上最悪の現場と言われるこの地で、
メッカ(Mecca Mohammad Ibrahim)さんのお産が始まったのは、
2006年5月のことだった。


しかし、赤ちゃんは死んでしまい、
そればかりでなく、
メッカさんは、出産後、
排尿を抑えることができなくなった。

彼女は、フィスチュラになった。


産科フィスチュラ(Obstetric fistula/産科ろうこう)とは、
長時間の難産など時に、
帝王切開などの適切な医療が受けられず、
産道に穴が開いてしまった状態だ。

産道の穴が直腸や尿道膀胱に達し、
患者は、排尿や排便をコントロールできず、
「垂れ流し」の状態になってしまう。


ただし、予防可能であり、
先進国では、ほとんど稀となっている。

また、治療により治る病気だ。


だが、その臭いや、恥の意識から、
多くの患者たちが、社会や家族から孤立し、
拒絶されている。


メッカさんも、それからは、
家族と離れ、1人で食事を取るようになった。

家族の人たちは、メッカさんの臭いに、
絶えられなかったのだ。


世界では、
フィスチュラ患者たちの夫の多くが、
彼女たちを捨て、離婚したりしている。


しかし、メッカさんの夫、
オマル(Omar Abdullah Al Bakar)さんは、
そうはしなかった。

彼は、メッカさんを、
街の病院まで連れて行くことにした。

「アルファシャの街までは、
 100キロくらいかな。
 
 車で、1,2時間くらいの距離だからね。」

だが、オマルさんが言うほど、
実際は、そんなに簡単な話ではなかった。


雨季で、舗装されていない道はぬかるみ、
オマルさんは盲目だった。

そして、なにより、ここダルフールは、
戦場の真っ只中だ。


それでもオマルさんは、
メッカさんと、2人の子どもを連れて、
街の病院を目指し、出発した。

だが、やはり、そこでは、
武装した集団が待ち受けていた。

「やつらは、わたしたちの持ち物を、
 ほとんど全部奪って行ってしまったよ。」


ただ、メッカさんの
服の中に隠していたお金だけは、
強盗たちに奪われず残った。


結局、3日間かかって、
アルファシャの
サウジ・マタニティ病院にたどり着いた。


しかし、病院でも、メッカさんは…
…他の多くのフィスチュラ患者と同様…、
病院に来ている他の妊婦たちの苦情により、
医師によって、
病院の裏の空き地へと追いやられた。


その後、メッカさんが、
手術を受けるまでの4ヶ月間を、
その空き地で過ごした。


病院に来てから、1年近くが経った。

メッカさんが元気になった今、
オマルさんたちは、
村の家族のところへ帰るつもりだ。


「わたしの家族も、彼女の家族も、
 わたしたちを助けてはくれなかったよ。」

特に恨む風でもなく、
オマルさんは言った。

「これも、わたしや、
 わたしの家族の運命なんだ。」



地上最大の悪夢の土地、ダルフール。

最悪の悲しみと、
最悪の憎悪渦巻く場所で、

誰ひとり…彼の家族さえも…
助けてくれる者もない中で、

人々から忌み嫌われる病にかかった妻を
100キロ以上の無法の荒野を越えて、
治療につれてきた理由について、
オマルさんは、こう言った。


「わたしの妻なんだ。

 わたしは、彼女と、
 すばらしい人生を過ごしてきた。

 そして、共に、息子たちを育てるために、
 わたしには、彼女が必要なんだよ。」


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関係リンク
In Darfur, one husband sticks by his wife despite society's pressure
http://www.csmonitor.com/2007/0723/p12s01-woaf.html

UNFPAの行うEnd Fistulaキャンペーンのサイト
http://www.endfistula.org/

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『世界の肖像』
フィスチュラ、3回シリーズ
No.1:「みんな、わたしを見捨てたわ。」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21090192&comm_id=1808806

No.2:「アフリカで女性として生きるということは」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21156949&comm_id=1808806

No.3:「わたしは、彼女と、すばらしい人生を過ごしてきた。」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21241265&comm_id=1808806

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『世界の肖像』
スーダン・ダルフール関連
「後、10日で、世界が終わります。」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=223830336&owner_id=5766188

スーパースター
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=225840166&owner_id=5766188

What is going on in Africa? - A message of "Hotel Rwand"
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=228940955&owner_id=5766188

コークとカフェとアイスクリーム
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=251705060&owner_id=5766188

どこまで歩けばいいのだろう
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=290623277&owner_id=5766188

どこか遠くの知らない人たちの話
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15372920&comm_id=1808806

"迷子の男の子たち"
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=17466928&comm_id=1808806

人びとの星が人びとを見守る-ダルフールを見つめる目(Eyes on Darfur)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19273218&comm_id=1808806

誰かが、この世界を変えてくれるのを、ただ待ってるなんて出来なかったの。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19463324&comm_id=1808806

ER緊急救命室とダルフール
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20571983&comm_id=1808806

7月のダルフール・ヒーロー
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20606593&comm_id=1808806
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写真、
メッカさんとオマルさんと2人の子どもたち

コメント(41)

とても感動的な話です。泣きました。しかし、オマルさんのような方が国を変えていくポストに就けない現状、平和ぼけの私たちからは到底理解できない価値観、絶望感、無力感・・・でも「知らなければ」とだけは思います。そうしなければ彼らの悲しみはどこへ行けばいいのでしょう?
「悲惨とはあれやこれが欠けていることではない。悲惨とは『希望』が存在しないことである」
今日も賢者の声に耳を傾けながら。
3回シリーズ纏めて読みました。
こみ上げる涙を止める事が出来ない状態です。
医学は進み、そして十分な治療を受ける事の出来る国があると言うのに、知らない影では何十分受けられない人々がまだたくさんいる事実。
こういった事を知っている人は世界中にどれくらいいるのでしょう。

いつもミッシェルさんの日記を読むたびに多く考えさせられます。
この世界で愛に勝るものはないのだと感じました。全ての人に、他を慈しみ愛する心があれば、今世界中で流される悲しみや絶望の涙は存在しないのでしょうね、、。まずは自分を愛し、心に豊かさを持たなければ、他への愛も与えられない。
盲目でも妻を支え、子どもたちを守る、オマルさんは強い人ですね。オマルさんとメッカさんは本当の意味で夫婦の絆を築けたからこそ、他の人のような悲劇をまぬがれることができたのでしょう。ダルフールという土地で、この家族の本当の笑顔が見られる日が近いことを祈っています。もっと恵まれた国に生きていながら、情の薄い人々の話を聞く度に、悲しく思っていました。大きな障害を運命として我が身のことと考える…本当になんて強いんだろう。
いつも、ありがたく、拝見させてもらっています。
大変複雑な、また、その中での素晴らしい夫婦愛、感動しました。
ありがとうございます。
また、頑張ろうと思えました。
世の中捨てたものではないですね。
愛をみました。この愛を貫くのはこの国ではきっと
難しい事でしょう。彼もまた盲目という病で、、
それ故に人の痛みのわかる人間なのかもしれません。
このシリーズの終わりが素晴らしい話で嬉しいです。
状況は どぅであれ
あたたかぃ おはなしで とても うれしぃ。:゚(uu**)゚・。
私も彼が障害を持っていたからこそよけいに人の痛みを感じられる人だったんじゃないかと思いました。
人間の本当の善性って泥沼みたいな中でこそ光るのかもしれない。
大した事じゃない問題で落ち込んだり卑下したりしてる自分が恥ずかしい。
実際に自分がそうできるかどうかは、はっきり言って自身がありません。
でも、彼のように、夫婦の絆をもちたいという思いはあります。
極限状態に絆さえも試されているのはアフリカだけじゃないのかも。


介護のつかれて、パートナーや親を殺してしまう、この国も
ある意味、極限状態なのかもしれない。
こんな極限状態で「前向きに」生きている人達がいる。
お互いを労って生きている人達がいる。
日記に、載せさせていただきますね・・。
この、信じられない、知らなかった現状を。
3回シリーズで私の日記に掲載させて頂きます。
同じ女性として、人間として、彼女達の苦悩、絶望、葛藤、言葉では表せないほどの辛酸を少しでも多くの人に知ってもらいたいです。ミッシェルさん、本当にいつもありがとうございます。このコミュを通して、すごく勉強をさせて頂いています。
『救い』とは言い難いかもしれませんが、シリーズ最後をこのような形で終えていただいたこと、無責任なように聞こえるかもしれませんが、ほんのちょっとだけホッとしました。

目を覆いたくなるような世界の現状を、ミシェルさんのお陰でまず知ることから始めさせていただいています。

そして、そこから・・・。自分自身に問いかけ続けなければいけないと思っています。
どんな過酷な状況の下でも、
そこでいろんな心を持たれた人たちがいます。
メディアにデフォルメされた一部の人たちばかりじゃない。
心の不安定さは、ここにいる自分と全く同じ。

果ての見えない苦痛の生活の中にいたとしたら、私が、
ここに書かれる人たちのように
強くなれるとはさっぱり自信ないけど、
「そうありたい」
「どんなときも人間の良さをもった人として生きたい」
と思う。現に耐え忍び善く生きる人たちを、
できる限り応援したいし、見習いたい。
>「わたしの妻なんだ。
わたしは、彼女と、
 すばらしい人生を過ごしてきた。
そして、共に、息子たちを育てるために、
 わたしには、彼女が必要なんだよ。」

思わず胸が熱くなり、涙がでました。
こんな風に一人じゃない人もいるんだと思うと光が見えてくるような気がします。
日本に嫁いできた友人(在住外国人妻というやつです)が、夫の心ない暴力で悩んでいるというのを涙ながらに語るのです。
怒りが込み上げるやら、かといって引き離すことが本当の幸せなのか、さまざまな思いが交錯します。
彼女はそれでも、夫と子どもが待つ家に帰っていきました。
彼女にオマルさんのような言葉をかけてくれる人がいたら・・・、そんなことを思ってしまいました。
フィスチュラとぃう病名を初めて聞きました。もし日本で病気になってしまった人がぃても、すぐに治療して治せる事が多ぃから、世界にゎ私が聞ぃた事もなぃ病気があって、それのせぃでたくさんの人が苦しぃ悲しい思ぃをしてぃるんだと思ぃました。家族たちもきっと見捨てたくゎなかったと思ぅケド、旦那さんがぃてくれて本当にょかったと思ぃました!
今の自分がどれだけ恵まれてぃるかとぃう事が改めて分かりました。こぅいう気持ちゎとても大切だと思ぅので、たくさんの人にこの話を知ってもらぃたいです!
そんな悲惨な中でも美しい愛があるんですね。
捨てられた女性の話を読んで絶望していましたが、この夫婦の話を読んで一筋の希望が差し込んだ気がしました。
愛こそはすべて。
オマルさんが守る家族への愛に感動しました。

「わたしの妻なんだ。
 わたしは、彼女と、
 すばらしい人生を過ごしてきた。
 そして、共に、息子たちを育てるために、
 わたしには、彼女が必要なんだよ。」

家族の固い絆を証明する素敵な言葉ですね。
こんなに過酷な状況下でこんなに美しい言葉が言えるなんて・・・
「地獄に仏」とはオマルさんのことなんでしょう。
ありがとうございます。愛という本当の絆を教えてくれて。今、私は電車の中でこの文章を読んで自然と涙が出てきますね。日本よりも、苛酷な状況な世界でも愛を表現している存在を知ると嬉しくなりますね。

どんな世界でも愛を表現する人が存在する方がいることに感謝です。
オマルさんに感動しましたぁ泣き顔


メッカさんの希望はオマルさんで

オマルさんの希望はメッカさん


二人の愛に感激しましたぁ涙


内戦に病気…

絶望の中にも希望の光がちゃんとあるんだと知れて嬉しかったです涙


やっぱりラブが一番だぁぴかぴか(新しい)

なんだか、良い意味で頭を打ったたかれた気分です・・・

オマルさんのおかげで大切なことを見失わずに済んだ気がします。
ナイジェリア在住ですが、フィスチュラのことは去年まで知りませんでした。

先月、上院議員(63才)が13才のエジプト人少女を第4夫人にして、この病気が新聞に大きく取り上げられ、10〜15才の患者が多いという、その深刻な内容に、思わず自分の日記に書き込みました。

その男はフィスチュラ患者の多い州の元知事でもあるのですが、エジプト人の親に10万ドル払い、その年齢ではエジプトで結婚できないので、ナイジェリアで挙式。イスラムのシャリアで妻は4人までと定められているから、子供一人を儲けた若い第4夫人を離縁して。こちらでも18才未満の女性とは結婚できないことになっているのに、同僚の上院議員たちは祝福していたとか。

ムスリムの庶民は盗みを働くと、手を切り落とされるのに、億〜千億円単位の不正蓄財をしている政治家は罪を問われることもなく、やりたい放題です。

ナイジェリアの腐敗の一面でもある現状を、個人ではどうしようもありませんが、ミッシェルさんに触発されまして、機会があるたびに問題を取り上げていきたいと思います。

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