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世界研究開発機構コミュのシビレる微生物☆

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ひさびさの更新です。
誰か書き込んでー(泣

さて、本日は今僕が専門でやっている「微生物電池」について紹介させていただきます。


「微生物電池」とは読んで字のごとく、微生物を用いた電池のことです。
一般的な電池との違いは当然微生物という生物を用いているという点。
微生物としては一般的な細菌と光合成を行う光合成細菌を利用したものがあります。


ここでは、一般的な細菌を用いた「微生物電池」を用いた実験について書こうと思います。


原理としては、ごく簡単なものです。
通常我々が酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すように、微生物も呼吸します。
この酸素を二酸化炭素にするという呼吸では実は電子が渡されています。
生物はご飯を食べると例外なく余分な電子ができてしまいます。
この電子がやっかいで、そのままほおっておくと少し前にはやった「活性酸素」になってしまい、遺伝子や細胞を傷つけてしまいます。
そこで、人間などの生物の場合は酸素に電子を渡すことで、電子を捨てているのです。

さて、そんななか実はこの世には酸素があると生きられない「嫌気性微生物」という微生物が存在します。
これらの微生物は酸素があると死んでしまうので、酸素に電子を捨てることができません。
でも電子を捨てないと死んでしまうので、この電子を別のものへ捨てるのです。
捨てる相手は微生物によってまちまちですが、鉄のようなものに電子を捨てる微生物がいます。
鉄など比較的電子が動きやすい物質に電子が捨てられた場合、そこに電極をつっこんでやると電流が流れます。
これが「微生物電池」です。


「微生物電池」を用いる利点は、以下の3点が挙げられます。
1 有機物から電力を取り出すことができる。
2 廃棄物処理も同時に行える。
3 非常に効率的である。

では順番に説明していきましょう。


1についてですが、有機物と言ってもイメージがわかないでしょうが、有機物は非常に身近にある物質です。たとえば人の体も有機物ですし、お砂糖なんかも有機物です。
通常は砂糖のような有機物を水に溶かして電極を突っ込んでも、ほとんど電気は流れません。
しかし先ほど説明したような微生物を入れてやると、その微生物が砂糖を食べる能力があれば電気を取り出すことができます。
つまり先ほど説明した微生物の中に、目的の有機物を分解できる微生物がいれば、その有機物からは電気が取り出せるのです。
これが「微生物電池」の利点の重要な点です。


2は1と連動しています。一般的に下水などの排水は有機物によって汚染されています。
そこでこの「微生物電池」を使うことで、排水中の有機物を分解し綺麗にすることができます。
しかも電池なので、電気としてエネルギーを得ることもできます。


3は生物ならではの特徴です。通常石油を燃やして電力を生産する場合の使った石油に対するエネルギーの量、つまりエネルギー効率は約20%程度であると言われています。
しかし微生物を使って電気を取り出した場合、有機物(この場合はグルコース)に対するエネルギーの量、エネルギー効率は約80%と非常に高くなります。

ただし3には落とし穴があります。微生物自身が育つためにも有機物が利用されるため、全体としてのエネルギー効率は低くなってしまうのです。
ですから実質なエネルギー効率は、いまだ石油の足元にも及びません。イメージとしては廃水処理場の電力は補えるといった程度のものです。

現在研究者が試行錯誤しているのはこの部分で、どうにか微生物の良い部分だけ取り出して効率を上げられないかと試行錯誤している最中です。
具体的に今後は酵素といった主要なものだけを抽出してエネルギーを獲得するといった研究が主流になってくるでしょう。これがうまくいけば微生物を増やす必要はないので、高いエネルギー効率を維持できるはずです。(正確にはこの電池は酵素電池といいます)


実はこういった事情は他の微生物を利用してエネルギーを生産するという研究でも同様の悩みで、微生物によるエネルギー関連の研究はここ数年活発に行われてきましたが、実際に実用化される例は稀です。
唯一僕が知っている応用例として、富山にある下水処理場で生産されるメタンガスを都市ガスに応用するという話を聞いたことがあります。そろそろ実用化しているのかな。

ただバイオプロセスは排水処理といった分野では微生物による処理は非常に有効な方法です。ですから、この廃水処理というプロセスとうまく共存させてエネルギー獲得というプロセスを考案していくことが今後必要になってくることだと考えられます。



そして私はまた違った方面から「微生物電池」にアプローチしています。が、そのあたりは企業秘密ということでw

また機会があったら書きます☆

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