80's MANIACS (Gay Only)コミュのエルトンとフィル、その作曲法の違い

　題名通りの比較トピックです。

　結論を先に書くと、
・バーニー・トーピンに先に作詞してもらって、後からその詞にメロディを付けるのがエルトン・ジョン
・いっぽう、曲が先で後から詞を当てはめるのがフィル・コリンズ
というお話です。

　これだけではトピックにならないので、あれこれと引き延ばしてみます(？)。画像はエルトンとフィルのツーショットです。

コメント(15)

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[1] mixiユーザー 09月06日 17:00

　まず、1970年代のスーパー・スター：エルトン・ジョンと、その共作者バーニー・トーピンの詞・曲づくりの順番に付いて。

　自分は初期ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーのように、2人で同じ卓に座り、お互いにギターを弾き合いながら、レノン曰く「ポールとの共同作業はJoyride(楽しい運転)だ」と言ったように、エルトンとバーニーも、膝を突き合わせて「エルトン、詞が出来たよ」「有難うバーニー。いま曲を付けるよ」と、ピアノを弾くエルトンを微笑んで見つめるバーニー…みたいな共同作業を勝手に想像していましたが、どうも実態はそうではないようです(当たり前だ)。

　エルトンとバーニーの場合、別々の場所で、まずバーニーが作った詞を、手紙なりファクシミリなどでエルトンに送り、その詞を見てエルトンがピアノで曲を付ける…というのが実態のようです。これはラジオの洋楽番組で実際に聞いた情報です。

　考えてみれば、ポップス界で作詞家&作曲家コンビで有名な人たちと言えば、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キング、エディ・ホランドとラモント・ドジャー、ハル・デヴィッドとバート・バカラック…などが居ますが、その人たちも曲を書くのに、同時に向かい合わせでウンウン唸りながら詞と曲を同時に紡ぐんじゃなく、作詞家が詞を書いて、その後に作曲者がその詞に曲を付ける…という方が自然ですね。

　バーニー・トーピンとエルトン・ジョンの場合も、ご多分に漏れずに後者のパターンでしょう。

　自分が知っている唯一の例外は、フィリー・ソウル・グループ：スピナーズの"I'll Be Around"「♪いつもあなたと」。この曲では、作曲したトム・ベルが、作詞家のリンダ・クリードに、「このメロディに一字一句合う詞を書いてくれ」と言ったというエピソードがあります。

　閑話休題。エルトン&バーニーに話を戻します。彼らの共作関係は、ポップス界に於いては、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー&キース・リチャーズの次に長続きしている関係ですが、上に書いたように、バーニーが詞を書いてエルトンに送り、それを受け取ったエルトンがピアノをポロンポロンと弾きながら曲を付ける、実態はこれで間違いなさそうです。

　長い前振りですみません。次にエルトン&バーニーの共作曲を載せます。画像はエルトンの1975年のLP「キャプテン・ファンタスティック・アンド・オールド・ダート・カウボーイ」日本盤LPの表裏(表がエルトン、裏がバーニーの似顔絵)です。

[2] mixiユーザー 09月06日 17:02

　ここでは、自分が勝手に、エルトンの1980年代の最高傑作曲だと思っている"I Guess That's Why They Call It The Blues"「♪ブルースはお好き？」(UK５位、米ビルボード・ホット100でピーク４位)の訳詞を、、
https://hikari-may.hatenablog.com/entry/2018/08/13/234512
からコピペします。
　因みにこの曲はエルトン1人でなく、デイヴィー・ジョンストン(エルトン・ジョン・バンドのギタリスト)とエルトンの共作だそうです。

"I Guess That's Why They Call It The Blues"「♪ブルースはお好き？」訳詞：

希望を捨てないで
いつまでもこの状況が続くなんて思わないで
僕たちの関係はこれから
良くなっていくばかりだって言えるから

僕がいない間も
心の中に他の男を忍び込ませないで
もうすぐに行けるはずだから
二人の想いが一つになれる場所へ

こんな気持をブルースと呼ぶんだろう
これからの時間を君と過ごしたいんだ
子供のように笑い合い、恋人のように寄り添いたい
ベッドの上で雷みたいに騒がしくじゃれ合ったりして
こんな気持をブルースと呼ぶんだろう

https://www.youtube.com/watch?v=h6KYAVn8ons&ab_channel=EltonJohnVEVO

何もない空間を見つめていても
いつも僕のことを思い描いていてほしい
愛することをためらわないで
君には僕がいることを忘れないで

(間奏)

僕を待っていてくれないか
さみしくて涙する夜もあるだろう
だけどただ君を愛しているんだよ
自分の人生を愛するよりももっと

こんな気持をブルースと呼ぶんだろう
これからの時間を君と過ごしたいんだ
子供のように笑い合い、恋人のように寄り添いたい
ベッドの上で雷みたいに騒がしくじゃれ合ったりして
こんな気持をブルースと呼ぶんだろう

　画像左は収録LP「トゥー・ロウ・フォー・ゼロ」日本LP盤、右は「♪ブルースはお好き？」日本シングル盤です。この曲が、エルトンの10年前(1973年)の大ヒット曲「♪グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」の、エルトン&バーニーが自分たちに向けたアンサーソングである、という話は以前にエルトンのトピックで書きました。

[3] mixiユーザー 09月06日 17:06

　ではこれに対して、1980年代のスーパースター：フィル・コリンズの作曲法はどうか？という話ですが、フィルの場合、どうも曲先行で詞が後のようです。証拠となる音源を以下に示します。

　フィル・コリンズはデジタル・オンリーの編集盤として、デモ音源集"Other Sides"<画像>と、リミックス音源集"Remixed Sides"を2019年に発表しました。今回話題にするのは、前者収録の"Broadway Chorus ("Something Happened On The Way To Heaven" Home Demo)"「♪ブロードウェイ・コーラス(「ウェイ・トゥー・ヘヴン)」ホーム・デモ」です。

Phil Collins - Broadway Chorus ("Something Happened on the Way To Heaven" Home Demo)
https://www.youtube.com/watch?v=PGz1Byi6yHA&ab_channel=PhilCollins-Topic

　これを聴くと、「♪ウェイ・トゥー・ヘヴン」(1990年全米ピーク３位)は、デモ段階ではフィルが「ンナナナ…」と聞こえる仮歌を唄っていて、後からメロディに詞を当てはめて行ったことが分かります。

　次に、同曲の完成バージョンとその訳詞を載せます。

[4] mixiユーザー 09月06日 17:09

　次に、同曲の完成バージョンとその訳詞を載せます。

　ブログ
https://blog.goo.ne.jp/tama-4649/e/a761ac829864eff3c27dba283eea4aea
　から和訳部分をコピペします。

フィル・コリンズ「♪ウェイ・トゥー・ヘヴン」訳詞:

僕たちは人生を共にして愛し合っていたけれど
君は失うまで自分が何を手に入れているのか知らない
あの時はあの時で今は今だ
僕は君を取り戻したい
何度僕は謝罪しなければならないのか？

どうすればあんな素晴らしいものがこんな酷いものになれるのか？
どうすればあんなに正当なものがこれほど不当なものに堕するのか？
僕には分からない
僕には全く答えが見つからないけれど
僕は君を取り戻したい
何度僕は申し訳ないと言えるのか？

君は逃げることも隠れることもできるけれど
もしも君が僕と一緒に来ないのならば
僕はここを去るつもりなんだ
僕たちには問題はあったけれど
僕は君の味方だ
僕が必要なのは君だけなんだ
どうか僕を信じて欲しい

僕は愛する人が欲しかっただけだけれど
天国への途上で何かが起こった
僕はそれに巻き込まれて捕えられてしまった
僕は君を取り戻したい
何度僕は謝罪しなければならないのか？

君は逃げることも隠れることもできるけれど
もしも君が僕と一緒に来ないのならば
僕はここを去るつもりなんだ
僕たちには問題はあったけれど
僕は君の味方だ
僕が必要なのは君だけなんだ
どうか僕を信じて欲しい

君は逃げることも隠れることもできるけれど
全てが解決するまで僕は去るつもりはないんだ
僕たちには問題はあったけれど
僕は君の味方だ
僕が必要なのは君だけなんだ
僕に証明させて欲しいんだ
君が一人で行くならば
君だけで頑張り抜くことはできないと誰もが言うし
僕もそう思うけれど
僕が手に入れたものを受け取るか
あるいは君と一緒にここにいたいんだ
そうでなければ僕は全てを置いていくつもりだ

Phil Collins - Something Happened On The Way To Heaven (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=CKrGj73OsAY&ab_channel=PhilCollins

僕たちは人生を共にして愛し合っていたけれど
君は失うまで自分が何を手に入れているのか知らない
あの時はあの時で今は今だ
僕は君を取り戻したい
何度僕は謝罪しなければならないのか？

君は逃げることも隠れることもできるけれど
もしも君が僕と一緒に来ないのならば
僕はここを去るつもりなんだ
僕たちには問題はあったけれど
僕は君の味方だ
僕が必要なのは君だけなんだ
どうか僕を信じて欲しい

君は逃げることも隠れることもできるけれど
全てが解決するまで僕は去るつもりはないんだ
僕たちには問題はあったけれど
僕は君の味方だ
僕が必要なのは君だけなんだ
どうか僕を信じて欲しいんだ

　この詞は上に書いた「♪ブロードウェイ・コーラス(「ウェイ・トゥー・ヘヴン)」ホーム・デモ」の仮歌の、完成した詞を唄い込んだ完成版です。画像は「♪ウェイ・トゥー・ヘヴン」のCDシングル盤と、1989年の収録CD「バット・シリアスリー」です。

[5] mixiユーザー 09月06日 17:12

　以上の例で(と言っても、エルトンが唄うデモ版は発表されていない)、

・エルトンはバーニー・トーピンの書く詞に後から曲を付ける
・フィルは曲のメロディ先行型で、後から詞を当てはめる

　という、二者の作曲方法の違いが分かるかと思います。70sと80sを代表する、イギリスの自作型ポップ・ロック歌手で、イメージも何となく似ているエルトンとフィルですが、後者が発表したデモのお陰で、その作詞・作曲の過程は順番が逆である事が分かりました。

　今週はこのうっすーい話題で勘弁して下さい(？)。

[6] mixiユーザー 09月06日 18:12

>>[1]
　辞書引くと分かるけど、〝joyride〟はただの楽しいドライブじゃなくて「盗んだ車を乗り回すような無謀な運転」。どっちかというと無茶振りというニュアンスなのかもです。

[7] mixiユーザー 09月06日 18:39

>>[6]、Joyrideには無謀な運転というニュアンスも有るのですね。ジョン・レノンがポール・マッカートニーとの共作作業を"Joyride"と言ってたと云うのは音楽情報誌に載ってた情報です。それをそのまま書きました。ジョンには、ポールに「無茶振り」するのではなく、ただ単に楽しい共作作業が出来る仲間という意味でこの単語を使ったのだと思います。２人の蜜月期間は意外と早く終わって、ビートルズ中期にはジョンとポールはそれぞれ単独で曲を作ってたらしいですけどね。ご指摘有難うございます。

[8] mixiユーザー 09月06日 20:57

エルトン・ジョンはピアニスト、フィル・コリンズはドラマー（勿論ピアノも弾くでしょうけど）なイメージがありますよね。
だから、フィルはリズムに乗せるのが上手いのかな？で、後から歌詞を仕上げたのかな？と勝手に想像しました。
いずれにしても二人とも稀代のメロディメーカーですよね。

[9] mixiユーザー 09月06日 21:01

>>[1]
エルトンとバーニーの曲作りは映画「ロケットマン」で結構描写されてました。でも、映画用に演出された所もあったかな？？？？今そのシーンを忘れてますが、「Your Song」でのシーンはとっても印象的で泣けました。
https://www.youtube.com/watch?v=oUNeIgFVd5g

[10] mixiユーザー 09月06日 21:02

>>[2]
この曲はタイトル通り「ブルース」な曲ですが、ゴスペル感のあるとっても力強い曲ですよね。私も大好きな１曲です。

[11] mixiユーザー 09月06日 21:03

>>[3]
これは、なかなか貴重なデモ音源ですね。

[12] mixiユーザー 09月06日 21:54

>>[8]眼鏡ブーさん、エルトンとフィルは、：担当楽器の違いがありますよね。後者がリズムに乗せるのが上手いという指摘は一理あると思います。後から歌詞を乗せるのが上手い理由は、そういう所に有るのかも知れませんね。

　70s、80sと活躍の時代は違いますが、エルトンは80sにも大活躍しましたし、まさに「稀代のメロディ・メイかー」の称号が相応しい2人ですよね。

　

[13] mixiユーザー 09月06日 22:07

>>[9]眼鏡ブーさん、映画「ロケットマン」の「♪僕の歌は君の歌」の出来上がるシーン、良いですね！エルトンって当初は、70sのシンガーソングライターブームを担う一人として人気を集めたんですよね。

　あんなに悲しく、美しいメロディを書けるエルトンでしたが、バーニー・トーピンとの共作関係がずっと続きながら、やがて70s前半～中盤にかけて、ディケイドを代表する大ポップ・スターにのし上がって行くとは、当初のファンたちも想像してなかったんじゃないでしょうか。

[14] mixiユーザー 09月06日 22:20

>>[10]眼鏡ブーさん、実は今回、エルトンのどの曲を例に出そうか迷っていて、ビデオクリップにバーニーが特別出演している「♪パッセンジャーズ」にしようかと思い、歌詞和訳を探しましたが、和訳しているページが見つからず、「♪ブルースはお好き？」に変えました。この曲の歌詞はバーニーの書いた詞としては、非常に素直で繊細なラヴソングですね。仰るようにゴスペルチックな所も有る、魂のこもった愛の歌ですね。

[15] mixiユーザー 09月06日 22:30

>>[11]眼鏡ブーさん、フィル・コリンズの「♪ブロードウェイ・コーラス」は、フィルの作曲の過程が分かる貴重なデモ音源ですね。「♪ンナナナ…」というスキャットというか仮歌を入れて、後から言葉を埋め込んでいって作詞作業を完成させた、フィルの作曲過程が分かる音源、これが無ければこのトピックも立てられなかったので、フィルおじさんに、デモを残して音源として発表してくれて有難うと言いたいです。

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