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p.46
ところでkaspärauは罽賓の原語とされる*kaspirと比較されるが、罽賓自体はカシミールを指す場合と、カピシを指す場合がある。どちらもいわゆる大ガンダーラに含まれるが、ここでkaspärauと呼ばれている原語は梵語ではない現地語(vernacular)であるはずなので、ガンダーラ語を指していた可能性はないだろうか。『ザンバスタの書』が、Maggiが想定するような早い年代の成立なら、コータン人にはガンダーラ語の記憶は残っていたに違いない。実際コータン語に借用された仏教用語の古い層はガンダーラ語であることが知られている。大乗仏教の経典で用いられるガンダーラ語の要素は、近年指摘されているガンダーラ語で書かれた大乗仏典と無関係ではあり得ないだろう。
p.47
(18) トルファンで出土した紙に書かれたバクトリア語文書は、巻子本仕立てであり仏典である可能性が高いが、断片であり内容の比定ができない。Nattier, ibid., pp.215-216および写本の特殊な体裁については、吉田豊「バクトリア語文書研究の近況と課題」(『内陸アジア原語の研究』XXVIII、二〇一三年)三九‐六五頁、特に四五頁を参照せよ。これが仏典であるとすれば、中国仏教圏にいたバクトリア語話者たちもソグド人と同じような訳経と写経活動をしていたのかもしれない。
p.49
これらについては、関尾史郎『西域文書からみた中国史』(山川出版社、一九九八年)八二頁の表を参照せよ。ソグド名には翟姓の二人も含めている。…
p.50
梵語原典の日本語訳は：「世間にあるところのそれほど多くの異端、[その異端の]すべてにおいてそれら[の菩薩たち]が出家して、種々の誤った見解に陥っている衆生たちを解放させるのだ」とある。cf. 植木雅俊訳『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』(岩波書店、二〇一一年)三五六‐三五七頁。
p.51
(56) ソグド語版では主人公Swδ'šnの父親はšβy「シビ(王)」という名前なので、シビ王本生のモチーフがヒントになっている可能性がある。
p.54
それは中国語の文語と口語の混じった文体であり、そうした「文白」混じり文は当時において「違法」なものであった。
p.76
(16) 「們」が名詞の複数を表わす時には数量詞と共起しない。例えば「十位老師」と「老子們」のような言い方はあるが、「十個老子們」という言い方は許されない。しかし、訳経では次のような用例が見られる：「八萬四千諸婇女」(『長阿含経』)、「三十六億諸天子等」(『普曜経』)、「無料無辺百千萬億諸衆生類」(『仏本行集経』)。これは中国語の表現方式と梵語の表現方式が混在した結果と考えられる。
p.91
〔注1〕原文「紇哩那野」はkrnayaの音写を想定させるが、「心」の梵語はhrdayaであるべきであり、h→kとda→naの二箇所に相違がある。このうちでh→kの変化は以前からあったことが諸文献から裏付けられるので原文「紇」を別字に変更する必要はないが、より大きな問題はda→naであろう。「紇哩那野」は正しくは「紇哩第野」であるべきだが、「第」「那」の混同も以前から存在した。
p.174
右にあげた『日本霊異記』の各種伝本に残されている訓釈を眺めてみて、まず注目されるのは、『日本霊異記』の字句の中に、実に多く『妙法蓮華経』の字句が利用されていること、そして、訓釈において、それらの字句の多くに注意が向けられ、掲出されていることである。
p.265
しかしその一方でさまざまな先行研究により、このような変成男子・龍女成仏説を根幹とする龍女の差別的な理解が、九世紀後半以前の日本には存在しなかったこと、また中国仏教をはじめ東アジアの仏教世界では古代から近代に至るまで知られていないことが指摘されている(4)。つまり龍女が男に変わったことにより初めて成仏することができたと断定する説明は、中世日本の仏教教理の伝統の一部で発生した極めて特殊な解釈である。最澄は龍女の成仏を即身成仏と捉え、道元は女性でも得法し僧伽の指導者となれることの根拠として龍女を挙げ、日蓮は龍女の成仏は一念三千の成仏であると言明して、それぞれ変成男子・龍女成仏説を否定した(5)。
p.269
智積の「はたして仏位を得た者がいるか」という問いに、文殊はその答えの最初と最後で「有り」「能く菩提に至れり」と言明しているのだから、龍女はわずか八歳の龍族の王女という外見に似合わず、すでに仏位に至り、菩提(悟り)を完成した人物であることは明らかだ。…
この点については天台大師智��(五三八〜五九七)は『妙法蓮華経玄義』で「龍女は刹那の頃において菩提心を発して等正覚を成ず。即ちこれ涅槃を明かす。発心と畢竟との二つは別せず。」として龍女は発心と同時に「等正覚(阿耨多羅三藐三菩提)」つまり完全な悟りを得た者として賛嘆している。また彼女の悟りを『大方広佛華厳経』(梵行品第十二)の「初発心時に即ち正覚を成ず」、『維摩経』(菩薩品第四)の「一を念じて一切法を知る。これ道場に座して一切知を成就するが故なり」などと表現された発心即菩提の現成として賛辞を惜しまない(12)。
p.270
また同書で吉蔵は『法華経』に仏力、広大力、速疾力の三力が備わっているとして、龍女の成仏を女身のままで覚者となった「現身成仏」であると定義している。
…
つまり吉蔵によれば龍宮で文殊菩薩から『法華経』を学んだ時に即座に、龍族の八歳の少女の身体そのままで成仏を得たことが明らかだ。これは智�擇�彼女の女身を一身に一切如来の身体を映し出す「普現色身」であると捉えたことと対応する。
p.271
智積の疑問を注意深く読むと、一方では無量劫にわたる釈尊の数えきれない前世での修行の時間と、もう一方では龍女が龍宮で文殊から教えを受けた現世での短い時間を比べている。そのように短い時間で、釈尊でさえ過去世の永劫にも比される時間をかけて得た等正覚を、この幼い娘が得たとは考えられないと述べている。つまり文殊から龍族の無数の菩薩の中でも第一として選ばれた龍女が、前世で修行に費やしたであろう無量の時間の長さには考えが及ばず、現世と過去世を混同するいわゆる「カテゴリー錯誤」を智積は犯している。
p.272
釈尊が次々に受記を与えてゆく声聞の弟子たちが実は前世ですでに法華経の教えを釈尊から学んでいたが、それを忘却してしまったので、現世で釈尊がもう一度『法華経』の一仏乗の教えを与えて、過去世の修行で得たものを思い出させるという構想だ。…
…智積菩薩はこの『法華経』の物語の根本的な前提に気がつかないで、カテゴリー錯誤に陥る愚問を文殊に対して発してしまった。
p.276
その自分でさえもこれから計り知れないほど遠い未来まで修行を続けた後に、ようやく完璧な悟りにたどり着くであろうと授記された。ところが目の前に現れた八歳の龍族の少女は、すでにやすやすと等正覚を成就させていると文殊菩薩は言明した。彼女の外見に捕らわれている舎利弗は、智積と同様にそれを信じる事ができない。…
…文殊菩薩が龍女について「刹那の頃において菩提心を発して(中略)能く菩提に至れり」と断言したのは、修行者の内なる悟りの完成はその外見、年齢、性別とは一切関係がないことを意味している。舎利弗はそれが理解できずに、内なる悟りと外見としての三十二相に荘厳された仏身を混同するというカテゴリー錯誤の過ちを犯してしまっている点でも智積と類似している。
p.278
『法華経』と同じく鳩摩羅什譯と伝えられる『禅秘要法経』は「諸仏の法身によって色身あり。色身はたとえば金瓶のごとく、法身は摩尼宝珠のごとし」と諸仏の法身と色身の関係を説明している(25)。この記述からも三十二相、八十相好の備わった仏陀の色身よりも、龍女が体得した法身はその根源としてはるかに優れたものであるのが明らかだ。天台大師智�擇蓮慳�法蓮華経文句』で龍女の宝珠奉献を彼女の悟りの現成の明証であるとして、それを因(文殊菩薩から『法華経』を学んだこと)と果(等正覚を承認されたこと)に分けて論じている。
…
つまり釈尊が龍女の宝珠を速やかに受け取り納めたことは、龍宮で文殊菩薩から『法華経』を学ぶことで彼女が達成した悟りの正統性を証明し、また彼女が『法華経』の大乗一佛乗によって衆生を済度するに相応しい人物であることを、霊鷲山の法座の大衆に公認するという積極的な意味を持っていた。
p.279
智�擇脇叡�で『菩薩処胎経』に依拠しつつ舎利弗が唱えた女人を差別する五障説を断固として否定している。
…
魔王、梵天、帝釈天と同じく、女人もその身を捨てたり、それをほかの身体に転生して変えることなしに、その女身のままで成仏することができる、と智�擇論觚世靴討い襦�それは究極的な真理である法性が、あたかも大海がどのような河川の水でも受け入れるように、女だから成仏できない、男なら成仏できるなどと舎利弗が言い張るような、是非の分別をしないからだ。
p.285
智�據�吉蔵、窺基などによる中国仏教教理を代表する『法華経』の注釈に依拠しつつ提婆達多品を読めば、龍女がすでに正等覚を得ていた人物であることは、物語の中で文殊菩薩が言明した通り疑いの余地がない。つまり彼女自身の悟りを完成させる目的のためならば、男性に変身する必要など全くなかったのだ。…
…
この点を確認するためには、もう一つの「変成男子」の話として著名な『維摩頡所説経』観衆生品(第七章)の天女譚と比較することが有益だ。
p.287
天女は神通力を発揮して即座に舎利弗を女である自分の姿に、自分を男僧の舎利弗に変身させた。
p.288
文殊菩薩が大乗仏教の教えを代表していること、天女が龍女と同じく極めて優れた菩薩であること、舎利弗がここでも引き立て役を勤めていることなど、龍女譚と類似性はこれ以上説明を要しないであろう。…
…
西晋太康六年(二八五)の竺法護の訳とされる『仏説海竜王経』は漢訳大乗経典でも早期のものに属し、隅寺(海龍王寺)での光明皇后の信仰の伝承でも知られるように、奈良時代にすでによく流布していた(38)。…女寶錦受決品(第十四章)には「寶錦」という名のもう一人の龍女が登場する。
p.289
身体の他の部分を構成する耳、鼻、口、体、心も眼と同様に空を本質としているのだから、それによって認識する事物にも男女の違いはありません。その事をよく理解し、わきまえることこそが眼の本質であり、それこそが道と言われるものですよ。このように大乗仏教の不二の教えに立脚して、寶錦は大迦葉を見事に論破してしまった。
p.303
さはりにもさはらぬ例有りければ隔つる雲もあらじとぞ思ふ(54)
…いわば「反」変成男子説に立って龍女を描いた作品として、『平家納経』提婆品見返し絵や謡曲『海人』などを指摘できると思われる。
「B-PROJECT」新年にぴったりな和装＆スーツでキメポーズ♪ 東京・大阪・岐阜でポップアップ開催
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=50&from=diary&id=7686681
『B-PROJECT〜熱烈＊ラブコール』のポップアップイベント「『B-PROJECT〜熱烈＊ラブコール』POP UP SHOP」が、2023年12月22日より東京・大阪・岐阜にて順次開催される。
『B-PROJECT〜熱烈＊ラブコール』は、西川貴教×志倉千代丸によるBIGアイドルプロジェクト『B-PROJECT』のTVアニメ第3期。
アイドルユニット「B-PROJECT」が2度目のJAPANドームライブを成功させた業界大手のレコード会社「ガンダーラミュージック」で、「キタコレ」「THRIVE」「MooNs」「KiLLER KiNG」に加えて、新たなジャンルから参画するアーティスト「ウルトラズ」も任されるようになった主人公・澄空つばさと、アイドルたちの姿を描く。
本企画「『B-PROJECT〜熱烈＊ラブコール』POP UP SHOP」では、新年を迎えるのにピッタリな和装＆スーツでかっこよくキメた新規描き下ろしイラストと新規描き下ろしミニキャライラストが登場。会場には等身大パネルの展示予定だ。
さらに、公式イラストを使用した「缶バッジ」「アクリルカード」「アクリルスタンド」「アクリルアートボード」「プレミアムポストカードホルダー」「A3クリアポスター」など、10アイテム105種の新作グッズも幅広くラインナップされた。
「『B-PROJECT〜熱烈＊ラブコール』POP UP SHOP」は、2023年12月22日〜2024年1月8日に「渋谷モディ7F マルイノアニメ」、2024年1月19日〜2024年2月4日に「なんばマルイ7F イベントスペース」、2024年2月9日〜2024年2月12日に「モレラ岐阜1F ローズプラザ」に開催。
開催情報
■渋谷モディ7F マルイノアニメ
期間：2023年12月22日(金)〜2024年1月8日(月祝)
■なんばマルイ7F イベントスペース
期間：2024年1月19日(金)〜2024年2月4日(日)
■モレラ岐阜1F ローズプラザ
期間：2024年2月9日(金)〜2024年2月12日(月祝)
（C）MAGES.／Team B-PRO3
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