天然水素（５）

地中水素の大鉱脈を発見した！という報は今のところない。果たして本当にあるのかどう
かもわからない。まあそんなもんだろう。ただアメリカとかは国家予算から支援金を出す
としておりかなりのめり込んでいる。これがモノになるのかもう少し時間が必要だろう

ただし水素にはまだ問題点があるぜ。よしんば大鉱脈が発見され地中水素がガバガバ出て
きたとしよう。しかしその水素ガスをどのように運搬しどのように保管するのか？この点
が難題である。まず水素は最軽元素なので噴出したらあっという間に上空に飛散する

容れ物に入れても水素原子は最小なので金属なんかだと金属分子の隙間からどんどん漏れ
る。さらにその際に金属分子の結合を断ち切る作用があるので金属がボロボロに腐食され
てしまう。という保管することすらもやりにくい厄介な物質なわけである

液化しようにも液化に必要なのはマイナス２５０℃というとんでもない低温。どうにも困
りものな水素さんである。その水素さんをどうにか扱いやすくできないか？ということで
現在開発中なのがメタネーションという技術である。こいつはなにかというとメタンガス

これを人工的に合成するもの。原材料は水素と二酸化炭素だ。これがうまくいけばメタン
は現在でも広く使われている天然ガスそのものであるから、天然ガス用のタンクだったり
パイプラインだったり運搬器具だったりがそのまま使用できるわけだぜ

いちおうオマケ要素としては二酸化炭素の削減にもなる。いかに低コストで大量にメタン
化ができるか？という技術開発の勝負だ。これ次第ではいわゆる「水素社会」とやらも実
現性が見えてくると思うのぜ。地中水素とメタネーション、今後に注目！でござるな