中年女性ナスミの死から始まり、彼女の親族、友人など様々な人々との関わりを綴った連作短編集。
一見、ナスミは出来の悪い女性のようだけれど、彼女の死の迎え方、
「窓の外の景色と同じように調和のとれた世界の中で、消えて行きたいと思うだけだ」
後輩へのアドバイス、
「お金にかえられないものを失ったんなら、お金にかえられないもので返すしかない」
等、彼女は信念のある人情味あふれる魅力的な女性ですね。
この物語は、NHKで放送された「富士ファミリー」のプロローグに当たるものらしい。
片桐はいり氏が演じた笑子ばあさんは、個性的だったことを思い出します。
時々涙しながら楽しく読めた物語でした。
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