親の婚活代行？

新聞の書評欄で知ったのだが、「うちの子が結婚しないので」という本が売れているらしい。エンタメ小説で、主人公５７歳の女性、心配の種が２８歳の娘という設定だ。読んでないので作品の感想は書けないけれど、娘の将来が心配だから両親が娘の代わりに婚活するというドタバタを描いたものだとか。

うちにも２４歳の娘がいるが、今のところ結婚のケの字も気配はないし、私たち両親も別に何とも思っていない。もしこれが３５歳の娘だったらどうなのだろう。そろそろ出産も難しい年齢に入ってくるが、親になるのが幸せとも限らない。極端な例で言えば、育児ノイローゼで事件に発展してしまうケースだってある。わが身に照らせば親を体験させてもらい、娘が独立した今ではそこそこ安定。あとは自分たちの老後の心配くらいである。

私らの世代は、特に大学時代の知人に独身が多い。いまだに理由はよくわからないけれど、最近ちょっと羨ましい気もする。夫婦になるということはどうしても依存関係になってしまうし、かといって同時に死ねるわけでもない。下重さんの主張じゃないが、孤独に慣れておかないと悲惨な老後になりかねないのだ。独身だったら、そういう心配はない。よく孤独死がクローズアップされるが、人間の死に孤独も共有もない。といいながら突然、娘から結婚すると伝えられたら新たな心配の種ができるのだろうか。そのときになってみないとわからないというのが正直なところである。